2025.10.28 05 特別区(23区) 【2025年10月28日】行政関連ニュースと政策立案のヒント masashi0025 目次 自治体経営第752回 入札監理小委員会(開催案内)環境政策令和7年度水道関係功労者環境大臣表彰の受賞者の決定DX政策AIセキュリティ分科会(第4回)開催案内不適正利用対策に関するワーキンググループ(第11回)総務管理労働時間規制緩和、連合委員が反対「過労死ライン水準、断じてならず」経済産業政策医療・介護現場への補助金、上野厚労相「補正予算案に盛り込む」「東京手彫り印章」を伝統的工芸品として指定しました子育て、子ども政策こまねり(こどもまんなかネットねりま)の登録団体を取材しました!教育政策児童・生徒の自殺、最多を更新福祉政策厚労省、ケアマネ資格の更新制廃止の方針を固めるカスハラ対策、すべての介護事業者に義務付け 厚労省方針社会保障第8回経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会健康、保健政策医薬品等行政評価・監視委員会5周年シンポジウムを開催します地域振興政策大阪市、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の新規受付終了文化政策大田区に「山口体験美術館」が誕生しますその他第67次南極地域観測行動計画、および第68次南極地域観測隊長・副隊長を決定自治体経営 第752回 入札監理小委員会(開催案内) 概要 出典 総務省 報道発表資料 ニュース概要 総務省が、公共工事の入札及び契約の適正化を図るための「入札監理小委員会」の第752回会合を開催します。国の機関の入札・契約実態に関するモニタリング結果等が議題となる見込みです。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 公共調達における透明性、公正性、経済性を確保し、税金の適正な執行を担保するため。また、談合や不適正な入札を防ぐためのガバナンス体制を維持・強化する必要があります。 具体的なアクション 国の機関の入札・契約実態に関するモニタリング結果の報告と、それに基づく議論を行います。 行政側の意図 国の機関の動向を監視・分析することで、公共調達制度全体の信頼性を維持し、必要に応じて制度改正の基礎資料とすること。また、定期的な開催自体が、入札参加者への牽制となります。 期待される効果 公共調達の適正化、談合等の不正行為の抑止、税執行の効率化が期待されます。 課題・次のステップ モニタリングで発見された課題を、具体的な制度改善や運用ルールの見直しに繋げることです。 特別区への示唆 特別区の契約担当部門は、この委員会の議論の動向を注視すべきです。国のガイドライン変更は、区の契約事務規程や調達予定価格の積算ルールに直接影響を与える可能性があります。 他区での横展開・応用 各区は、国の動向を参考に、区独自の「入札監視委員会」の議題やモニタリング手法を見直すことができます。特にDX関連など新しい調達分野での公正性確保策を検討する材料となります。 環境政策 令和7年度水道関係功労者環境大臣表彰の受賞者の決定 概要 出典 環境省 報道発表 ニュース概要 環境省は、水道の普及発展や事業の経営、技術等の向上に顕著な功績があった個人・団体に対し、「令和7年度水道関係功労者環境大臣表彰」の受賞者を決定しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 国民の生活基盤である水道事業の重要性を再認識し、長年にわたりその発展に貢献してきた関係者の功績を称えるため。また、後進の育成や業界全体の士気向上を図る目的があります。 具体的なアクション 功績調書等に基づき審査を行い、環境大臣による表彰者(個人・団体)を決定し、公表します。 行政側の意図 水道という「当たり前」のインフラを支える人々や技術に光を当てることで、水道事業への国民の理解を深めるとともに、関係者のモチベーション向上を図る狙いがあります。 期待される効果 受賞者の功績が広く認知されることによる、水道業界全体の技術・経営の質の向上が期待されます。 課題・次のステップ 表彰に留まらず、受賞者の持つ優れた技術や経営ノウハウを、他の事業者へ横展開する仕組みづくりが課題です。 特別区への示唆 区民の生活に直結する水道インフラの維持管理は重要です。