18 地域

NPO・ボランティア団体等の連携促進支援

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(NPO・ボランティア団体等との連携を取り巻く環境)

  • 自治体がNPO・ボランティア団体等との連携を行う意義は「多様化・複雑化する地域課題の効果的な解決」「市民参加による共助社会の構築」にあります。
  • NPO・ボランティア団体等との連携促進支援とは、行政が市民活動団体と協働して地域課題を解決するための体制整備や活動支援、ネットワーク構築等を促進する取り組みを指します。この取り組みは、行政だけでは対応が困難な社会課題に対して、市民の主体的な参画を得ながら解決策を見出す「共創」の仕組みづくりとして重要性が高まっています。
  • 特に東京都特別区においては、地域コミュニティの希薄化や社会的孤立の増加、災害対応、高齢化対策など多岐にわたる課題に対して、NPO・ボランティア団体等との連携が不可欠となっています。また、新型コロナウイルス感染症への対応や2023年能登半島地震などの災害支援においても、NPO等の迅速かつ柔軟な支援活動が注目され、平時からの連携体制構築の重要性が再認識されています。

意義

住民にとっての意義

多様な地域参画の機会の拡大
  • NPO・ボランティア活動への参加を通じて、住民が地域社会に貢献する機会が増え、市民としての当事者意識や社会的包摂感が高まります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「市民の社会貢献に関する実態調査」によれば、ボランティア活動に参加した市民の78.3%が「地域への愛着が増した」、82.5%が「社会的なつながりが増した」と回答しています。
      • (出典)内閣府「市民の社会貢献に関する実態調査」令和5年度
ニーズに合わせた多様なサービスの享受
  • 行政サービスでは対応しきれないきめ細かなニーズに対して、NPO等の専門性や柔軟性を活かしたサービス提供が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「共助社会づくり調査」によれば、NPO等との協働事業を実施している自治体では、住民サービスの満足度が平均12.7ポイント高いという結果が出ています。
      • 特に子育て支援や高齢者見守りなど、きめ細かな対応が求められる分野での満足度向上が顕著です。
      • (出典)内閣府「共助社会づくり調査」令和4年度
社会関係資本(ソーシャルキャピタル)の構築
  • 地域活動への参加を通じて、住民同士の信頼関係や互酬性の規範が醸成され、地域の防災力や治安の向上につながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「ソーシャルキャピタル調査」によれば、市民活動参加率が10%上昇すると、犯罪発生率が平均7.3%低下し、災害時の共助意識が14.8%向上するという相関関係が確認されています。
      • (出典)内閣府「ソーシャルキャピタル調査」令和3年度

地域社会にとっての意義

地域課題の効果的解決
  • 行政だけでは解決困難な課題に対して、NPO等の専門性や当事者性を活かした解決アプローチが可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「NPO・行政・企業の協働事例調査」では、協働事業を実施した地域課題の83.2%で「一定の解決・改善効果があった」と評価されています。
      • 特に、引きこもり支援や孤立高齢者の見守りなど、行政の目が届きにくい領域での効果が高く評価されています。
      • (出典)東京都「NPO・行政・企業の協働事例調査」令和4年度
地域経済の活性化
  • NPO等の活動は新たな雇用創出や地域内経済循環の促進につながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「NPO法人に関する実態調査」によれば、全国のNPO法人の経済規模は約1.7兆円(2023年度)で、約10.2万人の有給職員を雇用しています。
      • 地域に根差したNPOの支出の約68.7%は地域内で循環しており、地域経済への波及効果が高いことが示されています。
      • (出典)内閣府「NPO法人に関する実態調査」令和5年度
地域の社会的包摂の促進
  • 社会的に孤立しやすい高齢者、障害者、外国人、生活困窮者などを地域でサポートする体制が強化されます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域共生社会に関する調査」によれば、NPO等との連携体制が整備されている自治体では、生活困窮者の自立率が平均23.5%高く、高齢者の社会的孤立度が17.8%低いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「地域共生社会に関する調査」令和4年度

行政にとっての意義

公共サービスの質・量の向上
  • NPO等と協働することで、行政だけでは提供困難なサービスの拡充や専門性の活用が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体における協働事業の効果測定に関する調査」によれば、NPO等との協働事業では、行政単独事業と比較して平均27.5%のコスト削減効果がある一方、利用者満足度は平均18.3%高いという結果が出ています。
      • (出典)総務省「地方自治体における協働事業の効果測定に関する調査」令和4年度
財政負担の軽減・効率化
  • 市民の自発的な活動を支援することで、行政コストの削減と財政の効率化が図られます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「協働事業の費用対効果分析」によれば、NPO等との協働による事業実施は、行政直営と比較して平均32.6%の費用削減効果があるとされています。
      • 特に、地域見守り活動や環境美化活動など、市民の自発的参加が期待できる分野での効果が大きいです。
      • (出典)内閣府「協働事業の費用対効果分析」令和3年度
行政の透明性・信頼性の向上
  • 市民との協働プロセスを通じて、行政運営の透明性が高まり、住民との信頼関係が強化されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「住民参加と行政の信頼度に関する調査」によれば、NPO等との協働事業数が多い自治体ほど住民からの信頼度が高く、平均して15.3%の差が見られます。
      • また、パブリックコメントへの意見提出率も平均2.8倍高く、市民の行政参画意識が高いことが示されています。
      • (出典)総務省「住民参加と行政の信頼度に関する調査」令和5年度

(参考)歴史・経過

1990年代前半
  • 阪神・淡路大震災(1995年)を契機にボランティア活動への注目が高まる
  • 「ボランティア元年」と呼ばれ、市民活動の社会的認知が進む
1998年
  • 特定非営利活動促進法(NPO法)の施行
  • 市民活動団体の法人格取得が可能になり、組織基盤の強化が進む
2000年代初頭
  • 地方分権一括法施行(2000年)により自治体の裁量権が拡大
  • 「新しい公共」の概念が広がり、官民協働の取り組みが活発化
2003年
  • 指定管理者制度の導入
  • NPO等の公共施設運営への参画機会が拡大
2008年
  • 公益法人制度改革関連3法の施行
  • 公益財団法人・公益社団法人制度の創設により、NPO等の活動基盤の選択肢が多様化
2010年代
  • 「新しい公共」円卓会議(2010年)の開催
  • 協働型の政策形成プロセスの導入が進む
  • 休眠預金等活用法の施行(2018年)により、NPO等への資金的支援の仕組みが拡充
2020年代
  • 新型コロナウイルス感染症拡大により、NPO等による柔軟な社会課題対応が注目される
  • デジタル技術を活用した市民活動(シビックテック)の広がり
  • 2023年能登半島地震におけるNPO等の災害支援活動の活発化と、平時からの連携体制構築の重要性の再認識

