04 東京都

【2025年6月27日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

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1. 女性活躍の推進

概要

  • ニュース概要
    • 都は、働く女性の活躍を推進する「女性活躍の輪 Women in Action(WA)」の一環として、女性起業家の事業拡大を後押しするプログラム「APT Women」の第10期受講生を募集します。これまでに9期280名を支援し、資金調達額は合計240億円以上に上ります。また、女性を取り巻く状況や都の取組をまとめたデジタルブックも公開しました。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 女性の起業家比率は3割を超える一方、ベンチャーキャピタル等からの資金調達が困難であるという課題に対応するため、行政が積極的に後押しする必要があります。
  • 具体的なアクション
    • 約3か月のワークショップやセミナー、海外派遣を通じて女性起業家の成長を支援します。
  • 行政側の意図
    • 意思決定層や起業家の輩出から育成まで、あらゆるステージの女性活躍を支援し、成功事例を創出することで、後に続く女性起業家を増やす好循環を生み出します。
  • 期待される効果
    • 女性起業家の増加と事業成長による経済活性化、多様な視点を活かしたイノベーションの創出。
  • 課題・次のステップ
    • プログラム修了者の継続的なフォローアップと、より多くの女性が起業しやすい環境の整備が求められます。
  • 特別区への示唆
    • 区内の中小企業支援策として、女性起業家に特化した相談窓口の設置や、融資制度の案内強化が考えられます。また、都が実施する「APT Women」のような高度なプログラムへ区内事業者を推薦・案内するなど、都と連携した支援体制の構築も有効です。

2. 東京グリーンビズ・クエスト

概要

  • ニュース概要
    • 都は、100年先を見据えた緑のプロジェクト「東京グリーンビズ」の一環として、都内37か所の公園や庭園を巡るデジタルイベント「東京グリーンビズ・クエスト」を開始しました。スマートフォンで参加し、各スポットのミッションをクリアすると、特典として東京ポイントや特別ツアーへの招待が用意されています。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 都民に都内の豊かな緑の魅力を再発見してもらい、ゲーム感覚で楽しみながら自然環境への関心を高める機会を提供するためです。
  • 具体的なアクション
    • スマートフォンで参加できるデジタル周遊企画を実施し、特典を用意して参加を促します。
  • 行政側の意図
    • スタートアップと連携して開発した現代的なスタンプラリー形式により、都民が緑に親しむきっかけを作り、「東京グリーンビズ」の認知度向上と理念の浸透を図ります。
  • 期待される効果
    • 都立公園等の利用促進、都民の環境意識の向上、そして緑の中での心身のリフレッシュ機会の提供。
  • 課題・次のステップ
    • 参加者の継続的な関心を維持する仕組み作りと、更なる参加者を呼び込むための広報戦略が重要です。
  • 特別区への示唆
    • 区立公園や緑道、商店街などを活用し、地域独自の「クエスト」を企画することで、地域の魅力発信、住民の健康増進、マイクロツーリズムの促進につなげられます。都の企画と連携し、区のスポットを追加することも有効な手法です。

3. 東京2025世界陸上 ワールドアスレティックス・ミュージアム

概要

  • ニュース概要
    • 2025年9月に開催される世界陸上東京大会の機運醸成のため、7月7日から都庁第一本庁舎で「ワールドアスレティックス・ミュージアム」を開設します。メダリストのウェアやシューズ、陸上の歴史を体感できる展示などを行います。また、環境に優しい航空燃料SAFの原料となる家庭の廃食油の回収も同会場で実施します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 大規模国際スポーツイベントの開催にあたり、都民の関心を高め、大会成功に向けた一体感を醸成するため、行政が主体となって魅力発信を行う必要があります。
  • 具体的なアクション
    • 都庁に来庁者が無料で楽しめるミュージアムを開設し、アスリートの偉業や大会の歴史を伝えます。
  • 行政側の意図
    • 1991年東京大会からの歴史を振り返りつつ、新大会への期待感を高めます。夏休みの子どもたちにアスリートのすごさを体感させ、将来の夢につなげる狙いもあります。
  • 期待される効果
    • 世界陸上への関心向上と来場意欲の喚起、子どもたちへのスポーツを通じた教育的効果が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • 大会本番まで継続的に情報を発信し、都民の関心を維持するとともに、多様な関連イベントを企画すること。
  • 特別区への示唆
    • 区の施設等を活用したパブリックビューイングや、地域のスポーツ団体と連携した陸上教室、元アスリートによる講演会などを企画する際の参考になります。大会を契機としたスポーツ振興は、区民の健康増進や地域の一体感醸成に繋がります。

