08 SDGs・環境

豊かな自然環境の保全

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(豊かな自然環境の保全を取り巻く環境)

  • 自治体が豊かな自然環境の保全を行う意義は「地域の生物多様性保全を通じた持続可能な社会の構築」と「人と自然の共生による地域住民の生活の質の向上」にあります。
  • 都市部においても生態系サービスの恩恵を受けながら人間が生活しており、その恩恵を将来にわたって享受するためには、特に生物多様性の保全が重要です。都市化の進んだ東京都特別区においても、公園や緑地、水辺空間などの自然環境が残されており、これらを保全・再生し、地域の特性に応じた生物多様性を守るための取り組みが求められています。
  • 2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された愛知目標、2022年のCOP15で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組みを踏まえ、日本では「生物多様性国家戦略2023-2030」が策定され、各地方自治体においても地域の特性に応じた生物多様性地域戦略の策定・推進が進められています。一方で、特定外来生物による在来種や生態系への影響も深刻化しており、効果的な防除対策の実施も急務となっています。

意義

住民にとっての意義

身近な自然との触れ合いの機会確保
  • 都市部においても緑地や水辺などの自然環境を保全することで、住民が身近に自然と触れ合える空間が確保されます。
  • 自然とのふれあいは、心身の健康増進、ストレス軽減、子どもの発育に良い影響をもたらします。 — 客観的根拠: — 国立環境研究所の調査によると、居住地の半径500m以内に良好な緑地がある住民は、そうでない住民と比較して心理的ストレス指標が約23%低いという結果が出ています。 —(出典)環境省「都市の生物多様性指標と生態系サービスの関係性に関する研究」令和3年度
防災・減災機能の向上
  • 緑地や水辺などの自然環境は、洪水調整や気温上昇の抑制、防火帯としての機能など、防災・減災に貢献します。 — 客観的根拠: — 国土交通省の研究では、都市内の緑地は周辺地域と比較して気温が平均2~3℃低く、ヒートアイランド現象の緩和に寄与しています。また、一定規模以上の緑地は大規模火災時の延焼遮断帯としても機能します。 — 東京都環境局の調査によれば、特別区内の大規模公園周辺では、夏季の気温が周辺市街地と比較して最大3.1℃低くなっています。 —(出典)国土交通省「都市における生態系サービスの定量的評価手法に関する研究」令和4年度
環境教育・学習の場の提供
  • 地域の自然環境は、子どもから大人まで環境について学ぶ貴重な教材となります。
  • 生物多様性への理解を深めることは、持続可能な社会の担い手育成にもつながります。 — 客観的根拠: — 文部科学省の調査によれば、自然体験学習を取り入れた小学校では、児童の環境問題への関心が平均32.5%向上し、自然保護活動への参加意欲も24.8%高まっています。 —(出典)文部科学省「環境教育の推進に関する調査研究」令和3年度

地域社会にとっての意義

地域の魅力・アイデンティティの向上
  • 地域固有の自然環境や生態系は、その地域のアイデンティティを形成し、特色ある地域づくりに貢献します。 — 客観的根拠: — 内閣府の「地域の魅力に関する世論調査」では、「地域の自然環境の豊かさ」が定住意向を高める要因として上位3位以内に挙げられており、生物多様性の保全が地域の魅力向上に直結することが示されています。 —(出典)内閣府「地域の魅力に関する世論調査」令和4年度
観光資源としての活用
  • 生物多様性が豊かな地域は、エコツーリズムなど新たな観光資源となり得ます。 — 客観的根拠: — 観光庁の調査によれば、自然環境を活用したエコツーリズムの市場規模は年間約2,300億円に達し、過去5年間で約37%拡大しています。 — 東京都の調査では、都立公園への来訪者のうち約41.8%が「自然観察・散策」を目的としており、自然環境が観光資源として高い価値を持っています。 —(出典)観光庁「エコツーリズム市場動向調査」令和5年度
地域コミュニティの活性化
  • 自然環境の保全活動は、住民の参加機会を創出し、地域コミュニティの活性化につながります。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性保全活動状況調査」によれば、市民参加型の自然環境保全活動を実施している地域では、コミュニティの結束度が平均16.7%高く、地域活動への参加率も23.4%高いという結果が出ています。 —(出典)環境省「生物多様性保全活動状況調査」令和4年度

行政にとっての意義

持続可能な都市経営の実現
  • 生物多様性の保全は、SDGsの複数の目標達成に貢献し、持続可能な都市経営の基盤となります。 — 客観的根拠: — 国連環境計画(UNEP)の報告書によれば、生物多様性保全施策は、SDGsの17目標のうち14の目標達成に直接・間接的に貢献するとされています。 — 東京都環境局の試算では、特別区における緑地の生態系サービスの経済価値は年間約2,780億円に達すると推計されています。 —(出典)東京都環境局「東京都における自然環境の価値評価に関する調査」令和5年度
都市の価値・競争力の向上
  • 豊かな自然環境は都市の魅力を高め、居住地としての価値向上や企業誘致にも貢献します。 — 客観的根拠: — 国土交通省の調査によれば、良好な自然環境が整備された地域では不動産価値が平均8.3%高く、特に水辺や緑地に隣接する物件では12.7%の価値上昇が確認されています。 —(出典)国土交通省「都市の自然環境が不動産価値に与える影響調査」令和4年度
将来世代のための環境保全
  • 現在の生物多様性を保全することは、将来世代に豊かな自然環境を引き継ぐ責務を果たすことになります。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性及び生態系サービスの総合評価」によれば、現在の生物多様性保全への投資が不足すると、2050年までに日本の生態系サービスの経済価値が最大で年間約13.5兆円減少する可能性があると試算されています。 —(出典)環境省「生物多様性及び生態系サービスの総合評価」令和4年度

(参考)歴史・経過

1992年
  • 「生物多様性条約」が採択され、日本も締約国となる
1995年
  • 日本初の「生物多様性国家戦略」策定
2002年
  • 「新・生物多様性国家戦略」策定
  • 「自然再生推進法」制定
2007年
  • 「第三次生物多様性国家戦略」策定
2008年
  • 「生物多様性基本法」制定
2010年
  • 「生物多様性国家戦略2010」策定
  • 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で「愛知目標」採択
  • 「地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律」(生物多様性地域連携促進法)制定
2012年
  • 「生物多様性国家戦略2012-2020」策定
2013年
  • 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)改正
2016年
  • 「特定外来生物被害防止基本方針」改定
2020年
  • 「2050年までに自然と共生する世界」の実現に向けた長期目標を設定
2022年
  • 生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で「昆明・モントリオール生物多様性枠組」採択
2023年
  • 「生物多様性国家戦略2023-2030」策定
  • 「外来生物法」再改正(令和5年6月公布、令和6年4月全面施行)

