04 東京都

【2025年10月17日】東京都知事記者会見と政策立案のヒント

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知事冒頭発言(要約)

1. 台風22号、23号による被害への対応

概要

  • ニュース概要
    • 台風22号・23号により八丈島などで被害が発生。都は職員派遣、自衛隊・国交省等と連携し、現地のニーズを踏まえた支援を実施しています。知事も現地を視察し、ライフライン(特に水)の早期復旧と、復興に際しての無電柱化の加速、更なる魅力向上を指示しました。併せて、被災者支援のための義援金募集を10月17日より開始します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 甚大な被害を受けた島しょ部の住民生活を早急に再建し、安全・安心を確保するため。
  • 具体的なアクション
    • 応急給水支援、インフラ復旧作業、義援金募集(募金箱設置、口座振込)。
  • 行政側の意図
    • 迅速な支援体制により被災者の不安を軽減するとともに、単なる復旧に留めず、無電柱化加速など将来の防災力強化と地域の魅力向上に繋げる。
  • 期待される効果
    • ライフラインの早期復旧による住民生活の安定化と、将来的な防災力の強化。
  • 課題・次のステップ
    • 停電・断水の完全復旧。無電柱化の具体的な計画策定と予算確保、推進。
  • 特別区への示唆
    • 近年激甚化する風水害に対し、特別区においても無電柱化の推進計画の再点検や、区内インフラの脆弱箇所の把握が重要です。また、島しょ部被災地への義援金募集について、区の施設での協力や区民への周知など、都内自治体としての連携支援も求められます。

2. ギュッとチャット、TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ

概要

  • ニュース概要
    • 子ども・子育て家庭が抱える不安や悩みに対応するため、チャット相談窓口「ギュッとチャット」を10月20日より強化します。相談回線数を倍増させ、AIによる適切な専門家紹介、チャットボット導入、多言語対応を進めます。また、同日、不登校の小中学生の保護者向けポータルサイト「TOKYO多様な学びの場・居場所ナビ」を開設し、相談先や支援情報を一元的に提供します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 子育ての不安や不登校の課題を抱える家庭に対し、アクセスしやすい相談窓口や情報集約サイトを提供し、社会的孤立を防ぎ早期支援に繋げるため。
  • 具体的なアクション
    • 「ギュッとチャット」の回線倍増、AI導入、多言語化。不登校支援ポータルサイトの開設。
  • 行政側の意図
    • デジタル技術を活用し、多様化・複雑化する子育てや教育の悩みに対応します。相談体制の強化と情報の一元化により、利用者の利便性を高め、適切な支援に繋げます。
  • 期待される効果
    • 相談アクセスの向上による保護者の不安軽減。不登校児童・生徒への多様な選択肢の提示。
  • 課題・次のステップ
    • 新サービスの周知徹底。相談データの分析と、それを反映した支援策の更なる改善。
  • 特別区への示唆
    • 区が運営する子育て相談窓口や教育相談窓口と、都の「ギュッとチャット」との役割分担や連携体制を明確にする必要があります。また、「居場所ナビ」に掲載される区の窓口や関連する民間団体の情報を最新の状態に保ち、サイトへの誘導を積極的に行うことが重要です。

3. 東京レガシーハーフマラソン2025

概要

  • ニュース概要
    • 東京2020大会のレガシーとして「東京レガシーハーフマラソン2025」を10月19日(日曜日)に開催します。1万5千人のランナーが参加し、今回は女性先行抽選を実施した結果、過去最多となる6千人超の女性ランナーが出走します。併せて、国立競技場や明治公園では、綱引きや100m走タイムチャレンジなど、家族で楽しめるイベント「東京レガシースタジアム2025」も開催します。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 東京2020大会のレガシーを継承し、スポーツ実施の機運を継続させることで、都民の健康増進と都市の活力創出に繋げるため。
  • 具体的なアクション
    • ハーフマラソン大会の開催、女性先行抽選の実施、国立競技場及び明治公園での関連イベント開催。
  • 行政側の意図
    • パラアスリートを含む多様なランナーが参加する大会を通じ、インクルーシブなスポーツ文化を醸成します。併催イベントにより、家族連れなど幅広い層の参加を促します。
  • 期待される効果
    • スポーツを通じた都民の健康増進、特に女性のスポーツ参加促進、地域の賑わい創出。
  • 課題・次のステップ
    • 大会運営の安全性確保と交通影響の最小化。東京マラソン等との差別化と、レガシーとしての継続的な発展。
  • 特別区への示唆
    • 大規模スポーツイベントは、交通規制等で区民生活に影響を与える一方、地域の活性化やスポーツ振興の好機でもあります。区民への丁寧な周知と共に、区立施設での関連イベント開催や、区のスポーツ事業での機運醸成など、連携した取組が考えられます。

4. 食に関するイベント

概要

  • ニュース概要
    • 食欲の秋に合わせ、東京産の食材や農産物の魅力を発信する3つのイベントを実施します。10月24日から「東京味わいフェスタ2025」、11月1日から「東京農産物を食べて巡るデジタルスタンプラリー」、11月8日から期間限定で「トウキョウ エコ マルシェ」を開設し、地産地消とエコ農産物の普及を進めます。

