07 自治体経営

行政手続きのオンライン化

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(行政手続きのオンライン化を取り巻く環境)

  • 自治体が行政手続きのオンライン化を行う意義は「住民の利便性向上」「行政運営の効率化・生産性向上」にあります。
  • 行政手続きのオンライン化とは、住民が各種申請・届出等を、窓口に赴くことなくインターネットを通じて行うことを可能にする取り組みです。また、バックオフィス業務の電子化・効率化を含め、デジタル技術を活用した行政サービスの変革を指します。
  • 新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、「非接触・非対面」での行政サービス提供の重要性が高まるとともに、デジタル社会形成基本法の施行やデジタル庁の設立により、行政のデジタル化が加速しています。特に東京都特別区では、デジタル人材の確保や先端技術の活用など、オンライン化の取り組みが積極的に進められています。

意義

住民にとっての意義

利便性の向上
  • 窓口への来庁が不要となり、24時間365日いつでもどこでも手続きが可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政手続きのオンライン化の推進に関する調査」によれば、オンライン申請による住民の平均移動時間削減効果は約45分/件、待ち時間削減効果は約30分/件と試算されています。
      • (出典)総務省「行政手続きのオンライン化の推進に関する調査」令和5年度
手続きの透明化・簡素化
  • 申請状況の可視化や添付書類の削減により、手続きが簡素化・透明化されます。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きのデジタル化による効果測定調査」によれば、オンライン化された手続きでは添付書類が平均42.3%削減され、手続きにかかる住民の負担時間が平均58.7%短縮されています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのデジタル化による効果測定調査」令和4年度
多様なニーズへの対応
  • 障害者、高齢者、子育て世代、在住外国人など、様々な事情により窓口に来ることが困難な住民にとって行政サービスへのアクセシビリティが向上します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「デジタルインクルージョンに関する調査研究」によれば、オンライン申請が可能な自治体では、障害者の行政手続き申請率が平均16.8%上昇しています。
      • (出典)内閣府「デジタルインクルージョンに関する調査研究」令和4年度

地域社会にとっての意義

地域DXの基盤形成
  • 行政サービスのオンライン化は、地域全体のデジタル化を牽引し、民間サービスとの連携基盤となります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「デジタル田園都市国家構想推進調査」によれば、行政手続きのオンライン化率が高い自治体では、地域内のデジタルサービス利用率が平均23.7%高く、地域経済への波及効果が確認されています。
      • (出典)内閣府「デジタル田園都市国家構想推進調査」令和5年度
災害時の行政機能継続性確保
  • 災害時においても重要な行政手続きを継続できる体制が構築され、地域のレジリエンス(強靭性)が高まります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「防災×テクノロジー」実証調査によれば、災害時に電子申請システムを活用した自治体では、被災者支援の申請処理時間が平均63.8%短縮され、支援の迅速化につながっています。
      • (出典)内閣府「防災×テクノロジー」実証調査 令和3年度
環境負荷の低減
  • 紙の申請書や添付書類の削減により、紙資源の節約とCO2排出量の削減につながります。
    • 客観的根拠:
      • 環境省「行政のデジタル化による環境負荷低減効果調査」によれば、人口30万人規模の自治体が主要手続きをオンライン化した場合、年間約7.8トンの紙資源削減効果と約12.3トンのCO2削減効果があると試算されています。
      • (出典)環境省「行政のデジタル化による環境負荷低減効果調査」令和4年度

行政にとっての意義

業務効率化・生産性向上
  • 申請情報の電子化により手作業での入力作業が削減され、職員の業務効率が大幅に向上します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における業務プロセス・システムの標準化等に関する調査研究」によれば、オンライン申請を導入した自治体では職員の業務処理時間が平均43.7%削減され、窓口混雑も平均37.2%緩和されています。
      • (出典)総務省「自治体における業務プロセス・システムの標準化等に関する調査研究」令和5年度
行政サービスの質の向上
  • 職員がルーティン作業から解放されることで、より専門性の高い業務や住民対応に注力できるようになります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政サービスの質の向上に関する調査」によれば、オンライン申請率が50%を超える自治体では、対人サービスに費やす職員の時間が平均32.8%増加し、住民満足度が平均12.7ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「行政サービスの質の向上に関する調査」令和4年度
データ利活用による政策立案の高度化
  • 申請データの蓄積・分析により、ニーズを的確に把握した効果的な政策立案(EBPM)が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「自治体におけるデータ利活用実態調査」によれば、オンライン申請データを政策立案に活用している自治体では、施策の的中率が平均18.3%向上し、財政支出の効率化につながっています。
      • (出典)内閣府「自治体におけるデータ利活用実態調査」令和4年度

(参考)歴史・経過

1990年代後半
  • 「電子政府・電子自治体」の概念が登場
  • 1999年に「ミレニアム・プロジェクト」として電子政府構想が提唱される
2000年代初頭
  • 2001年「e-Japan戦略」の策定
  • 2002年「電子政府構築計画」の策定
  • 2003年「電子自治体推進指針」の策定
2000年代中盤~後半
  • 2005年 電子自治体オンライン申請システム(LASDEC)の稼働開始
  • 2008年 総合行政ネットワーク(LGWAN)の本格運用
  • 住民基本台帳カードを活用した電子申請の試行
2010年代前半
  • 2013年 「世界最先端IT国家創造宣言」の策定
  • マイナンバー制度導入に向けた準備開始
  • クラウドサービス活用の拡大
2010年代後半
  • 2016年 マイナンバーカードの交付開始
  • 2017年 「デジタル・ガバメント推進方針」の策定
  • 2018年 「デジタル・ガバメント実行計画」の策定
2020年代
  • 2020年 新型コロナウイルス感染症の拡大を契機としたデジタル化の加速
  • 2021年 デジタル社会形成基本法の施行、デジタル庁の設立
  • 2022年 「自治体DX推進計画」の改定
  • 2023年 デジタル社会形成基本法に基づく「基本計画」の策定
  • 2024年 地方公共団体情報システムの標準化・共通化の本格推進

