07 自治体経営

【予算・決算カレンダー】令和8年度8月:令和9年度概算要求と決算の締めくくり

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

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エグゼクティブサマリー

 予算・決算カレンダーは、国・東京都・特別区の予算・決算にかかわる1年間の動きを月ごとに整理し、その月に自治体職員が押さえるべき制度と実務を解説する連載です。第5回となる8月号が扱うのは、決算書の提出期限と令和9年度概算要求の提出期限がともに8月31日に重なり、都区財政調整の当初算定で各特別区の普通交付金が実額で確定する月です。前年度の決算を締めくくりながら、来年度の予算編成が同時に立ち上がります。

 令和8年8月には、三つの大きな動きがあります。第一に、令和9年度予算の概算要求です。要求の上限や区分を定めるいわゆる概算要求基準が閣議了解され、各府省は予算決算及び会計令第8条が定める8月31日までに財務省へ要求を提出します。第二に、都区財政調整の当初算定です。年明けに決めたフレームに基づき、各特別区に交付される普通交付金の額が実額として確定します。第三に、前年度決算の締めくくりです。地方自治法第233条第1項は、会計管理者が出納の閉鎖後3か月以内に決算を調製して長に提出すると定めており、5月31日の出納閉鎖から起算した期限がまさに8月31日に当たります。

 あわせて8月上旬には人事院勧告が行われ、国家公務員の給与改定の方向が示されます。総務省の住民基本台帳に基づく人口も、例年この時期に当年1月1日現在の数値が公表されます。前年度を閉じ、今年度の財源を確定させ、来年度の輪郭を描く。三つの年度が同時に机の上に載るのが、財政課にとっての8月です。

 なお本記事は、令和8年7月25日時点で公表されている情報に基づいて構成しています。令和9年度予算の概算要求基準の閣議了解、人事院勧告、都区財政調整の令和8年度当初算定、住民基本台帳人口は、いずれもこの時点ではまだ公表されておらず、本記事では例年の日程と前年度の実績から8月に起こることを示しています。公表され次第、実際の日付と数値を本文に反映します。本連載は、月の途中まではその月に何が起こるのかを示し、月末にその月で実際に何が起こったのかへ書き換える方式で運用しています。

8月の全体像:
三つの年度が同時に動く月

前年度:
決算を締めくくる

 5月31日の出納閉鎖で数字が動かなくなった前年度は、8月末の決算の調製と提出をもって、行政内部の手続としての区切りを迎えます。5月号・6月号・7月号で追ってきた決算統計の作業も、この時期に提出まで到達します。ここから先は、監査委員の審査と9月議会の認定という、外に開かれた手続の段階に移ります。

今年度:
都区財政調整の当初算定で配分が固まる

 全国の自治体が7月の普通交付税の算定決定で今年度の一般財源を確定させるのに対し、特別区は8月の都区財政調整の当初算定でそれを迎えます。年明けのフレームは見込みの数字であり、当初算定で示される額が各区の実際の収入です。両者の差は、年度後半の補正予算を組み立てる際の出発点になります。

来年度:
概算要求で国の予算の輪郭が描かれる

 7月に決まった骨太の方針の内容は、概算要求基準という形で予算の枠に翻訳され、8月末の各府省の要求へと具体化します。この段階の数字は査定前の要求額にすぎませんが、新規施策の構想は必ずここに最初に現れます。翌年度に自区へ降りてくる補助金・交付金の芽を、最も早く見つけられるのが8月末の資料です。

国の動き:
令和9年度概算要求の始動と人事院勧告

概算要求基準:
7月下旬から8月上旬に閣議了解される

 概算要求基準は、各府省が翌年度予算を要求する際の上限や区分を定める枠組みで、閣議了解の形で示されます。裁量的経費を一律に削減したうえで、政策的に重点を置く分野には別枠の要望を認めるという構造が長く用いられており、この別枠の名称と規模を見れば、政府がどの分野を伸ばそうとしているかがおおよそ読み取れます。文書の名称は年によって変わり、令和7年度予算では「令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」、令和8年度予算では「令和8年度予算の概算要求について」として閣議了解されました。

 直近の閣議了解日は、令和6年度予算に向けた基準が令和5年7月25日、令和7年度予算に向けた基準が令和6年7月29日、令和8年度予算に向けた基準が令和7年8月8日でした。7月下旬の了解が続いたあと、令和8年度分は8月8日と、近年では例外的に8月へずれ込んだ形です。令和9年度分は、本記事の執筆時点である令和8年7月25日の段階ではまだ閣議了解されておらず、この3年の実績からは7月下旬から8月上旬の了解が見込まれます。

