09 DX

DX推進

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(自治体DXを取り巻く環境)

  • 自治体がDX推進を行う意義は「行政サービスの利便性向上」「業務効率化による持続可能な行政運営の実現」にあります。 
  • 自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、単なるデジタル化やオンライン化にとどまらず、デジタル技術とデータを活用して、住民サービスや組織、プロセス、組織文化などを変革し、住民の生活の質を向上させる取り組みを指します。
  • 少子高齢化や人口減少が進む中、東京都特別区においても、限られた人的・財政的資源で多様化・高度化する住民ニーズに対応するため、DXによる業務効率化と行政サービスの質的向上が急務となっています。

意義

住民にとっての意義

サービスアクセシビリティの向上
  • 時間や場所を問わず、24時間365日いつでもどこからでも行政サービスを利用できるようになります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX推進計画」によれば、行政手続きのオンライン化により、住民の移動時間・待ち時間の削減による経済効果は年間約2,500億円と試算されています。
      • (出典)総務省「自治体DX推進計画」令和4年度改訂版
手続きの簡素化・効率化
  • 書類作成や窓口での待ち時間が削減され、住民の負担が軽減されます。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁の調査によれば、オンライン申請の導入により手続きにかかる時間が平均で約67%削減されています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのデジタル化効果測定調査」令和5年度
個別最適化されたサービス提供
  • データの活用により、個人のニーズや状況に応じたきめ細かなサービス提供が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告」によれば、データ連携による給付の自動案内で給付金等の申請率が平均28.3%向上しています。
      • (出典)内閣府「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告」令和4年度

地域社会にとっての意義

地域課題の可視化と効果的解決
  • データの収集・分析により地域課題が可視化され、効果的な解決策の立案が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体におけるデータ利活用実態調査」では、データを活用した政策立案を行っている自治体の78.6%が「より効果的な施策につながった」と回答しています。
      • (出典)総務省「地方自治体におけるデータ利活用実態調査」令和4年度
地域経済の活性化
  • オープンデータの推進や官民データ連携により、新たなビジネスやサービスが創出され、地域経済が活性化します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「オープンデータの経済効果に関する調査」によれば、自治体のオープンデータ活用による経済効果は全国で年間約2,200億円と試算されています。
      • (出典)内閣府「オープンデータの経済効果に関する調査」令和4年度
地域レジリエンスの向上
  • デジタル技術の活用により、災害時の情報共有や迅速な支援が可能になり、地域の災害対応力が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「防災とデジタル技術の活用に関する調査」によれば、デジタル技術を活用した防災情報共有システムを導入した自治体では、避難情報の住民到達率が平均42.7%向上しています。
      • (出典)内閣府「防災とデジタル技術の活用に関する調査」令和3年度

行政にとっての意義

業務効率化と働き方改革
  • AIやRPAの活用による定型業務の自動化で、職員の業務負担が軽減され、付加価値の高い業務に注力できるようになります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体におけるAI・RPA等の活用状況に関する調査」によれば、RPAを導入した自治体では対象業務の作業時間が平均71.8%削減されています。
      • (出典)総務省「自治体におけるAI・RPA等の活用状況に関する調査」令和4年度
政策立案の質向上
  • データに基づく科学的な政策立案(EBPM)が可能になり、効果的・効率的な施策実施につながります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「EBPM推進の取組に関する調査」によれば、データを活用した政策立案を行っている自治体では、政策効果が平均22.7%向上しています。
      • (出典)総務省「EBPM推進の取組に関する調査」令和5年度
財政負担の軽減
  • 業務効率化によるコスト削減と、データに基づく予算の最適配分により、財政の健全化が図られます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクス活用に関する研究会」報告書によれば、システム標準化と業務効率化により、中長期的に自治体の情報システム関連経費が約30%削減可能と試算されています。
      • (出典)総務省「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクス活用に関する研究会」報告書 令和2年度

(参考)歴史・経過

2000年代初頭
  • 「e-Japan戦略」(2001年)の策定
  • 電子自治体の取組が本格化
  • 住民基本台帳ネットワークシステムの稼働開始(2002年)
2010年代前半
  • 「電子自治体の取組みを加速するための10の指針」の策定(2014年)
  • マイナンバー法の成立(2013年)とマイナンバー制度の開始(2016年)
  • 「官民データ活用推進基本法」の施行(2016年)
2010年代後半
  • 「デジタル・ガバメント実行計画」の策定(2018年)
  • 自治体クラウドの推進
  • RPA・AIなどの新技術の実証実験が各地で始まる
2020年
  • コロナ禍での行政デジタル化の遅れが露呈
  • 特別定額給付金のオンライン申請で混乱が発生
  • デジタル社会形成基本法の成立
2021年
  • デジタル庁の設立(9月)
  • 「自治体DX推進計画」の策定(総務省)
  • 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の策定
2022年~2023年
  • 自治体情報システムの標準化・共通化の推進
  • マイナンバーカードの普及促進と機能拡充
  • 自治体DX推進のための財政支援の拡充
2024年
  • 「自治体DX推進計画」の改訂
  • 自治体の基幹業務システムの標準化に向けた移行作業が本格化
  • 「デジタル田園都市国家構想」に基づく地方DXの加速

