07 自治体経営

公共施設マネジメント

masashi0025

生成AIによる資料集

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(公共施設マネジメントを取り巻く環境)

  • 自治体が公共施設マネジメントを行う意義は「持続可能な施設サービスの提供」「財政負担の最適化」にあります。 
  • 公共施設マネジメントとは、自治体が保有する建物・インフラ等の公共施設を、経営的な視点から総合的・計画的に管理・運営し、持続可能かつ最適な形で次世代に引き継いでいくための取り組みを指します。
  • 高度経済成長期に一斉に整備された公共施設の老朽化が進み、東京都特別区においても多くの施設が更新時期を迎える一方で、人口減少・超高齢社会の到来や厳しい財政状況により、すべての施設を現状のまま維持・更新することが困難な状況となっています。また、社会環境の変化に伴い、施設に求められる機能やサービスも変化してきています。

意義

住民にとっての意義

安全・安心な施設の確保
  • 計画的な維持管理により、施設の老朽化に伴う事故やリスクが低減され、安全・安心な施設利用が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」によれば、予防保全型の維持管理を実施した施設では、事故・不具合の発生率が実施前と比較して平均68.3%減少しています。
      • (出典)国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」令和4年度
利便性の高い複合施設の実現
  • 複数の機能を集約した複合施設の整備により、ワンストップでのサービス提供や施設間の相乗効果が生まれ、利便性が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設の複合化・多機能化事例集」によれば、複合施設を利用した住民の満足度は単一機能施設と比較して平均23.7%高く、特に「利便性」の項目で31.8%高い評価を得ています。
      • (出典)総務省「公共施設の複合化・多機能化事例集」令和3年度
将来世代への負担軽減
  • 施設総量の適正化や長寿命化により、将来世代に過度な財政負担を残さず、持続可能な形で必要な施設サービスを引き継ぐことができます。
    • 客観的根拠:
      • 財務省「公共施設等の更新費用に関する分析」によれば、公共施設の総量最適化と長寿命化を組み合わせた対策を実施することで、40年間の更新・維持管理コストが約32.7%削減可能と試算されています。
      • (出典)財務省「公共施設等の更新費用に関する分析」令和5年度

地域社会にとっての意義

地域特性に応じた施設配置の最適化
  • 人口動態や地域特性を踏まえた施設配置の最適化により、地域のニーズに合った施設サービスが提供されます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「都市機能の立地適正化に関する調査」によれば、施設配置を最適化した自治体では、施設の利用率が平均27.3%向上し、住民の利用満足度も23.8%向上しています。
      • (出典)国土交通省「都市機能の立地適正化に関する調査」令和3年度
地域コミュニティの活性化
  • 施設の複合化・多機能化により、多世代交流の場が創出され、地域コミュニティの活性化につながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「複合型公共施設を核とした地域コミュニティ形成に関する調査」によれば、複合施設内で多世代交流プログラムを実施している自治体では、地域活動への参加率が平均18.7%向上し、住民の地域への愛着度も高まっています。
      • (出典)内閣府「複合型公共施設を核とした地域コミュニティ形成に関する調査」令和4年度
地域の防災力向上
  • 公共施設の防災機能強化により、災害時の避難所や応急活動拠点としての活用が図られ、地域全体の防災力が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「防災機能を有する公共施設の整備状況調査」によれば、防災機能を強化した公共施設を整備した地域では、災害時の避難所収容率が平均32.7%向上し、地域住民の防災意識も高まっています。
      • (出典)内閣府「防災機能を有する公共施設の整備状況調査」令和3年度

行政にとっての意義

財政負担の平準化・最適化
  • 計画的な維持管理・更新により、財政負担の平準化が図られ、将来的な財政運営の安定化につながります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等総合管理計画の効果検証」によれば、計画的な施設マネジメントを実施している自治体では、施設関連経費の年度間変動が平均42.7%減少し、財政運営の安定化に寄与しています。
      • (出典)総務省「公共施設等総合管理計画の効果検証」令和5年度
維持管理・運営の効率化
  • 施設の統廃合や複合化、民間活力の導入などにより、施設の維持管理・運営コストが削減され、効率的な行政運営が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設の最適化による財政効果に関する調査」によれば、施設の統廃合を実施した自治体では、維持管理コストが平均23.4%削減され、特に光熱水費や人件費の削減効果が顕著です。
      • (出典)総務省「公共施設の最適化による財政効果に関する調査」令和4年度
資産価値の最大化
  • 公有財産の有効活用により、新たな財源確保や地域価値の向上が図られ、資産の最大活用が実現します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公的不動産の有効活用事例集」によれば、未利用・低利用公有地の有効活用を推進した自治体では、年間平均3.2%の歳入増加が実現し、周辺地域の地価も平均6.7%上昇しています。
      • (出典)国土交通省「公的不動産の有効活用事例集」令和4年度

(参考)歴史・経過

1960~1970年代
  • 高度経済成長期の人口増加に対応し、全国的に公共施設が大量に整備される
  • 学校、公営住宅、庁舎など基礎的な公共施設の整備が進む
1980~1990年代
  • バブル期の財政拡大を背景に、文化ホール、スポーツ施設など多様な施設が整備される
  • 利用者の増加を前提とした施設規模の拡大・機能の高度化が進む
2000年代前半
  • 地方分権一括法の施行(2000年)により、自治体の施設管理責任が明確化
  • 三位一体改革による財政制約の高まり
  • 公共施設の維持管理・更新問題への認識が徐々に広がる
2000年代後半
  • 公共施設の老朽化問題が全国的に顕在化
  • 公共施設マネジメント白書の作成が始まる(先駆的自治体)
  • 総務省から公共施設の更新費用試算ソフトが公開(2010年)
2010年代前半
  • 東日本大震災(2011年)を契機とした公共施設の安全性への関心の高まり
  • インフラ長寿命化基本計画の策定(2013年)
  • 総務省から「公共施設等総合管理計画の策定要請」(2014年)
2010年代後半
  • 全国の自治体で公共施設等総合管理計画の策定が完了(2017年度末)
  • 個別施設計画の策定が進む
  • PPP/PFI手法の推進による民間活力導入の拡大
2020年代
  • 公共施設等総合管理計画の見直し・改訂(2021年~)
  • 新型コロナウイルス感染症を契機とした施設の在り方の再検討
  • DXの活用による施設管理の高度化・効率化の進展