4. 夏の小学生向けイベント

概要

  • ニュース概要
    • 都は小学生向けの夏休みイベントとして、都営交通の運転シミュレーター体験やバス整備工場を見学する「わくわくこどもキャンペーン」と、下水道について学んだことをまとめる「小学生下水道研究レポートコンクール」を実施します。どちらも子どもたちが楽しみながら都の事業を学べる企画です。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 将来の担い手である子どもたちに、交通や下水道といった社会インフラの重要性を楽しく学んでもらい、行政の役割への理解を深めてもらうためです。
  • 具体的なアクション
    • 普段は入れない施設での体験イベントや、人気キャラクターを起用したコンクールを実施します。
  • 行政側の意図
    • 子どもたちの知的好奇心を刺激するとともに、保護者世代にも都の事業や取組をアピールする機会とします。夏休みの自由研究のテーマ提供という側面もあります。
  • 期待される効果
    • 子どもたちの都政への親しみや理解の促進、そして社会インフラへの関心の向上が期待されます。
  • 課題・次のステップ
    • より多くの子どもが参加できるよう、学校等を通じた周知の徹底と、イベント内容の継続的な改善が求められます。
  • 特別区への示唆
    • 区が所管する清掃工場やリサイクルセンター、図書館、郷土資料館などで、同様の体験型イベントやコンクールを企画する際のヒントとなります。区の事業を子どもたちに分かりやすく伝えることは、シビックプライドの醸成にも繋がります。

質疑応答(要約)

  • 女性の管理職登用について
    • 女性役員比率が高い企業はROE(自己資本利益率)も高い傾向にあり、多様な意見が持続可能な経営に繋がります。都は意思決定層や起業家の育成など、あらゆる段階で女性活躍を強力に後押ししていきます。
  • 都議選の結果について
    • 各会派が政策を訴え、都民が判断した結果と受け止めています。変化の激しい時代の中で、都議会において様々な政策や方向性について議論していくことを期待します。
  • 浮体式洋上風力発電について
    • 国が伊豆諸島周辺の5海域を準備区域に指定したことは、ギガワット級の発電導入に向けた大きな一歩です。今後は漁業関係者など地元の方々と意見交換を重ね、早期の事業実現を目指します。
  • 都民ファーストの会の第一党奪還について
    • 物価高や子育て、介護といった都民のニーズを踏まえ、これまで政策を実現してきたことが共感を得たのではないかと考えています。今後、さらにスピード感を持って政策を進めていくことを期待します。
  • 018サポートの増額について
    • 018サポートは都民から好評を得ています。各党から増額などの提案も出ているため、様々な声を聞きながら、都政として最も望ましい形を議論・検討していきます。
  • 街頭演説のあり方について
    • 暴力による言論妨害が起きる中、危機管理としての警備は必要ですが、同時に有権者との距離が遠くならないよう、警備と触れ合いのバランスを取る工夫が進められていると感じています。
  • 国民民主党の都議会進出と連携について
    • 社会を前に進めるという点で共通項は多いと考えています。都議会での経験がない議員もいますが、その思いや声を都政としてしっかり聞いていくことを楽しみにしています。
  • 参院選への期待と関与について
    • 国政選挙として、国家のあり方や国益確保といった議論を期待します。都にとってプラスとなるよう、自民党や公明党の候補者と連携しながら進めていくことになると思います。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年6月27日)

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