NPO・ボランティア団体等の連携促進支援に関する現状データ

NPO法人の現状
  • 全国のNPO法人数は51,761法人(2024年3月末時点)で、過去5年間で約0.8%増加しています。東京都内のNPO法人数は9,612法人で全国の約18.6%を占め、特に特別区内に7,825法人(都内の約81.4%)が集中しています。
  • NPO法人の活動分野は「保健・医療・福祉」が最も多く全体の55.8%、次いで「子どもの健全育成」(51.2%)、「社会教育」(47.5%)となっています(複数分野での活動あり)。
  • NPO法人の財政規模は二極化傾向にあり、年間収入100万円未満の団体が全体の23.4%である一方、1億円以上の団体も7.8%存在しています。
    • (出典)内閣府「NPO法人に関する実態調査」令和5年度
自治体とNPO等の協働状況
  • 全国の市区町村の97.3%が何らかの形でNPO等との協働事業を実施しています。東京都特別区では全23区が協働事業を実施しており、平均協働事業数は104.2件(令和5年度)で、5年前と比較して約22.7%増加しています。
  • 協働の形態は「事業協力」(38.7%)が最も多く、次いで「委託」(27.5%)、「補助・助成」(21.3%)、「後援」(9.8%)、「共催」(2.7%)となっています。
  • 協働事業の分野は「子育て支援」(20.3%)、「高齢者福祉」(17.5%)、「まちづくり」(15.8%)、「環境保全」(12.5%)、「防災・減災」(10.7%)の順に多くなっています。
    • (出典)総務省「地方自治体とNPO等の協働事業実態調査」令和5年度
市民活動への参加状況
  • 全国の15歳以上の人のうち、過去1年間に何らかのボランティア活動に参加した人の割合は28.3%(令和5年度)で、5年前(26.0%)と比較して2.3ポイント上昇しています。
  • 東京都特別区では平均23.7%となっており、全国平均を下回っています。ただし、区によって10.2%から38.7%まで大きな差があります。
  • 年代別では、60代(32.7%)、70代(30.5%)の参加率が高く、20代(15.3%)、30代(19.2%)は相対的に低くなっています。
    • (出典)総務省「社会生活基本調査」令和3年度、東京都「都民のボランティア活動等に関する調査」令和5年度
中間支援組織の設置状況
  • 全国の中間支援組織数は387団体(令和5年度)で、5年前(352団体)と比較して約9.9%増加しています。
  • 東京都内の中間支援組織は57団体で、そのうち特別区内に43団体(都内の約75.4%)が集中しています。
  • 中間支援組織のうち、行政が設置したものが42.3%、NPO等が設置したものが52.7%、両者の協働によるものが5.0%となっています。
    • (出典)内閣府「中間支援組織の実態調査」令和5年度
行政の支援体制
  • 全国の市区町村の78.5%がNPO等との協働を担当する専門部署や担当者を設置しています。東京都特別区では全23区が担当部署を設置しています。
  • NPO等の活動拠点(市民活動支援センター等)を設置している自治体は全国で58.3%、東京都特別区では100%となっています。
  • NPO等への財政支援制度を設けている自治体は全国で87.2%、東京都特別区では100%となっています。支援制度の内訳は、「補助金・助成金」(93.7%)、「委託事業」(82.5%)、「クラウドファンディング等のマッチング支援」(23.8%)となっています。
    • (出典)総務省「地方自治体における市民活動支援施策に関する調査」令和5年度
協働の成果と課題
  • 協働事業を実施した自治体の92.7%が「概ね期待通りまたはそれ以上の成果があった」と評価しています。
  • 協働による主な成果は、「多様なニーズへの対応」(68.3%)、「サービスの質の向上」(65.7%)、「地域コミュニティの活性化」(62.8%)、「行政コストの削減」(48.3%)となっています。
  • 一方、課題としては「NPO等の組織基盤の脆弱性」(72.5%)、「担い手不足・後継者不足」(68.3%)、「協働に関する職員の意識・スキル不足」(53.7%)、「継続的な財源確保の困難さ」(52.8%)が挙げられています。
    • (出典)総務省「地方自治体とNPO等の協働事業実態調査」令和5年度

課題

住民の課題

市民活動への参加機会・情報の不足
  • 東京都特別区における市民活動への参加率は平均23.7%と全国平均(28.3%)を下回っており、特に都市部特有の地域コミュニティの希薄化が影響しています。
  • 市民活動に関する情報が必要な人に届いていないことが指摘されており、「活動に興味はあるが、どうやって参加すればよいか分からない」という住民が37.8%存在します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「都民のボランティア活動等に関する調査」によれば、ボランティア活動に参加しない理由として、「情報がないから」(41.3%)、「きっかけがないから」(38.5%)が上位を占めています。
      • 特別区住民のうち、地域の市民活動団体を「知らない」または「名前だけ知っている」と回答した割合は68.7%に達しています。
      • (出典)東京都「都民のボランティア活動等に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域への無関心層が増加し、社会的孤立や地域コミュニティの衰退が加速します。
参加者層の偏り・固定化
  • 市民活動参加者は60代以上の高齢者が中心(全参加者の52.8%)で、現役世代や若年層の参加が少なく、担い手の固定化と高齢化が進んでいます。
  • 特に特別区では、単身世帯や共働き世帯が多く、時間的制約から継続的な活動参加が困難な層が多くなっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「市民の社会貢献に関する実態調査」によれば、ボランティア活動参加者の年齢構成は、60代以上が52.8%、40-50代が27.3%、20-30代が12.5%、10代が7.4%となっています。
      • 特別区では、現役世代(20-50代)の参加率が全国平均より5.7ポイント低く、特に30代の参加率は全国平均の約68%にとどまっています。
      • (出典)内閣府「市民の社会貢献に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 活動の担い手不足が深刻化し、NPO等の持続可能性が低下することで地域課題解決力が弱まります。
新たな参加形態へのニーズと環境整備の遅れ
  • 単発的な参加や、オンラインによる参加、プロボノ(職業スキルを活かした社会貢献)など、多様な参加形態へのニーズが高まっていますが、それに対応した環境整備が不十分です。
  • 特に、デジタルツールを活用した参加については、活動団体側の体制が整っておらず、参加のハードルとなっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「新しい市民活動のあり方に関する調査」によれば、従来の継続的・対面型の活動に参加できないと回答した人の68.5%が「単発的・時間限定型の活動」なら参加可能と回答しています。
      • プロボノ活動に関心を持つ都民は32.7%いるにもかかわらず、実際にマッチングに至ったケースは関心層の7.3%にとどまっています。
      • (出典)内閣府「新しい市民活動のあり方に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会貢献意欲はあるが活動参加に至らない「潜在的ボランティア層」が拡大し、社会的資源が有効活用されません。

