03 国

【政府】ガバメントAI源内のAIエージェント利用開始、源内基準も公表

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

出典:デジタル庁「ガバメントAI 源内においてAI エージェント利用環境の提供を開始するとともに、「源内基準」を公表します」令和8年10月20日

概要

 デジタル庁は令和8年10月20日、政府職員向けの生成AI利用環境「ガバメントAI 源内」において、職員が自らAIエージェントを作成・実行できる環境の提供を始めると発表しました。約18万人の政府職員を対象に、手軽にAIエージェントを作成・実行できる「エージェントチャット」を同日から各府省庁等へ順次導入し、高度なAIエージェントを構築・実行できる「源内工房」を令和8年12月頃までに導入することを目指します。デジタル庁は、専門職員に限らず一般の職員も日常業務で使える政府共通基盤として、この規模で高度なAIエージェント利用環境を導入するのは世界初の試みだとしています。

 あわせて、政府職員がAIエージェントを安全かつ適切に使うための基本的な考え方と遵守事項を定めた「ガバメントAI 源内 ガバナンス・セキュリティ・セーフティに関する基準」(源内基準)が公表されました。源内基準は、源内に関わる主体を「利用者」「管理者」「源内開発者」に分け、それぞれの責務を定めています。AIの安全性評価を担うAIセーフティ・インスティテュートの協力を得て策定され、デジタル庁は、AIエージェントの導入を検討する地方公共団体や民間事業者にとってのモデルケースになるとしています。

 二つの環境は、だれでも利用・改変・再配布ができる「源内OSS Ver.2.0」として、令和9年2月頃を目途に公開される予定です。自治体では生成AIの導入が広がり、都道府県と指定都市では導入率が100%に達していますが、その他の市区町村では45.6%にとどまります。AIエージェントは、文章を生成するだけの従来の生成AIと異なり、ファイルの作成や削除、外部情報の取得、複数の工程の連続実行まで自律的に行います。

 特別区にとって、今回の発表は二つの意味を持ちます。一つは、AIエージェントを使う際のルールの「型」が国から示されたことです。もう一つは、令和9年2月以降、源内の仕組みを自治体が自ら導入できる選択肢が加わることです。区の生成AIの利用ルールを、エージェントの時代に合わせて見直す時期に来ているといえます。

意義

AIエージェントのルールの「型」が示された

 生成AIの利用ルールは、これまで主に入力してよい情報の範囲や出力の確認を中心に組み立てられてきました。AIエージェントでは、AIが複数の処理を連続して実行し、ファイルの作成や上書き、削除、外部の情報の取得まで行うため、誤った判断が後続の処理に連鎖したり、意図しない操作が行われたりするおそれがあります。源内基準は、こうしたリスクを踏まえ、利用者には処理の確認や停止の責任を、管理者には利用の可否の判断と組織的な統制の責任を、開発者には安全な設計と運用の責任を割り当てています。

 AIそのものを責任主体として扱わず、関係者ごとに責任の所在を明確にするという考え方は、自治体がAIエージェントを導入する際にもそのまま参考になります。国の行政機関向けに作られた基準ですが、デジタル庁自身が自治体のモデルケースになると位置づけている点に意味があります。

「使わせない」から「安全に使わせる」への転換

 源内基準は、利用者にまず、AIを過度に忌避せず、業務の目的や重要度、リスクに応じて積極的に活用することを求めています。そのうえで、組織が認めていない生成AIサービスを業務に使う「シャドーAI」を禁止し、私用のチャットAIに非公開の業務資料を入力するといった具体例を挙げています。

 組織として安全な環境を用意しない限り、職員が個人の判断で外部のサービスを使うリスクは消えません。安全な利用環境の提供と、それを前提にした禁止事項をセットで示す考え方は、生成AIの導入が途上にある自治体にとっても重要な示唆を含んでいます。

職員が自ら業務を形式知化する仕組み

 源内のAIエージェント利用環境の中心にあるのは「スキル」という考え方です。スキルとは、業務の手順、判断基準、参照資料、確認方法、例外時の対応、出力形式などを、AIエージェントが実行できる形に記述したものです。職員の経験に属人的に頼っていた暗黙知を形式知に変え、府省庁を越えて共有・再利用することで、組織の集合知に発展させることが目指されています。