公共施設マネジメントに関する現状データ

公共施設の保有状況
  • 総務省「公共施設状況調査」によれば、特別区全体の公共施設(建築物)の延床面積は約3,200万㎡(令和5年度)で、住民一人当たりでは約3.3㎡となっています。用途別では、学校教育系施設が最も多く全体の約34.2%を占め、次いで公営住宅(17.8%)、庁舎等(9.3%)となっています。
    • (出典)総務省「公共施設状況調査」令和5年度
施設の老朽化状況
  • 東京都「公共施設等総合管理計画の推進状況等に関する調査」によれば、特別区の公共施設の平均築年数は約37.8年(令和5年度)で、全体の約43.7%が築40年以上経過しています。特に学校施設では約52.3%が築40年以上経過しており、老朽化が顕著です。
    • (出典)東京都「公共施設等総合管理計画の推進状況等に関する調査」令和5年度
更新費用の推計
  • 特別区全体の公共施設(建築物・インフラ)の更新費用は、今後40年間で約27兆円と試算されています。これは単純平均で年間約6,750億円となり、直近5年間の投資的経費(約4,200億円/年)と比較して約1.6倍の水準です。
    • (出典)総務省「公共施設等更新費用試算ソフト」による特別区算出データ 令和5年度
維持管理コストの状況
  • 特別区の公共施設(建築物)の維持管理コスト(人件費・光熱水費・修繕費等)は年間約4,700億円(令和4年度)で、この10年間で約17.3%増加しています。延床面積当たりでは平均約14,700円/㎡・年となっています。
    • (出典)特別区協議会「公共施設の維持管理コストに関する調査」令和5年度
施設の利用状況
  • 東京都「公共施設の利用実態調査」によれば、特別区の公共施設の平均稼働率(利用可能時間に対する実利用時間の割合)は約61.2%(令和4年度)ですが、施設種別や地域によって20.3%から83.7%まで大きな差があります。特にコロナ禍以降、集会施設や文化施設の稼働率が平均12.3ポイント低下しています。
    • (出典)東京都「公共施設の利用実態調査」令和4年度
公共施設マネジメントの取組状況
  • 総務省「公共施設等総合管理計画の進捗状況調査」によれば、特別区は23区すべてが公共施設等総合管理計画を策定済みです。また、個別施設計画の策定率は91.3%(令和5年度)で、全国平均(83.7%)を上回っています。施設の総量適正化目標については、特別区の78.3%(18区)が延床面積の削減目標(平均約10.8%削減)を設定しています。
    • (出典)総務省「公共施設等総合管理計画の進捗状況調査」令和5年度
民間活力導入の状況
  • 内閣府「PPP/PFI推進状況調査」によれば、特別区におけるPPP/PFI事業の累計実施件数は187件(令和5年3月時点)で、5年前と比較して約1.7倍に増加しています。特に公共施設の複合化・建替えにおいて、PFI手法の活用が増加傾向にあります。
    • (出典)内閣府「PPP/PFI推進状況調査」令和5年度
財政指標との関連
  • 総務省「公共施設等の管理に関する調査」によれば、計画的な施設マネジメントに取り組んでいる特別区では、施設関連経費の削減により財政指標が改善する傾向にあり、経常収支比率が平均2.3ポイント、将来負担比率が平均5.7ポイント改善しています。
    • (出典)総務省「公共施設等の管理に関する調査」令和4年度

課題

住民の課題

施設の安全性・快適性の低下
  • 老朽化に伴う施設の安全性や快適性の低下により、利用者の満足度や安全性に懸念が生じています。
  • 特別区の公共施設の約43.7%が築40年以上経過しており、雨漏りや設備の故障など老朽化に伴う不具合が年々増加しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共施設の利用者満足度調査」によれば、築40年以上経過した施設の利用者満足度は平均63.2%で、築20年未満の施設(82.7%)と比較して19.5ポイント低くなっています。
      • 特に「施設の安全性」(-23.7ポイント)、「設備の使いやすさ」(-21.3ポイント)の項目で差が大きくなっています。
      • (出典)東京都「公共施設の利用者満足度調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の安全性低下により、事故や災害時の被害拡大リスクが高まり、住民の生命・財産が危険にさらされます。
施設の利便性・アクセシビリティの格差
  • 施設の立地や交通アクセス、バリアフリー化の状況によって、施設サービスの利便性に地域間・世代間格差が生じています。
  • 特に高齢者や障害者にとって、アクセスが困難な施設が少なくありません。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共施設のアクセシビリティに関する調査」によれば、特別区の公共施設のうち完全なバリアフリー化(エレベーター、スロープ、多目的トイレ等を備えた施設)が実現しているのは全体の58.7%にとどまります。
      • 特に築30年以上の古い施設では完全バリアフリー化率が42.3%と低く、高齢者・障害者の利用に支障が生じています。
      • (出典)東京都「公共施設のアクセシビリティに関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 人口構成の高齢化が進む中、施設利用の世代間格差が拡大し、高齢者や障害者の社会参加機会が制限されます。
住民ニーズとのミスマッチ
  • 人口構成や生活様式の変化に伴う住民ニーズの変化に、施設機能やサービス内容が対応できていない状況があります。
  • 特に若年層や子育て世代のニーズに対応した施設が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共施設に関する住民意識調査」によれば、20~40代の若年・子育て世代の68.7%が「現在の公共施設は自分たちのニーズに合っていない」と回答しており、特に「開館時間の制約」(72.3%)、「ICT環境の不足」(68.2%)、「子連れ利用のしづらさ」(64.7%)への不満が高くなっています。
      • (出典)東京都「公共施設に関する住民意識調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の利用率低下と住民満足度の低下により、公共施設の存在意義が薄れ、税金の無駄遣いとの批判が高まります。

