2025.07.30 02 社会経済状況 【2025年7月30日】行政関連ニュースと政策立案のヒント masashi0025 目次 社会経済状況厚生労働省、令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況を公表自治体経営墨田区、「すみだタウンミーティング」の開催を告知環境政策品川区、令和7年度「しながわゼロカーボンアクション助成」を開始生活安全政策渋谷区、客引き行為等防止条例違反者の氏名等を公表地域振興政策北区、電子マネー「東京都北区みらい応援WAON」を発行北区、「赤羽台」マンホールカードの配布を開始まちづくり、インフラ整備政策東京都、「東京における都市計画道路の整備方針」中間まとめを公表社会経済状況 厚生労働省、令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況を公表 概要 出典 厚生労働省 ニュース概要 厚生労働省が、令和6年末時点の就業保健師、看護師、歯科衛生士等の状況をまとめた「衛生行政報告例」を公表しました。医療従事者の就業場所や年齢構成などの実態が示されています。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 国の保健医療行政の基礎資料を得るためです。医療従事者の需給バランスや地域偏在、高齢化といった構造的課題を定量的に把握し、国全体の持続可能な医療提供体制の構築に繋げます。 具体的なアクション 全国の医療従事者を対象に、就業場所、雇用形態、年齢階級別の統計調査を実施し、結果を分析・公表します。これにより、マクロな視点での人的資源の動向が可視化されます。 行政側の意図 客観的なデータに基づいた政策立案(EBPM)を推進する意図があります。医療人材の育成・確保や、地域医療構想の策定・見直しなど、各種施策の根拠として活用されることを想定しています。 期待される効果 国や自治体が、より実態に即した医療・福祉人材の確保策や定着支援策を講じることが可能になります。また、医療系教育機関の定員計画などにも活用が期待されます。 課題・次のステップ 集計されたマクロデータを、各自治体が自らの地域の実情と照らし合わせて分析し、ミクロな政策に落とし込むことが次のステップです。特に働き方の多様化への対応が課題となります。 特別区への示唆 特別区においても、区内の医療・介護需要の将来推計と、本報告が示す人材供給のトレンドを比較分析することが重要です。特に看護師等の年齢構成から将来の離職者数を予測し、先手で人材確保・定着支援策(宿舎借り上げ支援等)を検討する必要があります。 自治体経営 墨田区、「すみだタウンミーティング」の開催を告知 概要 出典 墨田区 ニュース概要 墨田区は、区民との直接対話を通じて区政への理解と参加を促すため、8月22日に「すみだタウンミーティング」を開催することを告知しました。区の重点施策などについて意見交換が行われます。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 区民の声を直接聴取し、区政運営に反映させることで、行政への信頼と協働のまちづくりを推進するためです。政策形成プロセスへの区民参加を保障し、アカウンタビリティ(説明責任)を果たす目的があります。 具体的なアクション 区長や担当幹部職員が区内各地域に出向き、区の主要な取り組みを説明するとともに、参加者からの質問や意見に直接回答する形式の対話集会を開催します。 行政側の意図 双方向のコミュニケーションを通じて、区民のニーズや課題を肌で感じ取り、現場感覚を政策に活かす狙いです。また、区政の「見える化」を進め、区民の行政への関心を高めることを意図しています。 期待される効果 区民満足度の向上と、区政への当事者意識の醸成が期待されます。また、行政が把握していなかった地域の新たな課題が発見される可能性もあります。 課題・次のステップ 参加者が固定化しないよう、多様な層(若者、子育て世代など)の参加を促す工夫が必要です。また、出された意見をどのように区政に反映したか、フィードバックする仕組みが重要になります。 特別区への示唆 デジタルツールによる意見収集が広がる一方、対面での対話の価値は依然として高いです。各区においても、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッド型の住民対話の仕組みを検討し、多様な住民が参加しやすい環境を整備することが求められます。 