 人事異動の多い行政組織では、業務の引継ぎや属人化が長年の課題でした。AIエージェントの導入は、単なる効率化の道具ではなく、業務の進め方そのものを言語化し、組織の資産として蓄積する契機になり得ます。

歴史・経過

源内の歩み

 源内は、デジタル庁が企画・開発・提供・運用する政府職員向けの生成AI利用環境です。令和7年5月からデジタル庁内で利用が始まり、令和8年4月にはその一部がオープンソースソフトウェア(OSS)として無償で公開されました。令和8年5月には、全府省庁の約18万人の職員を対象とする大規模な実証が始まっています。

 源内は現在、チャット、翻訳、文書作成などの汎用的な機能に加え、法令・制度調査、国会答弁作成支援、公用文校正、補助金制度調査など、行政実務に対応した約40種類のAIアプリを提供しています。デジタル庁内で提供されているアプリには、パブリックコメントの分類や、情報公開請求の対象文書からの不開示情報の候補の抽出を支援するものも含まれます。扱える情報は機密性2情報までとされ、具体的な範囲は各府省庁等が定めます。令和9年度以降は、各府省庁等が予算措置を講じたうえでの本格的な利用に移行する予定です。

AIをめぐる政府の方針の整備

 政府のAI政策の枠組みも短期間で整えられてきました。令和7年には人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)が制定され、同年12月には、AI法に基づく「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」が人工知能戦略本部で決定され、初の人工知能基本計画が閣議決定されました。

 令和8年に入ると、6月に政府の生成AIの調達と利活用の規律を定めたガイドラインが第2.0版に改定され、7月には第Ⅱ期の人工知能基本計画と「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。重点計画では、令和8年度中に、専門知識がなくても職員がAIアプリを作成し、AIエージェントで自動実行・共有できる環境を源内上に整え、管理ルールを策定することとされ、源内のオープンソース化を通じて自治体のAI導入を支援することも盛り込まれています。今回の発表は、これらの方針を具体化したものです。

自治体のAI活用をめぐる動き

 総務省は、自治体向けに「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」を公表しており、令和7年12月の第4版では、自治体が作成する生成AIの利用ガイドラインのひな形も示しています。令和8年7月には「地方自治体におけるAIトランスフォーメーションに関する研究会」を立ち上げ、手順があらかじめ定められた「ワークフロー型」と、手順を自ら決めて実行する「自律型」のAIエージェントの活用とガバナンスについて検討を始めました。研究会の資料では、自律型のエージェントについて、何にアクセスできるかだけでなく、何をしてよいかを統制する必要があると指摘されています。

 また、源内基準は、総務省で検討が進む「行政通則法AI利活用ガイドライン(仮称)」への適合を前提に設計するとしています。このガイドラインでは、業務の性質に応じた留意点、残すべき記録、人による関与、情報公開や不服申立ての場面での対応などが整理される見込みです。

 東京都でも、デジタルサービス局と一般財団法人GovTech東京が内製で整備した生成AIプラットフォーム「A1」の本格運用が令和8年4月に始まり、都職員約6万人が利用しています。総務省の研究会の資料によれば、A1は都庁の各局と都内の53自治体で利用されています。

現状データ

自治体の生成AI導入状況

 総務省の調査(令和7年10月31日時点、全1,788団体が回答)によれば、生成AIを導入済みの団体は、都道府県と指定都市で100%、その他の市区町村で45.6%でした。実証中、導入予定、導入検討中を含めると、約88%の団体が導入に向けて取り組んでいます。

 一方、利用のルールの整備は追いついていません。生成AIの利用に関するガイドラインを策定済みの団体は853団体で、未策定は737団体でした。導入済みの団体に限ると81%が策定済みです。導入の課題としては、AIが生成した内容の正確性への懸念、取り組むための人材の不足、要機密情報の流出への懸念が多く挙げられています。活用分野では、あいさつ文案の作成、議事録の要約、議会の想定問答の文案作成などが上位を占めます。

