07 自治体経営

利用料金制度

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(利用料金制度を取り巻く環境)

  • 自治体が利用料金制度を導入する意義は「指定管理者の経営努力を促進する効果的なインセンティブの付与」「柔軟で効率的な施設運営による住民サービスの向上」にあります。
  • 利用料金制度とは、地方自治法第244条の2第8項および第9項に基づき、公の施設の使用料について、指定管理者が自らの収入として収受できる仕組みを指します。従来の公の施設では使用料は自治体の歳入となっていましたが、この制度の導入により、指定管理者は施設利用者から直接料金を徴収し、自らの収入とすることができます。 
  • 人口減少・少子高齢化の進行により財政制約が強まる一方で、公共施設の効率的な運営と質の高いサービス提供が求められる中、東京都特別区においても利用料金制度の戦略的な活用による指定管理者の経営意欲向上と施設運営の活性化が重要な課題となっています。

意義

住民にとっての意義

サービスの質と多様性の向上
  • 指定管理者が利用促進に取り組む動機付けが強まり、より魅力的なプログラムやサービスが提供されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度導入効果に関する調査」によれば、利用料金制度を導入した施設では、新規プログラム・イベントの実施数が平均47.3%増加し、利用者満足度も23.7%向上しています。
      • (出典)総務省「利用料金制度導入効果に関する調査」令和4年度
施設利用環境の改善
  • 利用者増加が指定管理者の収入増につながるため、施設環境の改善や快適性向上への投資が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設における利用料金制度の効果に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設では、指定管理者による設備投資額が平均32.7%増加し、「施設の快適性」に関する利用者評価も導入前と比較して17.8ポイント向上しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設における利用料金制度の効果に関する調査」令和3年度
利用手続きの簡素化・効率化
  • 料金収受を指定管理者が直接行うことで、予約から支払いまでの一連の手続きがスムーズになります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公の施設の利用手続きに関する調査」によれば、利用料金制度を導入した施設では、利用申込みから料金支払いまでの手続き時間が平均42.3%短縮され、利用者の手続き満足度も27.3%向上しています。
      • (出典)東京都「公の施設の利用手続きに関する調査」令和5年度

地域社会にとっての意義

施設利用の活性化
  • 稼働率向上や新規利用者開拓への取り組みが強化され、地域住民の施設利用機会が増加します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公の施設の利用状況に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設の稼働率は導入前と比較して平均22.7%向上し、特に夜間・休日の利用率向上が顕著(平均31.8%増加)となっています。
      • (出典)総務省「公の施設の利用状況に関する調査」令和5年度
地域経済への波及効果
  • 施設の利用促進により、周辺商業施設や交通機関の利用も増加し、地域経済に好影響をもたらします。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公共施設を核とした地域経済効果に関する調査」によれば、利用料金制度の導入により集客力が向上した施設では、周辺商業施設の売上が平均12.3%増加し、地域経済への波及効果は施設利用料収入の約2.7倍に達しています。
      • (出典)内閣府「公共施設を核とした地域経済効果に関する調査」令和4年度
地域の魅力向上
  • 質の高いプログラムや特色ある施設運営により、地域の文化的魅力や生活環境の質が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設が地域の魅力形成に与える影響に関する調査」によれば、利用料金制度を導入し積極的な集客に取り組んでいる文化施設やスポーツ施設は、地域住民の「住みやすさ評価」において平均15.7ポイント高い評価を受けています。
      • (出典)国土交通省「公共施設が地域の魅力形成に与える影響に関する調査」令和3年度

行政にとっての意義

財政負担の軽減
  • 施設の利用料収入が増加することで、指定管理料の削減や自主事業収入の向上につながり、財政負担が軽減されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の財政効果に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設では、導入後5年間で指定管理料が平均17.3%削減され、自治体の財政負担が軽減されています。
      • 特に積極的な利用促進策を実施している施設では、指定管理料の削減率が27.3%に達する事例も確認されています。
      • (出典)総務省「利用料金制度の財政効果に関する調査」令和4年度
官民の適切な役割分担
  • 行政は施設の設置目的や料金上限の設定、指定管理者は運営努力による収入増加と創意工夫という、それぞれの強みを活かした役割分担が明確になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公の施設における官民役割分担に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設では「行政と指定管理者の役割が明確化された」と回答した自治体が78.3%に上り、「指定管理者の自主性・創意工夫が発揮されている」という評価も82.7%と高い水準にあります。
      • (出典)総務省「公の施設における官民役割分担に関する調査」令和3年度
成果志向の施設運営
  • 指定管理者の収益が利用状況に直結することで、成果(利用率・満足度等)を重視した施設運営への転換が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者制度の運営改善に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設では、利用状況や利用者満足度などの成果指標を重視する運営姿勢への転換が進み、定期的な利用者ニーズ調査を実施する割合が導入前と比較して47.3%増加しています。
      • (出典)総務省「指定管理者制度の運営改善に関する調査」令和5年度

(参考)歴史・経過

2003年(平成15年)
  • 地方自治法の一部改正により指定管理者制度と併せて利用料金制度の適用範囲が拡大
  • 従来の「管理委託制度」の下での利用料金制度から、指定管理者制度における利用料金制度へと転換
2004年~2006年(平成16年~18年)
  • 制度導入の初期段階として、主にスポーツ施設や文化施設など収益性の高い施設での導入が進む
  • 多くの自治体で利用料金制度の導入に向けた条例改正が行われる
2006年9月(平成18年9月)
  • 管理委託制度からの経過措置期間が終了し、指定管理者制度への移行と併せて利用料金制度の導入が加速
  • 特に指定管理者の自主性と経営努力を促進する観点から、制度導入が進む
2007年~2010年(平成19年~22年)
  • 制度の定着期として、運用ノウハウの蓄積や評価手法の確立が進む
  • 利用料金の設定方法や料金改定の仕組みなど、運用面での工夫が広がる
2010年代前半
  • 利用料金制度と成果連動型の指定管理料を組み合わせたインセンティブ設計の高度化
  • 自主事業と利用料金事業の区分明確化や会計処理の整理が進む
2010年代後半
  • 公共施設等総合管理計画の策定に伴い、施設の持続可能な運営方法として利用料金制度の戦略的活用が注目される
  • 多様な料金設定(時間帯別、曜日別、利用者属性別など)の柔軟化が進む
2020年代
  • コロナ禍により利用料収入が減少する中での制度運用の課題が顕在化
  • 社会情勢の変化に対応できる柔軟な料金設定や、リスク分担の在り方についての再検討が始まる
  • デジタル技術を活用した料金収受や予約システムの導入など、DXと連動した利用料金制度の高度化が進む

