04 東京都

【2025年7月11日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

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1. 大雨への対応と注意喚起

概要

  • ニュース概要
    • 昨日の記録的短時間大雨に対し、都が情報連絡体制を構築し注意喚起を行いました。環七地下調節池等が有効に機能し大規模な被害を防いだ一方、アンダーパスで車両の立ち往生が発生したため、豪雨時の通行自粛を改めて強く呼びかけました。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 頻発・激甚化する集中豪雨から都民の生命・財産を守るため、ハード・ソフト両面での対策が不可欠であるためです。
  • 具体的なアクション
    • 調節池による治水対策の推進と、SNSや報道を通じた都民へのリアルタイムな情報提供及び注意喚起を行いました。
  • 行政側の意図
    • ハード対策の有効性を示すと共に、自助・共助の重要性を都民に伝え、危険回避行動を促すことを意図しています。
  • 期待される効果
    • 都民の防災意識向上と、水害による人的・物的被害の最小化が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • これまでの想定を超える豪雨への対応や、調節池の延伸、地下河川計画の着実な推進が求められます。
  • 特別区への示唆
    • 都との連携を密にし、地域住民へハザードマップの再周知や避難情報の伝達訓練を行うことが重要です。特に、区が管理するアンダーパスや浸水危険箇所について、リアルタイムな情報提供と交通規制の迅速な判断・実行体制を再確認する必要があります。

2. 暑さ対策の強化

概要

  • ニュース概要
    • 都内で今年初の熱中症警戒アラートが発表されたことを受け、特に高齢者が自宅など屋内で発症するケースが多い実態を指摘しました。屋内での対策の重要性を伝える新動画を公開し、エアコンの適切な使用やクーリングシェルターの活用を呼びかけています。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 猛暑による健康被害、特に高齢者の屋内での熱中症リスクから都民の命を守るためです。
  • 具体的なアクション
    • 屋内での熱中症対策をテーマにした啓発動画を作成し、テレビCMやSNSで広報展開します。
  • 行政側の意図
    • 屋外だけでなく、屋内での対策の重要性への気づきを促し、エアコン使用をためらわない等の行動変容を意図しています。
  • 期待される効果
    • 都民、特に高齢者の熱中症罹患率の低下と、救急搬送件数の抑制が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • エアコン未設置世帯や電気代を懸念する層への支援、クーリングシェルターの認知度向上と利用促進が課題です。
  • 特別区への示唆
    • 区の広報媒体で都の動画や情報を積極的に発信し、区民への注意喚起を徹底することが求められます。また、区有施設をクーリングシェルターとして開放する際の周知方法や、地域の民生委員・児童委員と連携した高齢者への声かけ活動の強化が有効です。

3. 教育に関する子供・若者支援

概要

  • ニュース概要
    • 家庭の経済状況に関わらず安心して学べる環境を整備するため、教育費負担軽減策を推進しています。所得制限を撤廃した都立・私立高校授業料支援と、私立学校教員向けの奨学金返還支援について、7月の申請期間に合わせて改めて周知を行いました。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 少子化対策及び次世代育成の観点から、教育の機会均等を保障し、経済的理由による進学断念等を防ぐためです。
  • 具体的なアクション
    • 都立・私立高校授業料支援及び、教員向け奨学金返還支援の申請を7月に集中的に受け付けます。
  • 行政側の意図
    • 支援制度の周知徹底と申請漏れを防止すると共に、教員の奨学金返還を支援することで教育現場の人材確保を図ります。
  • 期待される効果
    • 子育て世帯の教育費負担軽減と、質の高い教員の確保による教育環境の向上が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 制度の継続的な周知と、オンライン申請に不慣れな層へのサポート体制の構築が課題となります。
  • 特別区への示唆
    • 区内の該当する家庭や学生に対して、都の支援制度を積極的に案内することが重要です。区の広報媒体や、学校・PTA等と連携した情報提供が効果的です。また、区独自の奨学金制度や学習支援事業と連携させ、切れ目のない支援体制を構築することも考えられます。

4. 知事と議論する会

概要

  • ニュース概要
    • 子供・若者目線の施策推進のため、高校生から政策提案を募る「知事と議論する会」を12月25日に開催します。今年のテーマは「AIなどのデジタルで叶えたい『未来の東京』」とし、提案チームの募集を9月16日まで行うことを発表しました。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 若者の行政参加を促し、当事者である彼らの斬新な視点やアイデアを政策に反映させるためです。
  • 具体的なアクション
    • イベントのテーマ設定と開催日を告知し、参加する高校生チームの公募を開始します。
  • 行政側の意図
    • 若い世代の政治・行政への関心を高めるとともに、AI等の最新技術を活用した未来志向の政策の種を発掘することを意図しています。
  • 期待される効果
    • 若者の参画による新たな政策アイデアの創出と、次世代のリーダー育成が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • より多くの高校生に参加を促すための広報活動と、提案されたアイデアの実現に向けた具体的なフォローアップが求められます。
  • 特別区への示唆
    • 区内の高校へ本イベントを積極的に周知し、参加を奨励することが望ましいです。また、区レベルでも同様に若者の意見を聴取する場(区長と語る会など)を設け、地域の課題解決に若者の視点を取り入れることで、より実効性のある施策展開が期待できます。