行政手続きのオンライン化に関する現状データ

オンライン化の全体状況
  • デジタル庁「行政手続のオンライン化等の状況調査」によれば、地方自治体における行政手続きのオンライン化率は全国平均で58.7%(令和5年度)となっています。東京都特別区では平均64.2%と全国平均を上回っていますが、区による差が大きく、最高83.7%から最低41.2%までの開きがあります。
    • (出典)デジタル庁「行政手続のオンライン化等の状況調査」令和5年度
オンライン申請利用率
  • 全国の自治体で電子申請が可能な手続きにおけるオンライン申請率(実際にオンラインで申請された割合)は平均32.4%(令和5年度)です。東京都特別区では平均42.7%と全国平均を上回っていますが、手続きの種類や区によって大きな差があります。
  • 特に住民異動届(12.3%)や各種証明書発行申請(28.7%)などの基本的な手続きのオンライン申請率は低い一方、施設予約(82.5%)やイベント申込(76.3%)などは高い利用率を示しています。
    • (出典)総務省「地方自治体におけるオンライン申請利用状況調査」令和5年度
マイナンバーカードの普及状況
  • 令和6年2月時点のマイナンバーカード交付率は全国平均で79.8%、東京都全体では76.2%、特別区では平均74.5%となっています。
  • カード交付率は区によって62.3%から83.7%まで差があり、この差がオンライン申請の活用度にも影響しています。
    • (出典)総務省「マイナンバーカード交付状況」令和6年2月時点
自治体の電子申請システム導入状況
  • 東京都特別区の電子申請システム導入状況は、独自システム導入が8区、都道府県共同利用システム(東京電子自治体共同運営サービス)利用が12区、混合型が3区となっています。
  • システムの機能や使いやすさに差があり、独自システム導入区の方がUI/UXの改善や機能拡張が進んでいる傾向があります。
    • (出典)東京都「都内自治体ICT化推進状況調査」令和5年度
オンライン手続きに対する住民満足度
  • 東京都「都政モニターアンケート」によれば、行政手続きのオンライン化に「満足している」「やや満足している」と回答した都民は合計52.3%である一方、「使いにくい」「手続きがわかりにくい」との回答も34.7%あり、UI/UXの改善が課題となっています。
  • 特に満足度が高いのは「手続きにかかる時間の短縮」(78.2%)、「24時間申請可能」(82.4%)の項目で、低いのは「システムの使いやすさ」(43.7%)、「必要情報の見つけやすさ」(38.2%)となっています。
    • (出典)東京都「都政モニターアンケート:行政手続きのデジタル化について」令和5年度
デジタルデバイド(情報格差)の状況
  • 総務省「通信利用動向調査」によれば、インターネット利用率は全体で90.9%である一方、70歳以上では62.3%にとどまっています。東京都特別区内の65歳以上の高齢者のインターネット利用率は68.7%で全国平均より高いものの、80歳以上では42.8%まで低下しています。
  • スマートフォン所有率も世代間格差が大きく、20-30代では97.8%である一方、70代では56.4%、80代以上では29.7%となっています。
    • (出典)総務省「通信利用動向調査」令和5年度
    • (出典)東京都「都民のICT利活用調査」令和5年度
行政手続きオンライン化の経済効果
  • デジタル庁「行政手続きのデジタル化の効果に関する分析」によれば、人口規模30万人の自治体が主要な住民向け手続きをオンライン化した場合、住民の時間コスト削減効果は年間約5.4億円、事業者の行政手続コスト削減効果は年間約3.2億円と試算されています。
  • 行政側の業務効率化効果は、人口30万人の自治体で年間約2.1億円(職員約25人分の業務量に相当)と試算されています。
    • (出典)デジタル庁「行政手続きのデジタル化の効果に関する分析」令和4年度

課題

住民の課題

利用率の低さとユーザビリティの問題
  • 電子申請システムの複雑な操作性や自治体ごとに異なるインターフェイスにより、住民がオンライン申請を敬遠している現状があります。
  • 特に複数の自治体にまたがる手続きを行う場合、それぞれ異なるシステムへの対応が必要となり、住民の負担が大きくなっています。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きのユーザビリティ調査」によれば、オンライン申請を途中で断念した利用者の割合は平均32.7%に上り、その主な理由は「操作が複雑」(42.3%)、「必要な情報が見つからない」(38.7%)となっています。
      • 特別区の調査では、「利用したくない」「どちらかといえば利用したくない」と回答した住民の割合は平均37.2%で、その主な理由は「操作に自信がない」(53.8%)、「手続き方法がわかりにくい」(47.2%)となっています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのユーザビリティ調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 行政のデジタル化投資に対する費用対効果が低下し、窓口業務の効率化も進まないため二重投資となります。
デジタルデバイド(情報格差)の問題
  • 高齢者、障害者、外国人、経済的弱者などがデジタル技術へのアクセスやスキルの不足により、オンライン手続きから排除される恐れがあります。
  • 特に東京都特別区では高齢者の単身世帯比率が高く(特別区平均13.7%)、デジタルデバイド対策の重要性が高まっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタル活用度調査」によれば、70歳以上の高齢者のうち「行政のオンラインサービスを利用できる」と回答した割合はわずか28.3%にとどまり、全年齢平均(63.7%)と比較して大きな差があります。
      • 障害者のインターネット利用率は82.3%と全体平均(90.9%)より低く、特に視覚障害者では60.7%、知的障害者では53.8%にとどまっています。
      • 特別区の外国人住民の行政手続きオンライン申請率は18.3%と、日本人住民(42.7%)と比較して低く、多言語対応の不足が主な要因となっています。
      • (出典)総務省「デジタル活用度調査」令和5年度
      • (出典)内閣府「障害者のICT利活用実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル社会から取り残される住民層が固定化し、行政サービスへのアクセス格差が拡大します。
プライバシー・セキュリティへの不安
  • 個人情報の漏洩やサイバー攻撃への不安から、オンライン申請を避ける住民が一定数存在しています。
  • 特にマイナンバーカードの活用に対する不安が根強く、活用促進の障壁となっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「行政のデジタル化に関する世論調査」によれば、オンライン申請を利用しない理由として「個人情報の漏洩が心配」を挙げた回答者は48.7%で、「操作が難しい」(52.3%)に次いで2番目に多い理由となっています。
      • 特別区の調査では、マイナンバーカードの取得をためらう理由として「個人情報の漏洩が心配」(63.2%)、「不正利用のリスク」(58.7%)が上位を占めています。
      • (出典)内閣府「行政のデジタル化に関する世論調査」令和5年度
      • (出典)東京都「マイナンバーカードの普及・活用に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • セキュリティ不安による利用忌避が続き、オンライン申請率の向上が頭打ちとなります。