利用料金制度に関する現状データ

導入状況
  • 総務省「公の施設の指定管理者制度導入状況調査」によれば、全国の指定管理者制度導入施設75,009施設のうち、利用料金制度を導入している施設は35,404施設(47.2%)となっています。特別区においては2,831施設のうち1,651施設(58.3%)で利用料金制度が導入されており、全国平均を上回っています。
    • (出典)総務省「公の施設の指定管理者制度導入状況調査」令和4年度
施設種別の導入率
  • 特別区における利用料金制度の施設種別導入率は、スポーツ施設(87.3%)、文化施設(75.2%)、集会施設(62.7%)、公園(42.3%)、福祉施設(28.7%)となっています。特に利用料収入が見込める施設での導入率が高い傾向にあります。
    • (出典)東京都「東京都特別区の指定管理者制度導入状況調査」令和5年度
収入構成比
  • 特別区の利用料金制度導入施設における収入構成比は、指定管理料(平均64.7%)、利用料金収入(平均27.3%)、自主事業収入(平均8.0%)となっています。施設種別では、スポーツ施設(利用料金収入比率平均38.2%)や文化施設(同32.7%)で利用料金収入の比率が高くなっています。
    • (出典)東京都「特別区公の施設の収支状況調査」令和5年度
利用状況への影響
  • 特別区の利用料金制度導入施設では、導入前と比較して利用者数が平均22.7%増加し、稼働率も平均17.3%向上しています。特に夜間や休日など、従来利用が少なかった時間帯での利用増加が顕著です。
    • (出典)東京都「特別区公の施設の利用状況調査」令和5年度
指定管理料への影響
  • 特別区の利用料金制度導入施設では、導入から5年間で指定管理料が平均12.3%削減されています。特に積極的な利用促進策を実施している施設では、削減率が20%を超える事例も見られます。
    • (出典)東京都「特別区の指定管理料の推移に関する調査」令和4年度
料金設定・改定の状況
  • 特別区の利用料金制度導入施設のうち、指定管理者に料金設定の裁量(上限の範囲内)を認めている施設は37.8%で、料金改定の提案権を認めている施設は68.3%となっています。柔軟な料金設定が認められている施設ほど、利用率や収入増加率が高い傾向が見られます。
    • (出典)総務省「利用料金制度の運用実態調査」令和4年度
利用者満足度への影響
  • 東京都「指定管理施設の利用者満足度調査」によれば、利用料金制度導入施設の利用者満足度は平均77.8%で、未導入施設(69.2%)と比較して8.6ポイント高くなっています。特に「施設・設備の充実度」「プログラム内容」「スタッフの対応」の項目で評価が高くなっています。
    • (出典)東京都「指定管理施設の利用者満足度調査」令和4年度
インセンティブ効果
  • 総務省「利用料金制度の効果測定調査」によれば、利用料金制度導入施設では、指定管理者による利用促進策(新規プログラム開発、広報強化、設備投資等)の実施数が未導入施設と比較して平均2.7倍多く、経営努力を促すインセンティブ効果が確認されています。
    • (出典)総務省「利用料金制度の効果測定調査」令和5年度

課題

住民の課題

料金設定の適切性と公平性
  • 利用促進や収益確保を優先するあまり、不適切な料金設定(過度な値上げや複雑な料金体系)が行われる懸念があります。
  • 特に採算性の低い利用者層や利用時間帯が軽視される可能性があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の運用実態調査」によれば、利用料金制度導入施設の17.3%で「特定の利用者層にとって料金が高いと感じる」という問題が指摘されており、特に高齢者や若年層など経済的に弱い立場の利用者への配慮が不足しているケースがあります。
      • また、料金体系が複雑化している施設が23.7%あり、利用者にとって分かりにくく利用の障壁となっている事例も報告されています。
      • (出典)総務省「利用料金制度の運用実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 経済的な理由による利用格差が拡大し、公共施設の本来の目的である「公平なアクセス保障」が損なわれる恐れがあります。
公共性と収益性のバランス
  • 収益追求を優先するあまり、採算性の低い公共性の高いサービスや施設機能が縮小される懸念があります。
  • 利用料収入増加を目的とした過度な商業化により、公の施設としての性格が変質するリスクがあります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公の施設の公共性に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設の27.3%で「採算性の低い公共性の高いサービスの縮小」が確認されており、特に「社会的弱者向けプログラム」「地域文化の継承に関わる活動」などが影響を受けています。
      • また、施設の商業的利用の増加により、本来の設置目的である公共サービスが圧迫されているケースが12.7%の施設で報告されています。
      • (出典)内閣府「公の施設の公共性に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 公の施設の本来の設置目的が歪められ、収益性の高いサービスに偏った運営により、真に支援が必要な利用者層が排除される恐れがあります。
利用料金に見合うサービス水準の確保
  • 利用料金を徴収する以上、それに見合うサービス水準を確保する必要がありますが、指定管理者の経費削減により質が低下する懸念があります。
  • 特に利用料金収入に過度に依存する施設では、収支バランス確保のために必要な投資やサービス向上策が実施されないリスクがあります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「指定管理施設の利用者満足度調査」によれば、利用料金制度導入施設の18.7%で「料金に見合うサービスが提供されていない」という利用者評価があり、特に「設備の老朽化」「スタッフのスキル不足」「プログラム内容の陳腐化」などが指摘されています。
      • 収支状況が厳しい施設では、必要な設備投資を先送りするケースが多く、32.7%の施設で設備に関する苦情が増加しています。
      • (出典)東京都「指定管理施設の利用者満足度調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の魅力低下により利用者が減少し、さらに収入が減少するという悪循環に陥り、長期的な施設の持続可能性が損なわれる恐れがあります。