5. 自転車関連イベントの推進

概要

  • ニュース概要
    • 国際ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」と、市民参加型イベント「レインボーライド2025」の開催を発表しました。「レインボーライド」ではコースを一部リニューアルし、参加者募集を開始。自転車の魅力発信と健康増進を図ります。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • スポーツツーリズムの推進による地域活性化と、都民の健康増進や環境負荷の低い移動手段としての自転車利用を促進するためです。
  • 具体的なアクション
    • 国際ロードレースの開催と、大規模な市民参加型サイクリングイベントの参加者を募集します。
  • 行政側の意図
    • 競技と市民参加型イベントを両輪で開催することで、自転車文化の裾野を広げ、「自転車=東京」のイメージ定着を図ります。
  • 期待される効果
    • 都内でのスポーツ機運の醸成、多摩地域や臨海部の活性化、都民の健康意識向上が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • イベント開催時の交通規制等に関する地域住民の理解促進と、日常的な自転車走行環境の安全性向上が課題です。
  • 特別区への示唆
    • 区民の健康増進やレクリエーションの機会として情報を広く周知することが有益です。また、区内のサイクリングロード整備やシェアサイクル事業推進など、日常的な自転車利用環境の向上に繋げる視点も重要となります。

6. 人気アニメを活用したイベント

概要

  • ニュース概要
    • アニメ東京ステーションでの「SPY×FAMILY」企画展開催と、都内全区市町村を対象とした「TOKYOデザインマンホールデジタルラリー」の開始を発表しました。ポップカルチャーを活用し、都内周遊と観光振興を促進します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 東京の強みであるアニメ等のコンテンツパワーを活用し、国内外からの観光客誘致と都内各地への周遊を促進するためです。
  • 具体的なアクション
    • 人気アニメの企画展開催と、デザインマンホールを巡る全区市町村参加型のデジタルラリーを実施します。
  • 行政側の意図
    • 若者やファミリー層をターゲットに新たな観光の楽しみ方を提案し、これまで訪れる機会の少なかった地域へも人の流れを創出します。
  • 期待される効果
    • 東京のブランドイメージ向上、観光消費額の増加、および地域経済の活性化が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • デジタルラリー参加促進に向けた継続的なプロモーションと、マンホール設置場所周辺の受け入れ環境整備が求められます。
  • 特別区への示唆
    • デジタルラリーのスポットとなっている区では、その場所を核とした地域周遊の仕掛け(周辺商店街との連携など)を検討することが有効です。区の魅力発信の機会と捉え、SNS等を活用して積極的に情報発信し、来訪者の満足度を高める工夫が求められます。

質疑応答(要約)

  • 米国の対日輸入品関税
    • 国に対し粘り強い交渉や事業者支援を期待すると表明。都としても、当初から都内企業への影響を注視しており、国と連携しながら必要な対策を講じていく考えを示しました。
  • 参院選の争点(外国人規制)
    • ヘイトスピーチや排他主義につながることへの危険性を指摘。一方で、ごみの出し方などの身近な問題から不安を抱く人がいることにも言及し、共生していくためのルールを都として伝えていく重要性を述べました。
  • 参院選での応援演説
    • 女性議員として活躍してきた森まさこ氏を長年の友人として応援する考えを説明。政権与党とはこれまでも連携してきたとし、優れた女性議員を後押ししていきたいと述べました。
  • 高校野球の熱中症対策
    • 時間帯の選択、水分補給の徹底、休憩時間の確保などの対策を求めました。また、体調管理デバイスの活用や、試合ルールの工夫、日よけ技術の革新など、総合的な対策の必要性を示しました。
  • 大雨対策(地下調節池、地下河川計画)
    • 昨日の大雨で地下調節池が有効に機能したと評価。今後は調節池の延伸に加え、複数の調節池を連結して東京湾へ直接放流する「地下の川」計画も進めていく意向を示しました。
  • 大雨対策(気候変動、マンホール)
    • 従来を上回る降雨が常態化していると危機感を示し、「備えよ、常に」の精神で、これまでの基準を超える事態を念頭に強靭化を進める必要があると述べました。なお、マンホールについては構造的な工夫により今回は飛散被害がなかったと報告しました。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年7月11日)

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