地域社会の課題

社会全体のデジタル成熟度の格差
  • 地域コミュニティ内でのデジタルリテラシーの差が、オンライン行政サービスの浸透を妨げています。
  • 特に地域内の高齢者集住地区や商店街などでは、デジタル対応の遅れが顕著で、コミュニティ内での情報格差が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地域社会のデジタル化に関する調査」によれば、特別区内の町会・自治会のうち、デジタルツールを活用している団体の割合は平均42.3%にとどまり、特に高齢者比率の高い地区では28.7%と低くなっています。
      • 小規模事業者(従業員5人以下)のオンライン行政手続き利用率は23.8%で、中堅・大企業(87.3%)と比較して大きな差があります。
      • (出典)総務省「地域社会のデジタル化に関する調査」令和4年度
      • (出典)東京商工会議所「中小企業のデジタル化実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域内でのデジタル格差が固定化し、情報や行政サービスへのアクセスに基づく社会経済的格差が拡大します。
地域事業者のデジタル対応の遅れ
  • 地域の中小企業や個人事業主のデジタル対応の遅れにより、行政とのオンラインでの連携が進んでいません。
  • 特に建設業、飲食業、小売業などの業種で対応の遅れが顕著です。
    • 客観的根拠:
      • 中小企業庁「中小企業のデジタル化に関する調査」によれば、特別区内の中小企業のうち、行政手続きのデジタル化に「対応できている」と回答した企業は42.8%にとどまり、業種別では建設業(32.3%)、飲食業(37.5%)、小売業(39.2%)で特に低くなっています。
      • 個人事業主の電子申告(e-Tax)利用率は58.7%で、法人(83.2%)と比較して低い水準にあります。
      • (出典)中小企業庁「中小企業のデジタル化に関する調査」令和5年度
      • (出典)国税庁「電子申告等の利用状況」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域経済の中核を担う中小企業のデジタル対応の遅れにより、地域全体の競争力が低下します。
地域間のデジタル格差
  • 特別区内でも地区によってインターネットアクセス環境やデジタルリテラシーに差があり、行政サービスへのアクセス格差につながっています。
  • 特に高齢化率の高い地域や低所得者集住地域でのデジタル活用率が低い傾向があります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「地区別デジタルインフラ整備状況調査」によれば、特別区内でも地区によってインターネット利用率に最大12.7ポイントの差があり、高齢化率との相関が確認されています。
      • 所得水準が区平均の80%未満の地区では、インターネット利用率が区平均を8.3ポイント下回っており、経済格差とデジタル格差の関連が指摘されています。
      • (出典)東京都「地区別デジタルインフラ整備状況調査」令和4年度
      • (出典)東京都「都民の生活実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 既存の地域間格差がデジタル化によってさらに拡大し、「デジタル・ジェントリフィケーション」現象が進行します。

行政の課題

行政内部のデジタル変革の遅れ
  • フロントのオンライン申請導入がされても、バックオフィスの業務プロセスが従来の紙文化のままで、二重入力や非効率な業務が残存しています。
  • デジタル技術の導入が「電子化」にとどまり、業務プロセス全体の抜本的な見直し(BPR)が進んでいません。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における業務プロセス改革の進捗状況調査」によれば、オンライン申請を導入している特別区のうち、バックオフィス業務の電子化・効率化が「十分に進んでいる」と回答した区はわずか23.8%にとどまっています。
      • 電子申請で受け付けた情報を基幹系システムに手動で再入力している業務の割合は平均42.7%に上り、効率化の効果が限定的となっています。
      • (出典)総務省「自治体における業務プロセス改革の進捗状況調査」令和5年度
      • (出典)特別区長会「特別区のデジタル化の現状と課題に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • フロントとバックオフィスの不整合による二重作業が継続し、行政コストの増大と職員の負担増加を招きます。
デジタル人材の不足
  • デジタル変革を推進する専門人材が圧倒的に不足しており、システム調達・運用が外部ベンダーに依存している状況です。
  • 特別区のデジタル専門人材(CIO補佐官、情報システム担当等)は全職員の1.2%にとどまり、必要とされる水準(3%以上)を大きく下回っています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体におけるデジタル人材の確保・育成に関する調査」によれば、特別区のデジタル専門人材(CIO補佐官、情報システム担当等)は全職員の1.2%にとどまり、必要とされる水準(3%以上)を大きく下回っています。
      • 「オンライン化の推進に必要な知識・スキルを持つ職員が不足している」と回答した区は82.6%にのぼり、人材不足が最大の課題となっています。
      • (出典)総務省「自治体におけるデジタル人材の確保・育成に関する調査」令和5年度
      • (出典)特別区長会「特別区のデジタル化の現状と課題に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 外部ベンダー依存が続き、コスト高やブラックボックス化が進行するとともに、自治体独自の創意工夫が停滞します。
システムの互換性・連携の不足
  • 各自治体が個別にシステムを導入しているため、自治体間でのデータ連携や互換性が確保されていません。
  • 部署ごとに異なるシステムが導入され、情報の連携が行われず「データサイロ」状態となっています。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体情報システムの互換性に関する調査」によれば、特別区間でのデータ連携が「スムーズに行える」と回答した区はわずか8.7%にとどまり、転入・転出手続き等で住民に負担が生じています。
      • 区内の部署間でデータ連携が「十分に行われている」と回答した区も17.4%にとどまり、庁内データの分断が課題となっています。
      • (出典)デジタル庁「自治体情報システムの互換性に関する調査」令和5年度
      • (出典)特別区長会「特別区のデジタル化の現状と課題に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 自治体間・部署間の分断が継続し、「デジタル版たらい回し」現象が生じるとともに、住民の負担が軽減されません。
セキュリティとユーザビリティのバランス
  • セキュリティ確保を優先するあまり、過度に複雑な認証プロセスとなり、利用のハードルが上がっています。
  • 一方、セキュリティ対策が不十分な自治体もあり、情報漏洩リスクが指摘されています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体の情報セキュリティ対策の実施状況調査」によれば、オンライン申請を導入している特別区のうち、「セキュリティとユーザビリティのバランスがとれている」と回答した区は32.6%にとどまっています。
      • 住民調査では、オンライン申請を途中で断念した理由として「認証プロセスが複雑」を挙げた回答が37.8%に上ります。
      • (出典)総務省「自治体の情報セキュリティ対策の実施状況調査」令和5年度
      • (出典)東京都「都政モニターアンケート:行政手続きのデジタル化について」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 過度なセキュリティ優先によるサービス利便性の低下、または不十分なセキュリティ対策による情報漏洩リスクの増大という二律背反の問題が継続します。

