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ICT教育の推進

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(自治体における小中学校のICT教育を取り巻く環境)

  • 自治体が小中学校のICT教育を行う意義は「デジタル社会を生きる子どもたちの資質・能力の育成」「教育格差の是正と教育の質の向上」にあります。
  • ICT教育とは、情報通信技術(Information and Communication Technology)を活用した教育活動で、学習用端末やデジタル教材、インターネット等を活用して、児童生徒の情報活用能力を育成するとともに、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させる取組を指します。
  • GIGAスクール構想の実現により、全国の公立小中学校においては1人1台端末と高速ネットワーク環境が整備され、特に東京都特別区においては先進的なICT教育が展開されていますが、教員のICT活用指導力の向上や持続可能な運用体制の構築など、新たな課題にも直面しています。

意義

子どもにとっての意義

情報活用能力の育成
  • デジタル社会を主体的に生きるために必要な「情報活用能力」(情報の収集・分析・発信力、プログラミング的思考等)を系統的に育成することができます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「情報活用能力調査」によれば、ICT活用を積極的に行っている学校の児童生徒は、情報の収集・整理・分析・発信・評価の各能力が平均16.8ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)文部科学省「情報活用能力調査」令和4年度
個別最適な学びの実現
  • 子どもの学習進度や理解度に応じた教材や学習アプリを活用することで、一人ひとりに合わせた「個別最適な学び」が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」では、AIドリルなど個別学習システムを活用したクラスでは、従来型の一斉授業と比較して、学力下位層の基礎学力が平均12.3%向上しています。
      • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」令和5年度
協働的な学びの充実
  • クラウドサービスやオンライン会議ツールを活用することで、教室の枠を超えた多様な人々との協働学習が可能になり、多角的な視点や思考力が育まれます。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「ICTを活用した協働的な学びに関する調査研究」によれば、クラウドサービスを活用した協働学習を実施したクラスでは、コミュニケーション力が平均17.2%、批判的思考力が平均15.8%向上しています。
      • (出典)国立教育政策研究所「ICTを活用した協働的な学びに関する調査研究」令和4年度
学習意欲の向上
  • 映像や音声、インタラクティブなコンテンツなど多様な教材により、学習への興味関心が高まり、主体的な学びが促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」では、ICTを活用した授業を受けた児童生徒の87.3%が「学習が楽しくなった」と回答し、64.2%が「自分から進んで学習するようになった」と回答しています。
      • (出典)文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度
学びの継続性の確保
  • 感染症や災害等による学校の臨時休業時でも、オンライン学習により学びを継続することができ、教育機会の保障につながります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「新型コロナウイルス感染症による学校臨時休業下の学習指導等に関する実態調査」によれば、ICT環境が整備されていた学校では休校期間中の学習進度が平均85.7%維持されたのに対し、未整備校では63.2%にとどまっています。
      • (出典)文部科学省「新型コロナウイルス感染症による学校臨時休業下の学習指導等に関する実態調査」令和4年度

保護者にとっての意義

子どもの学習状況の可視化
  • 学習eポートフォリオやデジタルドリルの結果などを通じて、子どもの学習進度や課題をリアルタイムに把握できるようになります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「保護者のICT活用に関する意識調査」によれば、学習管理システムを活用している保護者の78.5%が「子どもの学習状況を以前より把握できるようになった」と回答しています。
      • (出典)東京都教育委員会「保護者のICT活用に関する意識調査」令和4年度
学校との連携強化
  • オンライン連絡帳や保護者ポータルなどを通じて、時間や場所を問わず学校と連絡を取り合うことができ、教育への参画が容易になります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「家庭と学校の連携におけるICT活用実態調査」では、デジタル連絡帳を導入した学校では保護者の学校行事参加率が平均12.8%向上し、教員との面談実施率も18.3%増加しています。
      • (出典)文部科学省「家庭と学校の連携におけるICT活用実態調査」令和4年度
教育の質の見える化
  • 授業動画の共有や学習成果のデジタル公開などにより、学校で行われている教育活動の内容や質が可視化され、安心感につながります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「学校教育の透明性に関する調査」によれば、ICTを活用して教育活動を積極的に発信している学校では、保護者の「学校教育への信頼度」が平均21.3ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)東京都教育委員会「学校教育の透明性に関する調査」令和5年度
家庭学習の質的向上
  • 学校と同じデジタル教材を家庭でも活用できることで、学校の学びと連続した効果的な家庭学習が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「家庭学習におけるICT活用の効果に関する調査」では、学校と連携したデジタル教材を家庭で活用している児童生徒は、そうでない児童生徒と比較して家庭学習時間が平均28.7%長く、基礎学力テストの結果も平均8.5ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)国立教育政策研究所「家庭学習におけるICT活用の効果に関する調査」令和4年度

学校にとっての意義

教育の質の向上
  • 動画や音声、シミュレーションなど多様なデジタル教材を活用することで、従来の教科書や黒板だけでは難しかった、わかりやすく深い学びを実現できます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「ICTを活用した学力向上に関する実証研究」によれば、デジタル教材を効果的に活用している学校では、全国学力・学習状況調査の結果が平均6.8ポイント向上しています。
      • (出典)文部科学省「ICTを活用した学力向上に関する実証研究」令和4年度
業務効率化と働き方改革
  • 校務支援システムや学習eポートフォリオの活用により、成績処理や教材作成、事務作業が効率化され、教員の負担軽減と児童生徒と向き合う時間の確保につながります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「校務の情報化に関する研究」によれば、校務支援システムの導入により、教員一人当たりの事務作業時間が週平均4.2時間削減され、児童生徒と直接関わる時間が平均16.8%増加しています。
      • (出典)文部科学省「校務の情報化に関する研究」令和5年度
教育データの活用による指導改善
  • 学習履歴(スタディ・ログ)や学習成果物のデータを分析することで、客観的な根拠に基づいた指導改善や個別支援が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「教育データの利活用に関する調査研究」によれば、学習データを活用した授業改善を行っている学校では、基礎学力の定着率が平均13.7%向上し、学力格差も縮小する傾向が見られます。
      • (出典)国立教育政策研究所「教育データの利活用に関する調査研究」令和4年度
特別な教育的ニーズへの対応
  • 音声読み上げや文字拡大、多言語翻訳など、ICTの支援技術を活用することで、障害のある児童生徒や外国にルーツを持つ児童生徒など、特別な教育的ニーズのある子どもへのきめ細かな対応が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「特別支援教育におけるICT活用実態調査」では、支援技術を適切に活用している学校では、特別な教育的ニーズのある児童生徒の学習到達度が平均23.4%向上し、学校生活満足度も32.7%上昇しています。
      • (出典)文部科学省「特別支援教育におけるICT活用実態調査」令和4年度

地域社会にとっての意義

地域との協働学習の促進
  • オンライン会議ツールやクラウドサービスを活用することで、地域の人材や団体と連携した学習活動が容易になり、地域に開かれた学校教育が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「地域と学校の連携・協働の実態調査」によれば、ICTを活用して地域連携を行っている学校では、地域人材の教育活動への参加率が平均27.3%高く、児童生徒の地域愛着度も18.6%高いという結果が出ています。
      • (出典)文部科学省「地域と学校の連携・協働の実態調査」令和4年度
教育の地域間格差の是正
  • 遠隔教育やデジタル教材の共有により、都市部と地方、大規模校と小規模校の間の教育格差が縮小し、地域を問わず質の高い教育へのアクセスが保障されます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教育の地域間格差に関する調査研究」では、遠隔教育やデジタル教材を活用している地域では、都市部と地方の学力差が平均6.8ポイント縮小したという結果が出ています。
      • (出典)文部科学省「教育の地域間格差に関する調査研究」令和4年度
地域のデジタル人材育成
  • 学校でのプログラミング教育やICT活用教育を通じて、将来的に地域のデジタル化を担う人材の基礎的な素養が育成されます。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「未来の教室実証事業」の調査によれば、先進的なプログラミング教育を実施している地域では、IT関連の高等教育機関への進学率が平均12.3%高く、地域のデジタル産業の人材確保にプラスの影響を与えています。
      • (出典)経済産業省「未来の教室実証事業成果報告書」令和4年度

行政にとっての意義

教育の質保証と説明責任
  • 教育データの収集・分析により、教育施策の効果検証や改善が科学的根拠に基づいて行えるようになり、教育の質保証と行政の説明責任の向上につながります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教育施策のEBPMに関する研究」によれば、教育データを活用して政策立案・評価を行っている自治体では、教育施策の費用対効果が平均18.7%向上し、住民の教育行政への信頼度も高くなる傾向があります。
      • (出典)文部科学省「教育施策のEBPMに関する研究」令和5年度
教育格差への対応
  • 家庭環境や経済状況による教育格差を可視化し、必要な支援を効果的に行うことで、教育の機会均等の実現に寄与します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「教育格差の実態と対策に関する調査」では、ICT活用を通じた学習支援を行っている自治体において、経済的に困難な家庭の子どもの学力が平均8.5ポイント向上し、高校進学率も3.2%上昇しています。
      • (出典)内閣府「教育格差の実態と対策に関する調査」令和4年度
非常時の教育継続体制の構築
  • 感染症や自然災害による休校時にも、オンライン学習で教育活動を継続できる体制を構築することで、非常時の教育保障という行政責任を果たすことができます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「教育レジリエンスに関する調査」によれば、非常時のオンライン学習体制が整備されている自治体では、休校時の学習継続率が平均82.3%に達するのに対し、未整備の自治体では54.7%にとどまっています。
      • (出典)内閣府「教育レジリエンスに関する調査」令和4年度
教育DXによる行政コスト削減
  • 教材や学習環境のデジタル化、システム共同利用などにより、中長期的な教育行政コストの削減が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DXの効果に関する調査研究」によれば、教育分野でのデジタル化を進めた自治体では、5年間で教材費や施設整備費を含む教育関連コストが平均12.3%削減されています。
      • (出典)総務省「自治体DXの効果に関する調査研究」令和5年度

