masashi0025
知事冒頭発言(要約)
1. 暑さ対策
概要
- ニュース概要
- 記録的な猛暑から都民の命と健康、暮らしを守るため、新たな暑さ対策が発表されました。特に熱中症リスクの高い高齢者や障害者を対象に、省エネ性能の高いエアコン購入を支援する「東京ゼロエミポイント」事業を、従来の1万円分から最大8万円分へと大幅に拡充します。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
- 深刻化する気候危機と連日の猛暑に対応し、特に熱中症リスクの高い高齢者等の生命を守るため、緊急かつ実効性の高い支援を行う必要があります。
- 具体的なアクション
- 省エネ性能(星3つ以上)のエアコン購入に対し、東京ゼロエミポイント付与額を最大8万円に拡充します。
- 行政側の意図
- エアコン未設置または故障世帯への購入を強力に後押しすることで、熱中症による重症者や死者を一人でも減らすことを目指しています。
- 期待される効果
- 熱中症リスクの高い層の生命保護に加え、省エネ家電の普及による脱炭素化の推進が期待されます。
- 課題・次のステップ
- 支援制度を対象者に確実に届け、適切なエアコン使用(例 冷房設定の確認)を啓発することが重要です。
- 特別区への示唆
- 区は、都の新たな支援制度について、民生委員や町会・自治会と連携し、支援が必要な高齢者世帯等へ積極的に周知することが求められます。また、地域のクーリングシェルターの設置・運営など、身近な暑さ対策の継続も重要です。
2. 家庭の油回収キャンペーン
概要
- ニュース概要
- 使用済み天ぷら油などを航空燃料「SAF」として再利用する取組を加速させるため、家庭での油回収を容易にする「江戸前じょうご」を製作し、都庁舎や約80か所の回収拠点で配布するキャンペーンを開始しました。これにより、都民の協力による資源循環を促進します。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
- 脱炭素化社会の実現に向け、廃棄物を資源として活用するサーキュラーエコノミーを推進し、都民の環境意識を高めるためです。
- 具体的なアクション
- 家庭で油をペットボトルに移しやすい専用の「江戸前じょうご」を製作・配布し、回収を促進します。
- 行政側の意図
- 都民が手軽に参加できる仕組みを提供することで、環境問題への関心を高め、具体的な行動変容を促すことを狙いとしています。
- 期待される効果
- 家庭からの廃油回収量の増加と、SAFの原料確保によるCO2排出量削減への貢献が期待されます。
- 課題・次のステップ
- キャンペーン終了後も継続的に回収できるネットワークを構築し、都民の行動として定着させることが課題です。
- 特別区への示唆
- 区は、回収拠点の設置協力や、区報・ウェブサイト等を通じたキャンペーンの周知を行うことが考えられます。地域の清掃事務所やリサイクルセンターと連携し、住民が参加しやすい回収体制を整えることが有効です。
3. アニメーター育成支援
概要
- ニュース概要
- 世界的に成長するアニメ・漫画産業において、グローバルな展開を目指すクリエイターを支援するため、新たな起業家育成プログラムを開始します。最先端のデジタル設備を備えたアトリエラボを設け、1年間の専門的な育成を行います。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
- 日本の重要な輸出産業であるコンテンツ産業の国際競争力をさらに強化し、新たな才能を発掘・育成するためです。
- 具体的なアクション
- 起業支援施設内に専用のアトリエラボを設置し、第1期生10名を対象に育成プログラムを実施します。
- 行政側の意図
- 制作スキルだけでなく、経営知識や資金調達ノウハウも提供し、世界で成功するクリエイター起業家を輩出することを目指します。
- 期待される効果
- 東京発の新たなコンテンツ企業の創出と、クリエイティブ産業における東京の拠点性向上が期待されます。
- 課題・次のステップ
- プログラム修了者が実際に起業し、事業を継続していけるような持続的なサポート体制の構築が求められます。
- 特別区への示唆
- 特にアニメ関連企業の集積地である区では、このプログラムを地域のクリエイターに周知することが有益です。また、地域の産業振興策として、若手クリエイター向けの交流会や小規模な制作スペースの提供などが考えられます。
4. 富士山噴火への備え
概要
- ニュース概要
- 富士山の大規模噴火に備え、都内での降灰による影響や対策を都民に分かりやすく伝えるため、生成AIを活用した啓発動画を制作・公開しました。動画では、食料・水・マスクなどの備蓄の重要性を呼びかけています。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
- 広範囲に甚大な影響を及ぼす可能性のある大規模災害に対し、事前の備えを促し、都民の生命と財産を守るためです。
- 具体的なアクション
- 生成AIを活用し、降灰による影響と対策を視覚的に分かりやすく伝える動画を制作・公開しました。
- 行政側の意図
- 実感の湧きにくい災害リスクを身近な問題として捉えてもらい、各家庭での具体的な防災行動(備蓄など)を促すことを目的としています。
- 期待される効果
- 都民の防災意識向上と、発災時に必要となる物資(特にマスク)の家庭備蓄率の向上が期待されます。
- 課題・次のステップ
- 動画の周知を徹底し、視聴した都民が実際に行動に移すよう、継続的な情報発信や啓発活動が必要です。
- 特別区への示唆
- 区は、都が作成した動画を防災訓練や説明会で活用するとともに、降灰時のごみ収集ルールや避難所の運営方針など、より地域に密着した具体的な情報を住民に提供する役割を担います。
質疑応答(要約)
- エアコン購入補助に対する他県の指摘について
- 都民の命と健康、暮らしを守ることは地方自治体の当然の判断であり、これまで進めてきたゼロエミポイント事業の一環であるとの認識が示されました。
- 世界陸上とデフリンピックにおけるボランティア文化について
- 両大会へのボランティア応募者数が募集を大幅に上回ったことを挙げ、ボランティア文化は着実に浸透しているとの考えが示されました。大会の成功に不可欠な存在として活躍に期待を寄せています。
- エジプトとの連携強化について
- アフリカ開発会議(TICAD)に合わせ、エジプトとの間で特別支援教育、技術教育、水素エネルギーなど4分野の合意書・覚書を締結し、友好関係をさらに発展させる考えが示されました。
- 新型コロナワクチンの定期接種費用助成について
- 高齢者の重症化リスクを考慮し、区市町村が実施する定期接種費用の自己負担軽減に対し、都が1人当たり千円の補助を行う方針が示されました。
- 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼文の送付について
- これまでと同様、関東大震災の犠牲者全てを対象とする大法要で追悼の意を示しているため、特定の式典に個別の追悼文を送る考えはないとの方針が改めて示されました。
- 国連機関の誘致について
- 1年前から提唱してきたことであり、内向きにならず世界に目を向けて日本の活力を取り戻すべきとの考えが示されました。
- 戦争の記憶の次世代への継承について
- 都の戦没者追悼式に中高生を招待するなど、今後も様々な場で悲惨な戦争についての学びを進めていく方針が示されました。
- 家庭の油回収キャンペーンの今後について
- 脱炭素化に向けた施策の一つであり、キャンペーン終了後も継続していく考えが示されました。
- 高齢者のエアコン誤操作による事故防止について
- 民生委員による見守りや声かけなどの啓発活動が重要であり、今回の購入補助はそれらの取組を後押しするものであるとの認識が示されました。
出典
小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年8月22日)
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