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【2025年11月28日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

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1. 四定補正予算案

概要

  • ニュース概要
     - 物価高騰対策と中小企業の賃上げ支援を柱とする総額1,082億円の補正予算案が発表されました。主な事業として、都民の生活応援強化のため「東京アプリ」を活用し15歳以上の都民に1万1千ポイントを付与することや、新生児1人当たり3万円を支援する「赤ちゃんファースト+(プラス)」の実施が含まれます。また、中小企業向けには省エネ設備やDX推進機器の導入支援を拡充し、賃上げ環境の整備を図ります。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - 長引く物価高騰による都民生活や事業者への負担を軽減し、実質賃金の低下に対応するため、家計支援と企業の生産性向上を同時に後押しする必要があるためです。
  • 具体的なアクション
     - 15歳以上へのポイント付与システムの構築、新生児世帯への追加支援の実施、中小企業向け助成金の受付と審査体制の強化。
  • 行政側の意図
     - 生活支援による消費の下支えを行いつつ、企業の稼ぐ力を高めて持続的な賃上げにつなげる経済の好循環を創出することを狙っています。
  • 期待される効果
     - 家計負担の軽減による消費喚起、中小企業の設備投資促進による生産性向上および賃上げの実現。
  • 課題・次のステップ
     - 東京アプリの円滑な導入と高齢者等へのデジタルデバイド対策、支援制度の対象者への確実な周知。
  • 特別区への示唆
     - ポイント付与や子育て支援策に関して、区の窓口に住民からの問い合わせが殺到することが予想されます。都のスケジュールや申請方法を早期に把握し、区報やホームページ、窓口での案内体制を整える必要があります。また、区独自の子育て支援策(出産祝い金等)との重複や併給に関する整理を行い、住民に分かりやすく提示することが求められます。

2. 介護保険制度に関する緊急提言

概要

  • ニュース概要
     - 深刻な介護人材不足や物価・賃金上昇に対応するため、都は国に対し介護保険制度に関する緊急提言を行いました。基本報酬単価の適切な設定、加算要件の簡素化による事務負担軽減、小規模事業者の経営力強化・協働化支援の3点を求めています。特に複雑な書類作成が現場の負担となっている現状を構造的な課題と捉え、制度の見直しを強く要望しています。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - 介護現場の経営環境悪化と人材流出を防ぎ、高齢化が進む東京において安定的な介護サービス提供体制を維持するためには、国の制度改正が不可欠であるためです。
  • 具体的なアクション
     - 国への提言書提出、関係機関との調整。現場の事務負担実態の把握と共有。
  • 行政側の意図
     - 複雑化した加算制度や過度な事務作業を是正し、介護事業者がケアの質向上に集中できる環境を整え、事業者の経営安定化を図ることです。
  • 期待される効果
     - 介護事業者の事務負担軽減、経営基盤の強化、および介護従事者の処遇改善による人材確保。
  • 課題・次のステップ
     - 国の次期制度改正議論への反映状況の注視と、都独自で可能な支援策の継続的な検討。
  • 特別区への示唆
     - 介護保険の保険者である特別区にとっても、事業者の事務負担軽減は重要な課題です。国の動向を注視しつつ、区独自の指導監査や申請手続きにおいて、ローカルルールによる不要な事務負担が生じていないか再点検する契機となります。また、地域包括ケアシステムの維持に向け、区内の小規模事業者への支援策を検討する際の参考になります。

3. ツキノワグマ対策

概要

  • ニュース概要
     - 都内でのツキノワグマ目撃情報の増加(166件)を受け、都は猟友会と連携し、西多摩地域の市街地付近(八王子市、青梅市等)で銃器を携えたハンターによるパトロールを実施します。期間は冬眠に入る目安の12月末までで、人的被害を未然に防ぐため、必要に応じて緊急銃猟による捕獲も想定しています。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - 住民や観光客の生命・身体の安全を守るため、クマの出没エリアが生活圏に拡大している現状に対し、即効性のある物理的な対策が必要であるためです。
  • 具体的なアクション
     - 猟友会との連携による巡回パトロール、追い払い、緊急時の捕獲実施。
  • 行政側の意図
     - 被害発生前の「予兆」段階での介入を強化し、住民の不安解消と安全確保を最優先に行う姿勢を示しています。
  • 期待される効果
     - 生活圏へのクマの定着防止、人身被害の未然防止、住民および観光客の安心感醸成。
  • 課題・次のステップ
     - 長期的な生息域管理、住民への遭遇時対応の啓発、冬眠明け以降の対策継続。
  • 特別区への示唆
     - 23区内での出没リスクは限定的ですが、区民がハイキング等で多摩地域を訪れる際の安全啓発として重要です。また、ハクビシンやアライグマなど、区内で発生する鳥獣被害対策においても、専門団体との連携スキームや、被害発生前の予防的なパトロールというアプローチは参考になります。

4. 「東京グローバル・パスポート」第一期生募集

概要

  • ニュース概要
     - 大学生等を対象とした都独自の海外留学支援制度「東京グローバル・パスポート(グローパス)」の第1期生募集が12月1日から開始されます。短期コース(最大90万円、250名)と中長期コース(最大315万円、100名)が設定され、経済的負担を軽減することで若者の海外挑戦を後押しします。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - グローバル化が進む中、経済的理由で留学を断念する若者を減らし、国際感覚を持った人材を育成することは都市の競争力強化に直結するためです。
  • 具体的なアクション
     - 専用サイトでの募集開始、選考プロセスの実施、留学費用の助成。
  • 行政側の意図
     - コロナ禍で内向きになった留学機運を再燃させ、将来の東京を担うグローバル人材を戦略的に輩出することです。
  • 期待される効果
     - 留学生の増加、語学力や国際適応力を持つ人材の育成、若者の視野拡大。
  • 課題・次のステップ
     - 応募倍率への対応、留学後の成果還元やキャリア形成へのフォローアップ。
  • 特別区への示唆
     - 区内に在住・在学する学生への情報提供ルートとして、区立図書館、文化センター、広報紙などを活用した周知協力が有効です。また、区独自の姉妹都市交流事業や青少年育成プログラムと、都の財政支援制度を組み合わせることで、より効果的な人材育成施策を立案するヒントになります。