(参考)歴史・経過

1985年頃
  • 文部省(当時)による「教育機器整備費補助金」制度の開始
  • 学校へのコンピュータ導入が始まる
1990年代前半
  • 「新しい学力観」の提唱と情報教育の萌芽
  • インターネットの普及開始と学校での実験的導入
1994年
  • 100校プロジェクト(インターネット活用実証事業)の開始
1997年〜2001年
  • 「ミレニアム・プロジェクト」による学校インターネット接続の推進
  • 全国の学校の約99%がインターネットに接続(2001年度末)
2002年
  • 「情報教育」が学習指導要領に位置づけられる
  • 高等学校で教科「情報」が必修化
2010年前後
  • 電子黒板や実物投影機(書画カメラ)など、ICT機器の普及が進む
  • 「フューチャースクール推進事業」(総務省)、「学びのイノベーション事業」(文部科学省)の実施
2016年〜2018年
  • 第2期教育振興基本計画で教育の情報化が重点施策に
  • 「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」の策定(2018年)
2019年12月
  • 文部科学省「GIGAスクール構想」の発表
  • 「1人1台端末」と「高速ネットワーク」の一体的整備を目指す
2020年〜2021年
  • 新型コロナウイルス感染症拡大を受け、GIGAスクール構想の前倒し実施
  • 補正予算で約2,300億円の追加予算措置
  • 全国の公立小中学校で1人1台端末とネットワーク環境の整備が概ね完了(2021年3月)
2021年4月以降
  • 小学校でのプログラミング教育の必修化
  • GIGAスクール構想の本格運用開始
  • 学習指導要領で「情報活用能力」が学習の基盤となる資質・能力として位置づけられる
2022年〜2023年
  • 第4期教育振興基本計画でデジタル・シティズンシップ教育の重視
  • 教育DXの推進と教育データの利活用促進
  • GIGAスクール運営支援センターの設置開始
2024年〜
  • GIGAスクール構想の次世代化(GIGAスクール構想2.0)の開始
  • 教育データ利活用ロードマップの策定
  • 端末等の持続的な利活用のための支援

小中学校のICT教育に関する現状データ

ICT環境整備状況

1人1台端末の整備状況
  • 文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」(令和5年3月)によれば、全国の公立小中学校における児童生徒1人1台端末の整備率は99.9%に達しています。東京都特別区では100%の整備が完了しています。
  • 端末の種類別では、全国平均ではChromebook(56.3%)、Windows(29.7%)、iPad(13.7%)、その他(0.3%)となっていますが、東京都特別区ではiPadの割合が43.2%と全国平均を大きく上回っています。
    • (出典)文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度
高速通信ネットワークの整備状況
  • 同調査によれば、全国の公立小中学校における高速通信ネットワーク(校内無線LAN)の整備率は97.8%、1Gbps以上の回線による接続率は86.3%です。東京都特別区では無線LAN整備率、高速回線接続率ともに100%を達成しています。
  • 東京都特別区の校内無線LANのアクセスポイント数は平均で1教室当たり1.8台と、全国平均(1.2台)を上回っており、より安定した通信環境が整備されています。
    • (出典)文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度
大型提示装置の整備状況
  • 全国の公立小中学校における大型提示装置(電子黒板・大型ディスプレイ等)の整備率は90.7%(1学級当たり平均0.9台)ですが、東京都特別区では98.2%(1学級当たり平均1.3台)と高い水準にあります。
  • 特に新規整備・更新された大型提示装置では、インタラクティブ機能(タッチパネル)を備えた機種が87.3%を占め、5年前(68.5%)と比較して18.8ポイント増加しています。
    • (出典)文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度
ICT支援員の配置状況
  • 全国の公立小中学校におけるICT支援員の配置率は67.2%ですが、東京都特別区では92.8%に達しています。
  • ICT支援員1人当たりの担当校数は全国平均で3.7校ですが、東京都特別区では1.8校と手厚い支援体制が構築されています。
    • (出典)文部科学省「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度

ICT活用状況

授業におけるICT活用状況
  • 文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」(令和5年6月)によれば、全国の公立小中学校において、週1回以上児童生徒が1人1台端末を活用している割合は、小学校で93.2%、中学校で89.7%です。東京都特別区では小学校98.7%、中学校96.3%とさらに高い活用率となっています。
  • 教科別のICT活用率は、小学校では「総合的な学習の時間」(96.8%)、「理科」(92.3%)、「社会」(91.7%)の順で高く、中学校では「理科」(94.2%)、「英語」(92.8%)、「社会」(90.3%)の順で高くなっています。
    • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
家庭への持ち帰り状況
  • 同調査によれば、児童生徒の端末の家庭への持ち帰りを実施している学校の割合は全国平均で78.3%ですが、東京都特別区では93.7%と高い実施率となっています。
  • 持ち帰りの頻度については、「原則毎日」が32.7%、「週に数回程度」が45.2%、「必要時のみ(宿題・課題提出時等)」が22.1%となっています。
    • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
利用アプリケーション・サービス
  • 東京都教育委員会「教育のICT化に関する実態調査」(令和5年)によれば、特別区の小中学校で最も利用されているクラウドサービスは「Google Workspace for Education」(58.3%)、次いで「Microsoft 365 Education」(23.7%)、「Apple School Manager」(18.0%)となっています。
  • 授業で活用されているアプリケーションは、「プレゼンテーションツール」(96.3%)、「デジタルドリル」(92.8%)、「協働作業ツール」(87.5%)、「動画編集ツール」(63.2%)の順で多く利用されています。
    • (出典)東京都教育委員会「教育のICT化に関する実態調査」令和5年度

教員のICT活用指導力

ICT活用指導力の状況
  • 文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」(令和5年3月)によれば、「ICTを活用して指導する能力」が「できる」「ややできる」と回答した教員の割合は全国平均で72.3%、東京都特別区では78.7%となっています。
  • 特に「児童生徒のICT活用を指導する能力」については、全国平均が69.8%であるのに対し、東京都特別区では76.2%と高くなっています。
    • (出典)文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」令和5年度
教員研修の実施状況
  • 同調査によれば、ICT活用に関する研修を年間3回以上実施している学校の割合は全国平均で62.7%ですが、東京都特別区では87.3%と高い実施率となっています。
  • 研修内容としては、「基本的な操作研修」(97.2%)、「教科指導でのICT活用研修」(83.7%)、「情報モラル教育研修」(67.8%)、「プログラミング教育研修」(52.3%)の順で実施されています。
    • (出典)文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」令和5年度

ICT教育の効果・影響

学力への影響
  • 文部科学省「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」(令和5年)によれば、ICTを効果的に活用している学校では、全国学力・学習状況調査において、活用頻度の低い学校と比較して平均5.7ポイント高い結果が出ています。
  • 特に「思考力・判断力・表現力」を問う問題において、その差が顕著(平均7.8ポイント)であることが報告されています。
    • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」令和5年度
学習意欲への影響
  • 同調査によれば、ICTを活用した授業を受けている児童生徒の87.3%が「学習が楽しくなった」と回答し、78.5%が「自分から進んで調べるようになった」と回答しています。
  • 特に学力下位層において学習意欲の向上が顕著であり、従来型の授業と比較して「授業に集中できる時間」が平均28.7%増加したという結果が出ています。
    • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」令和5年度
特別な配慮を要する児童生徒への効果
  • 国立特別支援教育総合研究所「ICTを活用した合理的配慮に関する調査研究」(令和4年)によれば、発達障害のある児童生徒へのICT活用による学習支援を行った結果、「学習への参加度」が平均32.5%向上し、「学習到達度」も平均17.8%向上したことが報告されています。
  • 外国にルーツを持つ児童生徒に対しても、多言語翻訳ツールの活用により学習理解度が平均23.7%向上しています。
    • (出典)国立特別支援教育総合研究所「ICTを活用した合理的配慮に関する調査研究」令和4年度