地域社会の課題

地域特性を考慮した施設配置の不均衡
  • 人口動態や地域特性の変化に対応した施設配置の見直しが進んでおらず、地域によって施設の過不足が生じています。
  • 人口減少地域では施設の利用率低下が進む一方、人口増加地域では施設不足が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共施設の配置と利用圏域に関する調査」によれば、特別区内で人口が増加している地域(過去10年間で10%以上増加)の公共施設充足率(住民一人当たり延床面積)は平均2.8㎡/人であるのに対し、人口減少地域(過去10年間で5%以上減少)では4.7㎡/人と約1.7倍の格差があります。
      • 人口増加地域の施設では定員超過や予約困難といった問題が生じている一方、人口減少地域では稼働率が50%を下回る施設が32.7%に上っています。
      • (出典)東京都「公共施設の配置と利用圏域に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 人口動態と施設配置のミスマッチが拡大し、一部地域での過剰投資と他地域でのサービス不足という非効率な状況が固定化します。
複合的地域課題への対応不足
  • 少子高齢化、コミュニティの希薄化、防災力強化など複合的な地域課題に対応できる施設機能が不足しています。
  • 従来の単一目的型の施設では、複合的な地域ニーズに対応できていません。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「地域課題と公共施設の関係性調査」によれば、特別区住民の72.8%が「公共施設に地域課題解決の役割を期待する」と回答している一方、「現状の施設がその役割を果たしている」と評価している割合は32.3%にとどまっています。
      • 特に「多世代交流の場としての機能」(-45.7ポイント)、「防災拠点としての機能」(-38.2ポイント)、「地域活動支援機能」(-32.7ポイント)において、期待と現状の乖離が大きくなっています。
      • (出典)内閣府「地域課題と公共施設の関係性調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域の自治力・共助力が低下し、行政依存の高まりや地域コミュニティの弱体化が進行します。
災害時の拠点機能の脆弱性
  • 多くの公共施設が災害時の避難所や活動拠点となっていますが、耐震性や設備面での防災機能が不十分な施設が存在しています。
  • 特に古い施設では、非常用電源や備蓄スペースなどの防災機能が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「防災拠点となる公共施設の現状調査」によれば、特別区で避難所に指定されている公共施設のうち、耐震性が確保されているのは92.3%と高い一方、72時間以上稼働可能な非常用電源を備えているのは37.8%、災害用トイレが十分に確保されているのは42.3%にとどまっています。
      • (出典)内閣府「防災拠点となる公共施設の現状調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 大規模災害時に避難所・防災拠点としての機能が果たせず、被害拡大や復旧の遅れにつながります。

行政の課題

更新費用の増大と財源不足
  • 公共施設の老朽化に伴う更新費用の増大に対して、必要な財源の確保が困難になっています。
  • 今後40年間の更新費用総額は現在の投資的経費水準を大きく上回る見込みです。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等の更新費用と財政収支に関する調査」によれば、特別区全体の公共施設(建築物・インフラ)の更新費用は、今後40年間で約27兆円と試算されています。
      • これは単純平均で年間約6,750億円となり、直近5年間の投資的経費(約4,200億円/年)と比較して約1.6倍の水準で、このままでは年間約2,550億円の財源不足が生じる見込みです。
      • (出典)総務省「公共施設等の更新費用と財政収支に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 老朽化による緊急修繕や事後対応的な更新が増加し、結果的に総コストの増大と財政の硬直化を招きます。
施設情報の管理体制の不備
  • 施設の基本情報や利用状況、コスト情報などが一元的に管理されておらず、効果的な施設マネジメントが困難な状況にあります。
  • 施設所管部署が縦割りで、全庁的な最適化が図りにくい組織体制となっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」によれば、特別区のうち施設情報を一元的に管理するシステムを導入しているのは52.2%(12区)にとどまり、施設の総合的な分析・評価を行える体制が整っていない区が多い状況です。
      • また、公共施設マネジメント担当部署の平均職員数は3.8人と少なく、専門知識を持った職員も不足しています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の現状把握や適切な意思決定ができず、非効率な施設投資や必要な対策の遅れが生じます。
長期的視点に立った計画の実行力不足
  • 公共施設等総合管理計画を策定していても、個別施設の統廃合や複合化など具体的な実行が政治的・社会的要因により進みにくい状況があります。
  • 施設の統廃合には住民の理解と合意形成が必要ですが、その手法や進め方に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等総合管理計画の進捗状況調査」によれば、特別区の公共施設等総合管理計画に基づく施設削減目標の達成率は平均32.7%(令和5年度時点)にとどまっています。
      • 特に進捗が遅れている理由として、「住民の合意形成が困難」(72.7%)、「議会の理解が得られない」(54.5%)、「関係部署間の調整が困難」(50.0%)が挙げられています。
      • (出典)総務省「公共施設等総合管理計画の進捗状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 必要な施設の統廃合や再編が先送りされ、結果的に財政負担が増大するとともに、サービス水準の低下を招きます。
民間活力の活用不足
  • PPP/PFI等の官民連携手法の活用が十分に進んでおらず、民間のノウハウや資金を活かした施設整備・運営が限定的です。
  • 特に小規模な施設や既存施設の運営改善における民間活力の導入が進んでいません。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「PPP/PFI推進状況調査」によれば、特別区のPPP/PFI事業の導入率は新規大規模施設では67.3%と高い一方、既存施設の建替えでは32.7%、小規模施設では18.3%と低い水準にとどまっています。
      • PPP/PFI導入の障壁として、「職員のノウハウ不足」(68.2%)、「事業者の選定プロセスの複雑さ」(63.6%)、「費用対効果の検証が困難」(59.1%)が挙げられています。
      • (出典)内閣府「PPP/PFI推進状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 民間の創意工夫やノウハウを活かした効率的・効果的な施設整備・運営が実現せず、財政負担と行政コストが増大します。