区の環境・土木部門は、こうした国の表彰制度を活用し、管内の優良な事業者や長年の功労者を積極的に推薦することを検討すべきです。 他区での横展開・応用 各区が独自に、水道に限らず、下水道、道路舗装、公園管理など、区民生活を支えるインフラの「縁の下の力持ち」を表彰する制度を設けることで、地域事業者の士気向上と技術継承を促すことができます。 DX政策 AIセキュリティ分科会(第4回)開催案内 概要 出典 総務省 報道発表資料 ニュース概要 総務省が、AI技術の進展に伴うセキュリティ上の課題(AIへの攻撃、AIによる攻撃)に対処するため、「AIセキュリティ分科会」の第4回会合を開催します。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 AIの利活用を安全に推進するため、AI特有の脆弱性やセキュリティリスクを特定し、技術的・制度的な対策を講じる必要があります。行政サービスへのAI導入にも不可欠な議論です。 具体的なアクション AIのライフサイクル全体(企画、開発、運用)におけるセキュリティ対策、特に生成AIのリスクに関するガイドラインの策定に向けた議論を行います。 行政側の意図 AI技術の導入における「守りのルール」を明確化し、官民が安心してAIを活用できる社会基盤を整備すること。国際的なAIガバナンスの議論で主導権を握る狙いもあります。 期待される効果 安全なAI利活用の促進、AIシステムへのサイバー攻撃による被害の防止が期待されます。 課題・次のステップ 技術の進歩が非常に速いため、ガイドラインが陳腐化しないよう、継続的に見直す仕組みの構築が課題です。 特別区への示唆 特別区は、行政サービス(窓口、内部事務)への生成AI導入を検討する際、この分科会で議論されるセキュリティリスクを参考に、独自の利用ガイドラインを策定・更新する必要があります。 他区での横展開・応用 先進区のAIガイドラインを共有しつつ、この国の議論を踏まえて「特別区共通のセキュリティ要件」を策定することで、各区が個別に検討するコストを削減できる可能性があります。 不適正利用対策に関するワーキンググループ(第11回) 概要 出典 総務省 報道発表資料 ニュース概要 総務省が、携帯電話やIP電話等の電気通信サービスが特殊詐欺等に悪用される問題に対し、事業者と連携した対策を議論するワーキンググループ(第11回)を開催します。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 特殊詐欺などの犯罪インフラとして電気通信サービスが悪用されることを防ぎ、国民の生命と財産を守るため。行政が主導し、通信事業者間の連携を促す必要があります。 具体的なアクション 本人確認の強化、不正なSIMカードの流通防止、詐欺等に利用された電話番号の迅速な停止措置など、事業者横断的な対策について議論します。 行政側の意図 通信事業者に対する規制と協力を通じて、犯罪者が通信手段を確保することを困難にし、犯罪の「道具立て」を奪うこと。技術的な対策と制度的な対策の両輪で進める意図があります。 期待される効果 特殊詐欺の被害件数の減少、犯罪グループによる通信インフラの悪用の抑止が期待されます。 課題・次のステップ 対策強化が、一般利用者の利便性を過度に損なわないようバランスを取ること。また、新たな手口への迅速な対応が課題です。 特別区への示唆 区の生活安全部門や消費生活センターは、国のこうした「入口対策」の動向を把握し、区が実施する「出口対策」(住民への啓発、自動通話録音機の配布)と連携させるべきです。 他区での横展開・応用 国の対策強化に伴い、支援が必要な住民(例:高齢者、外国人)が正規の通信契約から疎外されないよう、区として「デジタルデバイド対策」と連携した支援(例:契約支援窓口)を検討する応用が考えられます。 総務管理 労働時間規制緩和、連合委員が反対「過労死ライン水準、断じてならず」 概要 出典 47NEWS ニュース概要 厚生労働省の労働政策審議会の分科会が27日に開かれ、政府が指示した「労働時間規制の緩和検討」に対し、労働者代表の連合委員が「強い懸念」を表明し、反対の姿勢を示しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 政府側は、働き手の選択を前提とした柔軟な働き方を可能にするため、労働時間規制の緩和を検討しています。一方で、労働者側は、過労死ライン水準での規制緩和は過労死を助長するとして強く反発しています。 