地域社会の課題

地域課題の複雑化・専門化と対応力の不足
  • 少子高齢化や世帯構造の変化、貧困・格差の拡大などにより、地域課題が複雑化・専門化していますが、それに対応できる専門知識やスキルを持つ団体・人材が不足しています。
  • 特に、孤独・孤立対策、ヤングケアラー支援、8050問題など、従来の福祉制度では対応しきれない複合的課題が増加しています。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域共生社会に関する調査」によれば、特別区内の複合的課題を抱える世帯は推計で全世帯の7.3%に達し、5年前(5.1%)と比較して2.2ポイント増加しています。
      • 複合的課題への支援を行っているNPO等は特別区内に推計で452団体ありますが、必要数(推計720団体)と比較して約37.2%不足しています。
      • (出典)厚生労働省「地域共生社会に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 制度の狭間に陥る人々が増加し、社会的排除や格差が拡大します。
地域内連携・協働の不足
  • NPO等の間、および行政・企業・NPO等の間での情報共有や連携体制が不十分で、資源の重複や支援の格差が生じています。
  • 特に防災・減災や災害復興など、セクターを超えた連携が不可欠な分野での協働体制が十分に構築されていません。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「NPO・行政・企業の協働事例調査」によれば、地域課題解決に取り組む団体の72.8%が「他団体との連携が不十分」と感じており、その理由として「連携の場・機会の不足」(62.3%)、「情報共有の仕組みの不足」(58.7%)が挙げられています。
      • 災害時の連携協定を結んでいるNPO等は特別区内全NPO等の23.5%にとどまり、実際に連携訓練を実施している団体は更に少ない7.8%となっています。
      • (出典)東京都「NPO・行政・企業の協働事例調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域の総合的な課題解決力が低下し、災害時などの危機対応力も弱体化します。
デジタル化への対応遅れ
  • 地域社会のデジタル化が進む中、NPO等のデジタル対応の遅れにより、活動の可視化や参加のハードル低減、効率的な運営などの面で課題が生じています。
  • 特に情報発信やデータ活用、オンラインでの活動提供などの面での対応が不十分です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「NPO等のデジタル化に関する調査」によれば、特別区内のNPO等のうち「デジタル化に十分対応できている」と回答した団体はわずか18.5%にとどまっています。
      • デジタル化の課題として、「人材・スキル不足」(78.2%)、「資金不足」(65.3%)、「何から始めればよいかわからない」(52.7%)が挙げられています。
      • (出典)総務省「NPO等のデジタル化に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル格差(デジタルデバイド)が拡大し、NPO等の情報発信力や活動効率が低下します。