 令和9年度については、枠組みそのものが変わる可能性にも注意が必要です。7月21日に閣議決定された骨太の方針2026は、第1章と第3章で財政単年度主義の弊害の是正に触れ、第4章「当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方」の第2節に「新たな予算編成の在り方と令和9年度の基本方針」を置いています。つまり、来年度の予算をいくらにするかという水準の話にとどまらず、予算の作り方そのものの見直しに踏み込んでいるということです。例年どおりの一律削減と別枠要望という構造が維持されるのか、それとも複数年度を見通した要求の仕組みが導入されるのか。閣議了解された基準の本文を読むこと自体が、今年は一つの観測作業になります。

各府省の概算要求:
8月31日という法定の期限

 各府省の概算要求の期限は、慣行ではなく政令で定められています。予算決算及び会計令第8条第3項は、内閣総理大臣及び各省大臣が財務大臣へ送付すべき見積に関する書類の期限を「前年度の八月三十一日までに」と定めています。対象となる書類は、財政法第17条第2項が定める歳入、歳出、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為の見積に関する書類です。

 同条第1項は、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官及び会計検査院長が作製する同種の見積に関する書類について、同じ8月31日までに内閣へ送付することを定め、第2項でその書類を内閣が遅滞なく財務大臣に回付するとしています。国の予算に関する書類の作製主体が二系統に分かれているのは、国会・裁判所・会計検査院の独立性に配慮した仕組みです。8月31日という日付が毎年繰り返されるのは、この条文に根拠があるからです。

 もっとも、要求の内容が世に出るのは8月31日ちょうどではありません。各府省の要求を取りまとめた「一般会計概算要求・要望額等」が財務省から公表された日は、令和6年度予算では令和5年9月5日、令和7年度予算では令和6年9月4日、令和8年度予算では令和7年9月3日で、いずれも9月上旬でした。概算要求基準の閣議了解が8月8日と遅かった令和8年度予算でも、取りまとめの公表は前年より1日早い9月3日です。基準の了解が遅れた年に取りまとめも後ろへずれる、という単純な連動は見られないため、令和9年度分についても9月上旬の公表を目安に置いておくのが実務的です。

地方交付税の要求:
総務省所管予算の概算要求

 自治体にとって最も重要な概算要求は、総務省が示す地方交付税の要求額です。令和8年度予算に向けた総務省所管予算の概算要求では、地方交付税は地方団体に交付されるベースで19兆3,367億円が要求され、これに加えて金額を明示しない事項要求が置かれました。令和7年度当初の18兆9,574億円と比べて増額の要求であり、要求の考え方としては、前年度の地方財政計画の水準を下回らないよう一般財源総額を実質的に同水準で確保するという、近年繰り返されてきた方針が置かれています。

 この要求額は、年末の地方財政対策を経て、翌年1月の地方財政計画で確定します。したがって8月の要求額は、確定値ではなく、総務省が財務省に対してどのラインから交渉を始めるかを示す出発点として読むのが正確です。特別区は普通交付税の交付を受けませんが、地方交付税の総額は地方財政計画全体の水準と結びついており、都区財政調整の原資となる調整税等の見通しとも間接的につながっています。

税制改正要望:
8月末に各府省から出そろう

 予算の要求と並行して、各府省は翌年度の税制改正要望を提出します。令和8年度税制改正に向けた要望は8月29日付で提出され、財務省がその単純集計を公表しました。要望の段階では実現可能性が問われないため、この時期の要望一覧には、年末の与党税制改正大綱で消えていくものも多く含まれます。それでも、税源偏在の是正や法人課税の見直しなど、特別区の歳入に直結する論点がどのような形で持ち出されているかを早い段階で把握しておく意味は小さくありません。総務省の要望には、地方税制に関する事項がまとまって示されます。

人事院勧告:
8月上旬の勧告が給与改定の起点になる

 人事院は毎年、民間給与の実態調査に基づいて国家公務員の給与について国会及び内閣に報告と勧告を行います。労働基本権が制約されていることの代償措置として設けられた仕組みであり、例年8月上旬に勧告が行われます。令和7年は8月7日に勧告がなされ、月例給を平均15,014円、率にして3.62パーセント引き上げ、期末手当及び勤勉手当の年間支給月数を4.60月から4.65月へ0.05月分引き上げる内容でした。初任給についても、大卒程度の一般職で232,000円へ12,000円の引上げが示されています。

