04 東京都

【2025年9月5日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

masashi0025

東京グローバル・パスポート

概要

  • ニュース概要
    • 東京都は、大学生などを対象とした都独自の海外留学支援制度「東京グローバル・パスポート(愛称:グローパス)」を新たに開始します。世界の情勢がめまぐるしく変化する中、若者がグローバルな視点を持つことを後押しするもので、所得制限は設けません。留学期間に応じた短期・中長期の2コースが用意され、留学費用の一部が支援されます。募集は12月頃に開始される予定です。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • これからの未来を担う若者が、学生のうちに海外での学びや体験を通じて自らの可能性を広げ、将来グローバルに活躍する人材となることを促進するためです。
  • 具体的なアクション
    • 留学期間に応じて短期で最大90万円、中長期で最大315万円の費用を支援します。
  • 行政側の意図
    • 円安などの影響で高騰する留学費用負担を軽減することで、意欲ある若者が海外留学へ踏み出す第一歩を後押しし、グローバル人材の育成を図る狙いです。
  • 期待される効果
    • 都内の若者の海外留学への挑戦が促進され、東京の将来的な国際競争力の強化に繋がることが期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • より多くの学生に制度を活用してもらうための広報・周知活動と、留学後の経験を社会に還元する仕組み作りが求められます。
  • 特別区への示唆
    • 区内在住・在学の学生に対し、本制度を積極的に周知することが重要です。区が独自に行う奨学金制度との連携や、留学経験を持つ社会人や学生を招いたセミナーを企画することで、若者の海外への関心を高め、具体的な行動を後押しする施策が考えられます。帰国後の学生が地域コミュニティで経験を共有する場の提供も有効です。

ふくし・保育の資格で輝く!応援プロジェクト

概要

  • ニュース概要
    • 介護や保育などの資格を持ちながら、現在その分野で働いていない「潜在的有資格者」の再就職を支援する「ふくし・保育の資格で輝く!応援プロジェクト(愛称:ふくほ輝きプロジェクト)」を開始します。福祉情報サイト「ふくむすび」への登録を通じて、就職支援アドバイザーによるマッチング支援や無料のリスキリング研修、東京ポイントの付与といったサポートが提供されます。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 社会全体で人手不足が深刻化する中、特に慢性的な人材不足に悩む介護・保育分野において、資格を持つ人材の再就職を促し、人材を確保するためです。
  • 具体的なアクション
    • 専門アドバイザーによるマッチング支援や、現場の最新情報が学べる無料のリスキリング研修を実施します。
  • 行政側の意図
    • 働く意欲のある有資格者と人手を求める福祉・保育現場を結びつけることで、人材の有効活用を図り、福祉サービスの安定供給を維持・向上させることが狙いです。
  • 期待される効果
    • 潜在的有資格者の職場復帰を促進し、福祉・保育分野における人材不足の緩和が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 対象となる潜在的有資格者へいかに情報を届け、登録を促すかが課題です。職場復帰後の定着支援も重要となります。
  • 特別区への示唆
    • 区内の福祉施設や保育所の人材確保は喫緊の課題であり、本プロジェクトとの連携は非常に有効です。区報やウェブサイト、関連施設等で積極的に広報し、区独自の就職相談会を開催することで、区内の潜在的有資格者の掘り起こしが期待できます。また、職場復帰後の悩み相談など、きめ細やかな定着支援策を検討することも重要です。

海上公園50周年関連イベント

概要

  • ニュース概要
    • 1975年の開園から50周年を迎える海上公園の魅力を広く発信するため、様々な記念イベントが展開されます。その第一弾として、晴海橋公園にある歴史的価値の高い旧晴海鉄道橋が遊歩道としてリニューアルされ、夜間にはライトアップも行われます。また、お台場では花びらで絵を描く「インフィオラータ」のイベントも開催予定です。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 都民に海や自然とのふれあいの場を提供してきた海上公園の節目を機に、その魅力を再認識してもらい、臨海部のさらなる活性化に繋げるためです。
  • 具体的なアクション
    • 歴史的価値のある旧晴海鉄道橋を遊歩道として整備・公開し、民間企業とも連携したイベントを開催します。
  • 行政側の意図
    • 歴史的建造物の保存と活用を両立させるとともに、近隣に新設されるアリーナなど民間施設とも連携することで、新たな賑わいを創出し、臨海エリアへの誘客を促進します。
  • 期待される効果
    • 都民の公園利用が促進され、臨海エリア全体の回遊性向上とブランドイメージの向上が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • イベントを一過性のものに終わらせず、継続的な情報発信を通じて、持続的な賑わいを創出していくことが求められます。
  • 特別区への示唆
    • 臨海部に面する区では、都の事業と連携した地域活性化策が考えられます。区内の公園や公共空間、歴史的建造物を活用したイベントを企画する際の参考になります。また、周辺の商業施設や交通機関と連携した周遊企画を立案することで、エリア全体の魅力を高めることができます。

質疑応答(要約)

  • 海外留学支援への期待
    • 海外での学びや交流は、自身の世界を広げ、日本の常識が世界の常識ではないと知る良い機会となる。今回開始する「グローパス」を多くの若者に活用してほしい。
  • 日暮里・舎人ライナーの混雑対策
    • これまでの車両増強などの対策に加え、足立区からの要望を受け、都と同区で合意の上、平日の朝ラッシュ時にバスを並走させる混雑緩和の実証実験を行う。
  • 伊豆大島のキョンの捕獲と利活用
    • 農作物や生態系への被害が深刻なため、早期根絶を目指す。銃器が使えない市街地での捕獲を強化するため、報奨金制度を導入し、島全体での捕獲機運を高めたい。ジビエ活用は採算性の面で課題がある。
  • Googleマップ上の表記書き換え問題
    • 都庁第二本庁舎の施設名が書き換えられた件について、管理者として正しい名称が表示されるように対応している。
  • 米国の自動車関税引き下げについて
    • 最終的に税率が15%となったが、関連事業者の不安は大きかったはず。国には信頼に基づく日米関係の構築を期待する。都としても中小企業への影響を注視し、国と連携していく。
  • 中国の軍事パレードと日本の安全保障環境
    • 世界が分断に向かっていることに懸念を示す。国民の生命と財産を守る観点から、日米関係やクアッドなど、国家間の連携がますます重要になっていると認識している。
  • 燃料電池タクシーの普及について
    • エネルギー安全保障上、水素は多様な選択肢の一つとして重要。コスト等の課題はあるが、日本の技術力を活かせるよう、都として後押ししていきたい。
  • IR(統合型リゾート)誘致について
    • メリット・デメリットの両面から総合的に検討しているという従来のスタンスに変更はない。
  • 世界陸上のガバナンスとレガシー
    • 東京2020大会の教訓を活かし、都が定めた指針に基づきガバナンスを確保しながら準備が進められている。公正な大会運営は、今後の大規模スポーツイベントのレガシーとなることを期待する。
  • お台場の噴水(ODAIBAファウンテン)について
    • 新たにできるアリーナと共に、お台場のランドマークとなり、湾岸エリアの可能性を広げることを期待している。世界へのアピールや、都民・子どもたちが楽しめるスポットになってほしい。
  • エジプトとの雇用協力に関する覚書について
    • SNS上の投稿の真偽は不明としながら、この覚書はエジプトで実施される日本での雇用に必要な研修等について、都が助言や情報提供を行うことを目的としたものであると説明した。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年9月5日)

ABOUT ME
行政情報ポータル
行政情報ポータル
あらゆる行政情報を分野別に構造化
行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。
記事URLをコピーしました