具体的なアクション 労働政策審議会において、労働基準法改正に向けた有識者報告書に基づき、労使双方の意見を聴取し、議論を進めます。 行政側の意図 政府(首相、厚労相)は、柔軟な働き方の実現を掲げ、審議会での議論を促す意向です。一方、労働組合側は、現行法でも柔軟な働き方は可能であり、緩和は不要であると主張しています。 期待される効果 政府側は働き方の多様化を期待する一方、労働者側は健康確保が損なわれることを懸念しており、両者の溝は深い状態です。 課題・次のステップ 労働者の健康維持と、働き方の柔軟性という二つの命題をいかに両立させるか、労使双方の合意形成が最大の課題です。早ければ来年の通常国会での法案提出を目指しています。 特別区への示唆 特別区は「使用者」として職員の健康管理に責任を持つと同時に、「行政」として区内事業者の労働環境を監視・指導する立場にあります。区の人事部門は、国の議論の動向が、区の服務規程や時間外労働の上限規制にどう影響するかを注視する必要があります。 他区での横展開・応用 この国の議論を反面教師とし、各区はまず「現行法制下で可能な柔軟な働き方(例:フレックスタイム、テレワーク)」の利用実態を点検し、規制緩和の議論に先んじて職員のワークライフバランス向上策を徹底することが求められます。 経済産業政策 医療・介護現場への補助金、上野厚労相「補正予算案に盛り込む」 概要 出典 介護ニュースJoint ニュース概要 上野厚生労働大臣は27日、物価高騰の影響を受ける医療・介護現場に対し、補助金を支給する方針を明言しました。高市首相の指示を受け、これを補正予算案に盛り込む考えを示しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 医療・介護サービスは公定価格(診療報酬・介護報酬)であり、物価高騰分を価格転嫁できないため、光熱費や食材費の負担増が経営を直撃しています。サービスの安定供給維持のため、緊急の財政支援が必要です。 具体的なアクション 物価高対策としての補助金(または「効果を前倒し」する給付金)を、令和7年度の補正予算案に計上し、早期の支給を目指します。 行政側の意図 「いま手をつけなければ間に合わない」という首相の認識に基づき、次期報酬改定を待たずして、緊急的な支援(補助金)で現場の負担軽減を図る狙いがあります。 期待される効果 医療機関や介護事業所の経営安定化、及び光熱費等を理由としたサービス低下の防止が期待されます。 課題・次のステップ 補助金の具体的な対象範囲、規模、申請・支給スキームを早急に設計し、補正予算案として国会に提出することが次のステップです。 特別区への示唆 特別区の福祉・保健部門は、この国の制度設計(対象、申請方法)の情報を迅速にキャッチする必要があります。管内のクリニックや介護事業者が漏れなく申請できるよう、速やかな周知と申請サポート体制を準備すべきです。 他区での横展開・応用 国の補助金に加え、特に経営が厳しい小規模事業者(例:地域の小規模デイサービス、診療所)に対し、区独自の上乗せ支援や、省エネ設備導入への補助などを検討する余地があります。 「東京手彫り印章」を伝統的工芸品として指定しました 概要 出典 経済産業省 報道発表資料 ニュース概要 経済産業大臣が、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、「東京手彫り印章」を伝統的工芸品として新たに指定しました。これにより国の指定工芸品は241品目となります。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 優れた伝統的技術・技法を後世に伝承し、地域の経済発展や雇用創出に寄与する「伝統的工芸品産業」を国として保護・振興するためです。 具体的なアクション 「東京手彫り印章」を伝統的工芸品として官報告示により指定します。 行政側の意図 国の指定を受けることで、産地組合等が策定する振興計画への支援(補助金等)が可能となり、後継者育成や需要開拓を後押しします。国民生活に豊かさと潤いを与える産業として位置づけます。 期待される効果 産地の活性化、ブランド価値の向上、後継者育成の促進、関連産業全体の振興が期待されます。 課題・次のステップ 産地組合(東京都、神奈川県)が振興計画を策定し、国の認定を受けることが次のステップです。デジタル化(脱ハンコ)の流れの中で、新たな需要を開拓できるかが課題です。 