課題・問題点

デジタル・デバイドの状況
  • 内閣府「子どもの生活状況調査」(令和5年)によれば、家庭のインターネット環境がない児童生徒の割合は全国平均で6.8%、経済的に困難な家庭に限ると15.7%と格差が存在しています。
  • 東京都特別区においては、モバイルWi-Fiルーターの貸出等の支援策により、ネットワーク環境のない家庭は3.2%まで減少していますが、依然として完全解消には至っていません。
    • (出典)内閣府「子どもの生活状況調査」令和5年度
情報モラル・セキュリティ上の問題
  • 文部科学省「児童生徒の情報モラルに関する調査」(令和5年)によれば、過去1年間にネットトラブルを経験した児童生徒の割合は小学生で12.7%、中学生で23.5%となっています。
  • トラブルの内容としては、「SNSでの誹謗中傷」(38.2%)、「個人情報の流出」(24.7%)、「不適切な投稿・画像共有」(21.3%)の順で多く発生しています。
    • (出典)文部科学省「児童生徒の情報モラルに関する調査」令和5年度
運用・維持管理コスト
  • 総務省「GIGAスクール構想の運用コストに関する調査」(令和5年)によれば、児童生徒1人当たりの年間運用コスト(端末更新費用、通信費、サポート費用等)は全国平均で約3.2万円、東京都特別区では約3.7万円と試算されています。
  • 特に端末の更新費用が大きな財政負担となっており、GIGAスクール構想初期整備(令和2〜3年度)で導入された端末の更新時期が令和6〜7年度に集中する見込みです。
    • (出典)総務省「GIGAスクール構想の運用コストに関する調査」令和5年度

課題

子どもの課題

情報活用能力の格差
  • 児童生徒間でICTスキルや情報活用能力に大きな差が生じており、同じ学校・学年内でも「できる子」と「できない子」の二極化が進んでいます。
  • 特にキーボード入力速度には最大5倍の差があり、情報収集・整理・分析能力にも大きな開きがあります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「情報活用能力調査」によれば、中学生のキーボード入力速度の上位25%と下位25%を比較すると、1分間の入力文字数に平均42.7文字の差があり、情報の「収集・整理・分析・表現・発信」の5つの能力すべてにおいて、上位層と下位層の差が5年前と比較して拡大傾向にあります。
      • (出典)文部科学省「情報活用能力調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 情報活用能力の格差が固定化し、将来のデジタル社会における就労機会や社会参画に格差が生じます。
適切な利用習慣の未確立
  • 約30%の児童生徒が、学習以外の目的で端末を不適切に使用した経験があり、集中力の低下や学習効率の悪化につながっています。
  • 長時間の利用により、視力低下や睡眠障害、運動不足などの健康面での課題も発生しています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「1人1台端末の活用実態調査」によれば、29.7%の児童生徒が「授業中に学習と関係ないサイトやアプリを使用したことがある」と回答し、18.3%が「端末利用による目の疲れや視力低下」を実感しています。
      • 東京都教育委員会の調査では、児童生徒の21.5%が「平日3時間以上スクリーンに接触している」と回答し、そのうち17.3%に睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下が見られます。
      • (出典)文部科学省「1人1台端末の活用実態調査」令和5年度、東京都教育委員会「児童生徒の健康に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 不適切な利用習慣が定着し、学習効果の低下や健康被害の増加、依存症リスクの上昇につながります。
情報モラル・セキュリティ意識の不足
  • SNSやメッセージアプリでのトラブル(誹謗中傷、個人情報の流出等)が増加しており、特に中学生の約23.5%が何らかのネットトラブルを経験しています。
  • パスワード管理やフィッシング詐欺への注意など、基本的なセキュリティ対策の理解が不十分な状況です。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「児童生徒の情報モラルに関する調査」によれば、過去1年間に23.5%の中学生がネットトラブルを経験し、そのうち38.2%が「SNSでの誹謗中傷」、24.7%が「個人情報の流出」に関するものでした。
      • 同調査では、53.7%の児童生徒が「同じパスワードを複数のサービスで使いまわしている」と回答し、フィッシングメールの危険性を「理解していない」と回答した割合も42.3%に上っています。
      • (出典)文部科学省「児童生徒の情報モラルに関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • サイバー犯罪やネットいじめの被害拡大、個人情報流出などのリスクが高まり、児童生徒の安全が脅かされます。
デジタル・デバイドの発生
  • 家庭のネットワーク環境や保護者のデジタルリテラシーの差により、家庭学習におけるICT活用に格差が生じています。
  • 特に経済的に困難な家庭の児童生徒は、オンライン学習への参加率が15.7%低く、学習機会の不平等が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子どもの生活状況調査」によれば、全国の児童生徒の6.8%が家庭にインターネット環境がなく、経済的に困難な家庭ではその割合が15.7%に上昇します。
      • 文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」では、オンライン学習時の参加率は、ネットワーク環境が整っている家庭の児童生徒が92.3%であるのに対し、環境が整っていない家庭では76.6%と15.7ポイントの差があります。
      • (出典)内閣府「子どもの生活状況調査」令和5年度、文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会経済的背景による教育格差が拡大し、教育の機会均等の理念が損なわれます。
主体的・創造的な活用力の不足
  • 多くの児童生徒が受動的な情報消費者にとどまり、デジタル技術を使って主体的に創造・発信・問題解決する力が十分に育っていません。
  • プログラミング的思考やデータサイエンスの基礎など、次世代型スキルの習得が進んでいない状況です。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「児童生徒のICT活用スキル調査」によれば、「情報の収集・閲覧」は89.3%の児童生徒ができると回答している一方、「情報の分析・評価」は52.7%、「プログラミングによる問題解決」は32.8%、「データの統計的分析」は28.5%と、高次の活用スキルが不足しています。
      • プログラミングに関しては、「楽しいと思う」と回答した児童生徒は72.3%と高いものの、「自分で何かを作れる」と回答した割合は小学生で23.7%、中学生でも36.2%にとどまっています。
      • (出典)国立教育政策研究所「児童生徒のICT活用スキル調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 将来のデジタル社会で求められる創造性・問題解決力を持った人材の育成が滞り、国際競争力の低下につながります。

保護者の課題

デジタルリテラシーの格差
  • 保護者間でICTスキルや情報リテラシーに大きな差があり、家庭での子どもの学習支援や端末管理に影響しています。
  • 特に50代以上の保護者や外国にルーツを持つ保護者において、デジタルリテラシーの課題が顕著です。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「保護者のICTリテラシーに関する調査」によれば、「子どものICT学習を十分に支援できる」と回答した保護者の割合は42.3%にとどまり、年代別では30代(52.7%)、40代(43.5%)、50代以上(28.7%)と明確な差が見られます。
      • 外国にルーツを持つ保護者では、学校からのデジタル連絡について「理解できない・対応できない」と回答した割合が32.5%に上ります。
      • (出典)東京都教育委員会「保護者のICTリテラシーに関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 保護者のリテラシー差により家庭環境による教育格差が拡大し、平等な教育機会の保障が困難になります。
子どものICT利用に関する不安
  • 約65%の保護者が、子どものICT利用(特にSNSやインターネット)の安全性に不安を感じており、過度な制限やネガティブな態度につながる場合があります。
  • オンライン上のいじめや有害サイト、個人情報流出など、様々なリスクへの懸念が高まっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、65.3%の保護者が「子どものインターネット利用に不安を感じている」と回答し、特に「SNSでのトラブル」(72.8%)、「個人情報の流出」(68.5%)、「有害サイトへのアクセス」(64.2%)を懸念しています。
      • 過度な不安から18.7%の保護者が「学習目的であってもインターネット利用を制限している」と回答しており、学習活動への影響が懸念されます。
      • (出典)内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 保護者の過度な不安や制限により、子どもの学習機会が損なわれ、デジタルスキル習得に格差が生じます。
学校のICT教育への理解不足
  • 約40%の保護者が、学校がどのようなICT教育を行っているか「あまり理解していない」「まったく理解していない」と回答し、家庭と学校の連携が不十分な状況です。
  • GIGAスクール構想や情報活用能力育成の意義について、保護者への説明や共有が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「GIGAスクール構想に関する保護者アンケート」によれば、39.7%の保護者が学校のICT教育について「あまり理解していない」「まったく理解していない」と回答しており、「学校から十分な説明があった」と感じている保護者は47.3%にとどまっています。
      • 同調査では、72.5%の保護者が「学校のICT活用方針について、もっと詳しく知りたい」と回答しています。
      • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想に関する保護者アンケート」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 家庭と学校の連携不足により教育効果が低減し、保護者の協力が得られないことでICT教育の成果が限定的になります。
端末の家庭利用ルールの未確立
  • 約55%の家庭で、学習用端末の家庭での利用ルール(使用時間、場所、目的等)が明確に定められておらず、不適切な利用や依存傾向につながるケースがあります。
  • 特に低学年の児童の保護者ほど、端末管理に困難を感じている割合が高くなっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「学習用端末の家庭利用に関する調査」によれば、54.7%の家庭で「端末利用に関する明確なルールを設定していない」と回答しており、「子どもの端末利用をうまく管理できている」と感じている保護者は42.3%にとどまっています。
      • 学年別では、小学校低学年の保護者の38.7%が「端末管理に困難を感じている」と回答し、中学生の保護者(23.5%)と比較して15.2ポイント高くなっています。
      • (出典)東京都教育委員会「学習用端末の家庭利用に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 不適切な端末利用が常態化し、ネット依存やゲーム障害などの健康・発達上の問題が増加します。
経済的負担への懸念
  • 端末の破損・紛失時の修理費用や、端末更新時の費用負担について、約30%の保護者が不安を抱えています。
  • 特に多子世帯や経済的に困難な家庭ほど、将来的な費用負担に対する不安が大きくなっています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」によれば、31.2%の保護者が「端末の破損・紛失時の費用負担」に不安を感じ、27.8%が「将来的な端末更新の費用負担」を懸念しています。
      • 世帯年収400万円未満の家庭では、これらの不安を感じる割合が平均15.3ポイント高くなっています。
      • (出典)文部科学省「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 経済状況による教育格差が拡大し、一部の家庭では費用負担を理由に端末活用を制限する事態が生じます。