二つのAIエージェント利用環境の違い

 エージェントチャットは、源内のウェブ画面から使える高機能なチャットとして位置づけられています。質問や論点整理、文書作成、データ分析、資料の生成、スキルの実行などを一つの画面で行え、表計算やスライド、PDFの生成にも対応します。外部の情報の取得はウェブ検索に限られ、検索の処理は政府のクラウド環境の中で完結します。AIが上書きや削除をできるのはAIが生成したファイルに限られ、職員がアップロードした原本は自動的に複製されて保護されます。利用を始める前には注意事項が表示され、同意した場合にのみ使える仕組みです。デジタル庁内では令和8年8月から全庁に展開されています。

 源内工房は、職員ごとに割り当てられる個人専用のAIエージェント開発環境です。ウェブ検索では届かない網羅的・多段階の情報収集と、実際に動作する試作品(プロトタイプ)の開発を、職員自身が行えるようにすることを主な目的とし、AIがファイル操作やコマンドの実行、ウェブ情報の取得などを数十から数百の工程にわたって連続して実行します。自由度が高い分、初期状態では利用できず、リテラシーの確認などで一定の水準を満たした職員の申請に基づいて、管理者が利用の権限を与える仕組みとされています。外部へのデータの送信はシステム上遮断され、通信先や操作の記録は改ざんを防ぐ形式で保存されます。

 源内基準は、源内工房で作成した試作品を利用者に見せて検証し、仕様書の一部として活用することで、紙の仕様書だけで発注する場合に比べて、実現可能性や利用者のニーズを事前に確かめやすくなるとしています。

源内基準の構成と主なルール

 源内基準は、別紙を含めて50ページを超える文書で、総論、利用者、管理者、源内開発者の4章で構成されています。利用者には、AIの出力を職員が確認しないまま行政資料や公文書に転記しないこと、具体的な数値や法令の条文、固有名詞などは一次資料で確認し、計算結果は別の手段で検算すること、ウェブページや添付ファイルに埋め込まれた悪意ある指示(プロンプトインジェクション)に警戒することなどを求めています。

 特に重視されているのが、リスクに応じて統制の強さを変える「リスクベースアプローチ」です。部局内の定型的・補助的な業務では積極的な利用を認める一方、許認可、給付、不利益処分、採用など国民の権利利益に影響する業務では、より慎重な利用と強い人的な統制を求めています。高リスクに該当する可能性が高い場合には、利用の目的や想定するリスク、軽減策を整理し、各府省庁のAI統括責任者に報告することとされています。また、一定の高リスク業務では、入力、参照したデータ、生成された回答、使用した基盤モデル、処理時刻などを記録する「AI利用記録」の作成を必須とする機能の実装も検討されています。

 管理者には、利用できる業務や情報の範囲、利用者の権限、予算と費用の管理、事故時の対応などを内部のルールとして定めることが求められています。源内では入力と出力の双方に従量課金の費用がかかるため、利用の都度、使用量と費用が表示され、管理者は費用を可視化するダッシュボードを使って「トークンマネジメント」を行うこととされています。

 出力の扱いについても整理されています。職員が本人だけの管理する環境で検討に使う限り、AIの出力は通常は行政文書に当たらない一方、他の職員と共有して組織的に利用し始めた場合には行政文書に該当する可能性があるとしています。機密性3情報や特定秘密などは、入力の方法を問わず源内で扱ってはならないとされています。

源内OSSと自治体への展開

 令和8年4月に公開された源内OSSの初版には、源内のウェブ画面のソースコードと構築手順、行政資料を参照して回答するアプリの開発テンプレートなどが含まれています。令和9年2月頃に公開予定のVer.2.0では、エージェントチャットと源内工房が加わる予定です。

 ただし源内基準は、OSSを使うことだけで安全で適切なAI利用環境が直ちに構築されるわけではないと明記しています。導入する組織は、インフラの整備、基盤モデルの選定、アクセス管理、ログ管理、セキュリティ対策、個人情報の取扱い、保守運用、利用者の教育などに自らの責任で取り組む必要があり、デジタル庁は自治体などが自ら構築した環境での損害や事故について責任を負わないとしています。また、自治体が調達する際には、源内のOSSをそのまま指定するのではなく、技術的な参照実装の一つとして仕様書で活用し、調達の公平性と競争性を確保することを求めています。

 将来的には、自治体が管理するデータと、法令や官報、白書などの政府共通のデータを相互に参照できるようにするなど、国と地方の業務用AI基盤の連携も視野に入れられています。政府共通のデータとしては、令和8年度に地方公共団体の条例・規則などを含めて推計1,800万ページ以上の資料の収集が進められています。