特別区への示唆 これは「東京都」が産地に含まれる指定です。区内の印章職人がこの支援制度(補助金等)を活用できるよう、区の産業振興部門は情報提供や申請支援を積極的に行うべきです。 他区での横展開・応用 伝統工芸の集積地である区(例:台東区、墨田区、文京区)は、この指定を「地域ブランド化」の好機と捉え、ふるさと納税返礼品への採用や、観光資源(体験型ツーリズム)としての活用を検討できます。 子育て、子ども政策 こまねり(こどもまんなかネットねりま)の登録団体を取材しました! 概要 出典 練馬区公式ホームページ ニュース概要 練馬区は、区内の子育て支援団体をつなぐネットワーク「こまねり」の登録団体(NPO法人ねりパパ)を取材した記事を公開しました。「こまねり」との協働事業の一環です。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 行政だけでは手の届きにくい、多様化する子育て世帯のニーズに応えるため。また、地域で活動する民間の支援団体の情報を集約し、支援を必要とする家庭に確実に届けるためです。 具体的なアクション 区と「こまねり」が協働事業として、ネットワークに登録されている団体の活動内容を取材し、区の広報媒体(ウェブサイト)を通じて区民に広く紹介します。 行政側の意図 民間の多様な子育て支援活動(「居場所」)を区民に「見える化」すること。また、行政が「こまねり」というネットワーク自体を支援・広報することで、民間支援の基盤強化を図る狙いがあります。 期待される効果 子育て世帯が必要な情報や支援(居場所)に繋がりやすくなること。また、民間団体の認知度向上と活動の活性化が期待されます。 課題・次のステップ 今後3年間で協働事業(対話会、合同パンフレット作成)が計画されており、このネットワークをいかに持続可能にし、より多くの団体や区民が参加するものにしていくかが課題です。 特別区への示唆 この事例は、行政が民間の支援団体と「個」で繋がるのではなく、「ネットワーク」と協働することの有効性を示しています。区の子育て支援部門は、情報発信のハブとして民間のネットワークを位置づける視点が求められます。 他区での横展開・応用 他区においても、子育て支援に限らず、高齢者支援や障害者支援、多文化共生など、NPOが活動する分野で、まず「民間ネットワーク」の構築を区が側面支援し、そのネットワークと協働で情報発信や事業を行うモデルとして応用可能です。 教育政策 児童・生徒の自殺、最多を更新 概要 出典 教育新聞 ニュース概要 2024年の児童・生徒の自殺者数が、統計開始以来最多を更新したことが明らかになりました。文部科学省およびこども家庭庁が近く公表する見通しです。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 (※これは国の取組ではなく、統計結果の報道です。)この深刻な事態は、国および地方自治体が、児童・生徒のメンタルヘルス対策を最重要課題として取り組むべきことを示しています。 具体的なアクション 国(文科省・こども家庭庁)は、自殺の背景分析を深めるとともに、全国の教育委員会に対し、相談体制の強化や「SOSの出し方」に関する教育の徹底を改めて指示することが予想されます。 行政側の意図 (※報道のため「行政側の意図」はありません。) 期待される効果 (※報道のため「期待される効果」はありません。) 課題・次のステップ 自殺の背景にある複雑な要因(家庭環境、学校問題、SNSの影響等)を特定し、効果的な予防策を講じることが喫緊の課題です。 特別区への示唆 児童・生徒の自殺が過去最多という深刻な事態です。特別区の教育委員会および児童相談所(設置区)は、スクールカウンセラーの配置状況、SNS相談窓口の周知、教職員による「生徒のサイン察知」研修の実施状況を緊急点検し、体制を即時強化する必要があります。 他区での横展開・応用 子どもの「居場所」づくりが重要です。学校や家庭以外のサードプレイス(例:児童館、図書館、NPO運営のフリースペース)の機能強化と、そこに相談員を配置するなどの連携が、全区的に求められます。 福祉政策 厚労省、ケアマネ資格の更新制廃止の方針を固める 概要 出典 介護ニュースJoint ニュース概要 厚生労働省が、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格について、5年ごとの更新制を廃止する方針を固めたことが27日に分かりました。