5. 東京都こどもホームページ 新コンテンツ公開

概要

  • ニュース概要
     - 子供と都政をつなぐ「東京都こどもホームページ」において、新コンテンツ「東京こども算数マラソン」が公開されました。小学生と共に開発されたこのゲームは、算数の問題を解きながら都内市区町村を巡るすごろく形式で、地域の人口や面積などの情報も学べる仕組みになっています。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - 行政情報へのアクセス向上と、子供たちが楽しみながら都政や地域社会に関心を持つきっかけを提供するためです。
  • 具体的なアクション
     - 子供参画型でのコンテンツ開発、ゲーミフィケーションを取り入れた学習サイトの公開。
  • 行政側の意図
     - 単なる情報発信にとどまらず、子供の意見を取り入れた(Kids Experience)サイト運営により、行政への親近感と利用率を高めることです。
  • 期待される効果
     - 子供の学習意欲向上、地域理解の深化、行政サイトのPV数増加と認知拡大。
  • 課題・次のステップ
     - コンテンツの継続的な更新、学校教育現場での活用促進、アクセシビリティの確保。
  • 特別区への示唆
     - GIGAスクール構想で配備されたタブレット端末を活用し、区立小学校の授業や休み時間に利用を推奨できるコンテンツです。区の紹介ページにおける情報の正確性確認や、自区のホームページにおける子供向けコンテンツの見せ方(ゲーミフィケーションや参画型開発)の参考事例として活用できます。

6. 冬のナイトタイムイベント

概要

  • ニュース概要
     - 冬の観光振興として、臨海副都心でのイルミネーション「LIGHT WALK ODAIBA」や、都庁前でのプロジェクションマッピングを含むカウントダウンイベント「Happy New Year Tokyo 2026」の開催が発表されました。最先端技術や著名アーティストを活用し、東京の夜の魅力を国内外に発信します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
     - ナイトタイムエコノミーの活性化により、観光消費額の増大と東京の都市ブランド向上を図るためです。
  • 具体的なアクション
     - イルミネーション設置、大規模イベントの企画運営、プロモーション活動。
  • 行政側の意図
     - 冬季の寒冷期における観光誘客の目玉を作り、インバウンドおよび国内観光客の滞在時間延長と周遊を促進することです。
  • 期待される効果
     - 観光客数の増加、地域経済への波及効果、東京の新たな観光資源の創出。
  • 課題・次のステップ
     - 混雑対策や安全管理、電力消費への配慮、周辺地域への騒音対策。
  • 特別区への示唆
     - 都心部のイベント開催に伴い、周辺区への宿泊や飲食需要の波及が期待できます。区内の商店街や観光スポットと連携し、イベント帰りの客足を誘導する施策や、区独自のナイトイベントとの回遊性を高めるプロモーションの検討が有効です。

質疑応答(要約)

  • 女性活躍推進条例案への所感
     - 女性の活躍は東京の最大のポテンシャルであり、男性の活躍にもつながる。条例を原動力に、企業の主体的な取組を後押ししたい。条例成立後、指針等で具体化し実効性を高める。
  • 中小企業の賃上げ支援
     - 制度を用意するだけでなく、プッシュ型の周知徹底が必要。団体ヒアリング等の声を反映し、アドバイザー活用や補正予算による追加支援で経済全体を動かしていく。
  • インフルエンザ対策
     - 警報基準を超えており流行が拡大している。手洗い、場面に応じたマスク着用、換気等の基本的対策や、高齢者等のワクチン接種検討を呼びかける。
  • 赤ちゃんファースト+の狙いと自治体間格差
     - 出生数が10年ぶりに増加傾向にある中、希望する人の出産・子育てを更に後押しするため上乗せを行う。都民生活応援の強化の一環。
  • 東京アプリ(ポイント付与)の開始時期と目的
     - アプリは12月15日から検証を開始し、結果を踏まえて速やかにポイント付与を行う予定。行政手続きを一気通貫で行える「ポケットの中の都庁」を目指し、使い勝手を検証しながら進める。
  • 観光地・駅のゴミ箱設置問題
     - ゴミ箱設置は溢れかえるゴミやコスト、テロ対策等の課題がある。持ち帰りマナーの啓発や「3R」の国際発信など、日本らしい解決策も含め、最適な解を模索したい。
  • デフリンピックの成果と課題
     - 手作りの大会だったが成功裏に終了。日本選手のメダル獲得や新技術(手話のテキスト化)など成果があった。共生社会の実現に向けた大きな一歩であり、学びを次につなげる。
  • 台湾有事発言によるインバウンドへの影響
     - 現時点で具体的な悪影響の集計はない。引き続き世界中から東京へ来てもらえるよう工夫を重ねていく。
  • 八丈島・青ヶ島の激甚災害指定
     - 補正予算で農業・観光業の復旧を支援する。離職者を防ぎ、地域の良さを生かした復興を進める。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年11月28日)

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