環境政策 品川区、令和7年度「しながわゼロカーボンアクション助成」を開始 概要 出典 品川区 ニュース概要 品川区は、区民や事業者の脱炭素行動を促進するため、省エネ設備等の導入費用の一部を補助する令和7年度「しながわゼロカーボンアクション助成」を開始しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 2050年ゼロカーボンシティの実現という大きな目標達成には、行政の取組だけでなく、地域社会を構成する区民・事業者の自発的な行動変容が不可欠であるため、その初期投資を支援するものです。 具体的なアクション 家庭向けの省エネ家電買い替えや、事業者向けの太陽光発電設備・蓄電池の設置など、具体的な脱炭素行動に対して、申請に基づき助成金を交付します。 行政側の意図 金銭的インセンティブを設けることで、環境配慮行動への心理的・経済的ハードルを下げ、普及を加速させる狙いです。区全体のCO2排出量削減を着実に進めることを意図しています。 期待される効果 区内における再生可能エネルギーの導入量増加と、エネルギー消費量の削減が期待されます。また、区民の環境意識の向上にも繋がります。 課題・次のステップ 制度の周知徹底と、申請手続きの簡素化が利用率向上の鍵となります。また、助成によるCO2削減効果を定量的に測定し、事業評価を行うことが重要です。 特別区への示唆 各区で同様の助成制度は存在するものの、品川区の対象品目や助成率、申請要件などをベンチマークし、自区の制度の改善点を探ることは有益です。特に、新たな省エネ技術を迅速に対象に加えるなど、制度の柔軟性が求められます。 生活安全政策 渋谷区、客引き行為等防止条例違反者の氏名等を公表 概要 出典 渋谷区 ニュース概要 渋谷区は、区の「客引き行為等の防止に関する条例」に違反した悪質な行為者について、氏名や違反事実を区のウェブサイトで公表する措置を実施しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 来街者の増加が見込まれる中、悪質・巧妙化する客引き行為を抑止し、誰もが安全・安心に楽しめるまちの環境を確保するためです。従来の指導や過料では効果が限定的だったことへの対応です。 具体的なアクション 条例に基づき、指導・命令に従わない常習的な違反者に対して、氏名や違反行為の概要などを公表するという、より踏み込んだ行政処分を行います。 行政側の意図 違反行為が割に合わない、という社会的制裁(レピュテーション・リスク)を課すことで、行為者本人や背後にある組織への強力な抑止力とする狙いです。区の断固たる姿勢を示す意図もあります。 期待される効果 悪質な客引き行為の減少による、繁華街の治安改善とイメージ向上が期待されます。これにより、来街者の快適性が向上し、地域の健全な経済活動が促進されます。 課題・次のステップ 公表の基準や手続きの公平性・透明性を確保することが重要です。また、他区への客引き行為の移動(いたちごっこ)も懸念され、区境を越えた広域的な連携取締りが次の課題となります。 特別区への示唆 新宿区の条例改正 と並び、繁華街を持つ区にとって重要な先進事例です。渋谷区の公表措置の効果や、それに対する法的・社会的な反応を注視することは、各区が実効性のある客引き対策を検討する上で極めて有益な情報となります。 地域振興政策 北区、電子マネー「東京都北区みらい応援WAON」を発行 概要 出典 北区 ニュース概要 北区はイオン株式会社と連携し、利用額の一部が区の子育て支援等の財源として寄付されるご当地電子マネー「東京都北区みらい応援WAON」の発行を開始しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 新たな自主財源を確保するとともに、区民の地域貢献への参加を促すためです。企業の決済プラットフォームを活用し、区民が日常の買い物を通じて、負担感なく地域を応援できる仕組みを構築します。 具体的なアクション 民間事業者(イオン)と協定を締結し、区の名称やロゴを入れたオリジナルデザインの電子マネーカードを発行。その利用金額に応じた一定額が事業者から区へ寄付されます。 行政側の意図 税金以外の多様な財源確保の手法を模索する狙いです。また、カードを持つことで区への愛着(シビックプライド)を醸成し、区と区民、事業者が一体となったまちづくりを進めることを意図しています。 期待される効果 安定的な寄付収入による、子育て支援策などの充実に繋がります。