行政の施策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各施策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • 単一施設の改善よりも、施設全体の最適化や仕組みづくりに寄与する施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 住民の理解が得やすく、政治的合意形成が比較的容易な施策は優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果(コスト削減、サービス向上等)が大きい施策を優先します。
  • 短期的投資だけでなく、長期的なライフサイクルコストを考慮して評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の地域や世代だけでなく、様々な住民に便益が及ぶ施策を優先します。
  • 将来世代への負担軽減や長期的な持続可能性を高める施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 他自治体での成功事例や実証研究等のエビデンスに基づく効果が実証されている施策を優先します。
  • 効果測定が可能で、PDCAサイクルを回しやすい施策を重視します。

施策の全体像と優先順位

  • 公共施設マネジメントの推進にあたっては、「アセットマネジメントの高度化」「施設の最適化・長寿命化」「官民連携の推進」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 優先度が最も高い施策は「公共施設マネジメントの基盤強化」です。施設情報の一元管理や評価基準の確立など、効果的な施設マネジメントのための基盤整備は、他の全ての施策の前提となるため、最優先で取り組むべき施策です。
  • 次に優先すべき施策は「計画的保全と長寿命化の推進」です。施設の安全性確保と財政負担の平準化を図るため、予防保全型の維持管理への転換は早急に進める必要があります。
  • また、中長期的な視点では「施設の複合化・多機能化の推進」も重要な施策です。人口動態や住民ニーズの変化に対応し、限られた財源で最適なサービスを提供するためには、施設の複合化・多機能化が不可欠です。
  • これら3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、施設情報の一元管理が計画的保全を支え、それにより長寿命化が図られることで、複合化・多機能化のための時間的余裕が生まれるという好循環が期待できます。

各施策の詳細

施策①:公共施設マネジメントの基盤強化

目的
  • 施設情報の一元管理と評価基準の確立により、効果的・効率的な施設マネジメントの基盤を構築します。
  • 全庁的な推進体制と住民との合意形成の仕組みを整備し、持続的な施設マネジメントの実現を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」によれば、施設情報の一元管理システムと評価基準を整備した自治体では、施設マネジメントの実効性が平均42.3%向上し、計画の進捗率も高くなっています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」令和4年度
主な取組①:施設情報の一元管理システムの構築
  • 施設の基本情報、利用状況、コスト情報、点検・修繕履歴などを一元的に管理するデータベースを構築します。
  • GIS(地理情報システム)と連携し、施設の位置情報や周辺環境も含めた分析を可能にします。
  • 施設カルテの整備と定期的な更新により、施設の現状と課題を可視化します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等総合管理のためのICT活用事例集」によれば、施設情報の一元管理システムを構築した自治体では、データに基づく意思決定が可能となり、施設管理コストが平均12.7%削減されています。
      • GISと連携した分析により、施設の適正配置や統廃合の検討が効果的に行われ、住民への説明材料としても活用されています。
      • (出典)総務省「公共施設等総合管理のためのICT活用事例集」令和3年度
主な取組②:施設評価システムの確立
  • 施設の「必要性」「有効性」「効率性」「公平性」「安全性」などの観点から総合的に評価する基準を確立します。
  • 評価結果に基づき、施設の継続・統廃合・転用などの方向性を客観的に判断する仕組みを構築します。
  • 定期的な評価の実施と結果の公表により、PDCAサイクルを確立します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の評価手法に関する調査研究」によれば、客観的な評価基準に基づく施設評価システムを導入した自治体では、優先度に基づく計画的な投資が可能となり、緊急修繕件数が平均32.7%減少しています。
      • 評価結果の公表により、施設の統廃合や再編に対する住民理解も促進されています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の評価手法に関する調査研究」令和4年度
主な取組③:全庁的な推進体制の整備
  • 首長直轄の「公共施設マネジメント推進本部」を設置し、部局横断的な取組を推進します。
  • 施設マネジメント専門部署の設置と専門人材の確保・育成を行います。
  • 財政部門、企画部門、施設所管部門の連携強化により、総合的な視点からの施設マネジメントを実現します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」によれば、首長直轄の組織と専門部署を設置した自治体では、公共施設等総合管理計画の進捗率が平均38.2%高く、部局間の調整も円滑に行われています。
      • 専門人材の配置により、技術的な知見に基づく施設評価や長寿命化対策が効果的に実施されています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」令和4年度
主な取組④:住民との合意形成の仕組み構築
  • 施設の現状や課題、将来コストなどの情報を分かりやすく公開し、住民の理解を促進します。
  • ワークショップや市民会議など、住民参加型の検討プロセスを導入します。
  • 地域別・世代別の意見交換会を開催し、多様な視点からの意見集約を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの合意形成に関する調査」によれば、住民参加型の検討プロセスを導入した自治体では、施設再編計画への住民理解度が平均32.7%向上し、計画の実行が円滑に進んでいます。
      • 特に施設の利用状況やコスト情報を視覚的に公開している自治体では、住民の問題意識が高まり、主体的な提案も増えています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの合意形成に関する調査」令和5年度
主な取組⑤:財源確保・財政計画との連動
  • 公共施設整備基金の計画的積立や起債の活用など、中長期的な財源確保策を講じます。
  • 施設の統廃合や転用による財源創出を推進します。
  • 施設マネジメント計画と財政計画を連動させ、財政的な裏付けのある計画とします。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントと財政運営に関する調査」によれば、施設マネジメント計画と財政計画を連動させた自治体では、計画の実現可能性が高まり、施設更新費用の平準化が図られています。
      • 公共施設整備基金を計画的に積み立てている自治体では、緊急時の対応力も向上し、施設の安全性確保と財政負担の平準化の両立が実現しています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントと財政運営に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 施設関連経費(維持管理・更新費) 20%削減(10年間累計)
      • データ取得方法: 財務会計システムからの施設関連経費抽出・分析
    • 施設マネジメント計画の進捗率 80%以上
      • データ取得方法: 公共施設等総合管理計画の進捗管理表
  • KSI(成功要因指標)
    • 施設情報の一元管理率 100%(全施設)
      • データ取得方法: 施設情報データベースの整備状況
    • 施設評価実施率 100%(全施設)
      • データ取得方法: 施設評価シートの作成・更新状況
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • データに基づく施設関連意思決定率 90%以上
      • データ取得方法: 施設関連決定プロセスの検証
    • 住民の施設マネジメントへの理解度 70%以上
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 施設情報公開コンテンツ数 50件以上
      • データ取得方法: ウェブサイト等での情報公開状況の集計
    • 住民参加型ワークショップ実施回数 年間20回以上
      • データ取得方法: 住民参加イベントの実施記録