 勧告そのものは国家公務員に関するものですが、地方公務員の給与改定は各団体の人事委員会勧告を経て決定される仕組みであり、その内容は国の勧告と民間給与の動向を踏まえたものになります。特別区の場合、特別区人事委員会の勧告は例年10月中旬前後に行われており、令和7年は10月14日、令和6年は10月9日、令和5年は10月11日でした。8月の国の勧告は、秋の区人事委員会勧告の水準を見通す最初の材料であり、財政課にとっては給与改定に伴う補正予算の規模を概算し始める合図になります。給与関係経費は歳出の大きな部分を占めるため、勧告の水準がそのまま年度後半の財政運営の余地を左右します。

住民基本台帳人口:
7月下旬から8月上旬に公表される

 総務省が公表する住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数は、その年の1月1日現在の数値をまとめた基礎統計です。直近では、令和5年1月1日現在の集計が令和5年7月26日、令和6年1月1日現在の集計が令和6年7月24日、令和7年1月1日現在の集計が令和7年8月6日に公表されました。令和8年1月1日現在の数値は、7月25日時点ではまだ公表されておらず、7月下旬から8月上旬の公表が見込まれます。人口は交付税の算定でも都区財政調整の算定でも測定単位として使われる最も基礎的な数値であり、公表され次第、自区の人口、世帯数、年齢構成、外国人住民の動向を確認しておきたい統計です。

都・特別区の動き:
都区財政調整の当初算定

令和8年度の当初算定:
各区に交付される額が実額で確定する

 都区財政調整制度は、本来は市町村税である固定資産税、市町村民税法人分及び特別土地保有税を都が課することとした地方税法第734条と、都が特別区財政調整交付金を交付することを定めた地方自治法第282条によって組み立てられています。交付金の原資となる調整税等は、都が課したこれら三税に、法人事業税のうち都から特別区及び市町村へ交付される分に相当する交付対象額を加えたものです。三税だけを原資として説明されることが多いものの、令和8年度のフレームでは法人事業税交付対象額も調整税等に含めて計上されています。

 この調整税等の一定割合が交付金の総額となり、交付金は普通交付金と特別交付金に分かれます。このうち普通交付金の各区への配分額を決めるのが、夏に行われる当初算定です。

 令和7年度の当初算定の結果は、令和7年8月8日に公表されました。普通交付金の総額は1兆2,139億74百万円で、前年度と比べて881億54百万円、率にして7.8パーセントの増となり、4年連続の増額でした。交付を受けた区は21区で、不交付となったのは港区と渋谷区の2区です。交付区のうち20区が前年度より増額、1区が減額となっており、増額が全体の傾向であったことがわかります。

 令和8年度の当初算定は、7月25日時点ではまだ公表されていません。前年度の公表が8月8日であったことから、令和8年度分も8月上旬の公表が見込まれます。公表されると、普通交付金の総額、前年度比、各区の交付額、そして不交付区の顔ぶれが一度に明らかになります。本記事では、公表を確認したうえで本節に令和8年度の実績を追記します。

令和8年度のフレームと当初算定の関係を押さえる

 当初算定の結果を読むには、年明けに決まったフレームとの対比が欠かせません。令和8年度の都区財政調整のフレームは、令和8年1月30日に東京都が「令和8年度都区財政調整及び令和7年度都区財政調整再調整について(要旨)」として公表し、2月3日の都区協議会を経て確定しました。財政調整交付金の総額は1兆3,604億円で前年度比4.8パーセントの増、その内訳は普通交付金が1兆2,788億円、特別交付金が816億円です。都の要旨は、普通交付金を交付金総額の94パーセント相当、特別交付金を6パーセント相当と説明しています。

 原資となる調整税等の見込額は2兆4,106億円で、前年度比4.3パーセントの増です。その内訳は、固定資産税が1兆5,403億円、市町村民税法人分が7,678億円、特別土地保有税が10億円、法人事業税交付対象額が1,023億円です。このうち都区間の配分割合に基づく当年度分、すなわち調整税等の56パーセントが交付金の原資となります。