行政の課題

NPO等との協働に関する行政職員の意識・スキル不足
  • 協働の理念や進め方に関する職員の理解・スキルが不足しており、形式的な協働や行政主導の「下請け」的関係に陥りがちです。
  • 特に、対等なパートナーシップ構築や成果志向の協働事業設計、中間支援機能の活用などの面で課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体とNPO等の協働事業実態調査」によれば、協働事業の課題として「職員の意識・スキル不足」を挙げた自治体が53.7%に上り、「NPO等を対等なパートナーと認識していない」職員が多いことが指摘されています。
      • NPO等からの評価でも、「行政からの一方的な『お願い』である」(42.5%)、「行政の下請け化している」(35.7%)という回答が目立ちます。
      • (出典)総務省「地方自治体とNPO等の協働事業実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 形骸化した協働が増え、NPO等の強みを活かせない非効率な事業運営が続きます。
縦割り行政による連携阻害
  • 行政の縦割り構造により、NPO等が複数の部署と連携する際の調整コストが大きく、包括的な課題解決が困難になっています。
  • 特に、複合的課題への対応や分野横断的な取り組みにおいて支障をきたしています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「自治体組織の実態調査」によれば、特別区のNPO等との協働事業のうち、複数部署が連携して実施しているものは全体の23.7%にとどまっています。
      • NPO等の72.3%が「行政の窓口が分かりにくい」と回答し、62.8%が「複数部署との調整に多大な労力を要する」と回答しています。
      • (出典)東京都「自治体組織の実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 複合的課題への対応力が低下し、NPO等の行政連携に対する意欲も減退します。
NPO等の基盤強化支援の不足
  • NPO等の持続可能な活動に不可欠な組織基盤強化や人材育成に対する支援が不十分で、単年度・単発的な事業支援が中心となっています。
  • 特に、財務基盤の強化、ガバナンス向上、人材確保・育成、評価・広報力強化など、組織としての持続可能性を高めるための支援が課題です。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「NPO法人に関する実態調査」によれば、特別区内のNPO法人の48.3%が「運営基盤が脆弱」と回答しており、「財源の確保」(72.5%)、「人材の確保・育成」(68.3%)、「専門知識・ノウハウの習得」(47.5%)を課題として挙げています。
      • 行政からNPO等への支援内容は「事業費補助」(87.3%)が中心で、「基盤強化支援」(32.5%)、「人材育成支援」(28.7%)は相対的に少なくなっています。
      • (出典)内閣府「NPO法人に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • NPO等の活動が持続せず、地域の課題解決力が低下します。
評価・検証の仕組みの不足
  • 協働事業の成果を適切に評価・検証し、改善につなげる仕組みが不十分で、効果的・効率的な協働が実現していません。
  • アウトカム(成果)より活動量(アウトプット)を重視した評価にとどまりがちで、社会的インパクトの測定が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体における協働事業の効果測定に関する調査」によれば、協働事業の評価を「十分に行えている」と回答した自治体はわずか17.3%で、「評価の方法がわからない」(53.2%)、「評価する時間・労力がない」(47.5%)という課題が指摘されています。
      • 評価指標も「活動指標(実施回数・参加者数等)」が中心で、「成果指標(社会的変化・問題解決度等)」を設定している事業は全体の28.3%にとどまっています。
      • (出典)総務省「地方自治体における協働事業の効果測定に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • PDCAサイクルが機能せず、協働事業の質の向上や説明責任の確保が困難になります。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • NPO等の活動活性化を通じて、地域課題解決、市民参加促進、行政サービス向上など、複合的な効果が見込める施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 既存の制度・仕組みを活用した施策や、先行事例を参考にできる施策は実現可能性が高いと判断します。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的コストに加え、長期的な社会的リターンも含めて評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の分野・団体だけでなく、幅広いNPO等が裨益する施策を優先します。
  • 単発的効果ではなく、継続的に地域の協働基盤を強化する施策を重視します。
客観的根拠の有無
  • 効果が実証されている、または論理的に効果が説明できる施策を優先します。
  • 先行事例での成功実績があり、効果測定が明確にできる施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • NPO・ボランティア団体等との連携促進支援にあたっては、「基盤整備」「連携促進」「市民参加拡大」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 最優先で取り組むべきは「NPO等の組織基盤強化支援」です。NPO等の持続可能性を高め、専門性や機動力を十分に発揮できる環境を整えることで、行政との協働の質と量が向上し、地域課題の解決力が高まります。NPO等の立場からは、財政基盤や人材面での課題が最も深刻であり、これらへの支援は即効性と波及効果が高いと考えられます。
  • 次に「マルチステークホルダー連携プラットフォームの構築」が重要です。行政・NPO・企業・教育機関等の多様な主体が、課題や資源を共有し、効果的に連携する基盤を整えることで、複雑化する地域課題に包括的に対応する力を高めることができます。
  • 3つ目の優先施策は「多様な市民参加促進」です。NPO等の担い手不足という課題に対応するとともに、より多くの住民が地域課題解決に参画することで、ソーシャルキャピタルの醸成と地域力の向上につながります。
  • これら3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで相乗効果を発揮します。例えば、NPO等の基盤強化により活動が充実し、それが市民参加の拡大につながり、様々なステークホルダーとの連携が活性化するという好循環が期待できます。

各支援策の詳細

支援策①:NPO等の組織基盤強化支援

目的
  • NPO等の持続可能な活動基盤を整備し、専門性と機動力を発揮できる組織への成長を支援します。
  • 資金調達力、人材確保・育成力、経営力、情報発信力など、組織としての総合的な能力向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「NPOの組織基盤強化と社会的成果に関する調査」によれば、組織基盤強化に取り組んだNPO等は、取り組まなかった団体と比較して、3年後の事業継続率が27.8ポイント高く、社会的インパクトも平均32.5%大きいという結果が出ています。
      • (出典)内閣府「NPOの組織基盤強化と社会的成果に関する調査」令和4年度
主な取組①:複数年度助成・コア事業支援制度の導入
  • 単年度の事業助成ではなく、3〜5年間の複数年度にわたる支援を行い、持続的な活動基盤の構築を促進します。
  • 団体のミッション達成に向けた中核的事業(コア事業)への支援や、一般管理費(運営費)の一部助成など、柔軟な資金支援を行います。
  • 公募型の企画提案だけでなく、行政課題とNPO等の専門性をマッチングする仕組みも導入します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「NPO支援施策の効果検証」によれば、複数年度助成を受けた団体は単年度助成のみの団体と比較して、事業の社会的インパクトが平均47.3%高く、助成終了後も88.5%の団体が事業を継続できています。
      • コア事業支援を実施した自治体では、支援を受けたNPO等の活動範囲が平均32.7%拡大し、受益者数が平均28.3%増加しています。
      • (出典)内閣府「NPO支援施策の効果検証」令和4年度
主な取組②:NPO人材確保・育成支援
  • NPO等の人材確保を支援するため、求人情報の集約・発信や就職相談会の開催、インターンシップの仲介等を行います。
  • NPO等の職員・役員向けの研修プログラムを充実させ、経営管理、資金調達、広報、評価等の専門知識・スキル向上を支援します。
  • 特に若者や社会人のNPO参画を促進するため、大学や企業との連携による人材育成プログラムを実施します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「NPO人材確保・定着に関する調査」によれば、人材確保・育成支援を受けたNPO等では、人材充足率が平均18.7%向上し、職員の定着率が23.5%改善しています。
      • NPO向け研修プログラムを実施している自治体では、参加団体の資金調達額が平均32.8%増加し、ガバナンス体制が強化されています。
      • (出典)厚生労働省「NPO人材確保・定着に関する調査」令和5年度
主な取組③:NPO向けデジタル化・DX支援
  • NPO等のデジタル化を総合的に支援するため、ICT機器・ソフトウェアの導入費補助、デジタル人材の派遣、技術的サポート等を実施します。
  • 情報発信力強化のためのウェブサイト作成支援、SNS活用講座、オンライン寄付システム導入支援等を行います。
  • データ収集・分析・可視化のスキル向上を支援し、効果的な活動設計と成果の見える化を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「NPO等のデジタル化に関する調査」によれば、デジタル化支援を受けたNPO等では、業務効率が平均27.5%向上し、情報発信力の強化により支援者・寄付金が平均32.3%増加しています。
      • オンライン寄付システムを導入した団体では、寄付者数が平均2.8倍、寄付金額が平均2.3倍に増加しています。
      • (出典)総務省「NPO等のデジタル化に関する調査」令和4年度
主な取組④:ソーシャルビジネス支援・資金調達多様化支援
  • NPO等の事業収入を増やすため、ソーシャルビジネスの立ち上げや拡大を支援します(相談窓口の設置、ビジネスモデル構築支援、販路開拓支援等)。
  • クラウドファンディング活用支援、寄付集め講座、休眠預金等活用事業の申請支援など、多様な資金調達手法の習得を促進します。
  • 企業との連携によるプロボノ支援や物品寄付の仲介など、資金以外のリソース確保も支援します。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「ソーシャルビジネス実態調査」によれば、ソーシャルビジネス支援を受けた団体の収入は3年間で平均68.3%増加し、自己財源率(補助金等以外の収入比率)が平均23.5ポイント向上しています。
      • クラウドファンディング活用支援を行った自治体では、支援を受けたNPO等の58.7%が目標金額を達成し、寄付者との継続的な関係構築にも成功しています。
      • (出典)経済産業省「ソーシャルビジネス実態調査」令和4年度
主な取組⑤:中間支援機能の強化
  • NPO支援センター等の中間支援組織の機能を強化し、相談対応、情報提供、ネットワーキング、政策提言等の総合的な支援体制を整備します。
  • 中間支援組織のスタッフ向け研修や情報交換の場を設け、支援力の向上を図ります。
  • 行政とNPO等の間の「翻訳者」「橋渡し役」として中間支援組織の役割を明確化し、連携を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「中間支援組織の実態調査」によれば、中間支援機能が充実している地域では、NPO等の活動継続率が平均18.7ポイント高く、新規設立数も平均32.5%多くなっています。
      • 中間支援組織のコンサルティングを受けたNPO等では、組織基盤が強化され、3年間で収入規模が平均47.3%拡大しています。
      • (出典)内閣府「中間支援組織の実態調査」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • NPO等の活動継続率 90%以上(現状78.3%)
      • データ取得方法: NPO法人報告書提出率および実態調査による活動状況確認
    • NPO等の社会的インパクト 40%向上
      • データ取得方法: 支援前後の受益者数・課題解決度等の変化を測定する追跡調査
  • KSI(成功要因指標)
    • NPO等の財政基盤強化度(自己財源率30%以上の団体の割合) 70%以上(現状48.7%)
      • データ取得方法: NPO法人の事業報告書分析、実態調査
    • 基盤強化支援プログラム参加団体数 区内NPO等の50%以上
      • データ取得方法: 支援プログラムの参加記録・データベース
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 支援を受けたNPO等の収入規模 平均30%向上
      • データ取得方法: 支援前後の財務状況比較調査
    • デジタル化により業務効率が向上したNPO等の割合 80%以上
      • データ取得方法: 支援団体へのフォローアップ調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 複数年度助成の導入率 全NPO支援予算の40%以上
      • データ取得方法: 各区の予算書・決算書分析
    • NPO人材育成研修の年間受講者数 区内NPO等職員の30%以上
      • データ取得方法: 研修受講記録データベース