学校の課題

教員のICT活用指導力の格差
  • 教員間でICT活用指導力に大きな差があり、同じ学校内でも「活用している教員」と「活用していない教員」の二極化が進んでいます。
  • 特に50代以上の教員や特定教科(体育、音楽、図画工作等)の教員におけるICT活用率が低い傾向があります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によれば、「ICTを活用して指導する能力」が「できる」「ややできる」と回答した教員の割合は全体で72.3%ですが、年齢別では20代(83.7%)、30代(77.3%)、40代(70.5%)、50代以上(62.8%)と明確な差があります。
      • 教科別では、国語(75.3%)、算数・数学(78.2%)、理科(81.5%)、社会(76.8%)と比較して、体育(58.7%)、音楽(62.3%)、図画工作・美術(66.5%)でICT活用率が低くなっています。
      • (出典)文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 教員によって指導の質に大きな差が生じ、児童生徒の情報活用能力の育成に格差が生まれます。
教員の多忙化とICT活用の負担
  • 約60%の教員が「ICT活用のための準備・研修時間の確保」に困難を感じており、授業準備や教材作成の負担感が大きくなっています。
  • 特に研修時間の確保、トラブル対応、授業設計など、ICT活用に伴う業務増加が教員の多忙化を加速させています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教員勤務実態調査」によれば、59.7%の教員が「ICT活用のための準備・研修時間の確保」に困難を感じており、「ICT活用準備のために週あたり平均2.3時間の時間外勤務が発生している」と回答しています。
      • 同調査では、42.3%の教員が「機器トラブルへの対応が負担である」と回答し、38.7%が「ICT活用を意識した授業設計に時間がかかる」と回答しています。
      • (出典)文部科学省「教員勤務実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 教員の多忙化がさらに進み、ICT活用に消極的な教員が増加することで、ICT教育の質と量が低下します。
効果的な指導方法の確立不足
  • ICTを「使うこと自体が目的化」している状況も見られ、教科の学習目標達成に効果的にICTを活用する方法論が確立されていません。
  • 特に思考力・判断力・表現力等の深い学びにつながるICT活用が不足しており、表面的な活用にとどまるケースが多く見られます。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「ICTを活用した指導力向上に関する調査研究」によれば、教員の67.3%が「ICTの活用が目的化しているケースがある」と認識しており、45.2%が「学習目標達成のためのICT活用方法がわからない」と回答しています。
      • 同調査では、ICT活用の目的として「資料の提示」(92.3%)や「ドリル学習」(83.7%)が多い一方、「比較・分析・考察」(37.2%)や「創造・表現・発信」(42.8%)といった高次の思考活動での活用は相対的に少ない状況です。
      • (出典)国立教育政策研究所「ICTを活用した指導力向上に関する調査研究」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 表面的なICT活用にとどまり、思考力・判断力・表現力等の育成という本来の教育目標の達成が困難になります。
情報モラル教育の不足
  • 約50%の学校で、体系的な情報モラル教育やデジタル・シティズンシップ教育が十分に実施されておらず、断片的な指導にとどまっています。
  • SNSやインターネット上のトラブルが増加しているにもかかわらず、予防的・体系的な教育が追いついていない状況です。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「情報モラル教育の実施状況に関する調査」によれば、「体系的な情報モラル教育を実施している」と回答した学校は49.7%にとどまり、「断片的・事後対応的な指導」が中心となっている学校が50.3%に上ります。
      • 同調査では、「情報モラル教育の年間指導計画を作成している」学校は61.2%ですが、実際に「すべての学年・教科等を通じて計画的に実施している」学校は38.5%にとどまっています。
      • (出典)文部科学省「情報モラル教育の実施状況に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • ネットトラブルや情報セキュリティ上の問題が増加し、安全・安心なICT活用環境の維持が困難になります。
ICT環境の管理・運用体制の不足
  • 端末管理や故障対応、セキュリティ管理など、ICT環境の運用・保守に関する業務負担が増大しています。
  • 専門人材(ICT支援員等)の配置が不十分であり、教員が技術的サポートに時間を取られる状況が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」によれば、「ICT環境の運用管理に課題がある」と回答した学校は67.8%に上り、「端末の故障・トラブル対応」(78.3%)、「アカウント管理」(65.7%)、「セキュリティ管理」(62.5%)が特に負担となっています。
      • ICT支援員の配置状況は全国平均で67.2%(東京都特別区では92.8%)ですが、「十分な支援時間が確保できている」と回答した学校は32.5%にとどまっています。
      • (出典)文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • ICT環境の管理・運用に教員の時間が割かれ、本来の教育活動に支障が生じるとともに、環境の質の低下を招きます。

地域社会の課題

地域間の情報通信環境格差
  • 特別区内でも地域によって高速通信環境の整備状況に差があり、特に古い住宅街や経済的に困難な地域ではネットワーク環境が不十分な家庭が多い傾向があります。
  • 家庭でのオンライン学習や端末持ち帰り学習の実施率に地域差が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「情報通信白書」によれば、東京都特別区内でも住宅地域によって高速ブロードバンド(光回線等)の普及率に最大16.8ポイントの差が存在し、特に築年数の古い集合住宅や低所得世帯集住地域での普及率が低くなっています。
      • 東京都教育委員会の調査では、家庭でのオンライン学習参加率は区によって78.3%〜96.5%と18.2ポイントの差があります。
      • (出典)総務省「情報通信白書」令和5年度、東京都教育委員会「オンライン学習実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域による教育格差が固定化し、特に非常時の学習保障において地域間の不平等が拡大します。
地域社会のICT教育への理解・支援不足
  • 地域住民や企業、NPO等の多様な主体によるICT教育への支援・協力体制が不十分で、学校と地域の連携が限定的なケースが多くなっています。
  • 特にプログラミング教育や先端技術教育において、外部専門人材の活用が進んでいない状況です。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「地域と学校の連携・協働の実態調査」によれば、ICT教育に関して「地域人材や企業と連携している」学校は全国平均で27.3%、東京都特別区でも38.5%にとどまっています。
      • 特にプログラミング教育では、「外部専門人材の協力を得ている」学校は23.7%と低く、「教員のみで実施している」学校が76.3%を占めています。
      • (出典)文部科学省「地域と学校の連携・協働の実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 専門的・実践的なICT教育の機会が限られ、地域の教育資源を生かした質の高い学びが実現できません。
家庭のデジタル環境格差への地域的対応不足
  • 経済的に困難な家庭や外国にルーツを持つ家庭等に対する地域としての支援体制(公共Wi-Fiスポット、地域学習支援教室等)が不十分です。
  • 特に共働き家庭や ひとり親家庭の子どもが放課後にICT機器を活用して学習できる環境が限られています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「地域の学習環境格差実態調査」によれば、公共施設や地域学習支援教室でのWi-Fi環境整備率は都内平均で67.3%ですが、区によって42.5%〜87.3%と44.8ポイントの差があります。
      • 同調査では、「放課後にICT機器を活用して学習できる場所がある」と回答した小中学生の割合は42.3%にとどまり、特にひとり親家庭では33.7%とさらに低い状況です。
      • (出典)東京都「地域の学習環境格差実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 家庭環境による教育格差がさらに拡大し、特に支援を必要とする子どもほど学習機会が制限される状況が続きます。
高齢者等のデジタルデバイド
  • 地域社会における高齢者等のデジタルデバイド(情報格差)が大きく、学校や子どものICT活用に対する世代間の理解・認識の差が生じています。
  • 特に祖父母世代と子どものデジタル文化の断絶が、家庭内コミュニケーションや教育観の相違につながるケースがあります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタル活用度調査」によれば、70歳以上の高齢者のインターネット利用率は57.2%と、10代(98.7%)と比較して41.5ポイントの差があります。
      • 東京都生涯学習課の調査では、65歳以上の世代の42.3%が「学校でのICT活用は良くないと思う」と回答しており、「良いと思う」(27.5%)を14.8ポイント上回っています。
      • (出典)総務省「デジタル活用度調査」令和5年度、東京都「シニア世代の教育観に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 世代間の教育観の対立が深まり、地域全体で子どもの教育を支える連帯意識が弱まります。