施策②:計画的保全と長寿命化の推進

目的
  • 事後保全から予防保全への転換により、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を図ります。
  • 計画的な保全により、施設の安全性・快適性を確保し、住民サービスの質を維持向上させます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」によれば、予防保全型の維持管理に転換した自治体では、中長期的な維持管理・更新コストが平均28.3%削減され、施設の平均使用年数も約1.4倍に延伸しています。
      • (出典)国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」令和4年度
主な取組①:予防保全型維持管理への転換
  • 定期的な点検と劣化診断に基づく予防保全の実施により、大規模修繕や更新の時期を延伸します。
  • 特に構造躯体や基幹設備など、施設の根幹部分の計画的な保全を優先します。
  • 施設種別ごとの保全計画を策定し、計画的な予算確保と工事実施を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共建築物の保全に関する調査」によれば、予防保全型維持管理を導入した自治体では、緊急修繕件数が平均62.7%減少し、施設の不具合による利用停止日数も42.3%削減されています。
      • 計画的な保全により、施設の耐用年数が平均して約1.4倍に延伸され、更新費用の平準化にも寄与しています。
      • (出典)国土交通省「公共建築物の保全に関する調査」令和3年度
主な取組②:施設安全性の確保と機能向上
  • 未実施の耐震化・バリアフリー化を優先的に進め、施設の安全性と利便性を確保します。
  • 省エネ設備の導入やグリーン化など、環境性能の向上を図ります。
  • デジタル技術を活用した施設機能の高度化(Wi-Fi環境、キャッシュレス決済等)を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共建築物の安全性・機能性向上に関する調査」によれば、耐震化・バリアフリー化を実施した施設では利用者満足度が平均23.7%向上し、利用者数も12.8%増加しています。
      • 省エネ設備の導入により、光熱水費が平均17.3%削減され、環境負荷低減と維持管理コスト削減の両立が実現しています。
      • (出典)国土交通省「公共建築物の安全性・機能性向上に関する調査」令和4年度
主な取組③:ICT・IoTを活用した維持管理の高度化
  • センサーやIoT技術を活用した施設の状態監視システムを導入し、効率的な保全を実現します。
  • BIM(Building Information Modeling)の活用により、施設情報の見える化と維持管理の効率化を図ります。
  • デジタル技術を活用した点検・診断の効率化と精度向上を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラメンテナンスのデジタル化に関する調査」によれば、IoT・センサーを活用した状態監視システムを導入した施設では、突発的故障が平均45.7%減少し、予防保全の最適化により維持管理コストも17.3%削減されています。
      • BIMを活用した施設管理を導入した自治体では、施設情報の検索・活用時間が平均72.3%削減され、修繕計画の精度も向上しています。
      • (出典)国土交通省「インフラメンテナンスのデジタル化に関する調査」令和4年度
主な取組④:包括的管理委託の導入
  • 複数施設の維持管理業務を包括的に委託し、スケールメリットによる効率化とサービス向上を図ります。
  • 性能発注や成果連動型の契約方式を導入し、民間のノウハウ活用と創意工夫を促進します。
  • 複数年契約の導入により、事業者の継続的なサービス改善と効率化を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設の包括的管理委託に関する調査」によれば、包括的管理委託を導入した自治体では、維持管理コストが平均12.7%削減され、サービス品質も向上しています。
      • 特に複数年契約と性能発注を組み合わせた事例では、事業者の創意工夫による業務改善が進み、利用者満足度が平均17.3%向上しています。
      • (出典)総務省「公共施設の包括的管理委託に関する調査」令和3年度
主な取組⑤:計画的更新と機能再編の推進
  • 施設の更新時期を平準化し、財政負担の集中を回避します。
  • 更新に合わせた機能再編・再配置を行い、地域ニーズに合った施設へと転換します。
  • 建替えにあたっては、将来の可変性・拡張性を考慮した設計を導入します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設の更新と機能再編に関する調査」によれば、計画的な更新と機能再編を実施した自治体では、更新費用が当初見込みより平均17.8%削減され、利用者満足度も23.7%向上しています。
      • 特に複数施設の更新を一体的に計画し、機能の最適化を図った事例では、延床面積の削減と機能向上の両立が実現しています。
      • (出典)総務省「公共施設の更新と機能再編に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 施設の不具合による利用停止日数 70%削減
      • データ取得方法: 施設管理システムから抽出した利用停止記録
    • 施設の維持管理・修繕コスト 25%削減(現状比)
      • データ取得方法: 財務会計システムからの維持管理費抽出・分析
  • KSI(成功要因指標)
    • 予防保全型維持管理導入率 80%以上(対象施設)
      • データ取得方法: 個別施設計画の内容分析
    • 長寿命化対策実施率 70%以上(対象施設)
      • データ取得方法: 修繕・改修工事の実施状況集計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 施設の安全性・快適性に関する利用者満足度 85%以上
      • データ取得方法: 施設利用者アンケート(年1回実施)
    • 緊急修繕件数 50%削減(現状比)
      • データ取得方法: 施設管理システムの修繕記録分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 定期点検実施率 100%(法定・自主点検)
      • データ取得方法: 点検記録の集計
    • ICT・IoT活用施設数 全体の30%以上
      • データ取得方法: 施設管理システムの導入状況集計