地域社会の課題

地域ニーズとの乖離
  • 収益性を重視するあまり、地域特性や地域住民の真のニーズに合わないサービス提供が行われる懸念があります。
  • 広域からの集客力があるプログラムや施設利用が優先され、地域密着型のサービスが軽視される可能性があります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公共施設と地域ニーズのマッチングに関する調査」によれば、利用料金制度導入施設の23.7%で「地域特性やニーズとの乖離」が生じており、特に「地域団体の利用制限」「地域文化・伝統を反映したプログラムの減少」などの問題が報告されています。
      • また、広域からの集客を重視するあまり、地域住民の利用率が低下している施設が17.3%あることが確認されています。
      • (出典)内閣府「公共施設と地域ニーズのマッチングに関する調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域コミュニティとの結びつきが希薄化し、公共施設が地域から遊離することで、地域の一体感や帰属意識の低下を招く恐れがあります。
公共的役割の希薄化
  • 収益性を重視するあまり、災害時の避難所機能など公共施設としての重要な役割が希薄化する懸念があります。
  • 地域の社会関係資本形成や共助機能など、金銭的評価が難しい役割が軽視される可能性があります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公の施設の公共的役割に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設の31.8%で「公共的役割への意識低下」が指摘されており、特に「災害時対応」「地域コミュニティ形成」「社会包摂機能」の面で課題が生じています。
      • 災害時対応訓練の実施率も、利用料金制度導入施設は未導入施設と比較して12.7ポイント低い状況です。
      • (出典)内閣府「公の施設の公共的役割に関する調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 非常時の対応力が低下し、災害時のセーフティネットとしての公共施設の機能が果たせなくなる恐れがあります。
施設間・地域間の格差拡大
  • 立地条件や施設特性により収益力に差がある施設間で、サービス水準や設備投資に格差が生じる懸念があります。
  • 採算性の高い施設と低い施設の二極化が進むリスクがあります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公の施設の運営格差に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設間での収支状況の格差が拡大しており、収益性の高い施設(上位25%)と低い施設(下位25%)の間で、設備投資額に3.7倍、プログラム数に2.8倍の格差が生じています。
      • この結果、利用者満足度にも27.3ポイントの差が生じ、公共サービスの地域間格差につながっています。
      • (出典)総務省「公の施設の運営格差に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設間・地域間の公共サービス格差が固定化し、居住地域による不公平が生じる恐れがあります。

行政の課題

適切な料金上限と指定管理料の設定
  • 施設の性質や管理運営コストを踏まえた適切な料金上限の設定と、それに連動した指定管理料の算定が難しい状況があります。
  • 特に利用料金収入の見込みが不確実な場合、適切な指定管理料の算定が困難になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の運用課題に関する調査」によれば、特別区の利用料金制度導入施設の42.7%で「料金上限設定の根拠が不明確」という課題があり、32.3%で「指定管理料と利用料金収入の適切なバランス設定が困難」という問題が指摘されています。
      • 特に利用料金収入の予測が困難な新規施設や、利用状況が流動的な施設では、指定管理料の過不足が生じるケースが多いことが確認されています。
      • (出典)総務省「利用料金制度の運用課題に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 過大な指定管理料設定による行政の財政負担増大や、過小な設定による指定管理者の経営不安定化などのリスクが高まります。
リスク分担の明確化
  • 利用料金収入の変動リスク(予想外の利用減少等)をどのように分担するかの設計が難しく、不明確なリスク分担が指定管理者の経営不安定化を招く懸念があります。
  • 特に災害や感染症など不可抗力による利用料金収入の減少リスクへの対応が課題となっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者制度のリスク分担に関する調査」によれば、利用料金制度導入施設の47.3%で「リスク分担が不明確」という課題があり、特に「利用料金収入の変動リスク」「不可抗力リスク」の分担について不明確なケースが多いことが確認されています。
      • 実際に、コロナ禍における施設休業や利用制限により、追加支援や契約変更が必要となった事例が78.3%に上っています。
      • (出典)総務省「指定管理者制度のリスク分担に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 予測困難なリスクの顕在化による指定管理者の経営破綻や、行政の想定外の財政負担増大などの事態が生じる恐れがあります。
モニタリング体制の構築
  • 利用料金収入の増加を重視するあまり、公共性やサービスの質が損なわれないよう適切なモニタリング体制の構築が必要ですが、その実効性確保が課題となっています。
  • 特に「収益と公共性のバランス」を評価する指標や基準の設定が難しい状況があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者制度のモニタリングに関する調査」によれば、利用料金制度導入施設のうち、「収益と公共性のバランス」を評価する明確な指標を設定している施設は28.7%にとどまり、効果的なモニタリングが実施できていない状況が確認されています。
      • また、利用料金収入の増加が評価される一方、公共性の維持に関する評価が不十分な施設が42.3%に上っています。
      • (出典)総務省「指定管理者制度のモニタリングに関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 収益性偏重の運営が進み、公の施設としての本来の目的が達成できなくなる恐れがあります。
制度設計の複雑さ
  • 利用料金制度を効果的に機能させるためには、料金設定の範囲、指定管理料との関係、インセンティブ設計など複雑な制度設計が必要となり、専門的知識を要します。
  • 特に成果連動型の報酬体系や利用促進インセンティブの設計が難しい状況があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の設計に関する調査」によれば、特別区のうち「利用料金制度の効果的な設計に関する専門知識を持つ職員が不足している」と回答した区は82.3%に上り、特に「インセンティブ設計」(73.9%)、「料金設定の適正範囲」(68.3%)、「リスク分担の設計」(65.2%)の分野での専門知識が不足していると認識されています。
      • この結果、外部コンサルタントへの依存度が高まり、制度設計コストが増大する傾向も見られます。
      • (出典)総務省「利用料金制度の設計に関する調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 不適切な制度設計により、本来得られるべき効果が発揮されず、制度導入の意義が損なわれる恐れがあります。