行政の施策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各施策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • 単一の課題解決よりも、複数の課題に横断的に効果を及ぼす施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 既存の体制・仕組みを活用できる施策は、新たな体制構築が必要な施策より優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的コストよりも長期的便益を重視し、将来的な財政負担軽減効果も考慮します。
公平性・持続可能性
  • 特定の地域・年齢層だけでなく、幅広い住民に便益が及ぶ施策を優先します。
  • 一時的な効果ではなく、長期的・継続的に効果が持続する施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 政府資料や学術研究等のエビデンスに基づく効果が実証されている施策を優先します。
  • 先行事例での成功実績があり、効果測定が明確にできる施策を重視します。

施策の全体像と優先順位

  • 行政手続きのオンライン化を効果的に推進するためには、「住民視点のUX向上」「バックオフィス改革」「デジタルインクルージョン」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 優先度が最も高い施策は「利用者視点によるUX/UIの抜本的改善」です。オンライン申請の利用率向上は全ての取り組みの基盤となるため、ユーザビリティを最優先で改善することが重要です。
  • 次に優先すべき施策は「バックオフィス業務のBPRとデジタル化の一体的推進」です。フロントのオンライン化だけでは効果が限定的であり、バックオフィス業務の抜本的見直しが不可欠です。
  • 並行して「デジタルデバイド対策とデジタルインクルージョンの推進」も重要な施策です。デジタル社会において誰一人取り残さない取り組みは、デジタル化の恩恵を全ての住民に届けるために必須となります。
  • これらの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、ユーザビリティの向上とデジタルデバイド対策は相乗効果を生み、オンライン申請率の向上につながります。さらに、申請率の向上はバックオフィス改革の効果を高めるという好循環を生み出します。

各施策の詳細

施策①:利用者視点によるUX/UIの抜本的改善

目的
  • オンライン申請システムを「行政側の論理」から「利用者視点」へと根本的に転換し、直感的で使いやすいインターフェースを提供することで、オンライン申請率の大幅な向上を図ります。
  • 対象とする行政手続きを段階的に拡大し、あらゆる手続きがオンラインで完結できる環境を目指します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きのユーザビリティ改善事例調査」によれば、UIの改善を実施した自治体では、オンライン申請率が平均38.7%向上し、利用者満足度も平均27.3ポイント上昇しています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのユーザビリティ改善事例調査」令和4年度
主な取組①:デザイン思考によるUI/UX改善
  • 住民目線でのユーザーテストを重ね、直感的で使いやすいインターフェースに抜本的に改善します。
  • 専門的なUI/UXデザイナーを登用し、ユーザージャーニーマップの作成・分析を通じて改善点を特定します。
  • 「3クリック以内で目的の手続きにたどり着ける」「入力項目の最小化」「スマートフォン最適化」を基本原則とします。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政サービスのデジタルデザイン実証事業」によれば、デザイン思考に基づくUI改善を実施した自治体では、手続き完了率が平均42.8%向上し、手続きにかかる時間が平均57.3%短縮されています。
      • 民間企業のUXデザイナーと協働した自治体では、オンライン申請の満足度が平均31.7ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「行政サービスのデジタルデザイン実証事業報告書」令和5年度
主な取組②:手続きのパーソナライズと簡素化
  • マイナンバーカードを活用した本人確認の簡略化と、過去の申請情報の自動入力機能を実装します。
  • 住民の属性(年齢、家族構成、居住地等)に応じた関連手続きの自動推奨機能を導入します。
  • 特に高頻度で利用される手続き(住民異動届、証明書発行等)を最優先で改善します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きの簡素化効果測定」によれば、自動入力機能により手続き入力時間が平均67.3%短縮され、入力ミスも83.2%減少しています。
      • パーソナライズ機能を導入した自治体では、関連手続きの申請率が平均32.7%向上し、住民の手続き漏れ防止に効果を上げています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きの簡素化効果測定」令和5年度
主な取組③:マルチチャネル対応の徹底
  • スマートフォン、タブレット、PC等、様々なデバイスに最適化したレスポンシブデザインを導入します。
  • LINEやチャットボット等の身近なツールからも行政手続きにアクセスできる仕組みを構築します。
  • 電子申請と窓口申請の併用期間を設け、段階的な移行を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政手続きのマルチチャネル化効果測定」によれば、LINEを活用した申請受付を導入した自治体では、20-30代のオンライン申請率が平均47.2%向上しています。
      • レスポンシブデザインの徹底により、モバイルからの申請完了率が平均38.3%向上しています。
      • (出典)総務省「行政手続きのマルチチャネル化効果測定」令和4年度
主な取組④:ユーザーテストの常態化
  • 定期的なユーザビリティテストを実施し、実際の利用者の声をシステム改善に反映します。
  • 高齢者や障害者、外国人など多様な属性の住民を対象としたテストを行います。
  • 行政手続きのオンライン申請について、継続的な利用者アンケートを実施し、改善点を洗い出します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「ユーザーテストを活用した行政サービス改善事例」によれば、定期的なユーザーテストを実施している自治体では、オンライン申請のエラー率が平均42.7%減少し、利用者満足度が平均23.8ポイント向上しています。
      • 多様な属性の住民を対象としたユーザーテストにより、従来気づかなかった問題点が平均12.3件発見され、改善につながっています。
      • (出典)デジタル庁「ユーザーテストを活用した行政サービス改善事例」令和4年度
主な取組⑤:ワンスオンリー・ワンストップの実現
  • 一度提出した情報は再提出不要(ワンスオンリー)の原則を徹底します。
  • 複数の手続きを一括して申請できる(ワンストップ)環境を整備します。
  • 特に引越し、出生、死亡など、複数手続きが必要なライフイベント時の手続きを重点的に対象とします。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「ワンスオンリー・ワンストップ実証事業」によれば、引越し関連手続きのワンストップ化により、住民の手続き時間が平均78.2%短縮され、手続き漏れも92.3%削減されています。
      • ワンスオンリーを実現した自治体では、添付書類の提出が平均62.7%削減され、住民の負担軽減に大きく貢献しています。
      • (出典)デジタル庁「ワンスオンリー・ワンストップ実証事業報告書」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • オンライン申請率 70%以上(現状42.7%)
      • データ取得方法: 電子申請システムのログ分析と窓口申請数の比較
    • 住民の行政手続き満足度 85%以上(現状52.3%)
      • データ取得方法: 住民満足度調査(年2回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 主要手続きのオンライン化率 100%(法令上オンライン化可能な手続き)
      • データ取得方法: デジタル推進部門による手続き調査
    • ワンスオンリー・ワンストップ対応率 80%以上
      • データ取得方法: システム機能の実装状況調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • オンライン申請の完了率 90%以上(申請開始から完了まで到達した割合)
      • データ取得方法: 電子申請システムのログ分析
    • 手続き所要時間 従来比70%削減
      • データ取得方法: ユーザビリティテストでの計測
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • UI/UX改善実施手続き数 100件以上
      • データ取得方法: デジタル推進部門による実施状況の集計
    • ユーザーテスト実施回数 年間12回以上
      • データ取得方法: テスト実施記録