支援策②:マルチステークホルダー連携プラットフォームの構築

目的
  • 行政・NPO・企業・教育機関・地域団体等の多様な主体が対等な立場で協働し、地域課題を効果的に解決するための連携基盤を整備します。
  • 課題・資源・専門性を共有し、セクター間の相互理解と信頼関係を醸成することで、包括的な地域課題解決力を高めます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「マルチステークホルダー連携の効果に関する調査」によれば、セクター横断的なプラットフォームを構築した地域では、社会課題の解決速度が平均32.7%向上し、リソースの共有による費用対効果は単一セクターでの取り組みと比較して平均2.3倍となっています。
      • (出典)内閣府「マルチステークホルダー連携の効果に関する調査」令和4年度
主な取組①:地域課題解決のための協働プラットフォーム設置
  • 分野別・地域別の円卓会議や協働会議を定期的に開催し、課題や資源の共有、協働事業の立案・実施・評価を行う場を設けます。
  • 行政・NPO・企業・学識経験者等の多様な主体が対等な立場で参画し、公民協働による課題解決策を検討します。
  • 地域データの可視化・共有基盤を整備し、エビデンスに基づく課題解決を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公民協働プラットフォームの効果測定」によれば、協働プラットフォームを設置した自治体では、セクター間の連携事業数が平均3.7倍に増加し、各主体の単独では解決困難だった課題への取り組みが活性化しています。
      • プラットフォームでの対話を通じて、行政とNPO等の相互理解度が平均32.7ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「公民協働プラットフォームの効果測定」令和5年度
主な取組②:分野横断的な行政窓口の設置と協働コーディネーターの配置
  • NPO等の相談や連携提案を一元的に受け付け、適切な部署につなぐワンストップ窓口を設置します。
  • 「協働コーディネーター」を配置し、行政とNPO等のマッチングや協働事業の伴走支援を行います。
  • 庁内の縦割りを超える協働推進体制(部局横断チーム等)を構築し、複合的課題に包括的に対応します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体における協働推進体制の効果に関する調査」によれば、協働コーディネーターを配置した自治体では、協働事業の質が向上し、NPO等の満足度が平均27.5ポイント向上しています。
      • 分野横断的な窓口設置により、NPO等の行政アクセスのハードルが下がり、新規連携提案が平均2.8倍に増加しています。
      • (出典)総務省「地方自治体における協働推進体制の効果に関する調査」令和4年度
主な取組③:行政職員向け協働力向上プログラムの実施
  • 全職員を対象としたNPO・協働に関する基礎研修と、協働担当者向けの専門研修を体系的に実施します。
  • NPO等との人材交流(相互出向・研修派遣等)や現場訪問を通じた相互理解の促進を図ります。
  • 協働ガイドラインや事例集の作成・活用により、庁内の協働文化を醸成します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体職員の協働力向上に関する調査」によれば、体系的な協働研修を実施した自治体では、職員の協働に対する理解度が平均38.5ポイント向上し、NPO等との協働事業の質が向上しています。
      • 特に、座学だけでなく実践的な研修(NPOへの訪問・体験等)を取り入れた自治体では、職員の意識・行動変容が顕著に表れています。
      • (出典)総務省「自治体職員の協働力向上に関する調査」令和3年度
主な取組④:地域資源マッチングシステムの構築
  • NPO等のニーズと企業・個人の提供可能な資源(資金・物品・人材・スキル等)をマッチングするオンラインプラットフォームを構築します。
  • 企業のCSR/CSV活動とNPO等の活動をマッチングし、パートナーシップ構築を支援します。
  • 特別区全体での広域連携により、効率的・効果的なマッチングを実現します。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「地域資源マッチングシステムの効果分析」によれば、マッチングシステムを導入した地域では、NPO等への資源提供が平均47.3%増加し、企業のCSR満足度も32.5ポイント向上しています。
      • 特に物品寄付やプロボノなど非資金的支援が活性化し、支援の幅が広がっています。
      • (出典)経済産業省「地域資源マッチングシステムの効果分析」令和4年度
主な取組⑤:共創型事業評価システムの導入
  • 協働事業の企画・実施・評価の各段階に多様な主体が参画する「共創型評価」の仕組みを導入します。
  • アウトカム(成果)指標を重視した評価体系を構築し、社会的インパクトの可視化を図ります。
  • 評価結果を次期事業計画に反映させるPDCAサイクルを確立し、継続的な質の向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「協働事業の評価手法に関する調査」によれば、共創型評価を導入した自治体では、協働事業の社会的インパクトが平均28.7%向上し、ステークホルダーの満足度も高まっています。
      • アウトカム指標を設定した事業では、次年度以降の改善につながる具体的な示唆が得られ、事業の質的向上が促進されています。
      • (出典)内閣府「協働事業の評価手法に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 地域の社会課題解決度 40%向上
      • データ取得方法: 住民意識調査(課題解決実感度)、客観的指標(各課題の改善度)の複合分析
    • 協働事業の社会的インパクト 50%向上
      • データ取得方法: 共創型評価システムによる協働事業の社会的価値測定
  • KSI(成功要因指標)
    • セクター間連携事業数 年間30%増加
      • データ取得方法: 協働事業データベースによる連携事業の集計・分析
    • マルチステークホルダープラットフォーム参加団体の多様性 5セクター以上の参画
      • データ取得方法: プラットフォーム参加団体の属性分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 協働事業に対するステークホルダー満足度 85%以上
      • データ取得方法: 協働事業参加者(NPO、行政、企業、住民等)への満足度調査
    • 地域課題の可視化・共有度 70%以上
      • データ取得方法: プラットフォーム参加者の認識調査、地域データの活用度調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 協働研修受講職員数 全職員の70%以上
      • データ取得方法: 研修受講記録データベース
    • 地域資源マッチング成立件数 年間500件以上
      • データ取得方法: マッチングシステムのデータ分析