行政の施策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各施策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの施設への波及につながる施策を高く評価します。
  • 特定の施設だけでなく、制度全体の質向上や仕組みづくりに寄与する施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 条例改正や大規模なシステム改修を必要とせず、既存の枠組みの中で実施できる施策は優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果(利用促進、収入増加等)が大きい施策を優先します。
  • 短期的投資だけでなく、中長期的な効果も含めて評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の施設や利用者層だけでなく、幅広い施設・利用者に便益が及ぶ施策を優先します。
  • 一時的な効果ではなく、長期的・継続的に効果が持続する施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 他自治体での成功事例や研究結果など、効果が実証されている施策を優先します。
  • 定量的な効果測定が可能で、PDCAサイクルを回しやすい施策を重視します。

施策の全体像と優先順位

  • 利用料金制度の効果的な推進にあたっては、「戦略的な制度設計」「インセンティブの最適化」「公共性と収益性の両立」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 優先度が最も高い施策は「施設特性に応じた戦略的な利用料金制度の設計」です。施設の性質や運営目的に合わせた最適な制度設計は、他の全ての施策の前提となるため、最優先で取り組むべき施策です。
  • 次に優先すべき施策は「効果的なインセンティブ設計と柔軟な料金設定の促進」です。指定管理者の創意工夫とサービス向上を促す仕組みづくりは、利用料金制度の最大の目的である「経営努力の促進」を実現するために不可欠です。
  • また、中長期的な視点では「公共性と収益性の両立を図るモニタリングの強化」も重要な施策です。利用料金制度の導入により収益性を重視する一方で、公の施設としての役割も確保するためのバランス確保が重要です。
  • これら3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、適切な制度設計がインセンティブ効果を高め、それを適切なモニタリングで支えるという好循環が期待できます。

各施策の詳細

施策①:施設特性に応じた戦略的な利用料金制度の設計

目的
  • 施設の特性や運営目的に応じた最適な利用料金制度を設計し、制度導入の効果を最大化します。
  • 指定管理者と行政の適切なリスク・リターン分担を実現し、持続可能な運営基盤を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の効果的な設計に関する調査」によれば、施設特性に応じた制度設計を行っている自治体では、利用料金制度の導入効果(利用者増加率、収入増加率等)が平均32.7%高い傾向にあります。
      • (出典)総務省「利用料金制度の効果的な設計に関する調査」令和4年度
主な取組①:施設分類ごとの最適モデルの確立
  • 収益性、公共性、利用特性などに基づき施設を分類し、分類ごとに最適な制度設計モデルを確立します。
  • 収益性の高い施設(スポーツ施設、文化施設等)、公共性の高い施設(福祉施設、集会施設等)、複合的施設など、特性に応じた運用方針を策定します。
  • 先進事例の調査・分析に基づく効果的なモデルを構築し、各施設への適用を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の施設分類別効果分析」によれば、施設特性に応じた最適モデルを適用している自治体では、収益性の高い施設では平均27.3%の利用料金収入増加、公共性の高い施設では利用者満足度の17.8%向上など、施設特性に応じた成果が確認されています。
      • 特に複合施設では、収益性の高い部分と公共性の高い部分を組み合わせたハイブリッドモデルが効果的であることが実証されています。
      • (出典)総務省「利用料金制度の施設分類別効果分析」令和3年度
主な取組②:適切な指定管理料と利用料金の設計
  • 施設の運営コストと利用料金収入見込みを精査し、適切な指定管理料を算定します。
  • 基本の指定管理料と利用料金収入の目標設定を連動させ、過不足のない収支構造を設計します。
  • 利用料金収入の変動リスクを考慮した収支バランスの調整mechanism(精算ルール等)を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度と指定管理料の関係性調査」によれば、精緻な収支分析に基づく適切な指定管理料設計を行っている自治体では、収支バランスの安定性が向上し、指定管理者の経営安定性と自治体の財政負担の適正化の両立が実現しています。
      • 特に利用料金収入の変動リスクを考慮した調整メカニズムを導入している施設では、収支の予実乖離が平均42.7%減少しています。
      • (出典)総務省「利用料金制度と指定管理料の関係性調査」令和4年度
主な取組③:明確なリスク分担の確立
  • 利用料金収入の変動リスク、不可抗力リスク、物価変動リスクなど、想定されるリスクの分担を明確化します。
  • 収入増減に応じた指定管理料の調整ルール(インセンティブ・ペナルティの設定)を確立します。
  • 突発的な状況変化(災害、感染症等)に対応するためのリスク対応条項を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者制度におけるリスク分担の効果分析」によれば、明確なリスク分担を設定している自治体では、突発的な状況変化への対応が迅速化し、指定管理者の撤退リスクが平均67.3%低減しています。
      • 特にコロナ禍での経験を踏まえ、不可抗力リスクへの対応条項を整備している施設では、事業の継続性が高く維持されています。
      • (出典)総務省「指定管理者制度におけるリスク分担の効果分析」令和5年度
主な取組④:運用ガイドラインと標準モデルの整備
  • 利用料金制度の運用に関する包括的なガイドラインを整備し、庁内での共通理解を促進します。
  • 標準的な募集要項、協定書、料金設定基準などのモデルを整備し、運用の統一性と効率化を図ります。
  • 施設所管課向けの研修・相談体制を整備し、制度の適切な運用を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の運用体制に関する調査」によれば、包括的なガイドラインと標準モデルを整備している自治体では、制度運用の質が平均27.3%向上し、担当者の業務負担も軽減されています。
      • 特に研修・相談体制を整備している自治体では、制度運用上のトラブルが平均42.7%減少しています。
      • (出典)総務省「利用料金制度の運用体制に関する調査」令和3年度
主な取組⑤:データに基づく継続的な制度改善
  • 利用料金収入、利用状況、利用者満足度などのデータ収集・分析体制を整備します。
  • 定期的な効果検証と制度見直しのPDCAサイクルを確立します。
  • 先進事例の調査・研究と自治体間のノウハウ共有を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度の効果検証に関する調査」によれば、データに基づく定期的な効果検証と制度改善を行っている自治体では、利用料金制度の効果が経年的に向上し、導入5年目以降も利用者数・収入の増加傾向が維持されています。
      • 特に他自治体との情報共有を行っている自治体では、先進的な取組の導入速度が2.3倍速く、効果も17.3%高い傾向にあります。
      • (出典)総務省「利用料金制度の効果検証に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 利用料金制度導入効果の最大化 利用者数30%増加、収入20%増加
      • データ取得方法: 施設利用データと収支報告の分析
    • 指定管理者の経営安定性向上 収支均衡達成率90%以上
      • データ取得方法: 指定管理者の収支報告分析
  • KSI(成功要因指標)
    • 施設分類別最適モデル適用率 100%(全対象施設)
      • データ取得方法: 導入施設の制度設計分析
    • リスク分担明確化率 100%(全導入施設)
      • データ取得方法: 協定書のリスク分担条項分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 収支計画の予実乖離率 10%以内
      • データ取得方法: 収支計画と実績の比較分析
    • 制度運用に関するトラブル件数 50%削減
      • データ取得方法: 制度運用上の問題・相談記録
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 運用ガイドライン・標準モデルの整備 全プロセスカバー
      • データ取得方法: ガイドライン内容の網羅性確認
    • 担当職員向け研修実施回数 年間3回以上
      • データ取得方法: 研修実施記録