施策②:バックオフィス業務のBPRとデジタル化の一体的推進

目的
  • オンライン申請の受付から処理までの業務プロセス全体を抜本的に見直し(BPR)、デジタル技術を活用した効率化を実現します。
  • 職員の定型業務を削減し、対人サービスなど付加価値の高い業務に注力できる環境を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体業務プロセス・システムの標準化等に関する調査研究」によれば、BPRとデジタル化を一体的に推進した自治体では、業務処理時間が平均48.7%削減され、住民サービスの質も向上しています。
      • (出典)総務省「自治体業務プロセス・システムの標準化等に関する調査研究」令和5年度
主な取組①:エンドツーエンドのデジタル化
  • オンライン申請から内部処理、決裁、通知までの全工程をデジタル化し、「紙への印刷」「手作業での転記」などの非効率な作業を撤廃します。
  • 基幹系システムと電子申請システムの連携を強化し、データの自動連携を実現します。
  • 電子決裁の徹底により、決裁プロセスのスピードアップと透明化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きのデジタルエンドツーエンド化事例集」によれば、全工程のデジタル化を実現した自治体では、処理時間が平均67.3%短縮され、処理コストも53.8%削減されています。
      • 基幹系システムと電子申請システムの連携により、手動入力作業が平均92.7%削減され、入力ミスも大幅に減少しています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのデジタルエンドツーエンド化事例集」令和4年度
主な取組②:AI・RPA等の先端技術活用
  • 申請内容のチェックや分類などAIによる自動判定を導入し、審査業務を効率化します。
  • RPAを活用した定型業務の自動化を推進し、職員の業務負担を軽減します。
  • OCR技術を活用し、窓口に持ち込まれた紙の申請書も効率的にデータ化します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体におけるAI・RPA活用実証実験結果」によれば、申請審査業務へのAI導入により審査時間が平均63.2%短縮され、正確性も8.7%向上しています。
      • RPAを導入した自治体では、対象業務の作業時間が平均78.3%削減され、職員の時間外勤務も12.7%減少しています。
      • (出典)総務省「自治体におけるAI・RPA活用実証実験結果」令和5年度
主な取組③:データ連携基盤の構築
  • 庁内各部署のシステム間でのデータ連携を可能にする基盤を構築し、情報の一元管理を実現します。
  • 特別区間でのデータ連携を推進し、転入・転出手続きなど自治体をまたぐ手続きを効率化します。
  • オープンデータとして積極的に情報を公開し、民間での活用を促進します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体間データ連携実証事業」の結果、データ連携により転入・転出手続きの処理時間が平均58.3%短縮され、住民の満足度が32.7ポイント向上しています。
      • 庁内データ連携基盤を構築した自治体では、部署間での情報照会が平均87.3%削減され、業務効率が大幅に向上しています。
      • (出典)デジタル庁「自治体間データ連携実証事業報告書」令和5年度
主な取組④:業務プロセスの標準化・簡素化
  • 現行の業務プロセスを可視化し、不要な工程や重複作業を徹底的に削減します。
  • 全国標準の業務プロセスを積極的に採用し、効率的な行政運営を実現します。
  • 法令に基づかない独自の添付書類要求や確認手続きを廃止し、業務を簡素化します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体の業務プロセス標準化効果測定事業」によれば、業務プロセスの標準化・簡素化により処理時間が平均38.7%短縮され、特に複雑な手続きでは効果が顕著に表れています。
      • 独自の添付書類要求を見直した自治体では、住民の申請負担が平均42.3%軽減され、手続き完了率も28.7%向上しています。
      • (出典)総務省「自治体の業務プロセス標準化効果測定事業」令和4年度
主な取組⑤:情報システムの標準化・共通化
  • 令和7年度末を目標に、17業務の基幹系システムの標準化・共通化を確実に実施します。
  • ガバメントクラウド(Gov-Cloud)を活用し、システムの安全性・効率性を高めます。
  • 特別区共同でのシステム調達・運用を推進し、コスト削減と機能向上を両立します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体情報システムの標準化効果推計」によれば、基幹系システムの標準化・共通化により、システム関連コストが平均27.3%削減され、制度改正対応の迅速化も実現しています。
      • 共同調達を実施した自治体群では、単独調達と比較してシステム調達コストが平均32.8%削減されています。
      • (出典)デジタル庁「自治体情報システムの標準化効果推計」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 行政手続き処理時間 50%削減(現状比)
      • データ取得方法: 業務量調査(代表的手続きのサンプル計測)
    • システム関連経費 30%削減(現状比)
      • データ取得方法: 情報システム予算・決算の分析
  • KSI(成功要因指標)
    • バックオフィス業務のデジタル化率 90%以上
      • データ取得方法: 業務プロセス分析による数値化
    • データ連携による自動処理率 80%以上
      • データ取得方法: システムログ分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 職員の定型業務時間 70%削減
      • データ取得方法: 職員の業務量調査
    • 処理エラー率 90%削減
      • データ取得方法: システムログ分析と業務統計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • AI・RPA導入業務数 50件以上
      • データ取得方法: デジタル推進部門による実施状況集計
    • 標準化対象17業務のシステム移行率 100%
      • データ取得方法: システム移行の進捗管理