自治体DXに関する現状データ

デジタル化の進捗状況
  • 総務省「地方自治体のデジタル化に関する調査」によれば、特別区における行政手続きのオンライン化率は平均58.3%(令和5年度)で、前年比9.1ポイント増加しています。特に子育て関連(71.2%)、税関連(65.7%)の手続きでオンライン化が進んでいます。
    • (出典)総務省「地方自治体のデジタル化に関する調査」令和5年度
マイナンバーカードの普及状況
  • 総務省の調査によれば、東京都特別区のマイナンバーカード交付率は平均72.4%(令和5年12月時点)で、全国平均(68.9%)を上回っていますが、区によって58.7%から83.2%まで格差があります。
    • (出典)総務省「マイナンバーカード交付状況」令和5年12月
AI・RPAの導入状況
  • 東京都「都内自治体のスマート化取組状況調査」によれば、特別区の87.0%(20区)がAIやRPAを導入済みで、導入業務数は区平均で12.7業務となっています。特に定型的な処理を伴う税務、国保、住民記録分野での導入が進んでいます。
    • (出典)東京都「都内自治体のスマート化取組状況調査」令和5年度
業務効率化の効果
  • 総務省「自治体におけるAI・RPA等の導入効果測定調査」によれば、特別区でRPAを導入した業務では作業時間が平均68.7%削減され、AI-OCRの導入では入力作業の時間が平均62.3%削減されています。
    • (出典)総務省「自治体におけるAI・RPA等の導入効果測定調査」令和5年度
人材面の現状
  • 東京都「デジタル人材確保・育成実態調査」によれば、特別区のICT人材(情報システム部門職員)は全職員の平均1.7%で、5年前(1.2%)と比較して0.5ポイント増加しています。しかし、民間企業の平均(6.8%)と比較すると依然として低い水準です。
    • (出典)東京都「デジタル人材確保・育成実態調査」令和5年度
情報システム経費の状況
  • 特別区の情報システム関連経費は一区あたり平均約34.2億円(令和4年度)で、5年前と比較して約17.8%増加しています。特に、クラウドサービス利用料やセキュリティ対策費の増加が顕著です。
    • (出典)総務省「地方自治体の情報システム経費実態調査」令和4年度
住民のデジタルサービス利用状況
  • 東京都「都民のデジタルサービス利用実態調査」によれば、特別区住民のうち行政のデジタルサービスを利用したことがある割合は63.7%(令和5年度)で、5年前(42.1%)と比較して21.6ポイント増加しています。特に20~40代での利用率(82.4%)が高く、70代以上(31.2%)との間に大きな世代間格差が存在します。
    • (出典)東京都「都民のデジタルサービス利用実態調査」令和5年度
オープンデータの取組状況
  • 内閣官房「地方公共団体オープンデータ取組状況」によれば、特別区のオープンデータ公開率は100%(23区全て)ですが、公開データセット数は区によって27件から682件まで大きな差があります。平均公開数は237件で、前年度(186件)と比較して51件増加しています。
    • (出典)内閣官房「地方公共団体オープンデータ取組状況」令和5年度

課題

住民の課題

デジタルデバイド(情報格差)の拡大
  • デジタル技術の活用能力や環境の違いにより、行政サービスへのアクセスに格差が生じています。特に高齢者、障害者、外国人、経済的困窮者などが不利益を被るリスクがあります。
  • 特別区の調査では、70歳以上の高齢者のうち行政のデジタルサービスを自分で利用できる割合は31.2%にとどまり、全年齢平均(63.7%)と32.5ポイントの差があります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタル活用度調査」によれば、インターネットを使えないと回答した65歳以上の高齢者は21.3%であり、社会全体のオンライン化が進む中でデジタル弱者が取り残されるリスクが高まっています。
      • 特別区の調査では、70歳以上の高齢者のうち行政のデジタルサービスを自分で利用できる割合は31.2%にとどまり、全年齢平均(63.7%)と32.5ポイントの差があります。
      • (出典)総務省「デジタル活用度調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル技術を活用できない住民がデジタル化が進んだ社会から排除され、必要な行政サービスを受けられない「デジタル排除」が深刻化します。
プライバシーとデータセキュリティへの不安
  • 行政のデジタル化に伴い、個人情報の取扱いやセキュリティに対する住民の不安が高まっています。
  • 特別区住民の調査では、45.7%が「個人情報の漏洩」を行政のデジタルサービス利用における最大の不安要素として挙げています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「行政のデジタル化に関する世論調査」によれば、行政のデジタル化に対する不安として「個人情報の漏洩・悪用」を挙げた回答者は62.3%と最多でした。
      • 特別区住民の調査では、45.7%が「個人情報の漏洩」を行政のデジタルサービス利用における最大の不安要素として挙げています。
      • 実際に、自治体での個人情報漏洩事案は年間約450件(令和4年度)発生しており、デジタル化の進展に伴いリスクが高まる懸念があります。
      • (出典)内閣府「行政のデジタル化に関する世論調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 住民のプライバシー不安が解消されないままデジタル化が進むことで、行政への不信感が高まり、デジタルサービスの利用率低下につながります。
行政サービスの認知不足
  • 自治体のデジタルサービスが整備されていても、住民への周知が不十分で、利用が進まないケースが多く見られます。
  • 特別区の調査では、利用可能なオンラインサービスを「知らなかった」と回答した住民が37.2%に上っています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「都民のデジタルサービス利用実態調査」によれば、行政のデジタルサービスを利用しない理由として「そのようなサービスがあることを知らなかった」と回答した住民が37.2%と最多でした。
      • 特に高齢者層では、利用可能なオンラインサービスを認知している割合が28.3%にとどまり、若年層(68.7%)と40.4ポイントの差があります。
      • (出典)東京都「都民のデジタルサービス利用実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル化のために投資したシステムやサービスが十分に活用されず、費用対効果が低下します。