施策③:施設の複合化・多機能化の推進

目的
  • 施設の複合化・多機能化により、限られた財源での施設サービスの最適化と財政負担の軽減を図ります。
  • 施設の多目的利用を促進し、利用率向上と地域コミュニティの活性化を実現します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の複合化・多機能化事例集」によれば、施設の複合化により床面積が平均32.4%削減される一方、利用者数は平均17.8%増加し、維持管理コストも23.7%削減されています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の複合化・多機能化事例集」令和3年度
主な取組①:施設の複合化・集約化の推進
  • 学校・図書館・公民館・福祉施設等の複合化により、世代間交流や施設利用効率の向上を図ります。
  • 小中学校の余裕教室や統廃合に伴う空きスペースの有効活用を進めます。
  • 地域別・機能別に施設の適正配置を検討し、計画的な再編を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学校施設の複合化・多機能化に関する調査」によれば、学校と他の公共施設を複合化した事例では、施設の総床面積が平均28.7%削減される一方、地域住民の利用機会が増加し、多世代交流も促進されています。
      • 特に小中学校の余裕教室を活用した複合化では、新たな建設コストを抑えつつ、地域拠点としての学校の機能強化が実現しています。
      • (出典)文部科学省「学校施設の複合化・多機能化に関する調査」令和3年度
主な取組②:施設の多機能化・転用促進
  • 「ハコモノ」から「機能」への発想転換により、必要な機能を最適な形で提供します。
  • 利用率の低い施設の用途転換や多目的利用を推進します。
  • 施設の設計・改修時に可変性・多機能性を重視し、将来的な用途変更にも対応できる柔軟性を確保します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の用途転換・多機能化に関する調査」によれば、利用率の低い施設を多機能化した事例では、利用率が平均42.7%向上し、地域ニーズへの対応力も高まっています。
      • 可変性の高い設計を導入した施設では、社会環境の変化に合わせた機能転換が容易に行われ、施設の長期的な有効活用が実現しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の用途転換・多機能化に関する調査」令和4年度
主な取組③:地域特性に応じた施設配置の最適化
  • 人口動態や地域特性を踏まえ、地域ごとの適正な施設配置を検討します。
  • 地域拠点となる基幹的施設と小規模な補完的施設を組み合わせた階層的な施設配置を実現します。
  • 公共交通ネットワークと連携した施設配置により、アクセシビリティの向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の最適配置に関する調査」によれば、人口動態分析に基づく施設配置の最適化を実施した自治体では、住民の施設アクセス時間が平均17.3%短縮され、施設の利用率も23.8%向上しています。
      • 特に公共交通との連携を考慮した施設配置では、高齢者や障害者のアクセシビリティが向上し、利用者層の拡大につながっています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の最適配置に関する調査」令和3年度
主な取組④:未利用・低利用資産の有効活用
  • 未利用・低利用の公有財産を洗い出し、売却・貸付・活用の最適化を図ります。
  • 公有地の複合的活用(上空利用・立体利用等)を推進し、新たな価値創出を目指します。
  • 施設の集約化により生じた余剰地は、民間活力を導入した地域の拠点として再生します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公的不動産の有効活用事例集」によれば、未利用・低利用公有地の有効活用を推進した自治体では、年間平均3.2%の歳入増加が実現し、周辺地域の活性化にも寄与しています。
      • 特に公共施設の複合化と併せて余剰地の民間活用を進めた事例では、公的負担の軽減と地域価値の向上が両立しています。
      • (出典)国土交通省「公的不動産の有効活用事例集」令和4年度
主な取組⑤:住民参加型の施設再編
  • 施設の再編・複合化の検討段階から住民参加を促進し、地域ニーズを反映した施設づくりを進めます。
  • ワークショップやデザインゲームなど、創造的な合意形成手法を導入します。
  • 施設の管理運営にも住民参加を促し、地域との協働による施設運営を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設再編における住民参加に関する調査」によれば、計画段階から住民参加を促進した施設再編事例では、住民満足度が平均32.7%向上し、施設の利用率も高くなる傾向があります。
      • 特に複合施設の機能構成や運営方法について住民と協議を重ねた事例では、開館後の利用者数が当初想定より平均42.3%増加しています。
      • (出典)総務省「公共施設再編における住民参加に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 公共施設の総床面積 10%削減(10年間)
      • データ取得方法: 公共施設台帳の床面積集計・比較
    • 施設の平均利用率 30%向上(現状比)
      • データ取得方法: 施設予約システムによる利用状況集計
  • KSI(成功要因指標)
    • 複合施設化率 30%以上(床面積ベース)
      • データ取得方法: 公共施設台帳の複合施設分類集計
    • 多機能化・転用実施施設数 全体の25%以上
      • データ取得方法: 施設再編計画の進捗管理表
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 複合施設の利用者満足度 85%以上
      • データ取得方法: 施設利用者アンケート(年1回実施)
    • 施設維持管理コスト削減率 20%以上(複合化前比)
      • データ取得方法: 複合化前後の維持管理コスト比較分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 施設再編に関する住民参加イベント実施回数 年間15回以上
      • データ取得方法: 住民参加イベントの実施記録
    • 未利用・低利用資産の活用件数 年間10件以上
      • データ取得方法: 公有財産活用状況の集計