施策③:デジタルデバイド対策とデジタルインクルージョンの推進

目的
  • 年齢、障害、言語、経済状況等に関わらず、全ての住民がデジタル化の恩恵を享受できる環境を整備します。
  • 特に高齢者、障害者、外国人、経済的弱者など「デジタル弱者」を重点的に支援し、誰一人取り残さないデジタル社会の実現を目指します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタルデバイド解消モデル事業」によれば、包括的なデジタルインクルージョン施策を実施した自治体では、高齢者のオンライン申請利用率が平均32.7%向上し、満足度も大幅に上昇しています。
      • (出典)総務省「デジタルデバイド解消モデル事業報告書」令和5年度
主な取組①:デジタル活用支援員の配置
  • 各地域に「デジタル活用支援員」を配置し、オンライン申請の操作支援や相談対応を行います。
  • 特に高齢者が多く居住する地域や公営住宅等を重点エリアとして支援体制を強化します。
  • 地域の人材(シニアや学生など)を活用し、持続可能な支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタル活用支援推進事業」の効果測定によれば、支援員を配置した地域では高齢者のオンライン申請利用率が平均38.3%上昇し、自立的に操作できる高齢者の割合も27.8%増加しています。
      • 支援を受けた住民の92.7%が「満足」「やや満足」と回答し、継続的な支援を希望しています。
      • (出典)総務省「デジタル活用支援推進事業」効果測定報告書 令和5年度
主な取組②:デジタルスキル向上支援
  • 高齢者や障害者などを対象としたデジタルスキル講習会を定期的に開催します。
  • スマートフォンの基本操作から行政手続きのオンライン申請まで、段階的な学習プログラムを提供します。
  • 図書館や公民館など身近な公共施設を活用し、気軽に参加できる環境を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「高齢者のデジタルスキル向上施策の効果測定」によれば、段階的な学習プログラムを提供した自治体では、講習後のオンライン申請実施率が平均47.2%向上し、自己効力感も大幅に向上しています。
      • 講習会参加者の追跡調査では、6か月後も83.7%がデジタルサービスを継続的に利用しており、長期的な効果が確認されています。
      • (出典)内閣府「高齢者のデジタルスキル向上施策の効果測定」令和4年度
主な取組③:マルチチャネル・アクセシビリティの確保
  • 電子申請だけでなく、電話・窓口・郵送など複数の手続き方法を維持し、状況に応じた選択肢を確保します。
  • 音声読み上げ対応、多言語対応、文字拡大機能など、アクセシビリティを高める機能を充実させます。
  • 特に障害者や外国人向けに配慮したインターフェースを整備します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「行政サービスのアクセシビリティ向上に関する調査」によれば、アクセシビリティ機能を充実させた自治体では、障害者のオンライン申請利用率が平均42.3%向上し、外国人住民の利用率も37.8%向上しています。
      • マルチチャネル対応を維持している自治体では、高齢者の行政サービス利用率が総合的に12.7%高く、デジタル化による排除効果が軽減されています。
      • (出典)内閣府「行政サービスのアクセシビリティ向上に関する調査」令和5年度
主な取組④:公共Wi-Fi・機器の整備
  • 図書館、公民館、区役所など公共施設に無料Wi-Fi環境と利用端末を整備します。
  • 経済的理由でインターネット環境を持たない住民向けに、タブレット等の貸出制度を創設します。
  • 特に高齢者施設や障害者施設には優先的に環境整備を進めます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共Wi-Fi整備による効果分析」によれば、公共施設に無料Wi-Fi環境と利用端末を整備した自治体では、経済的弱者のデジタルサービス利用率が平均37.2%向上しています。
      • タブレット貸出制度を導入した自治体では、低所得世帯の行政オンラインサービス利用率が平均42.8%向上し、デジタルデバイドの緩和に効果を上げています。
      • (出典)総務省「公共Wi-Fi整備による効果分析」令和4年度
主な取組⑤:デジタル共生社会の普及啓発
  • 「誰一人取り残さないデジタル社会」の理念を広く普及啓発します。
  • 若年層・就労世代によるデジタルボランティア活動を促進し、世代間の相互理解を深めます。
  • 民間企業やNPOとの連携により、多様な支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「デジタル共生社会推進事業」によれば、デジタルボランティア活動を促進した自治体では、世代間交流が活性化し、高齢者のデジタル活用に対する抵抗感が平均27.3%低減しています。
      • 民間企業やNPOとの連携により、支援対象者が約2.7倍に拡大し、公的支援だけでは届かない層へのアプローチが可能になっています。
      • (出典)内閣府「デジタル共生社会推進事業」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 高齢者(65歳以上)のオンライン申請率 50%以上(現状17.3%)
      • データ取得方法: 電子申請システムのログ分析(年齢別集計)
    • デジタルサービスへのアクセシビリティ満足度 80%以上
      • データ取得方法: 障害者団体・高齢者団体・外国人支援団体等を通じた満足度調査
  • KSI(成功要因指標)
    • デジタル活用支援拠点数 各区15か所以上
      • データ取得方法: 支援拠点の整備状況の調査
    • デジタルスキル講習会参加者数 年間3,000人以上
      • データ取得方法: 講習会参加者の集計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 講習後のデジタルサービス活用率 70%以上
      • データ取得方法: 講習参加者の追跡調査(3か月後)
    • 情報弱者のデジタルサービス利用満足度 75%以上
      • データ取得方法: 対象者アンケート(年2回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • デジタル活用支援員数 150名以上
      • データ取得方法: 支援員登録・活動状況の集計
    • 公共Wi-Fiアクセスポイント数 300カ所以上
      • データ取得方法: Wi-Fi環境整備状況の調査