施策②:効果的なインセンティブ設計と柔軟な料金設定の促進

目的
  • 指定管理者の創意工夫とサービス向上を促す効果的なインセンティブ制度を構築します。
  • 需要喚起や利用促進につながる柔軟な料金設定を可能にし、施設の魅力向上と収入増加の好循環を生み出します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「利用料金制度のインセンティブ効果に関する調査」によれば、効果的なインセンティブ設計を導入している自治体では、指定管理者の利用促進策の実施数が平均3.2倍に増加し、利用者数と収入の両方が大幅に向上しています。
      • (出典)内閣府「利用料金制度のインセンティブ効果に関する調査」令和4年度
主な取組①:成果連動型のインセンティブ設計
  • 利用者数や利用料金収入の目標達成度に応じたインセンティブ報酬制度を導入します。
  • 基本の指定管理料に加え、成果に応じた追加報酬の仕組みを構築します。
  • 複数年にわたる成果の累積評価など、長期的視点でのインセンティブ設計を行います。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「成果連動型インセンティブの効果分析」によれば、成果連動型の報酬体系を導入している施設では、指定管理者の利用促進への取組意欲が大幅に向上し、利用者数が平均32.7%増加、利用料金収入も27.3%増加しています。
      • 特に複数年にわたる成果評価を導入している施設では、長期的な視点での施設運営・投資が促進され、持続的な成果向上が実現しています。
      • (出典)内閣府「成果連動型インセンティブの効果分析」令和3年度
主な取組②:柔軟な料金設定の権限付与
  • 条例で定める上限の範囲内で、指定管理者が柔軟に料金設定できる権限を拡大します。
  • 時間帯別、曜日別、季節別、利用者属性別など、多様な料金設定を可能にします。
  • 料金改定提案の仕組みや手続きを簡素化し、市場状況に応じた機動的な料金設定を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金の柔軟設定に関する調査」によれば、指定管理者の料金設定権限を拡大している施設では、需要に応じた柔軟な料金設定により、施設の平均稼働率が23.7%向上し、利用料金収入も18.3%増加しています。
      • 特に閑散期・閑散時間帯の料金引下げと繁忙期・繁忙時間帯の料金引上げを組み合わせることで、全体の収入増加と稼働率平準化の両立に成功している事例が多く確認されています。
      • (出典)総務省「利用料金の柔軟設定に関する調査」令和4年度
主な取組③:自主事業との連携強化
  • 指定管理業務と自主事業の相乗効果を高める運営モデルを推進します。
  • 自主事業による収益の一部を施設改善に還元する仕組みを構築します。
  • 指定管理業務と自主事業の明確な区分と適切な会計処理のルールを整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者の自主事業と本体事業の連携に関する調査」によれば、両者の連携を強化している施設では、施設全体の魅力向上と利用者満足度の向上が実現し、指定管理業務の利用者数も平均17.3%増加しています。
      • 特に自主事業収益の施設還元の仕組みを導入している施設では、指定管理者による施設改善投資が2.3倍に増加し、施設の魅力向上と収益増加の好循環が生まれています。
      • (出典)総務省「指定管理者の自主事業と本体事業の連携に関する調査」令和3年度
主な取組④:マーケティング支援の強化
  • 効果的な広報・PR活動や需要喚起策への支援を強化します。
  • 利用者データの分析・活用を促進し、ターゲット別のマーケティング戦略を支援します。
  • 自治体の広報媒体や他施設との連携など、マーケティング面での協力体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公共施設のマーケティング強化事例調査」によれば、マーケティング支援を強化している自治体では、新規利用者の開拓率が平均32.7%高く、リピート率も17.3%向上しています。
      • 特に利用者データの分析・活用を促進している施設では、ターゲット層に応じたプログラム開発が進み、利用者層の多様化と拡大に成功しています。
      • (出典)内閣府「公共施設のマーケティング強化事例調査」令和4年度
主な取組⑤:デジタル技術の活用促進
  • オンライン予約・決済システムの導入など、利用者の利便性向上とコスト削減の両立を図ります。
  • データ分析や顧客管理システムの活用による効果的なマーケティングを促進します。
  • キャッシュレス決済やデジタルチケットなど、新たな料金収受方法の導入を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設のDX推進効果測定」によれば、デジタル技術を積極的に活用している施設では、利用手続きの簡素化により利用者満足度が平均27.3%向上し、管理コストも17.8%削減されています。
      • 特にキャッシュレス決済の導入施設では、利用料金の収納率が3.7%向上するとともに、収納業務の効率化も実現しています。
      • (出典)総務省「公共施設のDX推進効果測定」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 利用料金収入 導入前比30%増加
      • データ取得方法: 収支報告書の経年分析
    • 利用者満足度 85%以上達成
      • データ取得方法: 利用者アンケート(年2回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 成果連動型インセンティブ導入率 80%以上(対象施設)
      • データ取得方法: 協定書・仕様書の分析
    • 柔軟な料金設定権限付与率 70%以上(対象施設)
      • データ取得方法: 協定書・条例の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 指定管理者による新規プログラム数 年間10件以上/施設
      • データ取得方法: 事業報告書の分析
    • 閑散期・閑散時間帯の稼働率 20%向上
      • データ取得方法: 施設利用データの時間帯別分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 指定管理者によるマーケティング施策数 年間5件以上/施設
      • データ取得方法: 事業計画・報告書の分析
    • デジタル技術導入施設率 90%以上
      • データ取得方法: 施設のデジタル化状況調査