介護保険法改正案を来年の通常国会に提出する見込みです。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 ケアマネジャーの深刻ななり手不足と高齢化に対応するため。更新研修の時間的・金銭的負担が、現場を離れる(休眠)一因とされており、その負担を軽減することで人材の確保・定着を図ります。 具体的なアクション 介護保険法を改正し、ケアマネジャー資格の更新制(および関連する更新研修)を廃止します。 行政側の意図 更新制を廃止するという抜本的な負担軽減策を講じることで、ケアマネジャーの処遇改善(業務負担軽減)への姿勢を明確にし、人材の流出を防ぐとともに、休眠資格者の現場復帰を促す狙いがあります。 期待される効果 更新研修の負担(例:88時間)がなくなり、ケアマネジャーの離職防止と人材確保の促進が期待されます。 課題・次のステップ 更新研修が担っていた「資質の担保・向上」を、別の方法(例:事業所単位での研修義務化、新たな研修体系の構築)でどう担保するかが、法改正に向けた最大の論点となります。 特別区への示唆 区の介護保険課は、この国の動向を管内事業所に速やかに情報提供すべきです。人材確保に繋がる朗報である一方、法定研修の負担減を見据え、区独自の資質向上研修(例:困難事例対応、多職種連携)の企画を検討する好機となります。 他区での横展開・応用 区は、休眠中のケアマネ資格を持つ区民(例:子育て世代、シニア)に対し、「更新制廃止」をフックに現場復帰を促すセミナーや、再就職支援(ブランクを埋める研修)を企画することができます。 カスハラ対策、すべての介護事業者に義務付け 厚労省方針 概要 出典 介護ニュースJoint ニュース概要 厚生労働省は27日、介護現場でのカスタマーハラスメント(カスハラ)対策を、すべての介護サービス事業者に義務付ける方針を固めました。各サービスの運営基準を改正する見通しです。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 介護従事者の離職を防ぎ、安全な労働環境を確保するため。利用者やその家族からのハラスメントが、介護職員の精神的負担となり、離職の大きな原因となっているため、事業者に対策を法的に義務付ける必要があります。 具体的なアクション 介護保険法の各サービス運営基準(省令)を改正し、「ハラスメント対策(例:相談窓口の設置、対応マニュアルの策定、研修の実施等)」を事業者の責務として明記します。 行政側の意図 これまで「努力義務」に留まっていたカスハラ対策を「義務」に格上げすることで、事業者に対応を強く促す狙いがあります。従事者の保護を明確に打ち出し、介護分野の人材確保に繋げたい意向です。 期待される効果 事業所内での相談体制の整備が進み、介護職員が安心して働ける環境が整備されることが期待されます。 課題・次のステップ 運営基準に盛り込まれる「具体的な義務の内容」を早急に詰める必要があります。また、小規模事業者でも実行可能な対策(例:共同での研修実施)への支援策が課題となります。 特別区への示唆 これは区が行う「指導監査」の項目にも影響します。区の介護保険課は、法令改正に先立ち、管内事業者向けの「カスハラ対応ガイドライン」の作成や、従事者向けの護身術・メンタルヘルス研修の実施を早急に準備すべきです。 他区での横展開・応用 カスハラは介護分野に限りません。区役所の窓口業務、保育園、学校など、住民と直に接する全部門において、職員を守るための「カスハラ対策マニュアル」の整備・見直しを全庁的に進めるべきです。 社会保障 第8回経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会 概要 出典 厚生労働省 報道発表資料 ニュース概要 厚生労働省が、経済社会情勢の変化(DX、ジョブ型雇用等)に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会(第8回)を10月30日に開催します。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 労働市場の流動化やリスキリングの必要性が高まる中、労働者の自律的なキャリア形成を支えるキャリアコンサルタントの質的向上と役割の明確化が求められているためです。 