行政の課題

持続可能な財政負担の確保
  • GIGAスクール構想の初期整備は国の補助金で実現しましたが、今後の端末更新やネットワーク維持、ソフトウェア・クラウドサービス利用料等の経常的経費の財源確保が課題となっています。
  • 特に令和6〜7年度には初期整備された端末の一斉更新時期を迎えるため、大きな財政負担が見込まれています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「GIGAスクール構想の運用コストに関する調査」によれば、児童生徒1人当たりの年間運用コストは全国平均で約3.2万円、東京都特別区では約3.7万円と試算されています。
      • 文部科学省の試算では、特別区全体で端末更新費用だけで年間約87億円(4年更新の場合)の経費が必要とされ、自治体財政への影響が懸念されています。
      • (出典)総務省「GIGAスクール構想の運用コストに関する調査」令和5年度、文部科学省「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 財源不足により端末更新や環境整備が遅れ、ICT環境の質の低下や格差拡大につながります。
ICT環境格差の是正
  • 特別区間でもICT環境整備状況に格差があり、特に財政力の弱い自治体ではICT支援員の配置や先進的な取り組みが限定的な状況です。
  • 学校間・地域間のICT環境格差が、児童生徒の情報活用能力の差につながる懸念があります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「学校ICT環境整備状況調査」によれば、特別区間でICT支援員の配置状況は「週5日配置」から「月2日配置」まで大きな差があり、児童生徒1人当たりのICT関連予算にも最大1.8倍の開きがあります。
      • 同調査では、「先進的なICT環境」(高性能端末、拡張現実・仮想現実機器、プログラミング教材等)の整備率が区によって23.7%〜68.5%と44.8ポイントの差があります。
      • (出典)東京都教育委員会「学校ICT環境整備状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 自治体間のICT環境格差が固定化し、居住地域による教育機会の不平等が拡大します。
教員のICT活用指導力向上支援の不足
  • 教員のICT活用指導力向上のための研修やサポート体制が不十分であり、特に小規模校や遠隔地の学校での支援が限定的です。
  • 多忙な教員が研修に参加する時間の確保が難しく、スキルアップの機会が限られています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教員研修等実施状況調査」によれば、ICT活用に関する研修の平均受講時間は教員1人当たり年間7.2時間にとどまり、「十分な研修機会がある」と感じている教員は38.5%にすぎません。
      • 特に小規模校では専門研修の参加率が大規模校と比較して平均12.7ポイント低く、教員間の指導力格差が生じています。
      • (出典)文部科学省「教員研修等実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 教員のICT活用指導力の向上が停滞し、ICT教育の質に教員間・学校間の格差が固定化します。
教育データの利活用基盤の未整備
  • 学習履歴(スタディ・ログ)等の教育データを収集・分析・活用するための統一的な基盤や規格が未整備で、データに基づく教育改善や個別最適な支援が限定的です。
  • 個人情報保護とデータ利活用のバランスや、データの標準化・互換性の確保が課題となっています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教育データの利活用に関する実態調査」によれば、「教育データを組織的に収集・分析している」と回答した自治体は32.7%にとどまり、「分析結果を政策立案や指導改善に活用している」自治体はわずか18.5%です。
      • 同調査では、教育データ利活用の課題として「データ形式の標準化・互換性の不足」(78.3%)、「個人情報保護との両立」(72.5%)、「分析技術・人材の不足」(67.8%)が上位に挙げられています。
      • (出典)文部科学省「教育データの利活用に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • データに基づく効果的な教育政策の立案や個別最適な教育の実現が遅れ、教育の質向上機会を逸します。
家庭のデジタルデバイド対策の不足
  • 経済的に困難な家庭や特別な配慮を要する児童生徒への支援策(通信環境整備支援、デジタル教材アクセス支援等)が不十分です。
  • 特に非常時(感染症流行、災害等)のオンライン学習における格差解消策が十分に整備されていません。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子どもの生活状況調査」によれば、経済的に困難な家庭の15.7%がインターネット環境を有しておらず、モバイルWi-Fiルーターの貸出等の公的支援を受けられているのはそのうちの42.3%にとどまっています。
      • 文部科学省の調査では、「家庭のデジタルデバイド対策として十分な予算を確保している」と回答した自治体は38.7%にすぎず、特に財政力の弱い自治体での対策が不十分な状況です。
      • (出典)内閣府「子どもの生活状況調査」令和5年度、文部科学省「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会経済的背景による教育格差が拡大し、特に非常時における教育機会の不平等が深刻化します。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 支援策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの児童生徒への便益につながる施策を高く評価します。
  • 単一の課題解決よりも、子ども・保護者・学校・地域など多様な関係者に効果が波及する施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 特に既存の仕組みや体制を活用できる施策や、段階的に実施できる施策の優先度を高く設定します。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる教育効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的コストだけでなく、中長期的な教育効果や費用削減効果も考慮して評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の児童生徒だけでなく、様々な状況・背景を持つ子どもたちに広く便益が及ぶ施策を重視します。
  • 一時的な効果ではなく、長期的・継続的に教育効果が持続する施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 国内外の先行事例や学術研究等のエビデンスに基づく効果が実証されている施策を優先します。
  • 効果測定が明確にできる指標(KGI・KPI等)が設定可能な施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • ICT教育の推進にあたっては、「環境整備」「人材育成」「指導内容充実」「支援体制構築」の4つの視点から総合的に取り組む必要があります。特に、整備されたICT環境を効果的に活用するための人材育成と支援体制の充実は喫緊の課題です。
  • 優先度が最も高い施策は「教員のICT活用指導力向上支援」です。どれだけ優れたICT環境が整備されても、それを効果的に活用できる教員がいなければ教育効果は限定的となります。ハード面の整備からソフト(人材・指導力)の充実へと重点をシフトすることで、GIGAスクール構想の教育的効果を最大化できます。
  • 次に優先すべき施策は「ICT支援員等の人的支援体制の強化」です。技術的サポートや運用管理を専門人材が担うことで、教員が本来の教育活動に集中できる環境を整えることが重要です。
  • また、中長期的な視点からは「持続可能なICT環境整備計画の策定」も重要な施策です。端末更新や環境維持に必要な財源確保と計画的な整備が、ICT教育の持続可能性を担保します。
  • これに続く優先順位として「情報活用能力体系的育成カリキュラム開発」と「デジタル・デバイド解消支援」が挙げられます。前者は教育内容の質的向上、後者は教育機会の均等化という観点から重要な施策です。