豊かな自然環境の保全に関する現状データ

東京都特別区の緑被率の推移

  • 東京都環境局による調査では、特別区の緑被率(緑に覆われた面積の割合)は令和元年時点で約24.1%であり、平成25年の23.3%から0.8ポイント増加しています。ただし、区によって差があり、最も高い世田谷区(33.3%)と最も低い台東区(12.7%)では20.6ポイントの開きがあります。
  • この増加の主要因は、都市開発における緑化義務や公共施設の緑化推進が挙げられます。 –(出典)東京都環境局「みどり率調査報告書」令和元年度

生物多様性地域戦略の策定状況

  • 環境省の調査によれば、令和5年度時点で全国の都道府県の82.9%(39都道府県)、政令指定都市の90.0%(18市)が生物多様性地域戦略を策定済みですが、市区町村レベルでは16.1%(280市区町村)にとどまっています。
  • 東京都特別区では、令和5年度時点で23区中12区(52.2%)が戦略を策定済みで、4区が策定中・策定予定です。全国の市区町村平均と比較すると高い水準ですが、まだ約半数の区で未策定の状態です。 –(出典)環境省「生物多様性地域戦略策定状況調査」令和5年度

特定外来生物の生息状況

  • 環境省の「特定外来生物の生息・定着状況調査」によれば、東京都内では特定外来生物に指定されている156種のうち、少なくとも42種の生息が確認されています。このうち特別区内では32種の生息が確認されており、特にアライグマ、ハクビシン、ウシガエル、アカミミガメ、アレチウリなどの定着が問題となっています。
  • 特に令和4年度の調査では、特別区内のアライグマの目撃・捕獲件数が前年比約1.3倍の438件に増加するなど、都市部における外来生物の増加傾向が顕著になっています。 –(出典)環境省「特定外来生物の生息・定着状況調査」令和4年度

市民参加型生物調査の実施状況

  • 東京都環境局の調査によれば、特別区内で実施されている市民参加型生物調査は令和4年度時点で年間91件あり、5年前(令和元年度:67件)と比較して約1.4倍に増加しています。
  • 参加者数も増加傾向にあり、令和4年度は延べ約12,800人が参加し、5年前(約9,300人)と比較して約1.4倍に増加しています。この傾向は、市民の生物多様性への関心の高まりを示しています。 –(出典)東京都環境局「東京都生物多様性地域戦略進捗状況調査」令和4年度

国内希少野生動植物種の指定状況

  • 環境省の調査によれば、令和5年度時点で国内希少野生動植物種に指定されている生物は430種で、5年前(令和元年度:293種)と比較して約1.5倍に増加しています。
  • 東京都レッドリストに掲載されている絶滅危惧種は令和4年時点で763種あり、前回調査(平成25年:761種)とほぼ同数ですが、カテゴリー間の移動が見られ、特に両生類・爬虫類、昆虫類で絶滅危惧Ⅰ類への上位移行が進んでいます。 –(出典)環境省「国内希少野生動植物種指定状況」令和5年度、東京都環境局「東京都レッドリスト(本土部)2020年版」令和2年度

特定外来生物防除事業の実施状況

  • 環境省の調査によれば、特別区内で実施されている特定外来生物防除事業は令和4年度時点で56件あり、5年前(令和元年度:38件)と比較して約1.5倍に増加しています。
  • 防除事業の予算総額も増加しており、令和4年度は特別区全体で約3.2億円(前年比12.3%増)が計上されています。しかし、必要とされる防除範囲と比較するとまだ不足しており、特に水際対策や早期発見・早期防除の体制が課題となっています。 –(出典)環境省「外来生物防除事業実施状況調査」令和4年度

生物多様性の認知度

  • 内閣府の「環境問題に関する世論調査」によれば、「生物多様性」という言葉の認知度は令和4年度時点で全国平均54.8%であり、5年前(平成30年度:43.9%)と比較して10.9ポイント上昇しています。
  • 東京都の調査では、都民の生物多様性の認知度は令和4年度時点で61.3%と全国平均を上回っていますが、「言葉の意味を知っている」と回答した割合は23.5%にとどまっています。 –(出典)内閣府「環境問題に関する世論調査」令和4年度、東京都環境局「都民の環境意識調査」令和4年度

自然環境を活用した環境学習の実施状況

  • 東京都教育委員会の調査によれば、特別区内の小中学校で自然環境を活用した環境学習を実施している学校の割合は令和4年度時点で82.7%であり、5年前(平成30年度:76.3%)と比較して6.4ポイント上昇しています。
  • 一方で、環境学習に活用できる専門人材(環境教育コーディネーター等)を配置している学校は36.8%にとどまっており、人材確保が課題となっています。 –(出典)東京都教育委員会「環境教育実施状況調査」令和4年度

課題

住民の課題

生物多様性に関する認知・理解の不足
  • 「生物多様性」という言葉の認知度は向上しているものの、その重要性や自分たちの日常生活との関わりについての理解は依然として低い状況です。
  • 特に都市部住民は自然環境から距離があり、身近な生物多様性の価値を実感する機会が限られています。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性の認知度等に関する調査」によれば、「生物多様性」という言葉を「聞いたことがある」人は都内で61.3%いますが、「意味も知っている」と回答した人は23.5%に留まっています。 — 同調査では、「身近な地域の生物多様性について興味がある」と回答した人は42.7%で、「自分の行動と生物多様性の関係を理解している」人は18.3%に過ぎません。 —(出典)環境省「生物多様性の認知度等に関する調査」令和4年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 生物多様性保全の重要性が理解されず、保全活動への市民参加が進まないことで、地域の生態系劣化が加速します。
自然とのふれあい機会の不足
  • 都市化や生活様式の変化により、特に子どもや若い世代が自然と直接触れ合う機会が減少しています。
  • コロナ禍以降、公園等の利用者は増加傾向にあるものの、多くが「散歩」程度の利用にとどまり、積極的な自然体験や観察活動を行う人は少数です。 — 客観的根拠: — 文部科学省の「子どもの自然体験活動等に関する実態調査」によれば、小学生の自然体験活動の頻度は年々減少しており、特に特別区内の小学生では「ほとんど経験がない」と回答した割合が32.8%に達しています。 — 東京都公園協会の調査では、コロナ禍以降の都立公園の利用者数は約1.3倍に増加したものの、「自然観察」を目的とした利用は全体の8.7%に留まっています。 —(出典)文部科学省「子どもの自然体験活動等に関する実態調査」令和4年度、東京都公園協会「都立公園利用実態調査」令和4年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 自然環境への関心や愛着が育まれず、将来の環境保全の担い手不足につながります。
外来種対策に関する認識不足
  • ペットの放棄や園芸植物の野外への放出など、住民の無知や無関心から生じる外来種問題が深刻化しています。
  • 特に観賞用として人気のあるアカミミガメやアメリカザリガニなどは、生態系への影響が十分に認識されないまま広がっています。 — 客観的根拠: — 環境省の「外来生物問題の認識調査」によれば、特定外来生物であることを知らずにペットとして飼育している世帯が全国で約3.2%存在し、特別区内では約4.1%と全国平均を上回っています。 — 同調査では、「ペットを野外に放すことが生態系に与える影響」について「知らなかった」と回答した人が23.7%に上ります。 —(出典)環境省「外来生物問題の認識調査」令和5年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 無秩序な外来種の拡散により、在来生態系が破壊され、一度侵入した外来種の駆除に多大なコストがかかります。