具体的なアクション 研究会を開催し、キャリアコンサルタントに求められる能力(専門領域別、領域横断的)について議論・整理します。 行政側の意図 キャリアコンサルティング制度の「あるべき姿」を再定義し、今後の資格制度や研修内容の見直しに繋げること。これにより、労働移動の円滑化や個人のリスキリングを促進する狙いがあります。 期待される効果 キャリアコンサルティングの質の向上、労働者への適切なキャリア形成支援の促進が期待されます。 課題・次のステップ 研究会での議論を、資格更新研修の具体的なカリキュラムなど、実効性のある制度設計に落とし込むことが次のステップです。 特別区への示唆 特別区が実施する就労支援事業(例:生活困窮者自立支援、ひとり親支援)において、相談員の能力向上が重要です。この国の議論を参考に、区の相談員研修の内容を見直す必要があります。 他区での横展開・応用 区の産業振興部門が、区内の中小企業に対して「従業員のキャリア形成支援(キャリアコンサルティング導入)」を促すセミナー等を開催する際、本研究会の議論を最新動向として提供できます。 健康、保健政策 医薬品等行政評価・監視委員会5周年シンポジウムを開催します 概要 出典 厚生労働省 報道発表資料 ニュース概要 厚生労働省が設置する「医薬品等行政評価・監視委員会」の設立5周年を記念し、これまでの活動を振り返り、今後の展望を議論するシンポジウム(オンライン)を11月13日に開催します。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 医薬品・医療機器の審査や安全対策といった行政の業務について、患者や専門家の視点から客観的に評価・監視する仕組み(第三者委員会)の活動を広く国民に周知するためです。 具体的なアクション 委員会の5年間の活動報告、専門家コメント、パネルディスカッション等を含むシンポジウムをZoomウェビナーで開催します。 行政側の意図 医薬品行政の透明性と信頼性を向上させること。また、委員会の活動を通じて得られた提言を行政運営の改善に活かしていることをアピールする狙いがあります。 期待される効果 医薬品行政に対する国民の理解と信頼の醸成、行政運営の更なる改善が期待されます。 課題・次のステップ シンポジウムでの議論や国民の声を、次期5年間の委員会活動や行政の具体的な業務改善(例:審査の迅速化)に反映させていくことが課題です。 特別区への示唆 特別区の保健所や健康部門は、予防接種や薬事相談などで住民と直に接します。国の医薬品行政が第三者によって監視・評価されている事実を住民に伝えることは、行政への信頼確保に繋がります。 他区での横展開・応用 区が実施する重要な事業(例:大規模な福祉計画、インフラ整備)においても、こうした「第三者評価委員会」の仕組みを導入し、その活動をシンポジウム等で区民に報告することは、区政の透明性向上モデルとして応用可能です。 地域振興政策 大阪市、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業の新規受付終了 概要 出典 大阪市 報道発表資料 ニュース概要 大阪市は、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(いわゆる「特区民泊」)について、条例の規定に基づき、2025年10月27日をもって新規の認定申請の受付を終了しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 この事業は、訪日外国人客の急増に伴う宿泊施設不足の解消を目的として導入されました。大阪市は、その後の宿泊需給の変化等を踏まえ、条例で受付終了期限を定めていたため、期限到来をもって終了となります。 具体的なアクション 2025年10月28日以降、特区民泊の新規認定申請の受付を停止します(既に認定済みの施設は事業継続可能)。 行政側の意図 インバウンド需要の回復やホテル建設の進展により、「宿泊施設不足」という当初の課題が解消されたと判断したため。今後は、旅館業法に基づく正規の宿泊施設への移行を促す狙いがあると推測されます。 期待される効果 新規の特区民泊の増加が停止することによる、近隣住民とのトラブル(騒音等)の抑制や、宿泊の質の担保が期待されます。 課題・次のステップ 既存の認定施設の適正な運営指導(例:違法な又貸しの防止)や、旅館業法への移行支援(該当施設がある場合)が今後の課題となります。 