 フレームは、調整税等の収入見込みに基づいて年度当初に置かれた見込みの数字です。これに対して当初算定は、各区の基準財政需要額と基準財政収入額を実際の測定単位で計算した結果であり、区ごとの実額が出ます。フレーム段階の見込みと当初算定の結果に差が生じるのは通常のことで、その差がどちらに振れたかが、年度後半の補正予算をどう組むかの前提になります。財政課が8月の公表を待ち構えるのは、この差を早く知りたいからにほかなりません。

庁内実務:
決算の調製・提出と監査対応

決算書の調製と提出:
出納閉鎖後3か月の期限

 地方自治法第233条第1項は、会計管理者が毎会計年度、政令で定めるところにより決算を調製し、出納の閉鎖後3か月以内に、証書類その他政令で定める書類と併せて長に提出しなければならないと定めています。ここでいう決算の中心となる書類が歳入歳出決算書です。出納閉鎖は5月31日ですから、この3か月以内という期限は8月31日を指します。国の概算要求の期限と同じ日付が並ぶのは偶然ですが、財政課にとっては前年度を閉じる作業と来年度を開く作業の期限が同じ日に来るという点で、記憶しやすい構造です。

 提出する決算には、歳入歳出決算書のほか、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書、財産に関する調書といった附属書類が伴います。あわせて第233条第5項は、長が議会の認定に付するに当たり、主要な施策の成果を説明する書類その他政令で定める書類を提出しなければならないと定めています。数字を並べただけでは決算にならず、その年度に何を行い何を達成したのかを説明する書類が制度上求められているという点は、決算実務の基本として押さえておきたいところです。

監査委員の決算審査

 提出された決算は、第233条第2項により監査委員の審査に付されます。監査委員の審査の結果は決算審査意見書としてまとめられ、第233条第3項に基づき、長は決算に監査委員の意見を付けて、次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければなりません。第4項は、監査委員の意見の決定が監査委員の合議によることを定めています。特別区では、9月の第3回定例会に決算認定議案を提出するのが一般的であり、8月は監査委員による審査が集中的に行われる期間に当たります。

 審査の場で問われるのは、計数の正確性や予算執行の適法性にとどまりません。収入未済額と不納欠損額の推移、不用額が大きい事業の理由、基金と特別区債の残高の動き、そして主要施策が所期の成果を上げたかどうかが、実質的な論点になります。9月議会の答弁を見据えるという意味でも、監査対応で作成する説明資料は、そのまま決算特別委員会の想定問答の骨格として使える形に整理しておくと効率的です。

健全化判断比率の審査と報告

 決算の審査と並行して進むのが、健全化判断比率の手続です。地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項は、長が決算の提出を受けた後、速やかに4指標を監査委員の審査に付すことを義務付けています。4指標とは、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率及び将来負担比率です。審査に付す際には算定の基礎となる事項を記載した書類を添え、監査委員の意見を付けて議会に報告し、公表しなければなりません。第2項は監査委員の意見の決定が合議によることを、第3項は指定都市以外の市町村及び特別区の長が都道府県知事に報告することを定めており、第4項では知事が取りまとめた概要を公表するとされています。

 条文が「決算の提出を受けた後、速やかに」としていることから、8月末の決算提出を受けて監査委員の審査に付し、9月議会で報告するという工程が自然な流れになります。4指標のいずれもが早期健全化基準を下回っていることを確認するのは当然として、実務上重要なのは、前年度からの変動要因を説明できる状態にしておくことです。将来負担比率が上下した理由を、区債残高、基金残高、退職手当負担見込額などの構成要素に分解して説明できれば、議会でも住民説明でも通用します。

9月議会に向けた最終準備

 8月の後半は、9月の第3回定例会に向けた議案と資料の仕上げの時期です。決算認定議案、健全化判断比率の報告、決算審査意見書への対応方針、そして補正予算を同時に提出する場合はその内容が、同じ日程の上で動きます。特に給与改定に伴う補正は、区人事委員会の勧告が10月であることから、多くの区では第4回定例会での対応になりますが、8月の人事院勧告の時点で規模感を試算しておけば、財政計画上の見通しを早く立てられます。

8月に押さえておきたい基礎用語:
概算要求基準・決算審査意見書・健全化判断比率・人事院勧告

概算要求基準

 概算要求基準とは、翌年度予算の要求の上限と区分をあらかじめ枠として示す閣議了解の通称です。俗にシーリングと呼ばれます。法律に根拠のある制度ではなく、予算編成の実務慣行として続いてきたもので、文書の名称も年によって変わります。枠であるという性格上、ここで認められなかった要求は原則として財務省に提出できません。したがって基準は、年末の予算案の姿を8月の時点で先取りして規定する文書だと考えると位置づけがつかめます。