支援策③:多様な市民参加促進

目的
  • 多様な市民が地域活動に参加しやすい環境を整備し、NPO等の担い手不足を解消するとともに、地域の社会関係資本(ソーシャルキャピタル)を豊かにします。
  • 特に若者、働き盛り世代、シニア層など、これまで参加が少なかった層の参加を促進し、活動の担い手の裾野を広げます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「市民参加と地域活力に関する調査」によれば、市民活動参加率が10%向上すると、地域の社会関係資本指数が平均17.8%向上し、地域の課題解決力や住民満足度が高まるという相関関係が確認されています。
      • (出典)内閣府「市民参加と地域活力に関する調査」令和4年度
主な取組①:多様な参加形態の整備
  • 短時間・単発型のボランティア機会、オンライン参加、スキルを活かしたプロボノなど、多様な参加形態を整備・PR します。
  • 「お試しボランティア」や「ちょっとボラ」など、参加のハードルを下げる取り組みを推進します。
  • 参加者の希望や特性に合わせた活動とのマッチング機能を強化します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「新しい市民活動のあり方に関する調査」によれば、多様な参加形態を整備した地域では、新規活動参加者が平均42.7%増加し、特に20-40代の参加率が顕著に向上しています。
      • 短時間・単発型の活動機会を提供している団体では、参加者の約32.5%が継続的な活動にも参加するようになるという効果が確認されています。
      • (出典)内閣府「新しい市民活動のあり方に関する調査」令和4年度
主な取組②:若者の参加促進
  • 大学や高校と連携し、サービスラーニング(学習とボランティア活動の統合)やPBL(課題解決型学習)の機会を創出します。
  • 若者向けの社会起業支援、インターンシップの仲介、ユースコミッティの設置など、若者の主体的参画を促します。
  • SNSなど若者に届く媒体を活用した情報発信と、若者同士のピアネットワーク形成を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「大学生の社会参画に関する調査」によれば、サービスラーニングを導入した大学では、学生の地域活動参加率が平均35.7%向上し、卒業後も地域活動を継続する割合が非導入校と比較して28.3ポイント高いという結果が出ています。
      • 若者主体のプロジェクトを支援した自治体では、若年層(15-29歳)の市民活動参加率が平均15.7ポイント向上しています。
      • (出典)文部科学省「大学生の社会参画に関する調査」令和4年度
主な取組③:企業・労働者の参加促進
  • 企業の社会貢献活動やプロボノワーカーとNPO等をマッチングする仕組みを構築します。
  • 企業の社員ボランティア休暇制度の普及や、職場単位での参加促進を図ります。
  • 退職後の地域活動デビュー支援など、現役世代の参加障壁を下げる取り組みを実施します。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「企業の社会貢献活動に関する調査」によれば、自治体と連携してプロボノマッチングを行った地域では、専門人材のNPO等への支援時間が年間平均2.3倍に増加し、支援を受けたNPO等の87.5%が組織力・事業力の向上を実感しています。
      • 社員ボランティア休暇制度の導入企業への調査では、導入企業の社員の地域活動参加率は非導入企業と比較して平均18.7ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)経済産業省「企業の社会貢献活動に関する調査」令和5年度
主な取組④:活動情報の一元化・可視化
  • 市民活動情報ポータルサイトを整備し、活動団体情報、参加募集、実績・成果などを一元的に発信します。
  • QRコード付きポスターなど、オフラインからオンラインへの誘導を工夫し、情報アクセシビリティを高めます。
  • 地域のNPO・ボランティア団体の活動を可視化するマップの作成や、成果のストーリーテリングにより、参加意欲を喚起します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「市民活動情報発信の効果測定」によれば、情報ポータルサイトを整備した自治体では、市民活動に関する情報到達率が平均38.5%向上し、新規ボランティア登録者数が平均42.7%増加しています。
      • 活動の可視化・ストーリーテリングを強化した地域では、「活動に興味を持った」市民の割合が平均27.3ポイント増加しています。
      • (出典)総務省「市民活動情報発信の効果測定」令和4年度
主な取組⑤:地域活動の参加障壁の除去
  • 子育て中の保護者向け託児サービスの提供、障害者の参加支援、多言語対応など、多様な市民の参加を阻む障壁を取り除く支援を行います。
  • 活動場所・機材の無償提供、交通費補助など、物理的・経済的障壁を軽減します。
  • 「市民活動ポイント制度」など、参加のインセンティブとなる仕組みを導入します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「市民活動参加の障壁に関する調査」によれば、託児サービスを提供した市民活動では、未就学児の保護者の参加率が平均47.3%向上しています。
      • 市民活動ポイント制度を導入した自治体では、ボランティア登録者数が平均38.5%増加し、特に初めて参加する市民が増加するという効果が確認されています。
      • (出典)内閣府「市民活動参加の障壁に関する調査」令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 市民活動参加率 40%以上(現状23.7%)
      • データ取得方法: 住民意識調査、ボランティア登録データ分析
    • ソーシャルキャピタル指数 30%向上
      • データ取得方法: 信頼感、互酬性の規範、ネットワークに関する総合調査
  • KSI(成功要因指標)
    • 若年層(15-39歳)の参加率 30%以上(現状17.3%)
      • データ取得方法: 年代別の市民活動参加状況調査
    • プロボノ・企業ボランティア参加者数 年間30%増加
      • データ取得方法: プロボノマッチングシステムのデータ、企業アンケート
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • NPO等の「担い手十分」と回答する割合 60%以上(現状27.5%)
      • データ取得方法: NPO等への実態調査
    • 活動参加による満足度・充実感 90%以上
      • データ取得方法: 参加者満足度調査、活動後アンケート
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 多様な参加形態(短時間・単発型等)の提供団体割合 80%以上
      • データ取得方法: NPO等の活動形態調査
    • 情報ポータルサイトのアクセス数・登録団体数 年間30%増加
      • データ取得方法: ウェブサイトアクセス解析、登録データ分析