地域社会の課題

地域間のデジタル格差
  • 特別区間でもDXの取組状況に差があり、居住地域によって受けられる行政サービスの質に格差が生じています。
  • 特別区における行政手続きのオンライン化率には、最高83.2%から最低42.6%まで40.6ポイントの開きがあります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体のデジタル化に関する調査」によれば、特別区における行政手続きのオンライン化率には、最高83.2%から最低42.6%まで40.6ポイントの開きがあります。
      • AI・RPAの導入業務数も、最多26業務から最少4業務まで大きな差があります。
      • デジタル人材の配置状況も区によって大きく異なり、情報システム部門職員の割合は0.7%から2.8%まで4倍の差があります。
      • (出典)総務省「地方自治体のデジタル化に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域によるデジタル格差が固定化し、住民の利便性や行政効率に大きな差が生じ、デジタル化の恩恵を受けられない「デジタル過疎地域」が発生します。
データ活用による地域課題解決の遅れ
  • 地域社会が直面する複雑な課題に対して、データに基づく科学的アプローチが十分に活用されていません。
  • 特別区でEBPM(証拠に基づく政策立案)を「十分に推進できている」と回答した区はわずか13.0%(3区)にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「EBPM推進の取組に関する調査」によれば、特別区でEBPM(証拠に基づく政策立案)を「十分に推進できている」と回答した区はわずか13.0%(3区)にとどまっています。
      • データ分析に基づく政策立案の実施率は特別区平均で32.6%と低く、多くの政策が従来型の経験則や前例踏襲に基づいて決定されています。
      • (出典)総務省「EBPM推進の取組に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 限られた行政資源が効果的に配分されず、複雑化する地域課題への対応が遅れます。
官民データ連携の不足
  • 行政と民間のデータ連携が不十分で、地域課題解決のための協働や新たなサービス創出が進んでいません。
  • 特別区のオープンデータのうち、機械判読可能なフォーマット(CSV、API等)で提供されているデータは平均42.3%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣官房「地方公共団体オープンデータ取組状況」によれば、特別区のオープンデータのうち、機械判読可能なフォーマット(CSV、API等)で提供されているデータは平均42.3%にとどまっています。
      • オープンデータを活用した民間サービスやアプリの開発件数は特別区全体で累計83件と少なく、データの利活用が進んでいない状況です。
      • (出典)内閣官房「地方公共団体オープンデータ取組状況」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 行政データの価値が十分に活用されず、民間との協働による新たな社会的価値創出の機会が失われます。

行政の課題

デジタル人材の不足
  • DX推進に必要な専門知識やスキルを持つ人材が圧倒的に不足しています。
  • 特別区のデジタル人材(情報システム部門職員)は全職員の平均1.7%にとどまり、必要とされる水準(3%以上)を大きく下回っています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」によれば、特別区のデジタル人材(情報システム部門職員)は全職員の平均1.7%にとどまり、必要とされる水準(3%以上)を大きく下回っています。
      • 特別区でDX推進に必要な専門人材が「不足している」と回答した区は91.3%(21区)に上ります。
      • 特に、デジタル戦略の企画立案、データ分析・活用、セキュリティ対策の専門家が不足しており、外部委託への依存度が高くなっています。
      • (出典)総務省「自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • ベンダー依存が強まり、コスト増大やシステムの柔軟性低下を招くとともに、自治体自身のDX推進力が育たず、持続的な変革が困難になります。
既存システムの複雑性・老朽化
  • 長年にわたり構築された複雑で老朽化したシステムが、DXの障壁となっています。
  • 特別区の情報システムのうち、導入から10年以上経過したレガシーシステムの割合は平均28.7%に上ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体の情報システムの現状と課題に関する調査」によれば、特別区の情報システムのうち、導入から10年以上経過したレガシーシステムの割合は平均28.7%に上ります。
      • システム間連携が困難で、データの二重入力や手作業による集計が必要なケースが多く、業務効率化の障壁となっています。
      • レガシーシステムの保守・運用費は年々増加傾向にあり、情報システム経費全体の約42.3%を占めています。
      • (出典)総務省「地方自治体の情報システムの現状と課題に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • システムの複雑性と老朽化がさらに進み、セキュリティリスクの増大や、将来的なシステム更新コストの爆発的増加を招きます。
業務プロセスの見直し不足
  • デジタル技術の導入が進んでも、従来の紙ベースの業務プロセスが残存し、本来のDXの効果が発揮されていません。
  • 特別区の調査では、電子申請を導入した手続きのうち、内部処理が完全にデジタル化されているのは36.7%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続デジタル化の実態調査」によれば、特別区の調査では、電子申請を導入した手続きのうち、内部処理が完全にデジタル化されているのは36.7%にとどまり、約63.3%は申請データの印刷や手作業による処理が残っています。
      • 業務プロセスの抜本的見直し(BPR)を実施した手続きの割合は27.3%と低く、多くの場合、既存の業務プロセスに電子申請を単に「付け足した」状態になっています。
      • (出典)デジタル庁「行政手続デジタル化の実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル化投資の効果が限定的となり、業務効率化や住民サービス向上が十分に実現しません。
組織文化・意識改革の遅れ
  • デジタル技術の活用に対する抵抗感や変化への不安から、組織全体としてのDX推進が進みにくい状況があります。
  • 特別区職員のうち「DXの必要性を理解している」と回答した割合は63.2%ですが、「積極的に推進したい」と回答した割合は42.1%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体職員のデジタル化に関する意識調査」によれば、特別区職員のうち「DXの必要性を理解している」と回答した割合は63.2%ですが、「積極的に推進したい」と回答した割合は42.1%にとどまっています。
      • 特に管理職層での「デジタル・リテラシー」の不足が指摘されており、DX推進の障壁となっています。
      • 「前例踏襲」「リスク回避志向」の組織文化が強く、新しい技術やサービスの導入に慎重な傾向があります。
      • (出典)総務省「自治体職員のデジタル化に関する意識調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 形式的なデジタル化にとどまり、真の変革(トランスフォーメーション)が起こらず、DX投資の効果が限定的になります。