特別区への示唆 大田区や新宿区など、特区民泊制度を導入している特別区にとって、大阪市のこの動向は重要です。各区は、大阪市の判断理由(宿泊需給の改善)が自区にも当てはまるかを検証し、特区民泊制度の継続・見直し・終了の議論を開始すべき時期に来ています。 他区での横展開・応用 特区民泊を実施していない区においても、民泊(住宅宿泊事業法)に関する住民からの苦情やニーズは存在します。大阪市の事例は、地域の宿泊需給バランスに応じて、規制(特区)のあり方を柔軟に見直すという点で参考になります。 文化政策 大田区に「山口体験美術館」が誕生します 概要 出典 大田区 報道発表資料 ニュース概要 大田区は、区の所有施設(旧清掃事務所)を活用し、民間事業者(一般財団法人山口文化財団)が運営する「山口体験美術館」が10月29日に開館することを発表しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 区が所有する遊休施設(空き家)の有効活用と、寄贈された美術品の公開・活用という二つの行政課題を同時に解決するため。また、区民の文化芸術へのアクセスを向上させるためです。 具体的なアクション 区が施設を提供し、民間事業者が区の所蔵品(寄贈された洋画669点)と自らの所蔵品を組み合わせて展示・運営します。「見る」だけでなく「触れる」「体験する」をコンセプトにしています。 行政側の意図 行政が直接運営するよりも、民間のノウハウ(体験型コンテンツ、集客)を活用する方が、より魅力的で持続可能な文化施設運営が可能になると判断したため。PPP(官民連携)による課題解決を目指しています。 期待される効果 遊休施設の有効活用、区民の文化体験機会の創出、新たな地域コミュニティ拠点の形成が期待されます。 課題・次のステップ 民間運営による持続的な経営(採算性)の確保と、区民(特に子どもたち)の利用をいかに促進していくかが課題です。 特別区への示唆 この事例は、区が所有する「塩漬け」の遊休施設(廃校、旧出張所等)を、民間活力で「文化・交流施設」に転換できる可能性を示しています。施設所管部門は、こうしたPPPの手法を検討すべきです。 他区での横展開・応用 美術館に限らず、区が寄贈されたが公開できていない資料(歴史資料、美術品)は各区に存在します。これらを活用する民間事業者を公募し、遊休施設と組み合わせて「小さな博物館」や「専門ライブラリー」として再生するモデルに応用できます。 その他 第67次南極地域観測行動計画、および第68次南極地域観測隊長・副隊長を決定 概要 出典 文部科学省 報道発表 ニュース概要 文部科学省の南極地域観測統合推進本部は10月27日、第67次南極地域観測行動計画を確定するとともに、来年度派遣予定の第68次南極地域観測隊長および副隊長を決定しました。 政策立案への示唆 この取組を行政が行う理由 南極地域における科学的観測(気候変動、宇宙物理等)を、国の重要施策として統合的・計画的に推進するため。観測隊の派遣計画と次期体制を決定する必要があります。 具体的なアクション 統合推進本部総会において、第67次隊(94名)の行動計画を確定し、第68次隊の隊長・副隊長人事を決定します。 行政側の意図 気候変動問題など地球規模の課題解決に貢献するため、南極観測を継続的かつ安定的に実施する体制を確保する狙いがあります。 期待される効果 第67次観測隊の派遣準備が整い、次期(第68次)隊の準備が開始されることで、国の南極観測事業が滞りなく継続されます。 課題・次のステップ 確定した行動計画に基づき、第67次観測隊の派遣準備(物資輸送、隊員の訓練等)を着実に進めることです。 特別区への示唆 直接的な区政課題ではありませんが、国の重要な科学技術投資の一例です。区の教育委員会は、こうした最新の科学トピック(南極、気候変動研究)を、理科教育の「出前授業」や区立図書館の企画展のテーマとして取り上げる材料として活用できます。 他区での横展開・応用 各区が実施する「環境教育」や「SDGs推進」の取組において、南極観測隊の活動(例:ゴミの完全持ち帰り、自然エネルギー利用)を先進事例として紹介し、区民の環境意識を醸成する素材として活用できます。 #05 特別区(23区)#91 取組#92 行政ニュース#99 その他 ABOUT ME 行政情報ポータルあらゆる行政情報を分野別に構造化行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。