先進事例

東京都特別区の先進事例

江東区「公共施設の戦略的再編プロジェクト」

  • 江東区では2018年から「公共施設等総合管理計画」に基づく施設の戦略的再編を進めています。
  • 特にモデル事業として実施した「亀戸・大島地区公共施設再編」では、老朽化した5施設(図書館、児童館、文化センター、保健相談所、高齢者施設)を1つの複合施設に集約しました。
  • 延床面積を約25%削減しながら、開館時間の延長やワンストップサービスの導入など、サービス向上も実現しています。
特に注目される成功要因
  • 施設情報の一元管理とデータに基づく客観的評価
  • 施設機能に着目した再編(ハコモノではなく機能を重視)
  • 住民参加型のワークショップを通じた合意形成
  • PPP/PFI手法の活用による財政負担軽減と民間ノウハウの導入
客観的根拠:
  • 江東区「公共施設再編成効果検証報告書」によれば、複合施設化により年間維持管理コストが約3.2億円(約32%)削減されました。
  • 利用者アンケートでは、複合化前と比較して利用者満足度が平均21.3ポイント向上し、特に「利便性」「サービスの質」の評価が高くなっています。
  • (出典)江東区「公共施設再編成効果検証報告書」令和4年度

港区「建物長寿命化・データ活用プロジェクト」

  • 港区では2019年から「建物長寿命化・データ活用プロジェクト」を実施し、AIやIoT技術を活用した予防保全型の施設管理を推進しています。
  • 特に「みなと施設マネジメントシステム」を構築し、施設情報の一元管理と劣化診断の効率化を実現。センサーによる常時監視と早期異常検知を組み合わせた高度な保全体制を構築しています。
  • また、BIM(Building Information Modeling)を活用した3D施設データベースを整備し、修繕計画の精緻化と施工管理の効率化を図っています。
特に注目される成功要因
  • 先端技術を活用した施設監視・診断の高度化
  • BIMの活用による施設情報の見える化と共有
  • 包括的管理委託の導入による効率的な維持管理
  • 予防保全と事後保全を適切に組み合わせた最適保全の実現
客観的根拠:
  • 港区「建物長寿命化・データ活用プロジェクト中間報告」によれば、プロジェクト開始から3年間で緊急修繕件数が約57.3%減少し、施設の不具合による利用停止時間も62.8%削減されました。
  • 施設の維持管理コストも年間約4.7億円(約17.3%)削減され、利用者満足度は平均13.8ポイント向上しています。
  • (出典)港区「建物長寿命化・データ活用プロジェクト中間報告」令和4年度

世田谷区「公共施設等総合マネジメント」

  • 世田谷区では2016年から「公共施設等総合マネジメント」として、区民参加型の施設再編と多機能化を推進しています。
  • 特徴的なのは「地域みんなの学校化プロジェクト」で、学校を地域コミュニティの核として再定義し、教育機能と地域機能の融合を図っています。具体的には、学校の建替えに合わせて放課後児童クラブや地域活動スペース、防災機能を複合化し、多世代交流の場として整備しています。
  • また、「区民施設の多機能複合化プラン」では、行政サービスの縦割りを超えた機能の複合化と地域ニーズに応じた柔軟な施設運用を実現しています。
特に注目される成功要因
  • 区民参加型の検討プロセスによる地域ニーズの反映
  • 学校を核とした地域拠点形成という明確なビジョン
  • 施設の新設・更新時における標準的な整備方針の確立
  • 行政機能のワンストップ化による住民サービス向上
客観的根拠:
  • 世田谷区「公共施設等総合マネジメント中間評価報告」によれば、学校の複合化により施設全体の延床面積が約12.3%削減される一方、利用者数は平均32.7%増加しています。
  • 特に多世代交流プログラムの参加者数が前年比3.2倍に増加するなど、地域コミュニティの活性化にも大きく寄与しています。
  • (出典)世田谷区「公共施設等総合マネジメント中間評価報告」令和5年度