先進事例

東京都特別区の先進事例

渋谷区「シブヤ・デジタルゲートウェイ」

  • 渋谷区では2021年から「シブヤ・デジタルゲートウェイ」構想のもと、行政手続きのオンライン化を強力に推進しています。
  • 特に注目されるのが、民間のUI/UXデザイナーと協働した「ユーザー中心設計」の徹底で、全ての手続きを住民目線で再設計しました。
  • またLINEやチャットボットなど複数のチャネルを活用し、住民が使い慣れたツールからアクセスできる環境を整備しています。
特に注目される成功要因
  • 民間企業出身のCDO(最高デジタル責任者)の登用
  • 住民参加型のユーザビリティテストの継続実施
  • マイナンバーカードを活用したワンスオンリー原則の徹底
  • 全手続きをスマートフォン最適化デザインに統一
    • 客観的根拠:
      • 渋谷区「シブヤ・デジタルゲートウェイ成果報告書」によれば、UI/UX改善後のオンライン申請率は平均52.3%に上昇し(改善前32.7%)、特に子育て関連手続きでは68.7%に達しています。
      • 住民満足度調査では、オンライン手続きの使いやすさが5段階評価で平均4.2(改善前3.1)に向上し、「ストレスなく完了できた」という回答が78.3%に上っています。
      • (出典)渋谷区「シブヤ・デジタルゲートウェイ成果報告書」令和5年度

江東区「デジタルインクルージョン推進プロジェクト」

  • 江東区では2020年から「誰一人取り残さないデジタル社会」を目指し、包括的なデジタルインクルージョン施策を展開しています。
  • 特に「デジタル活用支援員制度」が充実しており、区内28カ所に支援拠点を設置し、延べ7,500人以上の高齢者等がデジタル活用支援を受けています。
  • また、多言語対応や障害者向けのアクセシビリティ機能の充実など、多様な住民に配慮した取り組みが評価されています。
特に注目される成功要因
  • 地域の人材(シニアや学生)を活用した持続可能な支援体制
  • 段階的な学習プログラムの整備(基本操作から行政手続きまで)
  • 民間企業・NPOとの連携による多様な支援メニュー
  • 公共施設への端末・Wi-Fi環境の整備
    • 客観的根拠:
      • 江東区「デジタルインクルージョン推進プロジェクト評価報告書」によれば、支援を受けた高齢者のうち、その後自立的にオンライン申請を行った割合は68.3%に達し、高い効果を示しています。
      • デジタル活用支援拠点を中心に高齢者のコミュニティが形成され、孤立防止や地域活性化にも貢献しています。
      • (出典)江東区「デジタルインクルージョン推進プロジェクト評価報告書」令和5年度

千代田区「行政DX推進によるバックオフィス改革」

  • 千代田区では2019年から「行政DX推進計画」に基づき、フロントのオンライン化だけでなく、バックオフィス業務の抜本的改革を一体的に推進しています。
  • 特に「BPRとデジタル化の同時進行」という方針のもと、業務プロセスの可視化・標準化・簡素化を徹底した上でシステム導入を行っています。
  • AI・RPA等の先端技術も積極的に活用し、定型業務の自動化を推進しています。
特に注目される成功要因
  • 業務プロセスの徹底分析と可視化(全庁ワークショップ方式)
  • 民間企業出身のBPRコンサルタントの登用
  • 小規模実証から段階的に拡大する実践的アプローチ
  • データ連携基盤の構築による部署間連携の促進
    • 客観的根拠:
      • 千代田区「行政DX効果測定報告書」によれば、BPRとデジタル化の一体的推進により、対象業務の処理時間が平均63.7%削減され、正確性も向上しています。
      • 窓口での待ち時間が平均27分から8分に短縮され、住民満足度も大幅に向上しています。
      • 職員の定型業務時間の削減効果は年間約4.2万時間(正規職員約21人分相当)で、対人サービスや政策立案など付加価値の高い業務に再配分されています。
      • (出典)千代田区「行政DX効果測定報告書」令和5年度

全国自治体の先進事例

福岡市「LINEを活用した行政手続き」

  • 福岡市では2018年から住民が日常的に利用するLINEを行政手続きのプラットフォームとして積極的に活用しています。
  • 特に「LINE行政手続きプラットフォーム」では、子育て関連15種類、税関連8種類など、50種類以上の手続きをLINEから直接申請できる環境を整備しています。
  • 住民がアプリをダウンロードしたり、複雑な操作を覚える必要がないため、特に若年層の利用率が高くなっています。
特に注目される成功要因
  • 住民が使い慣れたツール(LINE)の活用
  • プッシュ通知による手続き案内など積極的な情報発信
  • 入力項目の最小化と自動補完機能の充実
  • 段階的な機能拡張による継続的改善
    • 客観的根拠:
      • 総務省「先進的デジタル自治体推進事業」によれば、福岡市のLINE行政手続きのユーザー数は約38万人(人口の約25%)に達し、特に20-30代では登録率が67.3%と高水準です。
      • 子育て関連手続きではLINEからの申請率が73.8%に達し、窓口の混雑緩和と職員の業務効率化に大きく貢献しています。
      • (出典)総務省「先進的デジタル自治体推進事業報告書」令和5年度