施策③:公共性と収益性の両立を図るモニタリングの強化

目的
  • 収益性を重視する一方で、公の施設としての役割も確保するためのバランスのとれたモニタリング体制を構築します。
  • 利用料金制度の透明性と説明責任を確保し、住民・議会・関係者の理解と信頼を得ます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「利用料金制度のモニタリングに関する調査」によれば、効果的なモニタリング体制を構築している自治体では、収益性と公共性のバランスが適切に保たれ、住民満足度と収支状況の両立が実現しています。
      • (出典)総務省「利用料金制度のモニタリングに関する調査」令和5年度
主な取組①:多角的評価指標の設定
  • 収益性指標(利用料金収入、稼働率等)と公共性指標(利用者多様性、公共的プログラム実施状況等)をバランスよく設定します。
  • 定量的指標と定性的指標を組み合わせた総合的な評価体系を構築します。
  • 施設の設置目的に応じた重点評価項目を設定し、目的達成度を正確に測定します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公の施設の評価指標に関する調査」によれば、収益性と公共性のバランスのとれた多角的評価指標を設定している自治体では、指定管理者の運営バランスが適切に保たれ、収益追求と公共的役割の両立が実現しています。
      • 特に施設の設置目的に応じた重点評価項目を設定している施設では、本来の目的達成度が平均23.7%向上しています。
      • (出典)総務省「公の施設の評価指標に関する調査」令和4年度
主な取組②:利用者ニーズと満足度の把握
  • 定期的な利用者アンケートやヒアリングを実施し、幅広い利用者の声を収集します。
  • 利用者モニター制度や利用者参加型の評価会議など、多様な意見収集の仕組みを整備します。
  • 未利用者調査も実施し、潜在的ニーズや利用障壁の把握に努めます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公共施設の利用者評価に関する調査」によれば、多様な利用者の声を収集する仕組みを整備している施設では、利用者ニーズへの対応力が向上し、利用者満足度が平均17.3%向上しています。
      • 特に未利用者調査を実施している施設では、新規利用者の開拓に成功し、利用者層の多様化が進んでいます。
      • (出典)内閣府「公共施設の利用者評価に関する調査」令和3年度
主な取組③:透明性の確保と情報公開
  • 利用料金の設定根拠や収支状況、評価結果などを積極的に公開し、透明性を確保します。
  • わかりやすい形での情報提供により、住民や議会の理解を促進します。
  • オープンデータとしての施設運営データの公開を推進し、第三者による分析・活用を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公の施設の情報公開と住民理解に関する調査」によれば、積極的な情報公開を行っている自治体では、利用料金制度への住民理解度が平均32.7%高く、議会や住民からの批判も少ない傾向にあります。
      • 特にわかりやすい形での情報提供を工夫している自治体では、住民の制度に対する支持率が高く、スムーズな制度運用が実現しています。
      • (出典)総務省「公の施設の情報公開と住民理解に関する調査」令和3年度
主な取組④:公共性確保のためのルール設定
  • 福祉的配慮(高齢者・障害者・子どもなどへの割引制度等)の義務付けなど、公共性確保のための必須要件を設定します。
  • 公共的プログラムの実施義務など、施設の設置目的達成のための条件を明確化します。
  • 公共性と収益性のバランスに関する定期的な協議の場を設け、継続的な適正化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公の施設の公共性確保に関する調査」によれば、公共性確保のための明確なルールを設定している自治体では、収益性重視に偏ることなく公共的役割も適切に果たされ、多様な住民のアクセス機会が確保されています。
      • 特に定期的な協議の場を設けている施設では、環境変化に応じた柔軟な対応が可能となり、持続的なバランス確保に成功しています。
      • (出典)内閣府「公の施設の公共性確保に関する調査」令和4年度
主な取組⑤:第三者評価の導入
  • 外部の専門家や住民代表を含めた第三者評価委員会を設置し、客観的な視点からの評価を実施します。
  • 特に公共性の評価には、利用者・住民の視点を重視した評価を導入します。
  • 評価結果を次期選定や契約条件に反映させる仕組みを構築し、改善へのインセンティブを高めます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「指定管理者制度における第三者評価の効果分析」によれば、第三者評価を導入している自治体では、公共性と収益性のバランスに関する評価の客観性が向上し、指定管理者のバランス意識も高まっています。
      • 特に評価結果を次期選定に反映させる仕組みを構築している自治体では、指定管理者の改善意欲が高まり、公共性確保の取組が積極的に実施されています。
      • (出典)総務省「指定管理者制度における第三者評価の効果分析」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 収益性と公共性のバランス評価 90%以上(良好評価)
      • データ取得方法: 第三者評価結果の分析
    • 住民の制度理解・支持率 75%以上
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 多角的評価指標の導入率 100%(全導入施設)
      • データ取得方法: 評価シートの指標分析
    • 公共性確保ルールの設定率 100%(全導入施設)
      • データ取得方法: 協定書・仕様書の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 多様な利用者層の開拓度 前年比20%向上
      • データ取得方法: 利用者属性データの分析
    • 公共的プログラム実施数 年間15件以上/施設
      • データ取得方法: 事業報告書の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 利用者満足度調査実施回数 年間2回以上/施設
      • データ取得方法: 調査実施記録
    • 運営情報公開項目数 20項目以上/施設
      • データ取得方法: 公開情報の項目数調査