また、地域貢献活動として企業の社会的責任(CSR)を後押しする効果も期待されます。 課題・次のステップ カードの普及率向上が最大の課題です。区民への周知活動を強化するとともに、寄付金の使途を明確に示し、事業の透明性を確保することが信頼獲得に繋がります。 特別区への示唆 民間企業のプラットフォームを活用したこのモデルは、他の特別区でも応用可能です。区内に店舗網を持つスーパーや、利用者の多い交通系ICカード事業者など、様々な民間パートナーとの連携が考えられ、新たな公民連携の形として参考になります。 北区、「赤羽台」マンホールカードの配布を開始 概要 出典 北区 ニュース概要 北区は、下水道事業への理解促進と地域の活性化を目的として、UR都市機構と連携し、ヌーヴェル赤羽台のイラストが描かれた「赤羽台」デザインのマンホールカードの配布を開始しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 普段は目に留まりにくい下水道インフラに関心を持ってもらうと同時に、それを観光資源として活用し、地域への来訪者を増やすためです。「インフラツーリズム」の一環として位置づけられます。 具体的なアクション 地域ゆかりのデザインを施したマンホールの蓋をモチーフにしたコレクションカードを作成し、指定の配布場所で希望者に無料で配布します。 行政側の意図 下水道事業の広報という行政目的と、地域のにぎわい創出という地域振興目的を、低コストで同時に達成する狙いです。コレクターの周遊を促し、地域内での消費喚起を意図しています。 期待される効果 マンホールカードを目当てに、区外からも含め多くの人が配布場所に訪れることによる、地域の活性化が期待されます。SNS等での情報拡散によるPR効果も見込めます。 課題・次のステップ 人気化した場合の、配布場所の混雑対応や、転売目的の収集への対策が課題となり得ます。また、カード配布をきっかけに、地域の他の魅力にも触れてもらうための周遊企画が必要です。 特別区への示唆 マンホールカードは全国的に成功している人気企画であり、導入しやすい地域振興策です。各区の特色あるデザインマンホールを活用し、地域の歴史や文化、名所と結びつけたストーリー性のあるカードを作成することで、新たなまちの魅力を発信できます。 まちづくり、インフラ整備政策 東京都、「東京における都市計画道路の整備方針」中間まとめを公表 概要 出典 東京都 ニュース概要 東京都が、今後の都市計画道路の整備に関する新たな方針の「中間のまとめ」を公表しました。これを受け、品川区、杉並区、板橋区など各区は、区民への説明や意見募集を開始しています。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 人口減少社会や防災機能強化、環境負荷軽減といった社会情勢の変化に対応し、将来の東京にふさわしい道路ネットワークを再構築するためです。長期未着手の路線の見直しも含まれます。 具体的なアクション 東京都が広域的な視点で方針案を作成し、それに対して、基礎自治体である各区が、地域住民の意見を聴取するためのオープンハウスや意見募集(パブリックコメント)を実施します。 行政側の意図 都が示す骨格的な方針に対し、地域の詳細な実情を熟知する区と住民の意見を反映させることで、より実効性の高い計画を策定する狙いです。都と区の役割分担による協働のプロセスです。 期待される効果 計画策定プロセスに透明性を持たせ、住民の理解と協力を得ながら、円滑な事業推進が期待されます。不要な道路計画の見直しによる、効率的な行政運営にも繋がります。 課題・次のステップ 住民の意見をどのように方針に反映させるか、そのプロセスと結果を明確に示すことが重要です。利害が対立するテーマであり、丁寧な合意形成が最大の課題となります。 特別区への示唆 この方針は、各区の将来のまちの姿を大きく左右する重要な計画です。区の都市計画、防災、環境、産業振興など、あらゆる部局が連携し、区の長期的なビジョンと照らし合わせて内容を精査し、都に対して積極的に意見を具申していく必要があります。 #02 社会経済状況#05 特別区(23区)#07 自治体経営#08 SDGs・環境#12 生活安全#18 地域#21 まちづくり・インフラ整備#91 取組#92 行政ニュース#99 その他 ABOUT ME 行政情報ポータルあらゆる行政情報を分野別に構造化行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。