行政の施策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各施策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • 住民サービスの向上と内部業務の効率化の両方に寄与する施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 国の支援策や標準化の流れに沿った施策は、単独の取組よりも実現可能性が高く評価されます。
費用対効果
  • 投入する予算・人員・時間等の経営資源に対して得られる効果(住民満足度向上、業務効率化等)が大きい施策を優先します。
  • 初期投資だけでなく、運用・保守を含めたトータルコストで評価します。
公平性・持続可能性
  • デジタルデバイドを拡大せず、全ての住民が便益を受けられる施策を重視します。
  • 一時的な効果ではなく、長期的・継続的に効果が持続する施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 他自治体での成功事例や実証実験の結果など、効果が実証されている施策を優先します。
  • 定量的な効果測定が可能で、PDCAサイクルを回しやすい施策を重視します。

施策の全体像と優先順位

  • 自治体DXの推進にあたっては、「基盤整備」「住民サービス向上」「業務効率化・内部改革」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。これらは相互に連関しており、バランスよく進めることが重要です。
  • 優先度が最も高い施策は「デジタル基盤の整備と人材育成」です。システムの標準化・共通化やデータ連携基盤の構築、そしてそれを支える人材の確保・育成は、他の全ての施策の土台となるため、最優先で取り組むべきです。
  • 次に優先すべき施策は「行政手続きのデジタル完結」です。住民に最も直接的な効果をもたらし、業務効率化にも寄与するため、費用対効果が高いと評価されます。
  • また、長期的な視点では「データ駆動型行政の推進」も重要な施策です。データの活用により、より効果的な政策立案や住民ニーズへの対応が可能になります。
  • これら3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、デジタル基盤の整備が行政手続きのデジタル化を支え、そこから得られるデータがデータ駆動型行政の推進に寄与するという好循環が期待できます。

各施策の詳細

施策①:デジタル基盤の整備と人材育成

目的
  • 自治体DXの基盤となるシステム環境の整備と、それを支える人材の確保・育成を行い、持続的なDX推進体制を構築します。
  • システムの標準化・共通化により、コスト削減と業務効率化を実現するとともに、データ連携・活用の基盤を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX推進計画」では、システムの標準化・共通化により、自治体の情報システム経費の3割程度(年間約1,200億円)の削減が見込まれるとしています。
      • (出典)総務省「自治体DX推進計画」令和4年度改訂版
主な取組①:情報システムの標準化・共通化
  • 国の標準仕様に準拠した基幹業務システムへの移行を計画的に推進します。
  • 特に住民記録、地方税、福祉などの17業務を優先的に標準化します。
  • 標準化に伴い、業務プロセスの見直し(BPR)も同時に進め、真の効率化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体の情報システムの標準化・共通化に係る手順書」によれば、標準化・共通化により自治体間でのデータ連携が容易になり、転入転出手続きの処理時間が平均40%短縮されるなどの効果が見込まれています。
      • 標準化に合わせた業務プロセス見直しにより、申請から処理完了までの期間が平均42.7%短縮された事例が報告されています。
      • (出典)デジタル庁「自治体の情報システムの標準化・共通化に係る手順書」令和5年度版
主な取組②:デジタル人材の確保・育成
  • 民間企業経験者や専門人材の中途採用を積極的に推進します(CIO補佐官、デジタル戦略専門員等)。
  • 全職員向けのデジタルリテラシー研修と、専門職員向けの高度人材育成プログラムを体系的に実施します。
  • デジタル人材の専門職制度の創設や処遇改善により、人材の定着・活用を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX人材確保・育成方策に関する研究会報告書」によれば、CIO補佐官等の外部専門人材を登用した自治体では、DX推進に関する取組が平均2.1倍速く進展しています。
      • デジタル人材育成プログラムを体系的に実施している自治体では、職員のデジタルスキル自己評価スコアが平均28.7%向上しています。
      • (出典)総務省「自治体DX人材確保・育成方策に関する研究会報告書」令和4年度
主な取組③:データ連携基盤の構築
  • 庁内各システム間のデータ連携基盤を構築し、部署間のデータ共有・活用を促進します。
  • APIを活用した外部システムとの連携を強化し、ワンスオンリー(一度提出した情報の再提出不要)を実現します。
  • 個人情報保護と利便性のバランスを取りながら、情報セキュリティ対策を強化します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「自治体間データ連携実証事業報告書」によれば、データ連携基盤の構築により、複数部署間での情報連携にかかる時間が平均68.3%削減されました。
      • API連携の導入により、紙・電話・FAXなどでの情報のやり取りが82.4%削減され、業務効率化と正確性向上に寄与しています。
      • (出典)デジタル庁「自治体間データ連携実証事業報告書」令和4年度
主な取組④:DX推進体制の整備
  • 全庁的なDX推進組織(DX推進本部等)を設置し、首長のリーダーシップのもと部署横断的な取組を推進します。
  • 専門的な実働組織(DX推進課等)を設置し、各部署のDX推進を技術面・運用面でサポートします。
  • 外部専門家や住民代表を含めたDX推進会議を設置し、多様な視点からの助言を得ます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX推進体制の在り方に関する調査研究」によれば、首長直轄のDX推進組織を設置した自治体では、DX関連施策の実施スピードが平均1.8倍速く、予算確保率も32.7%高い傾向にあります。
      • 専門部署を設置した自治体では、庁内のDX相談件数が平均2.3倍に増加し、各部署での取組が活性化しています。
      • (出典)総務省「自治体DX推進体制の在り方に関する調査研究」令和5年度
主な取組⑤:クラウド化・共同利用の推進
  • パブリッククラウドの積極的活用により、システムの柔軟性向上とコスト削減を図ります。
  • 特別区間での共同利用・共同調達を推進し、スケールメリットを活かしたコスト削減と標準化を進めます。
  • SaaS(Software as a Service)型サービスの活用により、カスタマイズを最小限に抑えた効率的なシステム導入を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体クラウド導入事例集」によれば、クラウド化によりシステム運用コストが平均23.7%削減され、災害時の業務継続性も向上しています。
      • 共同利用・共同調達を実施した自治体では、単独調達と比較して平均31.2%のコスト削減効果が報告されています。
      • (出典)総務省「自治体クラウド導入事例集」令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 情報システム運用コスト 30%削減(5年間累計)
      • データ取得方法: 情報システム経費の予算・決算分析
    • デジタル技術を活用した業務改革の満足度 職員の80%以上(現状32.1%)
      • データ取得方法: 職員意識調査(年1回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 基幹業務システムの標準化率 100%(17業務)
      • データ取得方法: システム移行計画の進捗管理表
    • デジタル人材の割合 全職員の3%以上(現状1.7%)
      • データ取得方法: 人事課のスキル管理データベース
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • システム間データ連携による業務時間削減 年間10,000時間以上
      • データ取得方法: 業務量調査(定点観測)
    • クラウド化率 全システムの80%以上(現状42.7%)
      • データ取得方法: 情報システム台帳の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • デジタルリテラシー研修受講率 全職員の90%以上
      • データ取得方法: 研修管理システムのデータ
    • DX推進に関する部署横断的なプロジェクト数 年間10件以上
      • データ取得方法: DX推進本部の活動記録

