04 東京都

【2025年9月26日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

masashi0025

知事冒頭発言(要約)

1. TIME TO ACTフォーラム2025及びHENCA Tokyo 2025の開催

概要

  • ニュース概要
    • 気候危機対策として、COP30に先立ち、都市の役割を世界に発信する国際会議「TIME TO ACT フォーラム」と、水素の社会実装を目指す「HENCA Tokyo」を10月に開催します。国内外の専門家を招聘し、気候変動対策の議論を加速させます。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 国際社会における都市の役割の重要性が高まる中、気候変動対策を世界的にリードし、都の先進的な取組を強力に発信するためです。
  • 具体的なアクション
    • 2つの国際会議の開催、専門家や各都市代表の招聘、ライブ配信を実施します。
  • 行政側の意図
    • 気候変動対策に関する国際的な議論を主導し、脱炭素化や水素エネルギー実装化の機運を国内外で醸成することを意図しています。
  • 期待される効果
    • 都の国際的なプレゼンス向上と、気候変動対策における都市間・官民連携の強化が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 会議での議論をCOP30に反映させ、具体的な政策や行動に繋げることが課題です。
  • 特別区への示唆
    • 脱炭素化や水素エネルギーの活用は、基礎自治体にとっても重要な課題です。都の動向を注視し、国の補助金制度等を活用しながら、地域特性に応じた再エネ導入や省エネ施策の検討が求められます。

2. 介護支援専門員の活躍支援

概要

  • ニュース概要
    • 介護人材確保のため、資格を持ちながら就業していない「潜在ケアマネジャー」に対し、専門相談窓口の設置や再就職後の奨励金給付を行います。また、中小企業にケアマネジャーを無料で派遣し、仕事と介護の両立(ビジネスケアラー支援)も推進します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 高齢化に伴い介護サービスの要となるケアマネジャーを確保し、介護離職を防止することで、地域包括ケアシステムを維持・強化するためです。
  • 具体的なアクション
    • 潜在ケアマネジャー向け相談窓口設置と奨励金給付、中小企業へのケアマネジャー派遣を行います。
  • 行政側の意図
    • 潜在層の掘り起こしと、企業における介護リテラシー向上を通じて、介護人材の確保と働き続けられる環境整備を両輪で進めることを意図しています。
  • 期待される効果
    • ケアマネジャー不足の緩和と、介護を理由とした離職者の減少が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 制度の周知徹底と、企業側の積極的な活用を促すための働きかけが次のステップです。
  • 特別区への示唆
    • 区内事業所や住民への制度周知が不可欠です。特に中小企業への働きかけを強め、ビジネスケアラー支援の相談窓口を設けるなど、都の施策と連携した独自の支援策を検討することが有効です。

3. Performing Arts Base 2025

概要

  • ニュース概要
    • 「東京舞台芸術祭2025」のメインプログラムとして、演劇やダンス等の多彩な舞台芸術を気軽に楽しめるイベント「Performing Arts Base 2025」を10月2日から5日まで東京国際フォーラムで無料開催します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 芸術文化の裾野を広げ、都民が気軽に優れた舞台芸術に触れる機会を提供することで、心の豊かさと都市の魅力を向上させるためです。
  • 具体的なアクション
    • 複数の舞台芸術作品のショート上演、大道具の仕事体験ワークショップ、相談窓口を設置します。
  • 行政側の意図
    • 舞台芸術への入口を多様化し、鑑賞者だけでなく将来の担い手育成にも繋げることで、芸術文化のエコシステムを活性化させることを意図しています。
  • 期待される効果
    • 新たな観客層の開拓と、芸術文化活動への参加意欲の向上が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • イベントを一過性のものにせず、継続的な芸術鑑賞に繋げるための工夫が求められます。
  • 特別区への示唆
    • 区の文化ホール等を活用し、都のイベントと連携した小規模な公演やワークショップを開催することで、住民がより身近に芸術文化に親しむ機会を創出できる可能性があります。

4. 多摩地域の魅力発信

概要

  • ニュース概要
    • 多摩地域の魅力を発信するため、スタジオジブリのアニメーション作品「平成狸合戦ぽんぽこ」と連携し、キャラクターをデザインしたラッピングモノレールを10月17日から運行します。車内広告やスタンプラリーも実施します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 自然豊かな多摩地域のブランドイメージを向上させ、観光客誘致と地域活性化を図るためです。特に子育て世代からの人気をさらに高める狙いがあります。
  • 具体的なアクション
    • 「平成狸合戦ぽんぽこ」のイラストを活用した多摩モノレールのラッピング、車内広告ジャック、スタンプラリーを実施します。
  • 行政側の意図
    • 人気アニメ作品との連携により、幅広い層への訴求力を高め、多摩地域への関心と来訪意欲を喚起することを意図しています。
  • 期待される効果
    • 多摩モノレール沿線地域への来訪者増加と、地域の魅力の再発見が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 来訪者を沿線だけでなく多摩地域全体へ周遊させるための仕組みづくりが課題となります。
  • 特別区への示唆
    • 地域の歴史や文化、キャラクター等と民間事業者を結びつけることで、費用対効果の高い魅力発信が可能です。地域資源の掘り起こしと連携先の検討が重要です。

質疑応答(要約)

  • OECDチャンピオン・メイヤーズ副議長就任
    • 女性・子供分野担当の副議長として、OECDのネットワークを活用し、都の先進施策を世界に発信し、都市間連携を進めていく意欲を示しました。
  • 都内の火葬場の問題
    • 指導監督権限は区市町村にあるとしつつ、連携して国に法改正を求めていく方針です。公営火葬場の増設は、まず実態を精緻に把握することが先決としました。
  • 利子割の問題
    • 預貯金の利子割について都が独自調査を実施。国が行うべきという姿勢を示しつつ、税制のあるべき姿に向けて丁寧な議論を国に働きかけていく考えです。
  • 特別会計の中の消費税の問題
    • 長年の申告漏れを遺憾とし、全庁的な詳細点検と監察の実施を指示しました。原因究明と組織マネジメント上の課題見直しにより、再発防止と信頼回復に努めます。
  • 無電柱化の取組
    • 都道では進展が見られるとし、今後は宅地開発に関する条例制定により、私有地の無電柱化も促す考えです。土地の価値向上にも繋がるとの期待を述べました。
  • 都内の水産業
    • デジタル技術を活用した陸上養殖や、神津島でのチョウザメ養殖による「東京産キャビア」への挑戦に言及。技術革新による水産業の新たな展開に期待を示しました。
  • JICAのホームタウン構想
    • 構想の撤回はJICAの判断であると述べるにとどめました。エジプトとの合意書については、引き続き正しい情報を丁寧に伝えていくとしました。
  • 100歳になる都民へのメッセージ
    • 100歳を迎える都民への祝意を述べ、元気な高齢者の活躍は都民の励みになるとし、都が目指す「アクティブChōju社会」の実現への思いを語りました。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年9月26日)

ABOUT ME
行政情報ポータル
行政情報ポータル
あらゆる行政情報を分野別に構造化
行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。
記事URLをコピーしました