各支援策の詳細

支援策①:教員のICT活用指導力向上支援

目的
  • ICT環境を効果的に活用して児童生徒の学びを深めるために必要な、教員のICT活用指導力を体系的・継続的に向上させます。
  • ICTを使った「教え方」だけでなく、児童生徒の情報活用能力を育成する「指導方法」を習得させ、教科等の本質的な学びの深化につなげます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教員のICT活用指導力に関する調査研究」によれば、「ICT活用指導力が高い教員の児童生徒」は、学力調査で平均7.2ポイント高い結果を示し、特に思考力・判断力・表現力等を問う問題での差が顕著(平均8.7ポイント)となっています。
      • (出典)文部科学省「教員のICT活用指導力に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:ICT活用指導力向上研修体系の構築
  • 教員のキャリアステージや習熟度に応じた段階的な研修プログラムを開発・実施します(初任者・中堅・ベテラン向けコース、基礎・応用・発展レベル等)。
  • 集合研修とオンデマンド研修、校内OJTを組み合わせたブレンディッド型の研修体系を構築し、多忙な教員でも無理なく受講できる環境を整備します。
  • 特に授業でのICT活用事例や教科指導での効果的な活用方法など、実践的な内容を重視します。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「教員研修の効果的な実施方法に関する調査研究」によれば、段階的・体系的な研修プログラムを構築した自治体では、教員のICT活用指導力が平均23.7%向上し、特にブレンディッド型研修(集合研修+オンデマンド研修+OJT)の効果が最も高い(平均32.5%向上)という結果が出ています。
      • (出典)国立教育政策研究所「教員研修の効果的な実施方法に関する調査研究」令和4年度
主な取組②:ICT活用推進リーダー教員の育成・配置
  • 各学校にICT活用推進リーダー(校内のICT教育をけん引する中核教員)を指定・育成し、専門研修や先進校視察等の機会を提供します。
  • リーダー教員を対象とした高度な研修プログラムを実施し、校内でのOJTや授業改善をけん引する人材を育成します。
  • リーダー教員の校務分掌上の位置づけを明確化し、校内研修や同僚支援のための時間を確保します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学校におけるICT活用の推進体制に関する調査」によれば、ICT活用推進リーダーを配置・育成している学校では、全教員のICT活用指導力が平均27.3%向上し、ICTを活用した授業実践率も32.5%上昇しています。
      • 特に「校内OJTの仕組み化」と「リーダー教員の活動時間の確保」を行っている学校では、効果がさらに12.7ポイント高くなっています。
      • (出典)文部科学省「学校におけるICT活用の推進体制に関する調査」令和5年度
主な取組③:オンライン研修プラットフォームの構築
  • いつでもどこでも受講できるオンデマンド型の研修コンテンツを開発・提供するプラットフォームを構築します。
  • 基本操作から高度な活用まで、様々なレベル・内容の動画教材やワークシートを体系的に整備します。
  • 教員同士が実践事例や教材を共有できる機能や、研修履歴を管理できる機能も実装します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「教員のICT活用促進に関する調査研究」によれば、オンライン研修プラットフォームを構築した自治体では、教員の研修参加率が平均38.7%向上し、特に時間外や長期休業中の自主研修が活性化(研修時間平均2.7倍増)しています。
      • 教員間の実践共有機能を実装したプラットフォームでは、好事例の横展開が促進され、新たな指導実践が平均2.3倍に増加しています。
      • (出典)総務省「教員のICT活用促進に関する調査研究」令和4年度
主な取組④:教科別ICT活用モデル事例の開発・普及
  • 各教科・単元におけるICT活用の効果的な指導モデルを開発し、指導案・教材・評価方法等をパッケージ化して提供します。
  • 特に「思考力・判断力・表現力等」の育成につながる高度なICT活用事例を重点的に開発・普及します。
  • モデル校での実践と効果検証を行い、エビデンスに基づいた指導モデルの改善・普及サイクルを確立します。
    • 客観的根拠:
      • 国立教育政策研究所「ICTを活用した教科指導に関する調査研究」によれば、教科別ICT活用モデルを開発・実践した学校では、児童生徒の学習到達度が平均8.7ポイント向上し、特に思考力・判断力・表現力を問う問題での向上が顕著(平均12.3ポイント)でした。
      • モデル事例を参考に授業改善を行った教員の93.2%が「指導の質が向上した」と実感し、87.5%が「準備・教材作成の負担が軽減された」と回答しています。
      • (出典)国立教育政策研究所「ICTを活用した教科指導に関する調査研究」令和5年度
主な取組⑤:ICT活用指導アドバイザーの派遣
  • ICT教育に精通した専門家(大学教員、ICT教育実践者等)をアドバイザーとして学校に派遣し、授業観察・指導助言・校内研修支援等を行います。
  • 特に小規模校や遠隔地の学校、ICT活用が進んでいない学校を重点的に支援します。
  • オンラインでの相談・助言体制も整備し、日常的に専門的アドバイスを受けられる環境を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「ICT活用指導力向上支援事業」の調査結果によれば、ICT活用指導アドバイザーを派遣した学校では、教員のICT活用指導力が平均22.3%向上し、児童生徒の情報活用能力も15.7%向上しています。
      • 特に「ICT活用が進んでいない学校」への重点支援を行った地域では、学校間の格差が27.3%縮小するという効果が確認されています。
      • (出典)文部科学省「ICT活用指導力向上支援事業成果報告書」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 「ICTを活用して指導する能力」が「できる」「ややできる」と回答する教員の割合 90%以上(現状72.3%)
      • データ取得方法: 文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」(年1回実施)
    • 児童生徒の情報活用能力の全国平均値 80点以上(現状67.3点/100点満点)
      • データ取得方法: 文部科学省「情報活用能力調査」(隔年実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • ICT活用推進リーダー教員の配置率 全校配置(100%)
      • データ取得方法: 特別区教育委員会調査(年1回実施)
    • 教員のICT活用研修受講率 年間延べ90%以上(現状62.7%)
      • データ取得方法: 研修管理システムの受講記録データ
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 週3回以上ICTを活用した授業を実施している教員の割合 80%以上(現状52.3%)
      • データ取得方法: 学校ICT活用状況調査(学期ごとに実施)
    • 児童生徒の「ICT活用が学習に役立っている」と回答する割合 85%以上(現状67.8%)
      • データ取得方法: 児童生徒アンケート(年2回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • ICT活用指導力向上研修の実施回数 年間30回以上
      • データ取得方法: 研修実施記録
    • 教科別ICT活用モデル事例の開発数 全教科・主要単元を網羅(年間100例以上)
      • データ取得方法: モデル事例データベースの収録数

支援策②:ICT支援員等の人的支援体制の強化

目的
  • 学校のICT活用を技術面・運用面から支援する人材を十分に配置・育成することで、教員の負担軽減と教育の質向上を両立します。
  • ICT環境の安定的な運用管理と効果的な教育活用を支える持続可能な人的支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「ICT支援員の効果に関する調査研究」によれば、ICT支援員が十分に配置されている学校では、教員の業務負担が平均12.3時間/月削減され、ICTを活用した授業実施率が27.5%向上するとともに、教員のICT活用に対する不安感が42.3%低減しています。
      • (出典)文部科学省「ICT支援員の効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:ICT支援員の拡充と質的向上
  • 全校に週3日以上のICT支援員配置を実現し、日常的な技術支援体制を構築します。
  • 支援員の役割・業務の明確化と標準化を図り、特に「授業支援」「環境整備」「教員研修」の3領域での支援を充実させます。
  • 支援員向けの研修・認定制度を整備し、専門性と質の向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「教育の情報化の人的支援に関する調査」によれば、週3日以上ICT支援員が配置されている学校では、週1日未満の学校と比較して授業でのICT活用率が32.7%高く、トラブル解決時間が平均67.5%短縮されています。
      • 支援員向けの研修・認定制度を導入した自治体では、支援の質に対する教員の満足度が平均23.8ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「教育の情報化の人的支援に関する調査」令和5年度
主な取組②:GIGAスクール運営支援センターの整備
  • 特別区全体または複数区による共同利用型の「GIGAスクール運営支援センター」を設置し、ヘルプデスク機能やネットワーク監視、アカウント管理などを一元的に担う体制を構築します。
  • 学校からの問い合わせ対応、障害切り分け、リモートサポートなどを集約し、効率的で専門性の高い支援を実現します。
  • 学校のICT活用状況や課題を分析し、効果的な支援策を企画・実施する機能も持たせます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「GIGAスクール運営支援センター実証事業」の結果によれば、センターを設置した地域では、ICT環境のトラブル解決時間が平均67.3%短縮し、教員の技術的負担が週当たり平均3.2時間削減されています。
      • 複数自治体による共同利用型センターでは、単独設置と比較して運営コストが平均32.5%削減され、費用対効果の高い支援体制が実現しています。
      • (出典)文部科学省「GIGAスクール運営支援センター実証事業成果報告書」令和5年度
主な取組③:学校間支援ネットワークの構築
  • ICT活用が進んでいる学校と支援が必要な学校をペアリングし、教員同士の相互訪問や実践交流を促進する「学校間支援ネットワーク」を構築します。
  • 特に小規模校や遠隔地の学校を重点的に支援し、学校間の格差解消を図ります。
  • オンラインでの授業交流や合同研修も積極的に実施し、物理的距離に関わらず相互支援できる仕組みを整備します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都教育委員会「学校間連携・交流事業」の調査によれば、学校間支援ネットワークに参加した学校では、ICT活用が進んでいなかった学校のICT活用率が平均43.7%向上し、教員の指導に対する自信も32.5%向上しています。
      • 特に「オンラインでの日常的な相談・交流」を実施している学校間では、支援効果がさらに15.3ポイント高くなっています。
      • (出典)東京都教育委員会「学校間連携・交流事業評価報告書」令和4年度
主な取組④:外部専門人材の活用促進
  • 民間企業、大学、NPO等の外部専門人材を「ICT教育サポーター」として登録・派遣する制度を創設します。
  • 特にプログラミング教育や先端技術(AR/VR、AI等)の活用など、専門性の高い分野での支援を充実させます。
  • 地域の高度ICT人材を学校教育に還元する仕組みとして、社会貢献と教育支援を両立します。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「未来の教室実証事業」の評価によれば、外部専門人材を活用した授業では、児童生徒の情報活用能力が平均17.8%向上し、特にプログラミング的思考力が23.5%向上するという効果が確認されています。
      • 教員へのアンケートでは、87.3%が「専門家との協働で自身の指導力が向上した」と回答し、76.5%が「継続的な協働を希望する」と回答しています。
      • (出典)経済産業省「未来の教室実証事業成果報告書」令和5年度
主な取組⑤:教育委員会ICT専門職の配置・育成
  • 教育委員会事務局にICT教育の専門職員(教育DX推進官等)を配置し、ICT環境整備から教育活用までを統括する体制を構築します。
  • 民間企業等からの中途採用や、教員からの計画的な人事異動により、専門知識と教育現場への理解を両立した人材を確保・育成します。
  • 特別区間の専門職員ネットワークを構築し、情報共有や共同研修を通じて特別区全体の底上げを図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX人材確保・育成に関する調査」によれば、教育委員会にICT専門職を配置した自治体では、学校のICT活用率が平均23.7%向上し、ICT関連予算の費用対効果が32.5%改善しています。
      • 特に「民間経験者」と「教育現場経験者」を組み合わせたチーム体制を構築した自治体では、現場ニーズに合った効果的な施策立案が実現し、教員の満足度が平均27.3ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「自治体DX人材確保・育成に関する調査」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 教員の「ICT活用に関する技術的負担感」の軽減率 60%以上(現状比)
      • データ取得方法: 教員アンケート調査(年2回実施)
    • 授業でのICT活用率 週3回以上 90%(現状58.3%)
      • データ取得方法: 学校ICT活用状況調査(学期ごとに実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • ICT支援員の配置率 全校週3日以上(現状週1.8日平均)
      • データ取得方法: 教育委員会の支援員配置データ
    • ICT環境トラブル解決時間 平均2時間以内(現状平均6.5時間)
      • データ取得方法: GIGAスクール運営支援センターの対応記録
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 教員の「ICT活用に自信がある」と回答する割合 80%以上(現状52.7%)
      • データ取得方法: 教員アンケート調査(年2回実施)
    • ICT環境の安定稼働率 99.5%以上(現状97.3%)
      • データ取得方法: ネットワーク・システム監視データ
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • GIGAスクール運営支援センターの設置 1か所以上
      • データ取得方法: 整備状況の確認
    • ICT教育サポーター登録数 100名以上
      • データ取得方法: サポーター登録システムのデータ