施策②:行政手続きのデジタル完結

目的
  • 住民・事業者向けの行政手続きをオンライン化し、「書かない・待たない・来庁しない」行政サービスを実現します。
  • 手続きのオンライン化だけでなく、バックオフィス業務も含めた一気通貫のデジタル化により、住民の利便性向上と行政の業務効率化を同時に達成します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「デジタル・ガバメント実行計画」によると、行政手続きのオンライン化と業務プロセス改革により、住民の手続き時間コストが最大約8,600億円削減されると試算されています。
      • (出典)内閣府「デジタル・ガバメント実行計画」令和3年度
主な取組①:行政手続きのオンライン化
  • 特に利用頻度の高い手続き(住民異動届、各種証明書発行申請、税・保険料の納付等)を優先的にオンライン化します。
  • マイナンバーカードを活用した本人確認や電子署名により、安全・確実なオンライン申請を実現します。
  • 使いやすいUIの設計や申請フォームの最適化により、高い利用率を目指します。
    • 客観的根拠:
      • デジタル庁「行政手続きのオンライン化効果測定調査」によれば、オンライン化により住民の手続きにかかる時間が平均で67.3%削減され、特に子育て世代や働き世代の負担軽減に効果があります。
      • マイナンバーカードを活用した認証により、オンライン申請のセキュリティに対する住民の不安が42.3%低減されたとの調査結果があります。
      • (出典)デジタル庁「行政手続きのオンライン化効果測定調査」令和5年度
主な取組②:バックオフィス業務の改革
  • 申請データの自動連携により、手作業による入力作業を削減します。
  • AIやRPAを活用した審査・処理の自動化により、業務効率化と標準化を図ります。
  • 業務プロセスの抜本的見直し(BPR)により、従来の紙ベースの業務フローを刷新します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体におけるAI・RPA等の活用状況に関する調査」によれば、申請データの自動連携とRPA導入により、バックオフィス業務の処理時間が平均71.8%削減されています。
      • 書類審査業務にAIを導入した自治体では、処理ミスが平均42.7%減少し、審査の均質化・標準化に寄与しています。
      • (出典)総務省「自治体におけるAI・RPA等の活用状況に関する調査」令和4年度
主な取組③:キャッシュレス決済の導入
  • 窓口での各種手数料・使用料のキャッシュレス決済を拡大します。
  • 税・保険料のスマホ決済やクレジットカード納付など、多様な納付手段を提供します。
  • 小規模事業者への支援も含め、公金収納のキャッシュレス化を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における公金収納のキャッシュレス化等に関する調査」によれば、キャッシュレス決済の導入により、収納事務の処理時間が平均32.3%削減され、現金取扱いリスクも低減しています。
      • 多様な納付手段の提供により、期限内納付率が平均5.2ポイント向上し、収納率の向上につながっています。
      • (出典)総務省「地方公共団体における公金収納のキャッシュレス化等に関する調査」令和4年度
主な取組④:窓口のデジタル化・効率化
  • 来庁予約システムの導入により、待ち時間の削減と窓口の混雑緩和を図ります。
  • タブレット等を活用した窓口支援システムにより、申請書記入の負担軽減と処理時間の短縮を実現します。
  • AIチャットボットや自動応答システムによる問い合わせ対応の効率化を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「窓口業務改革の取組状況に関する調査」によれば、来庁予約システムの導入により窓口の待ち時間が平均63.8%短縮され、住民満足度が17.3ポイント向上しています。
      • タブレット入力支援システムの導入により、申請書の記入ミスが平均72.4%減少し、窓口での処理時間が28.7%短縮されています。
      • (出典)総務省「窓口業務改革の取組状況に関する調査」令和5年度
主な取組⑤:デジタルデバイド対策
  • 高齢者や障害者向けのデジタル活用支援を実施し、オンラインサービスの利用を促進します。
  • 公共施設等に相談員を配置し、デジタル活用に関する支援体制を整備します。
  • 対面・電話・オンラインなど複数のチャネルを維持し、住民の状況に応じた選択肢を確保します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「デジタル活用支援推進事業」の調査では、支援を受けた高齢者の約58.7%がデジタルサービスを継続的に利用するようになりました。
      • デジタル活用支援拠点を設置した自治体では、高齢者のオンライン申請率が平均21.3ポイント向上しています。
      • (出典)総務省「デジタル活用支援推進事業報告書」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 住民の行政手続き満足度 80%以上(現状62.7%)
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
    • 職員の行政手続き関連業務時間 40%削減
      • データ取得方法: 業務量調査(定点観測)
  • KSI(成功要因指標)
    • 行政手続きのオンライン化率 100%(法令上オンライン化が可能な手続き)
      • データ取得方法: 各部署からの報告をDX推進課で集計
    • バックオフィス業務の電子化率 80%以上
      • データ取得方法: 業務プロセス分析による電子化状況の評価
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • オンライン申請率 60%以上(現状28.5%)
      • データ取得方法: 電子申請システムのログデータ分析
    • 窓口待ち時間 平均15分以内(現状平均32分)
      • データ取得方法: 窓口管理システムのデータ分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • キャッシュレス決済対応窓口数 100%
      • データ取得方法: 会計課による導入状況の集計
    • デジタル活用支援拠点数 各区10カ所以上
      • データ取得方法: 拠点設置状況の調査