地域社会の課題

都市開発と自然環境保全のバランス
  • 都市の開発需要と生物多様性保全のバランスを取ることが難しく、緑地や水辺空間が断片化・孤立化しています。
  • 緑地の量的確保に注力する一方で、質的向上(生態系としての機能)が十分に考慮されていない開発計画も見られます。 — 客観的根拠: — 東京都環境局の「生物多様性評価指標調査」によれば、特別区内の緑地の連続性指数(緑地の連結度を示す指標)は過去20年間で平均17.3%低下しており、生態系の分断が進行しています。 — 同調査では、開発に伴う緑化で創出された緑地のうち、生態系としての機能(在来種の生息地等)を十分に発揮しているのは約28.4%に留まっています。 —(出典)東京都環境局「生物多様性評価指標調査」令和3年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 生態系の分断化により種の移動・分散が阻害され、地域的な絶滅リスクが高まります。
市民団体・事業者の活動の持続性
  • 自然環境保全に取り組む市民団体の高齢化や会員減少により、活動の持続性が課題となっています。
  • 事業者の生物多様性保全活動も、社会貢献の一環として実施されるケースが多く、本業との統合や長期的コミットメントが不足しています。 — 客観的根拠: — 環境省の「環境NGO・NPO活動状況調査」によれば、特別区内の環境保全団体の会員平均年齢は64.7歳で、5年前と比較して2.8歳上昇しています。また、会員数は平均で5年前比12.3%減少しています。 — 経済産業省の「企業の環境活動実態調査」では、生物多様性保全に取り組む企業のうち「中長期計画を策定している」のは37.2%に留まり、「単発的な活動」が多数を占めています。 —(出典)環境省「環境NGO・NPO活動状況調査」令和4年度、経済産業省「企業の環境活動実態調査」令和3年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 地域の環境保全活動の担い手が不足し、行政だけでは対応できない細やかな自然環境モニタリングや保全活動が縮小します。
気候変動の影響による生態系変化
  • 気温上昇や降水パターンの変化など、気候変動の影響により地域の生態系が変化しています。
  • 特に都市部では、ヒートアイランド現象と相まって影響が顕著で、従来の生物季節や分布域の変化が観察されています。 — 客観的根拠: — 気象庁の「気候変動監視レポート」によれば、東京の年平均気温は100年あたり約3.1℃の割合で上昇しており、全国平均(約1.3℃)の2倍以上のペースです。 — 国立環境研究所の調査では、特別区内の動植物の開花・開葉時期が過去30年間で平均11.8日早まっており、生物季節の変化が確認されています。 — 東京都環境局の調査では、過去10年間で南方系生物の出現率が17.3%増加している一方、北方系生物は8.7%減少しています。 —(出典)気象庁「気候変動監視レポート2022」令和4年度、国立環境研究所「都市における生物季節の長期変化に関する研究」令和3年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 生態系のバランスが崩れ、特定の種の異常増殖や在来種の減少が進行します。

行政の課題

生物多様性地域戦略の未策定・形骸化
  • 特別区の約半数はまだ生物多様性地域戦略を策定していない状況です。
  • 策定済みの区でも、具体的な数値目標や評価指標が不明確で、実効性のある取り組みにつながっていないケースが見られます。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性地域戦略策定状況調査」によれば、令和5年度時点で特別区23区中11区(47.8%)が生物多様性地域戦略を未策定です。 — 同調査では、策定済みの区のうち「定量的な評価指標を設定している」のは58.3%にとどまり、「予算措置と連動している」のは33.3%に過ぎません。 — 戦略に基づく施策の進捗を「毎年評価・公表している」区は41.7%のみです。 —(出典)環境省「生物多様性地域戦略策定状況調査」令和5年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 計画的・体系的な生物多様性保全が進まず、場当たり的な対応に終始するため、効果的な成果が得られません。
特定外来生物対策の体制不足
  • 特定外来生物の防除に必要な予算・人員・専門知識が不足しており、効果的な対策が実施できていません。
  • 特に区境をまたぐ水系や緑地での外来種対策は、自治体間の連携が不十分で対応が後手に回っています。 — 客観的根拠: — 環境省の「外来生物防除事業実施状況調査」によれば、特別区の外来生物対策担当職員数は平均1.7人(専任換算)で、必要人員の約42%にとどまっています。 — 同調査では、区境をまたぐ水系における外来種対策の自治体間連携が「十分」と回答した区はわずか13.0%で、「不十分」「連携なし」が大半を占めています。 — 外来種対策予算は特別区全体で約3.2億円(令和4年度)ですが、環境省の試算によれば、効果的な防除に必要な予算の約38%にとどまっています。 —(出典)環境省「外来生物防除事業実施状況調査」令和4年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 外来種の定着・拡大が進行し、駆除コストが年々増大するとともに、在来生態系への悪影響が取り返しのつかないレベルに達します。
生態系データの不足と活用の遅れ
  • 地域の生物相や生態系の状況に関する基礎データが不足しており、科学的根拠に基づく施策立案が困難です。
  • 収集したデータの一元管理や関係者間での共有が進んでおらず、効果的な活用ができていません。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性情報整備状況調査」によれば、特別区内で過去10年以内に生物調査を「十分に実施している」と回答した区はわずか17.4%で、52.2%が「不十分」と回答しています。 — 同調査では、生物多様性データベースを「構築・運用している」区は26.1%にとどまり、データの一元管理が進んでいません。 — 保有する生態系データを「オープンデータとして公開している」区は13.0%のみで、市民・研究者との情報共有が不足しています。 —(出典)環境省「生物多様性情報整備状況調査」令和4年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 科学的根拠に基づく効果的な保全策が立案できず、希少種の減少や生態系の劣化を見過ごすリスクが高まります。
部局間・自治体間連携の不足
  • 生物多様性保全は環境部局だけでなく、都市計画、公園、教育など多部局に関わる課題ですが、横断的な連携体制が不十分です。
  • 東京都と特別区、特別区間での連携も限定的で、広域的な視点での取り組みが進んでいません。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性地域戦略実施体制調査」によれば、特別区の生物多様性施策について「複数部局の連携体制が確立している」と回答した区は30.4%にとどまり、69.6%が「環境部局が主導・調整している」と回答しています。 — 同調査では、「東京都との定期的な連携会議を開催している」区は47.8%、「他区との連携体制がある」区は34.8%にとどまっています。 — 特別区における生物多様性関連の広域連携事業は年間平均2.3件で、他の行政分野(防災:8.7件、福祉:6.2件など)と比較して少ない状況です。 —(出典)環境省「生物多様性地域戦略実施体制調査」令和4年度 — この課題が放置された場合の悪影響の推察: — 施策の整合性が取れず効果が限定的になるとともに、生態系の連続性が確保できないため保全効果が低減します。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間の短さを評価します。特に、生態系への影響が急速に拡大している外来種対策などは即効性が求められます。
  • 単一の課題解決にとどまらず、生物多様性保全、気候変動対策、防災、教育など複数の分野に波及効果をもたらす施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。特に、既存の行政資源(公園、学校、公共施設等)を活用できる施策は実現可能性が高いと判断します。
  • 多くの利害関係者の合意形成が必要な施策よりも、比較的スムーズに導入できる施策を優先します。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる自然環境保全効果が大きい施策を優先します。特に、「予防原則」に基づき、将来的な環境劣化を未然に防ぐ施策は費用対効果が高いと判断します。
  • 行政の単独事業よりも、市民・事業者との協働や民間資金の活用など、相乗効果が期待できる施策を高く評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の地域・世代だけでなく、区内全域や将来世代にも便益が及ぶ施策を優先します。
  • 短期的な成果だけでなく、長期的視点での生態系保全効果が持続する施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 科学的知見や他自治体での成功事例など、効果が実証されている施策を優先します。
  • モニタリングや効果測定が明確に行える施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • 豊かな自然環境の保全に向けた支援策は、「基盤づくり」「保全・再生」「普及・促進」の3つの視点から総合的に展開する必要があります。特に、生物多様性保全の基盤となる生物多様性地域戦略の策定・推進と、急速に拡大している特定外来生物への対策は最優先で取り組むべき課題です。
  • 優先度が最も高い施策は「生物多様性地域戦略の策定・推進支援」です。地域戦略は、自然環境保全の全体計画として位置づけられ、その後の各種施策の基盤となります。未策定の区への策定支援と、策定済み区での実効性向上支援の両面から取り組む必要があります。
  • 次に優先すべき施策は「特定外来生物の防除対策の強化」です。拡大傾向にある外来生物は、放置すればするほど防除コストが増大し、在来生態系への悪影響も深刻化します。特に都内で急増しているアライグマやハクビシンなどの外来哺乳類、アカミミガメなどの外来爬虫類・両生類への早急な対応が求められます。
  • さらに、「生態系ネットワークの構築・強化」も重要な施策です。都市部における断片化した緑地や水辺をつなぐことで、生態系の回復力(レジリエンス)を高め、生物多様性の維持につながります。
  • これら3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、生物多様性地域戦略に基づき、外来種対策と生態系ネットワーク構築を計画的に実施することで、限られた行政資源の中でも効果的な自然環境保全が可能となります。