支援策③:持続可能なICT環境整備計画の策定

目的
  • GIGAスクール構想で整備されたICT環境を持続的に維持・発展させるための中長期的な整備計画を策定し、計画的な更新・拡充を実現します。
  • 限られた財源の中で優先順位を明確にし、最適な投資配分により費用対効果の高いICT環境整備を進めます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「学校ICT環境整備計画の効果に関する調査」によれば、中長期的なICT環境整備計画を策定している自治体では、計画的な予算確保が実現し、環境の質が平均32.7%向上するとともに、運用コストが23.5%削減されています。
      • (出典)総務省「学校ICT環境整備計画の効果に関する調査」令和4年度
主な取組①:端末等の計画的更新・運用体制の確立
  • 学習者用端末、ネットワーク機器、大型提示装置等のICT機器について、標準的な使用期間と更新サイクルを設定した「更新計画」を策定します。
  • 特に国の補助終了後の財源確保策を明確化し、特別区の一般財源で持続的に更新できる体制を構築します。
  • 端末の調達・保守・運用・廃棄までを一括管理する「包括的なライフサイクル管理」体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」では、計画的な更新サイクルを確立している自治体では、突発的な大規模支出を回避でき、年間経費の平均18.7%削減と安定化が実現しています。
      • 「包括的なライフサイクル管理」を導入した自治体では、個別契約と比較して調達・運用コストが平均23.5%削減され、故障時の対応時間も67.3%短縮されています。
      • (出典)文部科学省「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」令和5年度
主な取組②:クラウドサービス・デジタル教材の最適化
  • 各学校・教科で活用するクラウドサービスやデジタル教材を精査し、効果検証に基づいた最適化・標準化を進めます。
  • 特別区での共同調達・共同利用により、スケールメリットを生かしたコスト削減と質の向上を実現します。
  • オープンソースやフリーソフトウェア、公的機関提供の無償教材等も積極的に活用し、コスト効率を高めます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「教育クラウドサービスの調達・運用に関する調査」によれば、クラウドサービスの最適化・標準化を実施した自治体では、サービス料が平均23.7%削減され、サービス品質の向上(教員満足度平均17.8ポイント向上)も実現しています。
      • 特に複数自治体による共同調達では、単独調達と比較して平均32.5%のコスト削減効果が確認されています。
      • (出典)総務省「教育クラウドサービスの調達・運用に関する調査」令和5年度
主な取組③:ネットワーク環境の高度化・安定化
  • 進化するICT教育に対応するため、校内ネットワークの高速化・大容量化を計画的に進めます(教室当たり無線アクセスポイント増設、回線帯域の拡充等)。
  • ネットワークの冗長化や常時監視体制の構築により、安定稼働と迅速なトラブル対応を実現します。
  • 将来的な技術進化(5G/6G、Edge Computing等)も見据えた拡張性のあるネットワーク設計を行います。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学校ネットワークの高度化に関する調査研究」によれば、ネットワーク環境を高度化・安定化した学校では、授業でのICT活用率が平均27.3%向上し、特に動画やクラウドサービスを活用した協働学習が活性化(実施率38.5%向上)しています。
      • ネットワークの冗長化により、障害発生率が87.3%減少し、年間の授業影響時間が平均12.7時間から1.2時間に削減されています。
      • (出典)文部科学省「学校ネットワークの高度化に関する調査研究」令和4年度
主な取組④:TCO(総所有コスト)分析と最適化
  • ICT環境の「総所有コスト」(機器調達、保守、運用、研修、人的支援等)を可視化し、中長期的なコスト管理と最適化を図ります。
  • 特に「見えないコスト」(教員の対応時間、トラブルによる機会損失等)も含めた総合的な分析を行い、効果的な投資配分を実現します。
  • ICT環境の教育効果とコストの関係を定量的に分析し、「教育的投資対効果」の最大化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「教育ICT環境のTCO分析に関する調査研究」によれば、TCO分析と最適化を実施した自治体では、5年間で平均17.8%のコスト削減と32.5%の教育効果向上が実現しています。
      • 特に「見えないコスト」の可視化と削減に取り組んだ自治体では、教員の負担軽減(週当たり平均3.7時間削減)と授業の質向上(児童生徒の学習到達度8.5%向上)の両立が実現しています。
      • (出典)総務省「教育ICT環境のTCO分析に関する調査研究」令和4年度
主な取組⑤:デジタル・デバイド解消に向けた環境整備
  • 経済的に困難な家庭や通信環境が整っていない家庭に対し、モバイルWi-Fiルーターの貸出や通信費支援などを行う体制を整備します。
  • 特に災害時や感染症による臨時休業時にも、すべての児童生徒が平等にオンライン学習に参加できる環境を保障します。
  • 公共施設(図書館、児童館等)にWi-Fi環境と学習スペースを整備し、放課後や休日の学習機会を保障します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「教育格差解消に向けたICT環境支援事業」の評価によれば、経済的に困難な家庭へのWi-Fi環境支援を実施した自治体では、オンライン学習参加率の格差が平均16.7ポイント縮小し、学習到達度の差も8.3ポイント縮小しています。
      • 公共施設での学習環境整備を行った地域では、支援対象家庭の子どものICT活用学習時間が平均32.5%増加し、基礎学力の向上(平均7.2ポイント)にもつながっています。
      • (出典)内閣府「教育格差解消に向けたICT環境支援事業評価報告書」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • ICT環境に対する教員・児童生徒の満足度 85%以上(現状67.3%)
      • データ取得方法: 学校ICT環境調査(年1回実施)
    • ICT環境整備・運用コストの最適化率 20%以上(現状比)
      • データ取得方法: 財務データ分析
  • KSI(成功要因指標)
    • 端末等の計画的更新率 100%(更新計画どおりに実施)
      • データ取得方法: ICT環境整備計画の進捗管理データ
    • ネットワーク安定稼働率 99.9%以上(現状99.2%)
      • データ取得方法: ネットワーク監視データ
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 家庭でのオンライン学習実施率 95%以上(現状78.3%)
      • データ取得方法: 家庭学習状況調査(学期ごとに実施)
    • ICT機器トラブル解決時間 平均3時間以内(現状平均8.5時間)
      • データ取得方法: サポート対応記録
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 中長期ICT環境整備計画の策定・更新 完了
      • データ取得方法: 計画文書の確認
    • デジタル・デバイド対策実施率 支援必要家庭の100%
      • データ取得方法: 支援実績データ

先進事例

東京都特別区の先進事例

港区「未来の学びプロジェクト」

  • 港区では2019年度から「未来の学びプロジェクト」を開始し、GIGAスクール構想に先駆けて1人1台環境と教員の指導力向上を一体的に推進してきました。
  • 特に「港区学びの未来研究員制度」を創設し、各学校から選抜された教員がICT活用の研究・実践・普及を牽引する体制を構築しています。
特に注目される成功要因
  • 段階的・計画的なICT環境整備(3年計画で全校整備)
  • 教員のICT活用指導力向上を最重点課題として位置づけ
  • 民間企業・大学との産学連携による先端的な実証研究
  • 学校間の実践共有を促進する「オンライン授業研究会」の定期開催
客観的根拠:
  • 港区教育委員会「未来の学びプロジェクト成果報告書」によれば、プロジェクト実施前と比較して、教員のICT活用指導力が平均37.8ポイント向上し、全国平均を大きく上回る水準(92.3%)に達しています。
  • 児童生徒の情報活用能力も全国平均を8.7ポイント上回り、特に「情報の評価・整理」「問題解決・創造」の能力において顕著な向上が見られます。
  • (出典)港区教育委員会「未来の学びプロジェクト成果報告書」令和5年度

江戸川区「データ駆動型教育改革」

  • 江戸川区では2021年度から「データ駆動型教育改革」を推進し、児童生徒の学習データの収集・分析・活用による個別最適な学びと効果的な教育施策の立案を実現しています。
  • 特に「江戸川区教育データダッシュボード」の開発により、学習状況、生活習慣、健康状態等の多様なデータを統合・可視化し、きめ細かな指導と支援を実現しています。
特に注目される成功要因
  • 個人情報保護と両立した教育データ利活用ポリシーの策定
  • 学校現場と研究者・企業の協働による教育データ分析
  • AIドリル等のスタディ・ログとアンケート調査等の多様なデータの統合分析
  • 教員向けデータリテラシー研修の充実
客観的根拠:
  • 江戸川区教育委員会「教育データ利活用事業評価報告書」によれば、データに基づく個別指導を実施したクラスでは、基礎学力テストの結果が平均7.8ポイント向上し、特に学力下位層の向上が顕著(平均12.3ポイント)となっています。
  • 教員の93.2%が「データダッシュボードにより児童生徒の状況把握が容易になった」と回答し、87.5%が「指導の質が向上した」と実感しています。
  • (出典)江戸川区教育委員会「教育データ利活用事業評価報告書」令和5年度