政策立案への示唆

  • この取組を行政が行う理由
    • 東京産の食材やエコ農産物の魅力を都民・来訪者に広く発信し、地産地消の推進と都市農業の振興を図るため。
  • 具体的なアクション
    • 産官連携による食フェス開催、飲食店と連携したデジタルスタンプラリー、エコ農産物専門店の期間限定開設。
  • 行政側の意図
    • 多様なイベントを通じて東京産食材の認知度と消費を拡大します。特に環境に配慮した「東京都エコ農産物」の価値をPRし、持続可能な農業を支援します。
  • 期待される効果
    • 都内産農林水産物の消費拡大、生産者の意欲向上、地産地消による地域経済の活性化。
  • 課題・次のステップ
    • 各イベントの連携強化による相乗効果の創出。エコ農産物の認知度向上と販路の継続的な確保。
  • 特別区への示唆
    • 特別区内にも農地は存在し、地産地消は重要なテーマです。区内産野菜のPRイベントの実施や、区の広報・施設を活用した都のイベント(スタンプラリー等)への周知協力が求められます。また、学校給食での区内産・都内産食材の活用も有効な連携策となります。

質疑応答(要約)

  • 海外出張(中東4カ国歴訪)の狙い
    • 各国政府や財団等の招待を受け、国際会議や式典に出席します。サウジアラビアのFII等で東京の金融やレジリエンスボンド等をPRし、アニメ等のコンテンツビジネス振興やスタートアップのビジネスマッチングも行い、トップセールスを展開します。
  • 自民党と維新の連立の動きと副首都構想
    • 交渉の詳細は承知していません。財源の分け方(パイの分け方)を変えるだけでなく、どうパイを増やしていくかの発想が重要であり、東京は経済や強靭化を引き続き進めていきます。
  • 連立の動き(国内議論)への所感
    • 詳細は不明ですが、全体の「舞台回し」役が見えない状況です。重要な国際会議が迫る中での国内の混乱は国益を損じる懸念があり、日本が世界をリードできる体制が構築されることを期待します。
  • 台風被害(避難生活長期化、島外避難)への対応
    • スピード感が重要です。水、電気、通信のライフライン復旧を可及的速やかに進めており、停電戸数も減少しています。都職員も延べ200名体制で関係機関と連携し、迅速な日常回復を目指します。
  • 台風被害(島内産業)への支援
    • ライフラインの早期復旧が産業活動の前提です。安全な島であることを発信し、移住促進にもつなげます。漁業や農業について、単なる復旧でなく、さらに伸ばす工夫を町村長と連携して進めます。
  • 外国人旅行者数(過去最多)とオーバーツーリズム対応
    • 1~3月期の742万人は経済波及効果も大きいです。都心に加え多摩・島しょ地域などキャパシティは十分あり、都民生活が混乱するレベルではないと認識しています。マナーや習慣を伝え調和を図ります。宿泊税は見直し検討中で年内に草案を示します。
  • インフルエンザ対策
    • インフルエンザが増加傾向にあることを認識しています。ワクチンの早期接種を検討するようPRを行っており、点鼻型など新しい種類のワクチンについても情報提供していきます。
  • 「みんなで大家さん」への行政指導
    • 事業者から解約に関する新たな提案があったため、投資家へ具体的かつ分かりやすく説明するよう改めて指導したものです。引き続き法律に基づき適切に対応していきます。
  • 八丈島(避難生活の質向上)の具体的支援
    • 避難所の環境確保のためパーティション確保を指示しました。また、ホテル等への移動も対策済みです。警戒解除に伴い自宅に戻る流れもありますが、スピード感を持って安心を取り戻せるよう対応します。
  • 都営大江戸線の延伸
    • 都のプロジェクトチームで検討し、練馬区によるまちづくり実現など一定条件下で事業性の改善が見られました。引き続き計画の更なる深度化が必要であり、関係者と連携し検討を進めます。
  • 海外出張の多さについて
    • 多くの招待を受けており、東京のPRにつながると判断しています。今回は特に投資家が集まるサウジでのPRは価値があり、都のプラスになると考え、応えられるものに応えています。
  • 副首都構想(災害時のバックアップ機能)
    • 都は立川に国と連携した広域防災拠点を有しており、いざという時はそこに移る想定です。都独自の防災司令機能も改修・改善を図っており、首都を守る対応はかねてより行っています。
  • 村山元総理の逝去について
    • 101歳での逝去に冥福を祈ります。自社さ政権成立時のダイナミックな政界の動きを記憶しており、安全保障政策を一晩で変えたことはすごいことだったと思います。ご尽力に感謝する部分もあります。
  • 上野動物園のパンダの返還期限
    • 都と中国側との協定期限は来年(令和8年)2月20日までですが、具体的な返還日は未定です。上野動物園としては、日中共同の繁殖研究プロジェクトを継続していきたい意向は変わりません。
  • パンダ(プロジェクト継続)と国への働きかけ
    • 新政権がどうなるか分かりませんが、これについては、上野動物園と先方(中国側)との間で、繁殖研究の点について連携を深めてきたところです。

出典

小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年10月17日)

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