2025.12.20 04 東京都 【2025年12月19日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント masashi0025 目次 1. 国による地方法人課税等の見直しに係る動きについて2. 国の首都直下地震に関する被害想定3. 都市計画道路の整備方針に関するパブリックコメント4. Tokyo中高生Webサイト5. 世界の都市総合力ランキング20256. OECDチャンピオン・メイヤーズ議長就任質疑応答(要約)1. 国による地方法人課税等の見直しに係る動きについて ニュース概要令和8年度税制改正大綱に対し、小池知事は強い反対を表明。国が導入を目指す利子割清算制度の根拠データの不備や、法人二税のシェアが都内総生産を下回っている実態を指摘し、東京の税収を狙い撃ちにする「収奪」を批判しました。 この取組を行政が行う理由地方税制の根幹を揺るがす不合理な税源剥奪を防ぎ、住民サービスを維持するための財源を死守する必要があるためです。 具体的なアクション不十分な統計データを事実に基づいて指摘し、都議会や区市町村と連携した「オール東京」での反対運動を展開します。 行政側の意図地方の努力が報われるインセンティブを強化し、限られたパイの奪い合いではなく国全体の成長を促す制度への転換を求めます。 期待される効果不当な税収減の回避による、安定的な行政サービスの提供と都市競争力の確保。 課題・次のステップ 与党税制改正大綱の詳細を精査し、あらゆる法的・政治的手段を用いて不合理な見直しに対する対抗策を講じます。 特別区への示唆税源の偏在是正を名目とした再配分議論は、特別区の財政にも直結する重大な懸念事項です。都の主張を支えるためにも、各区が担う行政コストの実態や、税収減が区民サービス(福祉や教育等)に及ぼす具体的な影響を可視化し、発信し続けることが求められます。 2. 国の首都直下地震に関する被害想定 ニュース概要国が公表した首都直下地震の被害想定に対し、都は「実態を反映していない」とする見解書を提示。10年前の古いデータを根拠とする国に対し、都は最新の耐震化・不燃化の成果を反映した独自の被害想定を早期に策定する方針です。 この取組を行政が行う理由誤った被害想定に基づく対策は有効に機能しないため、最新の強靭化成果を反映した正確なデータによる防災計画が必要なためです。 具体的なアクション国に対し想定の検証を強く求めつつ、専門家の知見を導入して実態に即した独自の被害想定をスピード感を持って策定します。 行政側の意図耐震化率92.0%達成などの成果を適切に評価し、「TOKYO強靭化プロジェクト」をより実効性の高いものにする狙いがあります。 期待される効果より精緻な防災対策の立案と、正確な情報提供による住民の安心感の向上。 課題・次のステップ 最新の想定に基づき、ハード整備を含めたさらなる減災対策や防災拠点の整備を加速させる必要があります。 特別区への示唆特別区は、都から今後示される最新の被害想定を基に、地域防災計画を迅速にアップデートする準備が必要です。特に木密地域の解消や帰宅困難者対策において、自区の対策がどれほど被害軽減に寄与しているかを再確認し、住民への啓発に活用する視点が重要です。 3. 都市計画道路の整備方針に関するパブリックコメント ニュース概要今後15年間で優先的に整備する227路線(約157km)を選定した整備方針案を公表。防災機能の強化に加え、テラスや街路樹を配置した「ウォーカブル(歩きたくなる)」な都市空間の実現を目指します。 この取組を行政が行う理由都市のレジリエンス向上と、次世代にふさわしい良質な都市空間・にぎわいの創出を両立させるためです。 具体的なアクション優先整備路線の選定、および地域と連携した道路活用のルール作り(露店やテラスの設置等)の推進。 行政側の意図単なる交通手段としての道路整備から、住民が憩い楽しめる空間への転換を図り、都市の魅力を高める狙いがあります。 期待される効果災害時の安全性向上に加え、地域の活性化や歩行者中心の魅力的な都市環境の実現。 課題・次のステップ パブリックコメントで得られた意見を反映させ、今年度末までに最終的な整備方針を決定します。 特別区への示唆道路整備は区と都が共同で進める分野であり、各区の特色を活かしたウォーカブルな街づくりを具現化する好機です。優先路線の周辺整備において、単なるインフラ整備に留まらず、地域の商業者等と連携したエリアマネジメントの視点を導入することが有効です。 