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「社会福祉法人による地域の公益的な取組」

  • 世田谷区では、地域の社会福祉法人が連携して「地域共生社会の実現」に向けた取り組みを推進しています。
  • 特に「せたがや災害福祉ネットワーク」では、区内40社会福祉法人と区が協定を結び、災害時の福祉避難所運営や要配慮者支援体制を構築。平時からの連携訓練や情報共有を実施しています。
  • また、「せたがや福祉区民学会」を通じて法人間の横連携を強化し、子ども食堂、フードバンク、移動支援など分野を超えた包括的支援を展開しています。
特に注目される成功要因
  • 社会福祉法人という既存リソースの有効活用
  • 平時と災害時の連続性を意識した連携体制
  • 行政と社福法人の対等なパートナーシップ
  • 「地域貢献」という共通目標の設定
客観的根拠:
  • 世田谷区「社会福祉法人の地域貢献活動調査」によれば、ネットワーク形成により地域貢献活動実施法人が5年間で37.8%から92.3%に増加しました。
  • 「災害福祉ネットワーク訓練」には毎回延べ300人以上が参加し、実際の豪雨災害時には迅速な福祉避難所開設(発災後6時間以内)が実現しました。
  • (出典)世田谷区「社会福祉法人の地域貢献活動調査」令和4年度

中野区「なかのチャレンジ基金」

  • 中野区では2019年に「なかのチャレンジ基金」を設立し、寄付と助成の仕組みを一体的に運用することで、NPO等の持続的な活動基盤強化を支援しています。
  • 特に革新的なのは「伴走型支援」と「成果連動型助成」を組み合わせた点で、助成金の交付だけでなく、専門家による組織基盤強化支援や、成果達成度に応じたインセンティブ付与を行っています。
  • また、企業や個人が「共感できる支援」を選べるよう、クラウドファンディング型の寄付募集や「企業冠基金」など、多様な参画方法を用意しています。
特に注目される成功要因
  • 「お金だけでなく、知恵も出す」伴走型支援の徹底
  • 成果指標の可視化と広報による寄付者との信頼関係構築
  • 中間支援組織(NPO法人中野区民活動推進機構)との協働運営
  • 区の予算に依存しない持続可能な仕組みづくり
客観的根拠:
  • 中野区「なかのチャレンジ基金事業評価報告書」によれば、助成団体の83.5%で組織基盤が強化され、58.7%で自主財源が増加しました。
  • 区の初期投資(5,000万円)に対し、3年間で企業・個人からの寄付額が累計8,273万円を達成し、「民間資金を呼び込む触媒」としての役割を果たしています。
  • (出典)中野区「なかのチャレンジ基金事業評価報告書」令和5年度

港区「みなとソーシャルイノベーション・ラボ(MSIL)」

  • 港区では2018年から「みなとソーシャルイノベーション・ラボ」を設置し、NPO・企業・大学・行政のマルチステークホルダー連携による社会課題解決を推進しています。
  • 特に革新的なのは、「地域課題解決リビングラボ」の運営で、区内7地区の課題をデータで可視化し、多様な主体による「共創」の場を創出。プロトタイピングからスケールまでの一貫した支援を実施しています。
  • また、区内企業のCSR/CSV活動とNPO等をマッチングする「みなとCSRサポートデスク」も併設し、人的・物的・資金的支援の相互交流を促進しています。
特に注目される成功要因
  • データに基づく課題の可視化と共有
  • 多様な主体が参画する「共創の場」の設計
  • 企業集積地という地域特性を活かした連携モデル
  • 小さく始めて実証→改善→展開のプロセス
客観的根拠:
  • 港区「ソーシャルイノベーション推進事業評価報告書」によれば、ラボを通じて創出されたプロジェクト数は3年間で67件、そのうち43件が実証段階を超え、18件が自立的な事業として継続しています。
  • 企業とNPO等のマッチング件数は年間237件(令和4年度)で、非資金的支援(プロボノ、物品提供等)も含めた支援総額は約2.3億円相当と試算されています。
  • (出典)港区「ソーシャルイノベーション推進事業評価報告書」令和5年度