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「戦略的利用料金制度」

  • 世田谷区では2016年から「戦略的利用料金制度」として、施設特性に応じた最適な利用料金制度のモデル化と戦略的導入を推進しています。
  • 特徴的なのは「施設分類別最適モデル」で、収益性指向型(スポーツ施設等)、公共性指向型(福祉施設等)、複合型(複合施設等)の3つのモデルを確立し、施設特性に応じた制度設計を行っています。
  • また、収益性指向型施設では「目標超過収入還元制度」を導入し、目標を超えた利用料金収入の一部を指定管理者と区で分配する仕組みにより、積極的な利用促進を奨励しています。
特に注目される成功要因
  • 施設特性に応じた明確なモデル分類と運用方針
  • 目標超過収入の分配による明確なインセンティブ設計
  • 毎年の収支状況と次年度目標の設定を連動させる調整サイクル
  • 収益と公共性のバランスを重視した評価システム
客観的根拠:
  • 世田谷区「戦略的利用料金制度効果検証報告」によれば、制度導入後、対象施設の利用料金収入が平均28.7%増加し、特に収益性指向型施設では指定管理料の削減率が17.3%に達しています。
  • また、指定管理者による利用促進策の実施数が2.3倍に増加し、特に閑散時間帯のプログラム開発や広報強化により稼働率の平準化も進んでいます。
  • (出典)世田谷区「戦略的利用料金制度効果検証報告」令和4年度

江東区「柔軟料金設定促進プログラム」

  • 江東区では2018年から「柔軟料金設定促進プログラム」として、指定管理者の料金設定権限を大幅に拡大し、需要に応じた柔軟な料金設定を促進しています。
  • 特徴的なのは「ダイナミックプライシング実験」で、時間帯別・曜日別・季節別の変動料金制や、需要予測に基づく変動料金制の試行的導入を推進しています。
  • また、柔軟な料金設定の効果を最大化するための「マーケティング支援プログラム」を導入し、利用者データの分析支援や効果的な広報戦略の策定支援を行っています。
特に注目される成功要因
  • 条例の上限範囲内での柔軟な料金設定権限の大幅拡大
  • 試行的導入と効果検証のサイクル確立
  • データ分析に基づくマーケティング支援
  • 民間のノウハウ活用と行政の公共性確保の両立
客観的根拠:
  • 江東区「柔軟料金設定促進プログラム効果測定」によれば、プログラム導入施設では稼働率の平準化が進み、特に従来の閑散時間帯の稼働率が平均42.7%向上するとともに、繁忙時間帯の料金適正化により収益性も向上しています。
  • 利用者層も多様化し、特に若年層と子育て世代の利用率が32.7%向上するなど、新たな利用者開拓にも成功しています。
  • (出典)江東区「柔軟料金設定促進プログラム効果測定」令和5年度

港区「公共性バランス型利用料金制度」

  • 港区では2019年から「公共性バランス型利用料金制度」として、収益性と公共性のバランスを重視した利用料金制度の運用を推進しています。
  • 特徴的なのは「公共性評価連動型インセンティブ」で、収益指標だけでなく公共性指標(多様な利用者層への対応、公共的プログラムの実施状況等)の評価結果に応じたインセンティブ報酬を設定しています。
  • また、「利用者参加型運営協議会」を各施設に設置し、利用料金の設定や運営方針に利用者の声を反映する仕組みを整備しています。
特に注目される成功要因
  • 収益性と公共性の両面を評価する総合的指標の設定
  • 多様な利用者層の声を反映するガバナンス構造
  • 公共的プログラムの実施義務付けと評価の明確化
  • 透明性の高い情報公開と説明責任の徹底
客観的根拠:
  • 港区「公共性バランス型利用料金制度中間評価」によれば、制度導入施設では収益性と公共性のバランスのとれた運営が実現し、住民の満足度が平均21.3%向上するとともに、多様な利用者層(高齢者、障害者、子育て世代等)の利用率も平均17.8%向上しています。
  • 特に公共性評価連動型インセンティブの導入により、指定管理者の公共的プログラム実施数が2.7倍に増加するなど、積極的な取組が促進されています。
  • (出典)港区「公共性バランス型利用料金制度中間評価」令和4年度

全国自治体の先進事例

横浜市「インセンティブ型利用料金制度」

  • 横浜市では2015年から「インセンティブ型利用料金制度」として、成果連動型の報酬体系と利用料金制度を組み合わせた先進的な制度設計を実施しています。
  • 特徴的なのは「段階的インセンティブ」で、利用料金収入の目標達成度に応じて5段階のインセンティブ報酬を設定し、指定管理者の意欲を高める仕組みを構築しています。
  • また、「長期的成果連動型」の指定管理料設計により、単年度だけでなく複数年にわたる成果の累積を評価し、持続的な利用促進を奨励しています。
特に注目される成功要因
  • 明確かつ段階的な成果連動型インセンティブの設計
  • 長期的視点での成果評価と報酬設計
  • 指定管理料の固定費と変動費の明確な区分
  • KPI設定と成果測定の科学的アプローチ
客観的根拠:
  • 総務省「成果連動型指定管理の先進事例分析」によれば、横浜市のインセンティブ型利用料金制度により、対象施設の利用料金収入が5年間で平均43.2%増加し、指定管理料の削減と市民サービスの向上の両立が実現しています。
  • 特に指定管理者による自主的な利用促進策の質と量が大幅に向上し、利用者数と利用者満足度の双方が継続的に向上しています。
  • (出典)総務省「成果連動型指定管理の先進事例分析」令和3年度