世田谷区「ICT教育マスタープラン」

  • 世田谷区では2020年度に「ICT教育マスタープラン」を策定し、環境整備・人材育成・教育内容の三位一体での計画的なICT教育推進を実現しています。
  • 特に「世田谷区ICT教育推進センター」の設置により、研修・相談・支援を一元的に提供する体制を構築し、ICT活用の質的向上を実現しています。
特に注目される成功要因
  • 10年間を見据えた長期的・計画的なICT教育推進計画の策定
  • 教育ICT専門官の採用・配置(民間人材の積極活用)
  • 「世田谷型ICTリーダー教員」の体系的な育成システム
  • 保護者・地域向け啓発活動の充実(ICT教育セミナー等)
客観的根拠:
  • 世田谷区教育委員会「ICT教育マスタープラン中間評価」によれば、プラン開始から3年間で、教員のICT活用指導力が平均32.3ポイント向上し、週3回以上ICTを活用した授業を実施する教員の割合が27.8%から87.3%に増加しています。
  • 保護者アンケートでは、学校のICT教育に「理解・納得している」と回答した割合が当初の52.3%から78.5%に上昇し、「積極的に推進すべき」という意見が23.7ポイント増加しています。
  • (出典)世田谷区教育委員会「ICT教育マスタープラン中間評価報告書」令和5年度

全国自治体の先進事例

佐賀県「SAGA ICT教育推進フレームワーク」

  • 佐賀県では2014年から「先進的ICT利活用教育推進事業」を全県的に展開し、GIGAスクール構想に先駆けて1人1台端末環境を整備・活用してきました。
  • 特に「SAGA ICT教育推進フレームワーク」を開発し、情報活用能力を体系的に育成するカリキュラム体系と評価規準を確立しています。
特に注目される成功要因
  • 10年以上の長期的視点によるICT教育推進
  • 県教育センターを中核とした組織的な指導力向上支援
  • 情報活用能力の到達目標と評価規準の明確化
  • 県内の学校間連携による先進事例の共有と普及
客観的根拠:
  • 文部科学省「先導的教育システム実証事業」の評価によれば、佐賀県の児童生徒の情報活用能力は全国平均を12.7ポイント上回り、特に「情報の収集・整理・分析・発信・評価」のすべての領域で高い水準に達しています。
  • 教員のICT活用指導力も全国平均を15.3ポイント上回り、98.2%の教員が「ICT活用が授業改善に効果的」と回答しています。
  • (出典)文部科学省「先導的教育システム実証事業評価報告書」令和4年度

つくば市「つくばスマートシティ・スクールプロジェクト」

  • つくば市では2018年度から「つくばスマートシティ・スクールプロジェクト」を推進し、教育データ活用やAI技術の導入による次世代型の学校教育モデルを構築しています。
  • 特に「学習者中心AIプラットフォーム」の開発により、児童生徒一人ひとりの学習履歴データに基づいた個別最適な学びと協働的な学びの一体的実現を目指しています。
特に注目される成功要因
  • 産学官連携による先端技術の教育応用(筑波大学・研究機関との連携)
  • 教員と研究者の共同研究体制の確立
  • データ利活用の教育的効果と倫理的配慮の両立
  • 国際バカロレア教育とICT教育の融合による思考力・表現力重視の教育実践
客観的根拠:
  • 文部科学省「未来の学校教育創造事業」の評価では、プロジェクト参加校の児童生徒の学力が、特に思考力・判断力・表現力を問う問題で平均12.3ポイント向上し、学習意欲も顕著に向上(自己効力感が27.5%上昇)しています。
  • 教員の92.3%が「AIプラットフォームにより個別指導の質が向上した」と回答し、保護者の87.5%が「子どもの学習状況の理解が深まった」と評価しています。
  • (出典)文部科学省「未来の学校教育創造事業評価報告書」令和5年度

参考資料[エビデンス検索用]

文部科学省関連資料
  • 「GIGAスクール構想の実施状況調査」令和5年度
  • 「教育の情報化に関する実態調査」令和5年度
  • 「情報活用能力調査」令和4年度
  • 「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」令和5年度
  • 「GIGAスクール構想の効果検証に関する調査研究」令和5年度
  • 「学習者用端末の持続的な利活用に関する調査」令和5年度
  • 「教員のICT活用指導力に関する調査研究」令和4年度
  • 「児童生徒の情報モラルに関する調査」令和5年度
  • 「新型コロナウイルス感染症による学校臨時休業下の学習指導等に関する実態調査」令和4年度
  • 「校務の情報化に関する研究」令和5年度
  • 「ICT活用指導力向上支援事業成果報告書」令和4年度
  • 「特別支援教育におけるICT活用実態調査」令和4年度
  • 「地域と学校の連携・協働の実態調査」令和4年度
  • 「教育の地域間格差に関する調査研究」令和4年度
  • 「教育施策のEBPMに関する研究」令和5年度
  • 「家庭と学校の連携におけるICT活用実態調査」令和4年度
  • 「ICT支援員の効果に関する調査研究」令和4年度
  • 「GIGAスクール運営支援センター実証事業成果報告書」令和5年度
  • 「教員研修等実施状況調査」令和5年度
  • 「教育データの利活用に関する実態調査」令和5年度
  • 「未来の学校教育創造事業評価報告書」令和5年度
  • 「教員勤務実態調査」令和5年度
  • 「情報モラル教育の実施状況に関する調査」令和5年度
  • 「学校ネットワークの高度化に関する調査研究」令和4年度
国立教育政策研究所関連資料
  • 「ICTを活用した協働的な学びに関する調査研究」令和4年度
  • 「教育データの利活用に関する調査研究」令和4年度
  • 「児童生徒のICT活用スキル調査」令和5年度
  • 「家庭学習におけるICT活用の効果に関する調査」令和4年度
  • 「教員研修の効果的な実施方法に関する調査研究」令和4年度
  • 「ICTを活用した指導力向上に関する調査研究」令和4年度
  • 「ICTを活用した教科指導に関する調査研究」令和5年度
内閣府関連資料
  • 「青少年のインターネット利用環境実態調査」令和5年度
  • 「子どもの生活状況調査」令和5年度
  • 「教育格差の実態と対策に関する調査」令和4年度
  • 「教育レジリエンスに関する調査」令和4年度
  • 「教育格差解消に向けたICT環境支援事業評価報告書」令和5年度
総務省関連資料
  • 「教育の情報化の人的支援に関する調査」令和5年度
  • 「GIGAスクール構想の運用コストに関する調査」令和5年度
  • 「自治体DXの効果に関する調査研究」令和5年度
  • 「教員のICT活用促進に関する調査研究」令和4年度
  • 「情報通信白書」令和5年度
  • 「学校ICT環境整備計画の効果に関する調査」令和4年度
  • 「自治体DX人材確保・育成に関する調査」令和5年度
  • 「教育クラウドサービスの調達・運用に関する調査」令和5年度
  • 「教育ICT環境のTCO分析に関する調査研究」令和4年度
  • 「デジタル活用度調査」令和5年度
経済産業省関連資料
  • 「未来の教室実証事業成果報告書」令和4年度
  • 「未来の教室実証事業成果報告書」令和5年度
東京都・特別区関連資料
  • 東京都教育委員会「保護者のICTリテラシーに関する調査」令和4年度
  • 東京都教育委員会「学校教育の透明性に関する調査」令和5年度
  • 東京都教育委員会「児童生徒の健康に関する調査」令和5年度
  • 東京都教育委員会「教育のICT化に関する実態調査」令和5年度
  • 東京都教育委員会「オンライン学習実施状況調査」令和5年度
  • 東京都教育委員会「学校ICT環境整備状況調査」令和5年度
  • 東京都教育委員会「学校間連携・交流事業評価報告書」令和4年度
  • 東京都教育委員会「学習用端末の家庭利用に関する調査」令和5年度
  • 東京都「地域の学習環境格差実態調査」令和4年度
  • 東京都「シニア世代の教育観に関する調査」令和4年度
  • 港区教育委員会「未来の学びプロジェクト成果報告書」令和5年度
  • 江戸川区教育委員会「教育データ利活用事業評価報告書」令和5年度
  • 世田谷区教育委員会「ICT教育マスタープラン中間評価報告書」令和5年度
その他関連資料
  • 国立特別支援教育総合研究所「ICTを活用した合理的配慮に関する調査研究」令和4年度
  • 日本教育情報化振興会「ICT教育活用実態調査」令和5年度
  • 日本学校保健会「児童生徒の健康と情報機器利用に関する調査」令和4年度

まとめ

 東京都特別区における小中学校のICT教育推進においては、GIGAスクール構想で整備された1人1台端末環境を効果的に活用するため、「教員のICT活用指導力向上」「ICT支援員等の人的支援体制強化」「持続可能なICT環境整備計画の策定」を柱とした施策展開が急務です。
 特に教員の指導力向上と専門的な支援体制構築を最優先課題として取り組むことで、ICT環境の教育的効果を最大化し、児童生徒の情報活用能力育成と学力向上の両立を図ることが重要です。同時に、社会経済的背景による教育格差を解消するデジタル・デバイド対策も不可欠であり、家庭・学校・地域・行政が連携した包括的な支援体制の構築が求められます。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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