決算審査意見書

 決算審査意見書は、監査委員が長から提出された決算とその附属書類を審査した結果を記した文書です。計数の正確性、予算執行の適法性・効率性についての意見が示され、地方自治法第233条第3項に基づいて決算に添付され、議会の認定に付されます。指摘事項は翌年度の予算編成や事務改善に反映させることが期待されており、単なる形式的な添付書類ではありません。

健全化判断比率

 健全化判断比率は、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4指標の総称です。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づき、毎年度の決算に基づいて算定し、監査委員の審査を経て議会に報告し、公表することとされています。いずれかが早期健全化基準以上となった場合には財政健全化計画の策定が義務付けられ、さらに悪化して財政再生基準以上になると財政再生計画の策定が必要になります。決算のたびに算定される、財政の健康診断の指標だと考えるとわかりやすいでしょう。

人事院勧告

 人事院勧告とは、人事院が国会及び内閣に対して行う、国家公務員の給与に関する報告と勧告です。民間給与との較差を埋めることを基本原理としており、較差が生じていれば増額でも減額でも勧告されます。勧告そのものに法的拘束力はなく、給与法の改正案として国会に提出され可決されて初めて効力を持ちます。地方公務員の給与は各団体の条例で定められるため国の勧告が直接適用されることはありませんが、人事委員会が勧告を組み立てる際の前提になります。

決算書の提出期限はいつか:
8月31日

 決算書の提出期限は8月31日です。地方自治法第233条第1項が、会計管理者は決算を調製し、出納の閉鎖後3か月以内に証書類その他政令で定める書類と併せて長に提出しなければならないと定めているためです。出納閉鎖は5月31日であり、その3か月後が8月31日に当たります。

 提出後の流れも同じ条文に定めがあります。決算は同条第2項により監査委員の審査に付され、第3項により監査委員の意見を付けて、次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付されます。健全化判断比率も、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条により、決算の提出を受けた後速やかに監査委員の審査に付し、議会に報告して公表することとされています。

 8月31日は国の概算要求の提出期限でもあります。予算決算及び会計令第8条により、内閣総理大臣及び各省大臣は8月31日までに見積に関する書類を財務大臣へ送付します。その前提となる概算要求基準は7月下旬から8月上旬に閣議了解されるのが通例で、令和6年度予算では令和5年7月25日、令和7年度予算では令和6年7月29日、令和8年度予算では令和7年8月8日に了解されました。要求を取りまとめた財務省の資料の公表は、この3年度いずれも9月上旬でした。特別区の都区財政調整の当初算定は例年8月上旬に公表され、令和7年度は8月8日に公表されて普通交付金の総額は1兆2,139億74百万円、交付区21区、不交付区は港区と渋谷区でした。人事院勧告も例年8月上旬で、令和7年は8月7日でした。

まとめ:
8月は締めくくりと始動が同居する月

 8月の動きを一言で整理すれば、前年度を閉じる作業と来年度を開く作業が同じ月に、しかも同じ8月31日という期限のうえで並ぶ月です。会計管理者が決算を調製して長に提出する期限と、各府省が財務省に概算要求を提出する期限が同じ日であるという事実は、財政という仕事が常に複数の年度を同時に扱うものであることを、これ以上ないほど端的に示しています。

 特別区の視点では、この月の主役は都区財政調整の当初算定です。全国の自治体が7月の普通交付税の決定で今年度の一般財源を確定させるのに対し、特別区は8月の当初算定でそれを迎えます。年明けのフレームで見込んだ数字と、実際に算定された数字との差を早く把握し、年度後半の補正予算の余地を測ること。これが8月の財政課の第一の仕事になります。

 そのうえで、監査委員の決算審査と健全化判断比率の算定に対応し、9月議会の議案と説明資料を仕上げ、8月末に公表される国の概算要求から翌年度の補助金・交付金の芽を拾う。前年度・今年度・来年度の三つの数字を同時に扱う密度の高さこそ、8月という月の性格です。夏の間にどれだけ丁寧に決算を読み込めたかが、秋の予算編成方針の説得力に直結します。

 次回の9月号では、決算認定を審議する決算議会、健全化判断比率の議会報告と公表、令和7年度普通会計決算の見込みの姿、そして本格化する令和9年度予算編成の準備を扱います。引き続き、月ごとのカレンダーで予算・決算の1年を伴走します。

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