読み取る際の注意点

 源内基準は、デジタル庁がホストする源内を使う国の行政機関向けに作られたもので、自治体に直接適用されるものではありません。テナント管理者機能の提供やAI利用記録の必須化など、今後の検討とされている項目も含まれています。「世界初」はデジタル庁の調査に基づく説明です。

 また、源内工房の導入は令和8年12月頃が目標とされており、源内OSS Ver.2.0の内容もすべて開発中で変更の可能性があるとされています。自治体の導入状況の数値は令和7年10月時点のものです。

政策立案の示唆

この取組を行政が行う理由

 第一の理由は、人口減少の中で行政の機能を維持することです。源内基準は、生産年齢人口の減少で行政を担う人材の確保が一層難しくなる中、AIを積極的に活用して業務プロセスを抜本的に見直す必要があるとしています。この状況は、職員の確保に苦労する自治体にも共通します。

 第二の理由は、安全に使える環境を組織として提供することです。職員が個人の判断で外部のサービスを使えば、情報の流出や不適切な処理のリスクを組織が把握できません。安全な環境とルールを組織が用意することが、シャドーAIを防ぐ前提になります。

 第三の理由は、特定の事業者への過度な依存を避けることです。源内基準は、データ、基盤モデル、クラウドなどを特定の事業者や技術に固定しない構成をとり、障害や価格改定、提供停止にも対応できるようにするとしています。

行政側の意図

 デジタル庁の意図は、政府が率先してAIエージェントを使い、その有用性と安全な使い方を社会に示すことにあると考えられます。源内基準は、源内の目的の一つに、安全性と信頼性に配慮したAI利用を政府が率先して実践し、その有用性や課題、適切な利用方法を社会に示すことを挙げています。

 同時に、OSSの公開と基準の公表を通じて、自治体や民間が同じ仕組みを一から開発する負担を減らし、国全体のAI活用の水準を引き上げようとする意図がうかがえます。OSSを調達仕様書の参照実装として位置づけ、そのまま指定しないよう求めているのは、自治体の調達における競争性を保ちつつ、事業者への依存を抑えるための配慮といえます。

期待される効果

 第一に、業務の効率化と質の向上です。総務省の調査で示された例では、文章作成の業務時間が月190時間から51時間に減っています。AIエージェントは、こうした個別の作業の支援にとどまらず、資料の収集から集計、資料の作成までの一連の工程を任せられるため、効果がさらに広がる可能性があります。

 第二に、業務の標準化と引継ぎの円滑化です。スキルとして業務手順や判断基準を記述すれば、担当者による品質のばらつきを抑え、人事異動の際の引継ぎもしやすくなります。

 第三に、調達の質の向上です。職員自身が動く試作品を作れれば、仕様書の段階で実現可能性や利用者のニーズを確かめられ、発注後の手戻りを減らせる可能性があります。

課題・次のステップ

 第一の課題は、職員のリテラシーです。AIエージェントは、利用者の理解不足そのものが重大なリスクになり得ます。源内基準も、高度な環境の利用を一定の水準を満たした職員に限っています。自治体でも、研修と確認の仕組みを整える必要があります。

 第二の課題は、費用の管理です。AIエージェントは多くの処理を連続して行うため、利用量に応じた費用が膨らみやすい性質があります。予算の確保と、利用状況と費用を可視化する仕組みが欠かせません。

 第三の課題は、住民の権利利益に関わる業務での扱いです。自治体は、許認可、給付、税、福祉など住民の権利利益に直結する業務を多く担います。どの業務にどこまでAIエージェントを使うかの線引きと、判断の過程を後から検証できる記録の残し方は、国の行政通則法の観点からのガイドラインの動向も踏まえて整理する必要があります。

 第四の課題は、自治体の情報システムの環境との整合です。自治体の業務端末の多くは、インターネットから分離された環境にあり、外部のAIサービスとの接続には、ネットワークの構成やセキュリティ対策の検討が必要になります。源内OSSを導入する場合も、運用と保守を自ら担う体制が求められます。