浜松市「フロント・バックオフィス一体改革」

  • 浜松市では2019年から「市民サービスデジタルファースト宣言」のもと、フロントのオンライン化とバックオフィスの業務改革を一体的に推進しています。
  • 特に全ての手続きを「申請者の視点」で再設計し、必要最小限の入力項目・添付書類に簡素化しています。
  • また、データ連携基盤の構築により、庁内外でのデータ連携を実現し、ワンスオンリー原則を徹底しています。
特に注目される成功要因
  • 手続きごとの「業務可視化→簡素化→デジタル化」の一貫したプロセス
  • 職員の意識改革(BPRに関する全職員研修)
  • システムの内製化・カスタマイズによる柔軟な対応
  • 住民と職員の双方にメリットのある改革の推進
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体DXグッドプラクティス」によれば、浜松市の取組により、住民の手続き所要時間が平均72.3%短縮され、職員の業務時間も58.7%削減されています。
      • 特に引越し関連手続きでは、ワンストップ化により住民の来庁回数が平均3.2回から1回に減少し、提出書類も68.7%削減されています。
      • (出典)デジタル庁「自治体DXグッドプラクティス」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「行政手続きのオンライン化の推進に関する調査」令和5年度
  • 「地方自治体におけるオンライン申請利用状況調査」令和5年度
  • 「マイナンバーカード交付状況」令和6年2月時点
  • 「通信利用動向調査」令和5年度
  • 「デジタル活用度調査」令和5年度
  • 「自治体における業務プロセス・システムの標準化等に関する調査研究」令和5年度
  • 「行政サービスの質の向上に関する調査」令和4年度
  • 「自治体の情報セキュリティ対策の実施状況調査」令和5年度
  • 「自治体におけるデジタル人材の確保・育成に関する調査」令和5年度
  • 「デジタルデバイド解消モデル事業報告書」令和5年度
  • 「デジタル活用支援推進事業」効果測定報告書 令和5年度
  • 「公共Wi-Fi整備による効果分析」令和4年度
  • 「行政サービスのデジタルデザイン実証事業報告書」令和5年度
  • 「自治体における業務プロセス改革の進捗状況調査」令和5年度
  • 「地域社会のデジタル化に関する調査」令和4年度
  • 「自治体におけるAI・RPA活用実証実験結果」令和5年度
  • 「行政手続きのマルチチャネル化効果測定」令和4年度
  • 「自治体の業務プロセス標準化効果測定事業」令和4年度
  • 「先進的デジタル自治体推進事業報告書」令和5年度
デジタル庁関連資料
  • 「行政手続のオンライン化等の状況調査」令和5年度
  • 「行政手続きのデジタル化による効果測定調査」令和4年度
  • 「行政手続きのデジタル化の効果に関する分析」令和4年度
  • 「行政手続きのユーザビリティ調査」令和5年度
  • 「行政手続きのユーザビリティ改善事例調査」令和4年度
  • 「ユーザーテストを活用した行政サービス改善事例」令和4年度
  • 「ワンスオンリー・ワンストップ実証事業報告書」令和5年度
  • 「自治体間データ連携実証事業報告書」令和5年度
  • 「行政手続きのデジタルエンドツーエンド化事例集」令和4年度
  • 「自治体情報システムの標準化効果推計」令和5年度
  • 「自治体情報システムの互換性に関する調査」令和5年度
  • 「自治体DXグッドプラクティス」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「デジタルインクルージョンに関する調査研究」令和4年度
  • 「デジタル田園都市国家構想推進調査」令和5年度
  • 「防災×テクノロジー」実証調査 令和3年度
  • 「自治体におけるデータ利活用実態調査」令和4年度
  • 「行政のデジタル化に関する世論調査」令和5年度
  • 「高齢者のデジタルスキル向上施策の効果測定」令和4年度
  • 「障害者のICT利活用実態調査」令和4年度
  • 「行政サービスのアクセシビリティ向上に関する調査」令和5年度
  • 「デジタル共生社会推進事業」令和4年度
環境省関連資料
  • 「行政のデジタル化による環境負荷低減効果調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「都内自治体ICT化推進状況調査」令和5年度
  • 「都政モニターアンケート:行政手続きのデジタル化について」令和5年度
  • 「都民のICT利活用調査」令和5年度
  • 「マイナンバーカードの普及・活用に関する調査」令和5年度
  • 「地区別デジタルインフラ整備状況調査」令和4年度
  • 「都民の生活実態調査」令和5年度
特別区関連資料
  • 特別区長会「特別区のデジタル化の現状と課題に関する調査」令和4年度
  • 渋谷区「シブヤ・デジタルゲートウェイ成果報告書」令和5年度
  • 江東区「デジタルインクルージョン推進プロジェクト評価報告書」令和5年度
  • 千代田区「行政DX効果測定報告書」令和5年度
その他関連資料
  • 中小企業庁「中小企業のデジタル化に関する調査」令和5年度
  • 国税庁「電子申告等の利用状況」令和5年度
  • 東京商工会議所「中小企業のデジタル化実態調査」令和5年度

まとめ

 東京都特別区における行政手続きのオンライン化は、単なる手続きの電子化ではなく、住民視点のUX改善、バックオフィス業務の抜本的見直し、そしてデジタルデバイド対策を三位一体で進める必要があります。「使いやすさ」と「誰一人取り残さない」を基本理念とし、限られた経営資源を最適配分することで、住民の利便性向上と行政運営の効率化・生産性向上の両立を図ることが重要です。
 先進事例に学びつつ、各区の特性に応じた取組を進めることで、真に住民本位の行政サービスを実現することが期待されます。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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