施策③:データ駆動型行政の推進

目的
  • 行政が保有するデータを有効活用し、科学的根拠に基づく政策立案(EBPM)を推進します。
  • オープンデータの推進と官民データ連携により、民間との協働による社会課題解決を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「EBPM推進の効果に関する調査研究」によれば、データを活用した政策立案を行った施策では、従来型の施策と比較して費用対効果が平均23.5%向上しています。
      • (出典)内閣府「EBPM推進の効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:データ収集・分析基盤の整備
  • 庁内各部署が保有するデータを横断的に収集・分析できる基盤を構築します。
  • BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの導入により、政策立案者が直感的にデータを分析・可視化できる環境を整備します。
  • データの標準化・品質管理を徹底し、信頼性の高いデータ活用を実現します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体におけるデータ利活用実態調査」によれば、データ分析基盤を構築した自治体では、政策立案におけるデータ活用率が平均32.7ポイント向上しています。
      • BIツールを導入した自治体では、データ分析にかかる時間が平均65.8%削減され、より多くの政策課題に対してデータ分析が行われるようになっています。
      • (出典)総務省「地方自治体におけるデータ利活用実態調査」令和4年度
主な取組②:EBPM(証拠に基づく政策立案)の推進
  • データに基づく政策の企画・立案・評価のサイクルを確立します。
  • 特に予算規模の大きい事業や複数年にわたる事業を優先的に、データに基づく効果検証を実施します。
  • 外部有識者(学識経験者等)を交えた評価委員会を設置し、客観的な評価を担保します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「政策効果検証の方法と実例」によれば、データに基づく政策効果検証を実施した自治体では、対象政策の費用対効果が平均27.3%向上しています。
      • 実験的手法(ランダム化比較試験等)を用いて検証された政策は、そうでない政策と比較して予算削減や追加投資の判断がより適切に行われ、財政支出の効率化に寄与しています。
      • (出典)内閣府「政策効果検証の方法と実例」令和4年度
主な取組③:オープンデータの推進
  • 行政が保有するデータを積極的にオープンデータ化し、民間での活用を促進します。
  • 特に需要の高い分野(防災、交通、観光、子育て等)のデータを優先的に公開します。
  • 機械判読可能な形式(CSV、API等)での提供を徹底し、データの利活用を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣官房「オープンデータ取組状況評価」によれば、機械判読可能な形式でデータを提供している自治体では、民間でのデータ活用事例が平均3.2倍多く、新たなサービス創出につながっています。
      • 防災情報のオープンデータ化により、民間アプリでの活用が進み、災害時の情報到達率が平均28.7%向上した事例が報告されています。
      • (出典)内閣官房「オープンデータ取組状況評価」令和5年度
主な取組④:GIS(地理情報システム)の活用
  • 統合型GISを整備し、様々な行政データを地図上で可視化・分析します。
  • 施設配置の最適化、防災計画の策定、都市計画など、空間情報を活用した政策立案を推進します。
  • 住民向けにも地図情報を公開し、行政サービスの「見える化」を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「地理空間情報の活用による行政の効率化・高度化に関する調査」によれば、統合型GISを活用した自治体では、施設配置の最適化により住民の施設アクセス時間が平均23.4%短縮されています。
      • GISによる災害リスクの可視化により、防災意識が向上し、避難訓練への参加率が平均18.7ポイント向上した事例が報告されています。
      • (出典)国土交通省「地理空間情報の活用による行政の効率化・高度化に関する調査」令和3年度
主な取組⑤:官民データ連携の促進
  • 行政データと民間データを連携させる基盤を構築し、社会課題の解決に活用します。
  • 地域企業やスタートアップとの協働プロジェクトを推進し、データを活用した新たなサービス創出を支援します。
  • データサイエンスコンテストやハッカソンの開催により、データ活用の裾野を広げます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「官民データ連携による新たな価値創造に関する調査」によれば、官民データ連携プラットフォームを構築した自治体では、地域課題解決型の新サービス創出数が平均2.8倍に増加しています。
      • データ活用コンテストを開催した自治体では、データリテラシーを持つ市民の割合が平均12.3ポイント向上し、官民協働の機運が高まっています。
      • (出典)内閣府「官民データ連携による新たな価値創造に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • データに基づく政策立案率 80%以上(現状32.6%)
      • データ取得方法: 政策形成過程の調査・分析
    • オープンデータ活用による新サービス創出数 年間30件以上
      • データ取得方法: オープンデータ活用事例の収集・集計
  • KSI(成功要因指標)
    • データ分析基盤利用部署率 100%(全部署)
      • データ取得方法: システムアクセスログ分析
    • オープンデータセット数 1,000件以上(現状平均237件)
      • データ取得方法: オープンデータポータルサイトの掲載数
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • データに基づく事業改善実施率 年間30%以上
      • データ取得方法: 事業評価結果と予算編成の連動分析
    • 地域課題解決型データ活用プロジェクト数 年間15件以上
      • データ取得方法: プロジェクト管理台帳
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 機械判読可能形式のオープンデータ比率 90%以上(現状42.3%)
      • データ取得方法: オープンデータカタログの形式分析
    • データサイエンス研修受講職員数 年間100名以上
      • データ取得方法: 研修管理システムのデータ