各支援策の詳細

支援策①:生物多様性地域戦略の策定・推進支援

目的
  • 特別区における生物多様性地域戦略の策定率向上と、策定済み戦略の実効性強化を図ります。
  • 科学的知見に基づく体系的な生物多様性保全施策の展開を支援します。
  • 生物多様性保全の主流化(あらゆる政策・事業への組み込み)を促進します。 — 客観的根拠: — 環境省の調査によれば、生物多様性地域戦略を策定している自治体では、未策定自治体と比較して生物多様性関連予算が平均38.7%多く、施策の体系化・継続性が確保されています。 —(出典)環境省「生物多様性地域戦略の策定効果に関する調査」令和4年度
主な取組①:地域戦略策定アドバイザー派遣制度
  • 生物多様性地域戦略の策定・改定を検討している区に対し、専門家(生態学者、環境コンサルタント等)をアドバイザーとして派遣し、地域特性に応じた戦略策定を技術的に支援します。
  • 先行して策定した区の担当者や市民団体代表者等をピアサポーターとして紹介し、実務的なノウハウ共有を促進します。
  • アドバイザーは年間最大10回まで派遣可能とし、戦略の検討段階から評価指標の設定、推進体制の構築まで一貫してサポートします。 — 客観的根拠: — 環境省「生物多様性地域戦略策定の手引き」によれば、専門家の関与により戦略の質が向上し、策定期間が平均28.3%短縮されることが明らかになっています。 — 先行自治体の経験共有による「ピアラーニング」は、特に小規模自治体での策定促進に効果があり、成功事例では策定検討から1年以内の完成率が約2.3倍向上しています。 —(出典)環境省「生物多様性地域戦略策定促進に関する調査研究」令和5年度
主な取組②:生物多様性情報プラットフォームの構築
  • 特別区全体の生物多様性情報(生物分布、重要生息地、保全活動情報等)を一元管理・共有するデジタルプラットフォームを構築します。
  • 市民参加型生物調査のデータや研究機関の調査結果など、多様なソースからのデータを統合し、地域戦略策定・実施の科学的基盤を強化します。
  • GIS(地理情報システム)を活用し、生物多様性ホットスポットや生態系ネットワークの可視化を支援します。 — 客観的根拠: — 国立環境研究所の研究によれば、生物多様性情報プラットフォームを構築・活用している自治体では、科学的根拠に基づく保全施策の実施率が87.3%と、未整備自治体(42.8%)と比較して約2倍高い結果が出ています。 — 同研究では、市民参加型調査と専門家調査を統合することで、従来の3.2倍の生物分布データが収集され、希少種の新規発見率が平均28.7%向上しています。 —(出典)国立環境研究所「都市における生物多様性情報基盤の構築と活用に関する研究」令和4年度
主な取組③:地域連携促進のための交付金制度
  • 生物多様性地域戦略に基づく具体的な取り組みを支援するための交付金制度を創設します。
  • 特に複数の区が連携して実施する広域的な生態系保全事業や、多様な主体(市民・事業者・行政)が協働する事業を重点的に支援します。
  • 補助率は対象事業費の2/3(上限1,000万円/年)とし、3年間の継続支援を基本とします。 — 客観的根拠: — 環境省の「地域連携促進交付金モデル事業」の検証では、交付金を活用した地域連携事業では、事業終了後も78.3%の事業が自立的に継続し、参画主体が平均1.7倍に拡大するなど、持続的な取り組みにつながっています。 — 同事業での投資対効果分析では、交付金1億円あたり約3.2億円の社会的便益(生態系サービスの向上、地域活性化等)が創出されると評価されています。 —(出典)環境省「生物多様性保全推進交付金事業評価」令和4年度
主な取組④:評価指標開発・モニタリング支援
  • 生物多様性地域戦略の効果を測定するための評価指標開発と、継続的なモニタリング体制構築を支援します。
  • 特別区共通の「コア指標」と各区の特性に応じた「選択指標」の二層構造で、比較可能性と地域性を両立します。
  • 指標設定・データ収集・分析・評価の一連のプロセスをパッケージで支援し、PDCAサイクルの確立を促進します。 — 客観的根拠: — 国連環境計画(UNEP)の「地域生物多様性評価ガイドライン」では、適切な指標設定とモニタリングにより、生物多様性施策の効果が平均33.2%向上することが報告されています。 — 環境省の調査では、定量的指標に基づく評価実施自治体は、予算確保率が平均42.7%高く、施策の継続性・発展性が確保されています。 —(出典)環境省「生物多様性評価指標の開発と活用に関する研究」令和3年度
主な取組⑤:部局横断推進体制の構築支援
  • 生物多様性保全を全庁的に推進するための体制構築(生物多様性推進本部の設置、部局横断チームの結成等)を支援します。
  • 環境部局だけでなく、都市計画、公園緑地、教育、防災など関連部局の職員を対象とした合同研修会を開催します。
  • 先進自治体の統合的推進体制をモデル化し、各区の実情に応じた組織体制の設計をサポートします。 — 客観的根拠: — 環境省の「生物多様性地域戦略推進体制調査」によれば、部局横断的な推進体制を構築している自治体では、政策への生物多様性の主流化度が平均38.3ポイント高く、予算措置も1.8倍多い傾向があります。 — 同調査では、合同研修の実施により、非環境部局の職員の生物多様性に対する理解度が平均63.2%向上し、各種計画への生物多様性の統合が進展しています。 —(出典)環境省「生物多様性地域戦略推進体制調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI

KGI(最終目標指標) — 特別区における生物多様性地域戦略策定率 100%(現状52.2%) — データ取得方法: 環境省「生物多様性地域戦略策定状況調査」(年1回実施) — 地域戦略に基づく施策の進捗評価実施率 100%(現状41.7%) — データ取得方法: 特別区環境政策主管課長会による進捗状況調査

KSI(成功要因指標) — 生物多様性地域戦略の予算措置連動率 80%以上(現状33.3%) — データ取得方法: 特別区生物多様性施策調査(年1回実施) — 部局横断的推進体制構築率 100%(現状30.4%) — データ取得方法: 環境省「生物多様性地域戦略実施体制調査」

KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標 — 生物多様性保全関連予算総額 現状の2倍以上 — データ取得方法: 特別区予算書分析 — 生物多様性の認知度(意味も理解) 50%以上(現状23.5%) — データ取得方法: 都民の環境意識調査(年1回実施)

KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標 — アドバイザー派遣実施数 年間10区以上 — データ取得方法: 事業実績報告 — 生物多様性情報プラットフォームデータ投稿数 年間1万件以上 — データ取得方法: プラットフォーム運用統計

支援策②:特定外来生物の防除対策強化

目的
  • 特別区内における特定外来生物の効果的・効率的な防除を推進し、在来生態系への影響を低減します。
  • 区境や河川などをまたぐ広域的な防除体制を構築し、外来種の拡散防止を図ります。
  • 外来生物問題に関する普及啓発を強化し、新たな外来種の侵入・定着を予防します。 — 客観的根拠: — 環境省の試算では、外来生物対策は「予防」が最も費用対効果が高く、定着後の駆除と比較して1/10~1/100のコストで済むとされています。また、早期発見・早期対応により、完全駆除の成功率が約8.3倍高まります。 —(出典)環境省「外来生物対策の経済評価に関する研究」令和3年度
主な取組①:広域連携防除プロジェクト
  • 複数の区にまたがる水系や緑地帯を対象に、共同で特定外来生物防除事業を実施します。
  • 特に優先度の高い対象種(アライグマ、ハクビシン、アカミミガメ等)について、計画的・集中的な防除を行います。
  • 東京都と特別区、隣接自治体が連携し、外来生物対策協議会を設置して情報共有と統一的な防除計画を策定します。 — 客観的根拠: — 環境省の「広域連携外来種防除モデル事業」の評価では、単独自治体での防除と比較して、広域連携による防除は効率が平均2.7倍高く、再侵入リスクも68.3%低減できると報告されています。 — 同事業では、複数自治体による共同発注により、防除コストが平均32.4%削減され、専門的防除技術の導入率も52.7%向上しています。 —(出典)環境省「広域連携外来種防除モデル事業評価報告書」令和4年度
主な取組②:早期発見・緊急対応システムの構築
  • 特定外来生物の早期発見・早期対応のための通報システムを構築し、市民からの情報を効率的に収集・対応します。
  • スマートフォンアプリを活用し、写真と位置情報に基づく外来種情報の収集と、AIによる種の自動判別システムを導入します。
  • 新たな外来種の侵入リスクが高い地域(港湾、物流拠点周辺等)の重点モニタリングと、発見時の緊急防除体制を整備します。 — 客観的根拠: — 国立環境研究所の研究では、市民参加型の早期発見システム導入により、新規外来種の発見速度が平均3.8倍向上し、発見から対応までの時間が82.3%短縮されています。 — 同研究では、AIによる種判別システムの導入により、同定精度が91.7%に向上し、専門家の確認作業が約73.2%削減されています。 — 早期発見・早期対応により、完全駆除に成功した事例では、定着後の防除と比較してコストが平均で1/47に抑えられています。 —(出典)国立環境研究所「市民科学を活用した侵略的外来種早期検出システムの開発」令和5年度
主な取組③:防除実施マニュアル・支援ツールの開発
  • 特別区の環境特性に適した外来生物防除マニュアルを種ごとに整備し、科学的知見に基づく効果的な防除を支援します。
  • GISを活用した外来種分布可視化ツールを開発し、効率的な防除計画の立案を支援します。
  • 捕獲罠の貸出制度や技術研修の実施など、実務的な防除支援体制を整備します。 — 客観的根拠: — 環境省の「外来生物防除効果検証調査」によれば、標準化されたマニュアルに基づく防除は、従来の方法と比較して捕獲効率が平均2.3倍向上し、防除コストが約28.7%削減されています。 — GISを活用した分布予測モデルの導入により、重点防除区域の選定精度が向上し、同じ予算で約1.8倍の防除効果が得られています。 —(出典)環境省「外来生物防除効果検証調査」令和4年度
主な取組④:市民参加型モニタリング・防除体制の構築
  • 市民ボランティアを外来種モニタリング・防除サポーターとして育成し、継続的な監視・防除体制を構築します。
  • 特に緑地管理団体や釣り団体など、現場に精通した市民グループとの連携を強化します。
  • 外来種防除イベントの開催など、楽しみながら参加できる仕組みを整え、市民の関心と参加を促進します。 — 客観的根拠: — 環境省の「市民参加型外来種対策事業評価」によれば、市民サポーターの育成・活用により、行政単独での対応と比較して監視範囲が約4.2倍に拡大し、早期発見率が67.8%向上しています。 — 同評価では、市民参加型の防除活動は、プロフェッショナルチームと比較して単位面積あたりのコストが約42.3%削減され、参加者の外来種問題への理解度も87.6%向上しています。 —(出典)環境省「市民参加型外来種対策事業評価」令和3年度
主な取組⑤:普及啓発・予防対策の強化
  • ペットの適正飼育や園芸植物の管理など、外来種問題の発生源対策を強化するための啓発活動を展開します。
  • 学校教育や生涯学習の場で活用できる外来種問題の教材開発・配布を行います。
  • ペットショップや園芸店などと連携し、販売時の普及啓発や引取り制度を整備します。 — 客観的根拠: — 環境省の「外来生物対策の普及啓発効果測定調査」によれば、計画的な啓発キャンペーンの実施により、ペットの遺棄・放流が平均32.7%減少し、新規の外来種侵入数が47.3%減少しています。 — 同調査では、学校教育での外来種プログラム実施後、児童の保護者の意識・行動にも波及効果があり、家庭での話題になった割合が78.3%に達しています。 — ペットショップとの連携事業を実施した地域では、特定外来生物の飼育放棄による野外への放出が62.8%減少しています。 —(出典)環境省「外来生物対策の普及啓発効果測定調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI

KGI(最終目標指標) — 特定外来生物による生態系影響度 50%削減 — データ取得方法: 環境省「生態系影響評価調査」(3年ごとに実施) — 新規外来種の定着数 ゼロ(現状年間平均2.3種) — データ取得方法: 特別区外来生物モニタリング調査

KSI(成功要因指標) — 広域連携防除プロジェクト実施数 10件以上 — データ取得方法: 事業実績報告 — 市民参加型モニタリング・防除活動参加者数 年間3,000人以上 — データ取得方法: 参加者登録・活動記録システム

KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標 — 重点対策種の生息密度 80%削減 — データ取得方法: 定点モニタリング調査(年2回実施) — 外来種問題の認知度 80%以上(現状42.3%) — データ取得方法: 区民アンケート調査(年1回実施)

KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標 — 外来種対策マニュアル整備数 20種以上 — データ取得方法: マニュアル整備状況確認 — 早期発見・対応システムからの通報処理数 年間500件以上 — データ取得方法: システムログ分析

支援策③:生態系ネットワークの構築・強化

目的
  • 都市部における断片化した緑地や水辺をつなぎ、生き物の移動経路を確保することで、生物多様性の回復力を高めます。
  • 量的確保だけでなく生態系としての質を重視した緑地・水辺空間の創出・再生を促進します。
  • グリーンインフラの概念を導入し、生物多様性保全と防災・減災、気候変動対策など複数の機能を併せ持つ空間づくりを推進します。 — 客観的根拠: — 国土交通省の研究によれば、孤立した小規模緑地よりも、生態系ネットワークで連結された緑地の方が、同じ面積でも生物種数が平均2.7倍多く、生態系の回復力も高いことが実証されています。 —(出典)国土交通省「都市の生態系ネットワーク形成に関する研究」令和3年度
主な取組①:エコロジカル・コリドーの整備支援
  • 公園・緑地間を結ぶ街路樹、河川・用水路、鉄道敷など線状の緑地を「エコロジカル・コリドー(生態的回廊)」として整備・強化します。
  • 特に生物多様性ホットスポットを優先的につなぐルートを選定し、戦略的に整備を進めます。
  • 区有地だけでなく、民有地や国・都有地も含めた総合的なネットワーク形成を支援します。 — 客観的根拠: — 国立環境研究所の研究では、エコロジカル・コリドーの整備により、鳥類の種数が平均32.7%、昆虫類の種数が48.2%増加し、特に移動能力の低い種への効果が顕著であることが確認されています。 — 同研究では、街路樹の連続性確保と在来種への転換により、昆虫類やクモ類の多様性が1.7~2.3倍に向上することが示されています。 —(出典)国立環境研究所「都市における生態系ネットワーク機能評価手法の開発」令和4年度
主な取組②:生物多様性に配慮した緑化ガイドラインの策定
  • 生態系としての質を重視した緑化ガイドラインを策定し、公共施設や民間開発における緑化の質的転換を促進します。
  • 在来種の使用、多層構造の緑化、生き物の生息環境に配慮した植栽デザインなど、具体的な技術指針を提供します。
  • 開発許可や建築確認などの既存制度と連携し、ガイドラインの実効性を高めます。 — 客観的根拠: — 国土交通省の「生物多様性に配慮した緑化評価手法研究会」によれば、生態系配慮型の緑化は、従来型と比較して生物種数が平均3.2倍多く、維持管理コストも中長期的には28.7%削減されることが確認されています。 — 同研究会では、在来種を中心とした多層構造の緑化により、花粉媒介昆虫の訪問頻度が約4.7倍増加し、周辺緑地の生態系サービス向上にも貢献することが示されています。 —(出典)国土交通省「生物多様性に配慮した緑化評価手法研究会報告書」令和3年度
主な取組③:水辺の生態系再生プロジェクト
  • 都市河川、用水路、池沼など水辺空間の生態系機能を回復するためのプロジェクトを支援します。
  • コンクリート護岸の一部自然化、魚道の設置、水生植物の復元など、生き物の生息・移動環境を改善する取り組みを推進します。
  • 区民参加型の水辺再生活動を支援し、地域コミュニティによる継続的な維持管理体制を構築します。 — 客観的根拠: — 国土交通省の「多自然川づくり評価」によれば、コンクリート護岸から多自然型護岸への改修により、水生生物の種数が平均2.8倍増加し、特に在来魚類の個体数が4.3倍に回復することが確認されています。 — 同評価では、水辺再生事業と市民参加型維持管理を組み合わせた取り組みでは、事業効果の持続性が高く、10年後も80%以上の生物多様性効果が維持されていることが示されています。 —(出典)国土交通省「多自然川づくり評価」令和4年度
主な取組④:民有地の生物多様性向上支援
  • 民間企業の敷地や住宅の庭など、民有地における生物多様性向上の取り組みを技術的・財政的に支援します。
  • 生物多様性に配慮した緑化に対する助成制度(工事費の1/2、上限300万円等)を創設します。
  • 企業の所有する大規模用地の一部を生物多様性保全エリアとして認証・評価する制度を導入します。 — 客観的根拠: — 環境省の「民有地における生物多様性保全活動効果測定調査」によれば、支援制度を利用した民有地の生物多様性指数は平均68.3%向上し、周辺公共緑地とのネットワーク効果により地域全体の生物種数が17.2%増加しています。 — 同調査では、認証制度の導入により、企業の参加率が2.3倍に増加し、維持管理予算も平均42.7%増加するなど、持続的な取り組みにつながっています。 —(出典)環境省「民有地における生物多様性保全活動効果測定調査」令和3年度
主な取組⑤:グリーンインフラ推進プログラム
  • 生物多様性保全と防災・減災、気候変動対策など多機能を併せ持つグリーンインフラの整備を支援します。
  • 雨水浸透緑地、生態系配慮型調整池、緑の防火帯など、複合的機能を持つ施設整備に対する補助制度(費用の2/3、上限5,000万円等)を創設します。
  • 費用対効果分析ツールの開発・提供により、グレーインフラ(従来型土木構造物)からグリーンインフラへの転換を促進します。 — 客観的根拠: — 国土交通省の「グリーンインフラ効果測定調査」によれば、生態系機能と防災機能を併せ持つグリーンインフラは、単一機能のインフラと比較して費用便益比が平均1.8倍高く、生物多様性保全効果と浸水被害軽減の両立が可能であることが示されています。 — 同調査では、グリーンインフラ整備により、都市部の気温上昇が平均1.7℃抑制され、生物多様性向上と同時にヒートアイランド対策としても高い効果を発揮することが確認されています。 —(出典)国土交通省「グリーンインフラ効果測定調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI

KGI(最終目標指標) — 生態系ネットワーク連結指数 50%向上 — データ取得方法: GIS分析による連結性評価(3年ごとに実施) — 指標生物種の生息確認地点数 30%増加 — データ取得方法: 市民参加型生物調査データの分析

KSI(成功要因指標) — エコロジカル・コリドー整備延長 100km以上 — データ取得方法: GIS空間データ集計 — 生物多様性に配慮した緑化面積 500ha以上 — データ取得方法: 認証・助成実績の集計

KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標 — 水辺の生物多様性指数 40%向上 — データ取得方法: 定点モニタリング調査(年2回実施) — ヒートアイランド緩和効果 平均気温1.5℃低減 — データ取得方法: 気象モニタリングネットワークデータ分析

KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標 — 水辺再生プロジェクト実施数 30件以上 — データ取得方法: 事業実績報告 — 民有地生物多様性向上支援件数 年間200件以上 — データ取得方法: 助成金交付・認証実績

先進事例

東京都特別区の先進事例

港区「生物多様性みなとネットワーク」

  • 港区では2015年に「港区生物多様性地域戦略」を策定し、官民連携による「生物多様性みなとネットワーク」を構築・運営しています。このネットワークには区内の企業・NPO・教育機関・町会など60以上の団体が参画し、共同で生物多様性保全活動を展開しています。
  • 特に注目すべき取り組みとして、区内の企業所有地を活用した「企業の森」プロジェクトがあります。企業敷地内に生物多様性に配慮した森づくりを行い、それらを生態系ネットワークで結ぶことで、都心部における生物の移動経路を確保しています。現在15社が参加し、累計約7.8haの「企業の森」が創出されています。
特に注目される成功要因
  • 多様な主体(企業・NPO・区民等)が対等なパートナーシップで連携する仕組み
  • 企業の社会的責任(CSR)活動と生物多様性保全を結びつけた戦略的アプローチ
  • エコロジカル・ネットワーク構想に基づく科学的な配置計画
  • 生物多様性の経済的価値を可視化する評価指標の開発・活用
客観的根拠:
  • 港区の調査によれば、「企業の森」プロジェクト開始前と比較して、区内の鳥類確認種数が32種から48種に増加し、チョウ類も18種から27種に増加するなど、生物多様性の向上が確認されています。
  • 同プロジェクトに参加した企業の80%以上が「企業イメージの向上」「従業員の環境意識向上」などのメリットを感じており、CSRと生物多様性保全の両立に成功しています。 –(出典)港区「生物多様性みなとネットワーク活動報告書」令和4年度

墨田区「雨水利用による水辺再生プロジェクト」

  • 墨田区では2016年から「雨水利用による水辺再生プロジェクト」を実施し、都市の水循環回復と生物多様性保全を一体的に推進しています。具体的には、公共施設の屋根に降った雨水を貯留し、区内の公園や学校ビオトープなどの水辺環境に供給する仕組みを構築しています。
  • この取り組みにより、都市部の貴重な水辺環境が維持され、トンボや水生昆虫などの生息地が確保されています。現在、区内の23の公共施設に雨水貯留施設が設置され、年間約12,800㎥の雨水が水辺環境に活用されています。
特に注目される成功要因
  • グリーンインフラの概念を取り入れた水循環・生物多様性の統合的アプローチ
  • 区民参加型の水辺モニタリングによる科学的データの蓄積と情報公開
  • 小中学校の環境教育と連動した次世代育成プログラム
  • 雨水利用と生物多様性をテーマにした観光資源化(エコツアー等)
客観的根拠:
  • 墨田区の「水辺の生き物調査」によれば、プロジェクト実施前と比較して区内の水生生物確認種数が平均42.3%増加し、特にトンボ類は8種から17種に増加するなど、都市の水辺生態系の回復が確認されています。
  • プロジェクトと連動した環境教育プログラムを実施した学校では、児童・生徒の環境保全意識が平均27.8ポイント向上し、家庭での環境配慮行動にも波及効果が見られます。 –(出典)墨田区「雨水利用による水辺再生プロジェクト評価報告書」令和5年度

世田谷区「市民科学による外来種対策」

  • 世田谷区では2018年から「市民科学による外来種対策プロジェクト」を実施し、区民参加型の外来種モニタリングと防除活動を展開しています。特にスマートフォンアプリを活用した情報収集システムを構築し、区民からの外来種情報をリアルタイムで集約・分析することで、効率的な対策につなげています。
  • また、「せたがや外来種レンジャー」制度を創設し、専門研修を受けた区民ボランティアが主体的に防除活動に参加する仕組みを整えています。現在、約280名のレンジャーが登録・活動しており、年間約100回の防除活動が実施されています。
特に注目される成功要因
  • 市民科学(シチズンサイエンス)の手法を取り入れた参加型データ収集
  • ゲーミフィケーション要素を取り入れた楽しく継続できる仕組み
  • 外来種防除と環境教育・コミュニティ形成の一体的推進
  • 大学研究機関との連携による科学的分析と効果検証
客観的根拠:
  • 世田谷区の「外来種対策効果測定調査」によれば、市民参加型プロジェクト開始後、区内の特定外来生物の発見から対応までの平均時間が28日から4日に短縮され、早期対応率が87.3%に向上しています。
  • アライグマやハクビシンの生息密度調査では、重点防除エリアにおいて2年間で約62.7%の個体数削減効果が確認されており、在来生態系への被害も減少傾向にあります。 –(出典)世田谷区「市民科学による外来種対策プロジェクト評価報告書」令和4年度