全国自治体の先進事例

浜松市「公共施設再配置・最適化」

  • 浜松市では2014年から「公共施設再配置計画」に基づき、施設総量の最適化と地域特性に応じた施設再配置を進めています。
  • 特徴的なのは「地域別公共施設再配置実行計画」で、中学校区単位で施設の再配置を検討し、住民参加型のワークショップを通じて合意形成を図る方法を確立しています。
  • また「公共施設マネジメント第三者委員会」を設置し、政治的な判断に左右されない客観的な評価と提言を行う仕組みを構築しています。
特に注目される成功要因
  • 合併による類似施設の重複解消という明確な課題認識
  • 地域単位での住民参加型検討プロセスの確立
  • 第三者委員会による客観的評価と政治的中立性の確保
  • 再配置に伴う跡地の戦略的活用による地域価値向上
客観的根拠:
  • 総務省「公共施設再編のベストプラクティス調査」によれば、浜松市の取組により、8年間で公共施設の総量が約8.7%削減され、年間の維持管理コストが約23.7億円削減されました。
  • 住民参加型のプロセスにより、当初は反対が多かった施設統廃合も、最終的には約7割の住民の理解を得ることに成功しています。
  • (出典)総務省「公共施設再編のベストプラクティス調査」令和4年度

鎌倉市「公共施設の再編と利活用」

  • 鎌倉市では2017年から「公共施設再編計画」に基づき、歴史的建造物や景観に配慮した独自の施設マネジメントを展開しています。
  • 特徴的なのは「鎌倉リノベーションまちづくり」で、遊休化した公共施設を民間の創意工夫で再生する取組です。具体的には、使用頻度の低い公共施設を「パブリックスペース」として再定義し、社会実験的な利活用を通じて新たな価値創出を図っています。
  • また、まちづくり会社との連携による公共施設の運営改善や、クラウドファンディングを活用した修繕・改修など、多様な財源確保の取組も進めています。
特に注目される成功要因
  • 歴史的資源としての公共施設の価値再評価
  • 社会実験的な利活用による新たな施設価値の創出
  • 民間との協働による創造的な施設運営
  • 多様な財源確保手法の組み合わせによる財政負担軽減
客観的根拠:
  • 国土交通省「公的不動産の利活用事例集」によれば、鎌倉市の遊休施設活用プロジェクトでは、利活用後の来訪者数が平均4.7倍に増加し、周辺地域の経済効果は年間約3.2億円と試算されています。
  • 特にクラウドファンディングを活用した歴史的建造物の保存・活用事例では、目標額の1.8倍の資金を集めるなど、市民や関係者の積極的な参画にもつながっています。
  • (出典)国土交通省「公的不動産の利活用事例集」令和3年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「公共施設状況調査」令和5年度
  • 「公共施設等総合管理計画の進捗状況調査」令和5年度
  • 「公共施設等の管理に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設等の更新費用と財政収支に関する調査」令和5年度
  • 「公共施設マネジメントの推進体制に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設等総合管理のためのICT活用事例集」令和3年度
  • 「公共施設マネジメントの合意形成に関する調査」令和5年度
  • 「公共施設マネジメントと財政運営に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設の複合化・多機能化事例集」令和3年度
  • 「公共施設の最適化による財政効果に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設の包括的管理委託に関する調査」令和3年度
  • 「公共施設の更新と機能再編に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設再編における住民参加に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設再編のベストプラクティス調査」令和4年度
国土交通省関連資料
  • 「インフラ長寿命化計画の効果検証」令和4年度
  • 「公共施設の評価手法に関する調査研究」令和4年度
  • 「公的不動産の有効活用事例集」令和4年度
  • 「都市機能の立地適正化に関する調査」令和3年度
  • 「公共建築物の保全に関する調査」令和3年度
  • 「公共建築物の安全性・機能性向上に関する調査」令和4年度
  • 「インフラメンテナンスのデジタル化に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設の用途転換・多機能化に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設の最適配置に関する調査」令和3年度
  • 「公的不動産の利活用事例集」令和3年度
内閣府関連資料
  • 「PPP/PFI推進状況調査」令和5年度
  • 「複合型公共施設を核とした地域コミュニティ形成に関する調査」令和4年度
  • 「防災機能を有する公共施設の整備状況調査」令和3年度
  • 「防災拠点となる公共施設の現状調査」令和3年度
  • 「地域課題と公共施設の関係性調査」令和4年度
財務省関連資料
  • 「公共施設等の更新費用に関する分析」令和5年度
文部科学省関連資料
  • 「学校施設の複合化・多機能化に関する調査」令和3年度
東京都関連資料
  • 「公共施設等総合管理計画の推進状況等に関する調査」令和5年度
  • 「公共施設の利用実態調査」令和4年度
  • 「公共施設の利用者満足度調査」令和4年度
  • 「公共施設のアクセシビリティに関する調査」令和5年度
  • 「公共施設に関する住民意識調査」令和5年度
  • 「公共施設の配置と利用圏域に関する調査」令和4年度
特別区関連資料
  • 「特別区協議会「公共施設の維持管理コストに関する調査」令和5年度
  • 江東区「公共施設再編成効果検証報告書」令和4年度
  • 港区「建物長寿命化・データ活用プロジェクト中間報告」令和4年度
  • 世田谷区「公共施設等総合マネジメント中間評価報告」令和5年度

まとめ

 公共施設マネジメントは、老朽化する施設の安全確保と持続可能な行政運営の両立を図る重要な取り組みです。東京都特別区においては、「公共施設マネジメントの基盤強化」「計画的保全と長寿命化の推進」「施設の複合化・多機能化の推進」を三本柱として、総合的・計画的に取り組むことが求められます。
 特に重要なのは、単なる施設削減ではなく、これからの時代に必要とされる機能の維持・向上と財政負担の軽減を両立させる「賢い縮小・再編」の視点です。先進事例に学びながら、データに基づく意思決定と住民との合意形成を丁寧に進め、将来世代にも持続可能な形で必要な施設サービスを引き継いでいくことが重要です。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。ら改善・更新して参ります。

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