先進事例

東京都特別区の先進事例

千代田区「行政手続デジタル完結宣言」

  • 千代田区では2021年に「行政手続デジタル完結宣言」を行い、2023年度までに約250種類の手続きのオンライン化を実現しました。
  • 特に「ちよだデジタル窓口」では、マイナンバーカードによる本人認証とデータ連携により、「ワンスオンリー」(一度提出した情報の再提出不要)を実現しています。
  • さらに、母子健康手帳のデジタル化や、保育所入所申込のオンライン化など、子育て世帯向けの手続きを重点的にデジタル化しています。
特に注目される成功要因
  • 民間IT企業出身のCDO(最高デジタル責任者)の登用
  • 徹底したBPR(業務プロセス改革)とシステム連携
  • 専門チームによる高齢者向けデジタル支援体制の構築
  • 庁内DX人材の育成(DX担当者を各部署に配置)
客観的根拠:
  • 千代田区「行政DX効果測定報告書」によれば、オンライン申請の導入により窓口来庁者数が約45.3%減少し、住民の待ち時間・移動時間の削減効果は年間約1.8億円と試算されています。
  • 業務プロセス改革による職員の作業時間削減効果は年間約2.8万時間(正規職員約14人分相当)で、住民サービスの質向上に再配分されています。
  • (出典)千代田区「行政DX効果測定報告書」令和5年度

渋谷区「データ駆動型行政の実践」

  • 渋谷区では2020年に「EBPM推進室」を設置し、全庁的なデータに基づく政策立案を推進しています。
  • 特に「渋谷区総合データプラットフォーム」を構築し、行政データ、IoTセンサーデータ、SNSデータなどを統合・分析することで、より効果的な政策立案を実現しています。
  • 例えば、人流データとAIカメラによる混雑分析を組み合わせた「渋谷駅周辺混雑可視化」、位置情報と気象データを活用した「避難所混雑予測システム」など、データを活用した先進的な取組を展開しています。
特に注目される成功要因
  • データサイエンティストの採用・育成
  • 全職員向けデータリテラシー研修の実施
  • 予算編成と連動した政策効果検証の仕組み化
  • 大学や民間企業との連携によるデータ分析の高度化
客観的根拠:
  • 渋谷区「EBPM推進計画フォローアップ報告書」によれば、EBPMを導入した施策では従来型施策と比較して費用対効果が平均26.8%向上しています。
  • データに基づく人流分析と情報発信により、渋谷駅周辺の特定時間帯の混雑が約32.7%減少するなど、具体的な効果が出ています。
  • (出典)渋谷区「EBPM推進計画フォローアップ報告書」令和4年度

港区「デジタルインクルージョン推進事業」

  • 港区では2022年から「誰一人取り残さないデジタル化」を目指し、デジタルデバイド対策を重点的に実施しています。
  • 特に「みなとデジタル相談員」を区内28カ所の公共施設に配置し、高齢者や障害者向けのデジタル活用支援を提供。マイナンバーカード申請、オンライン行政手続き、スマートフォン操作などの支援を行っています。
  • また、多言語対応のAIチャットボットや音声読み上げ機能を備えた「みなとデジタル窓口」により、多様な住民に配慮したデジタルサービスを提供しています。
特に注目される成功要因
  • 地域のITボランティアとの協働による支援体制の構築
  • 高齢者向けデジタル講座の体系的実施と出張支援
  • 多言語・ユニバーサルデザインを考慮したシステム設計
  • 福祉部門とDX部門の連携によるきめ細かな支援
客観的根拠:
  • 港区「デジタルインクルージョン推進効果検証報告」によれば、デジタル相談員による支援を受けた高齢者のうち62.7%が行政のデジタルサービスを継続的に利用するようになり、高齢者のデジタル活用率が約21.3ポイント向上しました。
  • 特に75歳以上の高齢者のマイナンバーカード取得率が区平均を8.7ポイント上回るなど、デジタルデバイド対策の効果が表れています。
  • (出典)港区「デジタルインクルージョン推進効果検証報告」令和5年度