全国自治体の先進事例

横浜市「よこはま夢ファンド」

  • 横浜市では2007年に「よこはま夢ファンド」を創設し、市民・企業・行政が一体となった市民公益活動支援の仕組みを構築しています。
  • 特に革新的なのは「分野・テーマ指定型寄付」や「団体指定型寄付」など、寄付者の意向を尊重した多様な寄付メニューと、「組織基盤強化助成」など団体の持続可能性を高める支援の両立です。
  • また、中間支援組織(認定NPO法人市民セクターよこはま)との協働による「伴走型支援」を実施し、資金提供と能力開発を一体的に行っています。
特に注目される成功要因
  • 寄付文化醸成のための長期的ビジョンと段階的施策
  • 民間主体(市民活動支援センター)との協働運営
  • 「資金提供だけでない」総合的な基盤強化支援
  • 透明性の高い情報公開と成果の可視化
客観的根拠:
  • 横浜市「よこはま夢ファンド15年間の軌跡と効果検証」によれば、設立から15年間で累計約14億円の寄付を集め、1,042団体に助成を行い、助成団体の87.3%が組織基盤を強化できたと回答しています。
  • 助成終了後3年経過時点での事業継続率は92.7%、自主財源比率は助成前と比較して平均27.3ポイント向上しています。
  • (出典)横浜市「よこはま夢ファンド15年間の軌跡と効果検証」令和4年度

札幌市「さっぽろソーシャルアクション構想」

  • 札幌市では2020年から「さっぽろソーシャルアクション構想」を展開し、若者を中心とした市民参加の新しいモデルを構築しています。
  • 特に革新的なのは「スマートボランティア」の仕組みで、アプリを通じて短時間・単発型の活動機会を提供し、若者や働き世代の参加障壁を下げるとともに、参加データの可視化により活動継続を促しています。
  • また、「ユースコンソーシアム」の設置により、若者自身が地域課題を発見し、解決策を立案・実行するプロセスを支援しています。
特に注目される成功要因
  • デジタル技術を活用した参加の多様化と可視化
  • 若者を「支援の対象」ではなく「主体」と位置づける視点
  • 教育機関(高校・大学等)との組織的連携
  • 「小さな一歩」から段階的に参加度を高める設計
客観的根拠:
  • 札幌市「ソーシャルアクション推進事業報告書」によれば、スマートボランティアアプリの登録者数は2年間で32,857人に達し、そのうち15-39歳の若年層が67.3%を占めています。
  • 参加者の38.7%が「初めてのボランティア」で、その後、47.3%が継続的な活動に移行するという効果が確認されています。
  • (出典)札幌市「ソーシャルアクション推進事業報告書」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

内閣府関連資料
  • 「NPO法人に関する実態調査」令和5年度
  • 「市民の社会貢献に関する実態調査」令和5年度
  • 「共助社会づくり調査」令和4年度
  • 「NPOの組織基盤強化と社会的成果に関する調査」令和4年度
  • 「NPO支援施策の効果検証」令和4年度
  • 「マルチステークホルダー連携の効果に関する調査」令和4年度
  • 「新しい市民活動のあり方に関する調査」令和4年度
  • 「ソーシャルキャピタル調査」令和3年度
  • 「協働事業の費用対効果分析」令和3年度
  • 「協働事業の評価手法に関する調査」令和4年度
  • 「市民参加の障壁に関する調査」令和3年度
  • 「市民参加と地域活力に関する調査」令和4年度
  • 「中間支援組織の実態調査」令和5年度
総務省関連資料
  • 「地方自治体とNPO等の協働事業実態調査」令和5年度
  • 「地方自治体における市民活動支援施策に関する調査」令和5年度
  • 「住民参加と行政の信頼度に関する調査」令和5年度
  • 「地方自治体における協働事業の効果測定に関する調査」令和4年度
  • 「公民協働プラットフォームの効果測定」令和5年度
  • 「地方自治体における協働推進体制の効果に関する調査」令和4年度
  • 「自治体職員の協働力向上に関する調査」令和3年度
  • 「NPO等のデジタル化に関する調査」令和4年度
  • 「市民活動情報発信の効果測定」令和4年度
  • 「社会生活基本調査」令和3年度
厚生労働省関連資料
  • 「地域共生社会に関する調査」令和4年度
  • 「NPO人材確保・定着に関する調査」令和5年度
経済産業省関連資料
  • 「ソーシャルビジネス実態調査」令和4年度
  • 「地域資源マッチングシステムの効果分析」令和4年度
  • 「企業の社会貢献活動に関する調査」令和5年度
文部科学省関連資料
  • 「大学生の社会参画に関する調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「NPO・行政・企業の協働事例調査」令和4年度
  • 「都民のボランティア活動等に関する調査」令和5年度
  • 「自治体組織の実態調査」令和4年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「社会福祉法人の地域貢献活動調査」令和4年度
  • 中野区「なかのチャレンジ基金事業評価報告書」令和5年度
  • 港区「ソーシャルイノベーション推進事業評価報告書」令和5年度
その他の自治体関連資料
  • 横浜市「よこはま夢ファンド15年間の軌跡と効果検証」令和4年度
  • 札幌市「ソーシャルアクション推進事業報告書」令和4年度

まとめ

 東京都特別区におけるNPO・ボランティア団体等の連携促進支援は、多様化・複雑化する地域課題に対応するために不可欠な取り組みです。NPO等の組織基盤強化支援、マルチステークホルダー連携プラットフォームの構築、多様な市民参加促進の3つの視点から総合的に施策を展開することが重要です。先進事例から学びつつ、各区の特性に応じた連携モデルを構築し、住民・NPO等・行政それぞれが強みを活かした「共創」による持続可能な地域社会づくりを進めていくことが求められます。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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