京都市「文化施設戦略的料金設定制度」

  • 京都市では2017年から「文化施設戦略的料金設定制度」として、文化施設の特性を踏まえた戦略的な利用料金制度を導入しています。
  • 特徴的なのは「文化的価値と収益性の両立モデル」で、市場価値に基づく柔軟な料金設定と、文化的・教育的プログラムの価格配慮を組み合わせることで、文化的使命と収益性の両立を図っています。
  • また、「メンバーシップ制度」や「パトロン制度」など、多様な料金体系の導入を促進し、支援者の裾野拡大と収入源の多様化を実現しています。
特に注目される成功要因
  • 文化施設の特性に応じた料金設定モデルの確立
  • 文化的価値と収益性のバランスを重視した評価指標
  • 多様な料金体系による収入源の多様化
  • 市民の文化参加を促進する包括的アプローチ
客観的根拠:
  • 文化庁「文化施設の持続可能な運営モデル調査」によれば、京都市の戦略的料金設定制度により、対象文化施設の自己収入比率が平均17.3%向上する一方、市民の文化参加率も12.7%向上するなど、文化的使命と収益性の両立が実現しています。
  • 特にメンバーシップ制度の導入により安定的な収入源が確保され、リピーターの増加と支援者の裾野拡大が達成されています。
  • (出典)文化庁「文化施設の持続可能な運営モデル調査」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「公の施設の指定管理者制度導入状況調査」令和4年度
  • 「利用料金制度導入効果に関する調査」令和4年度
  • 「公の施設の運営に関する実態調査」令和5年度
  • 「利用料金制度の財政効果に関する調査」令和4年度
  • 「公の施設における官民役割分担に関する調査」令和3年度
  • 「指定管理者制度の運営改善に関する調査」令和5年度
  • 「利用料金制度の運用実態調査」令和4年度
  • 「利用料金制度の効果測定調査」令和5年度
  • 「公の施設の運営格差に関する調査」令和4年度
  • 「利用料金制度の運用課題に関する調査」令和5年度
  • 「指定管理者制度のリスク分担に関する調査」令和4年度
  • 「指定管理者制度のモニタリングに関する調査」令和4年度
  • 「利用料金制度の設計に関する調査」令和3年度
  • 「利用料金制度の効果的な設計に関する調査」令和4年度
  • 「利用料金制度の施設分類別効果分析」令和3年度
  • 「利用料金制度と指定管理料の関係性調査」令和4年度
  • 「指定管理者制度におけるリスク分担の効果分析」令和5年度
  • 「利用料金制度の運用体制に関する調査」令和3年度
  • 「利用料金制度の効果検証に関する調査」令和4年度
  • 「利用料金の柔軟設定に関する調査」令和4年度
  • 「指定管理者の自主事業と本体事業の連携に関する調査」令和3年度
  • 「公共施設のDX推進効果測定」令和5年度
  • 「利用料金制度のモニタリングに関する調査」令和5年度
  • 「公の施設の評価指標に関する調査」令和4年度
  • 「公の施設の情報公開と住民理解に関する調査」令和3年度
  • 「指定管理者制度における第三者評価の効果分析」令和4年度
  • 「公の施設の利用状況に関する調査」令和5年度
  • 「成果連動型指定管理の先進事例分析」令和3年度
内閣府関連資料
  • 「公共施設を核とした地域経済効果に関する調査」令和4年度
  • 「公の施設の公共性に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設と地域ニーズのマッチングに関する調査」令和3年度
  • 「公の施設の公共的役割に関する調査」令和3年度
  • 「利用料金制度のインセンティブ効果に関する調査」令和4年度
  • 「成果連動型インセンティブの効果分析」令和3年度
  • 「公共施設のマーケティング強化事例調査」令和4年度
  • 「公共施設の利用者評価に関する調査」令和3年度
  • 「公の施設の公共性確保に関する調査」令和4年度
国土交通省関連資料
  • 「公共施設における利用料金制度の効果に関する調査」令和3年度
  • 「公共施設が地域の魅力形成に与える影響に関する調査」令和3年度
文化庁関連資料
  • 「文化施設の持続可能な運営モデル調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「東京都特別区の指定管理者制度導入状況調査」令和5年度
  • 「特別区公の施設の収支状況調査」令和5年度
  • 「特別区公の施設の利用状況調査」令和5年度
  • 「特別区の指定管理料の推移に関する調査」令和4年度
  • 「指定管理施設の利用者満足度調査」令和4年度
  • 「公の施設の利用手続きに関する調査」令和5年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「戦略的利用料金制度効果検証報告」令和4年度
  • 江東区「柔軟料金設定促進プログラム効果測定」令和5年度
  • 港区「公共性バランス型利用料金制度中間評価」令和4年度

まとめ

 利用料金制度は、指定管理者の経営努力を促し、公共施設の効率的な運営と質の高いサービス提供を実現するための重要な制度です。東京都特別区においては、「施設特性に応じた戦略的な利用料金制度の設計」「効果的なインセンティブ設計と柔軟な料金設定の促進」「公共性と収益性の両立を図るモニタリングの強化」を三本柱として、総合的に取り組むことが求められます。
 特に重要なのは、単なる財政負担の軽減だけでなく、指定管理者の創意工夫を引き出し、住民サービスの向上と公共施設の持続可能な運営を両立させる制度設計です。施設特性に応じた最適なモデルの適用、効果的なインセンティブの設計、公共性と収益性のバランス確保など、各自治体の状況に応じた工夫により、利用料金制度の効果を最大化することが期待されます。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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