特別区への示唆

 第一の示唆は、区の生成AIの利用ガイドラインを、AIエージェントを前提に改定することです。入力してよい情報の範囲と出力の確認にとどまっていたルールに、処理の途中での確認と承認、ファイル操作の範囲の限定、異常時の停止と報告、業務のリスクに応じた利用の可否の区分、高リスク業務での記録の保存を加えることが考えられます。源内基準の章立てや遵守事項は、そのまま改定の素材として使えます。

 第二の示唆は、責任の分担を区の組織に当てはめることです。源内基準の利用者、管理者、開発者の区分を参考に、利用者である職員、管理者として利用の可否や権限を判断する部署、システムを構築・運用する部署や委託先の責務を明確にしておくことが重要です。AIの導入を統括する責任者を置き、全庁の利用状況と費用を把握する体制も検討に値します。

 第三の示唆は、段階的な導入とリテラシーに応じた権限付与です。まずは手順が定まった定型業務から、ワークフロー型のエージェントで始め、自律的に動く高度な環境は研修や確認を経た職員に限って使えるようにするなど、源内と同様の段階的な設計が考えられます。若手職員には、AIを活用しつつ基礎的な知識と判断力を身に付けさせる育成方針もあわせて示しておくことが望まれます。

 第四の示唆は、住民の権利利益に関わる業務での線引きを先に決めておくことです。保育所の入所選考、生活保護、税の賦課や徴収など、区が担う業務の多くは住民の権利利益に直結します。AIエージェントを使う場合でも最終的な判断は職員が行うこと、使った資料や生成された内容を記録として残すこと、住民への説明や不服申立てに備えることを、業務ごとに整理しておく必要があります。

 第五の示唆は、基盤の選択を区単独で考えないことです。東京都のA1はすでに都内の多くの自治体で利用されており、令和9年2月頃には源内OSS Ver.2.0も公開されます。商用サービスを含めた複数の選択肢を、費用、安全性、運用の負担、事業者への依存の度合いで比較し、23区や東京都との共同での導入や共同調達も視野に入れて検討することが考えられます。共同調達のシステム導入経費は、総務省の資料でデジタル活用推進事業債の対象とされています。

 第六の示唆は、スキルの共有を区の間で進めることです。区の業務の多くは23区で共通しています。予算要求、議会答弁の準備、補助金の調査、統計の集計など、共通する業務のスキルを区の間で共有できれば、各区が同じものを一から作る重複を避けられます。共有にあたっては、スキルの審査、品質の確認、版の管理の仕組みを先に決めておくことが重要です。

 第七の示唆は、AIの出力の文書管理上の扱いを決めておくことです。職員個人の検討にとどまる出力と、組織で共有して業務に使う出力とを区別し、共有したものは行政文書として適切に管理する運用を、区の文書管理のルールの中で明確にしておく必要があります。

まとめ

 デジタル庁は令和8年10月20日、ガバメントAI 源内において、約18万人の政府職員を対象にAIエージェント利用環境の提供を始め、利用者、管理者、開発者の責務を定めた源内基準を公表しました。エージェントチャットは同日から各府省庁等へ順次導入され、源内工房は令和8年12月頃までの導入が目指されています。二つの環境は、令和9年2月頃に源内OSS Ver.2.0として公開される予定です。

 源内基準は、AIを責任主体とせず、関係者ごとに責任を明確にしたうえで、リスクに応じて統制の強さを変える考え方を示しています。シャドーAIの禁止、出力を確認しないまま公文書に転記しないこと、高度な環境はリテラシーを確認した職員に限ること、高リスク業務での記録の保存など、自治体がそのまま参考にできる具体的なルールが数多く含まれています。一方、自治体では生成AIのガイドラインを未策定の団体がなお多く、その他の市区町村の導入率は45.6%にとどまります。

 特別区にとっての要点は、AIエージェントの時代に合わせて、区のルールと体制を先に整えることにあります。利用ガイドラインをエージェントを前提に改定すること。利用者、管理者、運用者の責任を明確にすること。リテラシーに応じて段階的に権限を与えること。住民の権利利益に関わる業務での使い方の線引きと記録の残し方を決めること。そして、基盤の選択やスキルの共有を、23区や東京都と連携して進めること。源内OSSの公開を待つ間に、受け皿となるルールと体制を準備しておくことが、導入の効果を安全に引き出す前提になると考えられます。


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