4. Tokyo中高生Webサイト ニュース概要中高生向けのAI英会話学習や悩み相談サービス「ギュッとチャット」を掲載したWebサイトのベータ版を公開。現在、サイトの愛称を中高生の投票で決めるキャンペーンを実施中です。 この取組を行政が行う理由中高生特有のニーズに応える情報提供と、AI学習や相談機能を通じた若者支援をデジタル上で強化するためです。 具体的なアクションベータ版の公開、中高生による愛称投票(1月30日まで)、アンケートによる利便性検証。 行政側の意図ターゲット層の声を直接反映させることで、都政への関心とサイトの利用率を飛躍的に高める意図があります。 期待される効果若者の学習機会の提供、孤立防止に向けた相談窓口の周知、都政への参画意識の醸成。 課題・次のステップ 検証結果に基づき改修を行い、2026年3月に愛称と共に正式版を公開します。 特別区への示唆区が独自に展開する青少年向け施策の広報においても、都のサイトとの連携や、AIなどのデジタルツールの積極活用が検討に値します。中高生が「自分たちのためのツール」と感じるような、双方向のコミュニケーションを重視した手法は、区のDX推進の参考になります。 5. 世界の都市総合力ランキング2025 ニュース概要世界の都市総合力ランキング(GPCI)2025において、東京が過去最高の2位を獲得。「居住」分野で世界1位となったほか、治安や環境への取り組みが高く評価されました。 この取組を行政が行う理由東京の国際的なプレゼンスを高め、世界中から投資、人材、観光客を呼び込み、持続的な発展に繋げるためです。 具体的なアクション居住性や環境対策の磨き上げ、スタートアップ支援(SusHi Tech等)による経済力の底上げ。 行政側の意図「世界から選ばれる都市」への進化を加速させ、東京の成長を日本全体の発展の牽引車とする狙いがあります。 期待される効果海外からの評価向上による、観光振興、経済活性化、および持続可能な都市モデルの確立。 課題・次のステップ 依然として課題のある「スタートアップ」分野(9位)などの強化を図り、総合1位を目指して施策を深化させます。 特別区への示唆「居住性」世界一の評価は、各区が提供するきめ細やかな行政サービスや良好な住環境の積み重ねの結果です。この世界的評価を自区のシティプロモーションに活用しつつ、さらなる多文化共生や環境負荷低減を推進することで、国際都市としての質を高めることが期待されます。 6. OECDチャンピオン・メイヤーズ議長就任 ニュース概要小池知事が、OECDの国際的な首長ネットワーク「チャンピオン・メイヤーズ」の次期議長(2026年1月〜)に就任することが決定。女性・子供施策や都市のレジリエンス強化を世界に発信します。 この取組を行政が行う理由地球規模の共通課題(気候変動、災害等)に対し、都市同士が知見を共有し、実践的な解決策を見出す国際連携が不可欠なためです。 具体的なアクション加盟都市との政策対話やベストプラクティスの共有を主導し、国際社会への具体的な政策提言を行います。 行政側の意図東京のプレゼンスを高めるとともに、海外の先進事例を都の施策に取り入れ、都民の暮らしやすさを向上させる狙いがあります。 期待される効果信頼に基づく都市外交の深化と、グローバルな知見を活用した持続可能な都市運営の実現。 課題・次のステップ 2026年からの任期を通じ、世界各国の都市と連携した具体的な解決策の策定と実践。 特別区への示唆都が国際的なリーダーシップを発揮することは、特別区の先進的な施策が世界に注目される機会でもあります。各区独自の優れた取り組みを都と連携して世界に発信し、逆に海外都市の成功例を区の課題解決に導入する「双方向の都市外交」を意識することが有効です。 質疑応答(要約) 女性活躍推進・東京アプリ・税制改正等 女性活躍ではアンコンシャス・バイアスの排除を強調。不具合が指摘されている東京アプリについては、実証実験で課題を抽出し、年明けの本格稼働を目指す方針。税制改正については「オール東京」での徹底抗戦を改めて表明しました。 特別区への示唆特に「東京アプリ」等のDX施策において、都の検証結果や不具合への対応策は、今後区が独自アプリを導入・運用する際の貴重なケーススタディとなります。広域自治体である都の失敗や成功を「自区の先行知見」として蓄積する姿勢が重要です。 #04 東京都#07 自治体経営#91 取組#92 行政ニュース#99 その他 ABOUT ME 行政情報ポータルあらゆる行政情報を分野別に構造化行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。