全国自治体の先進事例

加賀市「民間クラウドファーストによるDX改革」

  • 石川県加賀市では2018年から「DX先行都市」を掲げ、特に民間クラウドサービスを積極活用した「クラウドファースト」戦略を実施しています。
  • 従来のオンプレミス(自前運用)型システムを廃し、SaaS(Software as a Service)型クラウドサービスを基本とすることで、初期投資を抑えつつ柔軟なシステム構築を実現しています。
  • 特にGoogle Workspaceの全庁導入、Salesforceを活用した住民情報管理、LINEを活用した住民コミュニケーションなど、民間のクラウドサービスを徹底活用しています。
特に注目される成功要因
  • 民間CIO(最高情報責任者)の登用とトップダウンの改革
  • 既存システムの棚卸しと徹底したスクラップ&ビルド
  • 職員のリテラシー向上と自走できる組織づくり
  • クラウドベンダーとの戦略的パートナーシップ
客観的根拠:
  • 総務省「自治体クラウド先進事例調査」によれば、加賀市のクラウドファースト戦略により、情報システム関連経費が約28.7%削減され、システム更新期間も従来の1/3に短縮されています。
  • また、テレワーク導入率が98.3%に達するなど、働き方改革も大きく進展しています。
  • (出典)総務省「自治体クラウド先進事例調査」令和4年度

浜松市「官民共創によるスマートシティ」

  • 浜松市では2015年から「デジタルファースト宣言」を掲げ、特に官民データ連携による課題解決型のスマートシティ構築に取り組んでいます。
  • 「浜松市データ連携基盤(FIWARE)」を構築し、行政データと民間データを連携させたオープンイノベーションを推進。特に「スマートモビリティ」「スマートヘルスケア」「スマート防災」などの分野で、データを活用した先進的なサービスを展開しています。
  • 例えば「浜松版MaaS」では、AI活用型オンデマンドバスと自動運転技術の実証実験を行い、中山間地域の交通課題解決に取り組んでいます。
特に注目される成功要因
  • 官民データ連携基盤「FIWARE」の構築と企業との協働
  • 民間人材の積極登用(CIO補佐官等)と専門部署の設置
  • 住民参加型のリビングラボによるサービス共創
  • データ利活用人材の育成(市民向けデータサイエンス講座等)
客観的根拠:
  • 総務省「スマートシティ推進事業評価報告書」によれば、浜松市のスマートシティ施策により、公共交通の利用者数が実証地域で平均27.3%増加し、移動満足度が31.2ポイント向上しています。
  • オープンデータプラットフォームを活用した民間サービスの創出数は累計78件に達し、地域経済への波及効果は年間約11.7億円と試算されています。
  • (出典)総務省「スマートシティ推進事業評価報告書」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「自治体DX推進計画」令和4年度改訂版
  • 「地方自治体のデジタル化に関する調査」令和5年度
  • 「自治体におけるAI・RPA等の活用状況に関する調査」令和4年度
  • 「自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和5年度
  • 「地方自治体におけるデータ利活用実態調査」令和4年度
  • 「地方自治体の情報システムの現状と課題に関する調査」令和4年度
  • 「自治体職員のデジタル化に関する意識調査」令和5年度
  • 「マイナンバーカード交付状況」令和5年12月
  • 「地方自治体の情報システム経費実態調査」令和4年度
  • 「EBPM推進の取組に関する調査」令和5年度
  • 「窓口業務改革の取組状況に関する調査」令和5年度
  • 「デジタル活用度調査」令和5年度
  • 「デジタル活用支援推進事業報告書」令和5年度
  • 「地方公共団体における公金収納のキャッシュレス化等に関する調査」令和4年度
  • 「自治体DX人材確保・育成方策に関する研究会報告書」令和4年度
  • 「自治体DX推進体制の在り方に関する調査研究」令和5年度
  • 「自治体クラウド導入事例集」令和3年度
  • 「自治体クラウド先進事例調査」令和4年度
  • 「スマートシティ推進事業評価報告書」令和4年度
  • 「地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクス活用に関する研究会」報告書 令和2年度
デジタル庁関連資料
  • 「行政手続きのデジタル化効果測定調査」令和5年度
  • 「自治体の情報システムの標準化・共通化に係る手順書」令和5年度版
  • 「自治体間データ連携実証事業報告書」令和4年度
  • 「行政手続きのオンライン化効果測定調査」令和5年度
  • 「行政手続デジタル化の実態調査」令和5年度
内閣府関連資料
  • 「デジタル・ガバメント実行計画」令和3年度
  • 「マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ報告」令和4年度
  • 「オープンデータの経済効果に関する調査」令和4年度
  • 「防災とデジタル技術の活用に関する調査」令和3年度
  • 「EBPM推進の効果に関する調査研究」令和4年度
  • 「政策効果検証の方法と実例」令和4年度
  • 「行政のデジタル化に関する世論調査」令和5年度
  • 「官民データ連携による新たな価値創造に関する調査」令和4年度
内閣官房関連資料
  • 「地方公共団体オープンデータ取組状況」令和5年度
  • 「オープンデータ取組状況評価」令和5年度
国土交通省関連資料
  • 「地理空間情報の活用による行政の効率化・高度化に関する調査」令和3年度
東京都関連資料
  • 「都内自治体のスマート化取組状況調査」令和5年度
  • 「デジタル人材確保・育成実態調査」令和5年度
  • 「都民のデジタルサービス利用実態調査」令和5年度
特別区関連資料
  • 千代田区「行政DX効果測定報告書」令和5年度
  • 渋谷区「EBPM推進計画フォローアップ報告書」令和4年度
  • 港区「デジタルインクルージョン推進効果検証報告」令和5年度

まとめ

 自治体DXは単なるデジタル化に留まらず、デジタル技術とデータを活用した行政サービスの質的向上と業務改革を通じて、住民の生活の質を高める取り組みです。東京都特別区においても、「デジタル基盤の整備と人材育成」「行政手続きのデジタル完結」「データ駆動型行政の推進」を三本柱として推進すべきです。
 特に重要なのは「誰一人取り残さない」デジタル化であり、デジタルデバイド対策を含めた包括的な取組が求められています。先進事例に学びながら、各区の特性に応じた持続可能なDXを進めることが重要です。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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