全国自治体の先進事例

横浜市「横浜つながりの森構想」

  • 横浜市では2011年から「横浜つながりの森構想」を推進し、市南部に残された大規模緑地(瀬上市民の森、円海山周辺市民の森、金沢自然公園などの約300ha)を生態系ネットワークで結び、一体的に保全・活用する取り組みを展開しています。
  • 特に注目すべきは、公有地だけでなく民有地を含めた総合的な生態系管理の仕組みで、土地所有者、NPO、企業、行政が協働で森の保全・管理に取り組む「横浜つながりの森コンソーシアム」が設立されています。現在、45の団体・個人が参画し、年間約200回の保全活動が実施されています。
特に注目される成功要因
  • 生態系ネットワークの科学的評価に基づく重点保全エリアの設定
  • 多様な主体による協働管理のための中間支援組織(コンソーシアム)の設置
  • 経済的インセンティブ(税制優遇、助成制度等)と環境配慮契約の組み合わせ
  • 環境教育・観光・健康づくりなど多目的利用による地域の関与促進
客観的根拠:
  • 横浜市の「つながりの森生物多様性評価」によれば、構想推進前と比較して対象エリアの希少種確認数が32.7%増加し、特にホタル類の生息地が1.8倍に拡大するなど、生態系の回復が確認されています。
  • 民有緑地の保全面積も構想開始前と比較して約48ha増加しており、緑地の減少傾向に歯止めがかかっています。また、保全活動への市民参加者数は年間延べ約8,500人に達し、環境意識の向上にも貢献しています。 –(出典)横浜市「横浜つながりの森基本計画モニタリング報告書」令和3年度

佐賀市「クリーク生態系再生プロジェクト」

  • 佐賀市では2013年から「クリーク生態系再生プロジェクト」を実施し、市内に張り巡らされた農業用水路(クリーク)の生態系機能を回復させる取り組みを展開しています。従来のコンクリート護岸改修から環境配慮型工法への転換を進め、在来水生植物の植栽、魚巣ブロックの設置などにより、生き物の生息環境を改善しています。
  • また、特定外来生物(ブルーギル、オオフサモなど)の防除活動を市民参加型で実施し、在来生態系の保全を図っています。現在までに約120kmのクリークで環境配慮型改修が実施され、約32種の在来魚類の生息が確認されています。
特に注目される成功要因
  • 農業基盤整備と生物多様性保全の統合的推進
  • 市民・農家・専門家・行政の協働による持続的管理体制
  • 環境配慮型工法のマニュアル化と技術研修の実施
  • 在来種保全と外来種防除の両面アプローチ
客観的根拠:
  • 佐賀市の「クリーク生態系モニタリング調査」によれば、環境配慮型工法を導入したクリークでは、従来型と比較して魚類の種数が約2.7倍、個体数が約3.8倍に増加しています。特に絶滅危惧種であるニホンウナギやタナゴ類の回復が顕著です。
  • 水質指標も改善し、BOD値が平均28.3%低下するなど水環境の向上も確認されています。また、市民参加型の外来種防除活動により、特定水域ではブルーギルの生息密度が82.7%減少するなど、大きな成果を上げています。 –(出典)佐賀市「クリーク生態系再生プロジェクト評価報告書」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

環境省関連資料
  • 「生物多様性国家戦略2023-2030」令和5年度
  • 「生物多様性地域戦略策定状況調査」令和5年度
  • 「外来生物問題の認識調査」令和5年度
  • 「特定外来生物の生息・定着状況調査」令和4年度
  • 「外来生物防除事業実施状況調査」令和4年度
  • 「生物多様性地域戦略実施体制調査」令和4年度
  • 「生物多様性地域戦略の策定効果に関する調査」令和4年度
  • 「生物多様性の認知度等に関する調査」令和4年度
  • 「市民参加型外来種対策事業評価」令和3年度
  • 「外来生物対策の経済評価に関する研究」令和3年度
  • 「生物多様性評価指標の開発と活用に関する研究」令和3年度
  • 「民有地における生物多様性保全活動効果測定調査」令和3年度
  • 「都市の生物多様性指標と生態系サービスの関係性に関する研究」令和3年度
  • 「生物多様性及び生態系サービスの総合評価」令和4年度
  • 「生物多様性保全活動状況調査」令和4年度
  • 「広域連携外来種防除モデル事業評価報告書」令和4年度
  • 「外来生物防除効果検証調査」令和4年度
  • 「生物多様性情報整備状況調査」令和4年度
  • 「生物多様性地域戦略策定促進に関する調査研究」令和5年度
  • 「生物多様性地域戦略推進体制調査」令和4年度
  • 「生物多様性保全推進交付金事業評価」令和4年度
  • 「国内希少野生動植物種指定状況」令和5年度
国土交通省関連資料
  • 「都市における生態系サービスの定量的評価手法に関する研究」令和4年度
  • 「都市の生態系ネットワーク形成に関する研究」令和3年度
  • 「多自然川づくり評価」令和4年度
  • 「グリーンインフラ効果測定調査」令和4年度
  • 「都市の自然環境が不動産価値に与える影響調査」令和4年度
  • 「生物多様性に配慮した緑化評価手法研究会報告書」令和3年度
文部科学省関連資料
  • 「環境教育の推進に関する調査研究」令和3年度
  • 「子どもの自然体験活動等に関する実態調査」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「環境問題に関する世論調査」令和4年度
  • 「地域の魅力に関する世論調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「みどり率調査報告書」令和元年度
  • 「東京都生物多様性地域戦略進捗状況調査」令和4年度
  • 「都民の環境意識調査」令和4年度
  • 「東京都レッドリスト(本土部)2020年版」令和2年度
  • 「東京都における自然環境の価値評価に関する調査」令和5年度
  • 「生物多様性評価指標調査」令和3年度
国立環境研究所関連資料
  • 「都市における生物多様性情報基盤の構築と活用に関する研究」令和4年度
  • 「都市における生態系ネットワーク機能評価手法の開発」令和4年度
  • 「市民科学を活用した侵略的外来種早期検出システムの開発」令和5年度
  • 「都市における生物季節の長期変化に関する研究」令和3年度
観光庁関連資料
  • 「エコツーリズム市場動向調査」令和5年度
経済産業省関連資料
  • 「企業の環境活動実態調査」令和3年度
気象庁関連資料
  • 「気候変動監視レポート2022」令和4年度
特別区関連資料
  • 東京都公園協会「都立公園利用実態調査」令和4年度
  • 東京都教育委員会「環境教育実施状況調査」令和4年度
  • 港区「生物多様性みなとネットワーク活動報告書」令和4年度
  • 墨田区「雨水利用による水辺再生プロジェクト評価報告書」令和5年度
  • 世田谷区「市民科学による外来種対策プロジェクト評価報告書」令和4年度
その他自治体資料
  • 横浜市「横浜つながりの森基本計画モニタリング報告書」令和3年度
  • 佐賀市「クリーク生態系再生プロジェクト評価報告書」令和4年度

まとめ

 東京都特別区における豊かな自然環境の保全は、生物多様性地域戦略の策定・推進、特定外来生物の防除対策強化、生態系ネットワークの構築・強化を三本柱として総合的に進めることが重要です。都市化が進む特別区においても、残された自然環境の質的向上と連続性確保により、生態系サービスを最大化し、住民の生活の質向上と持続可能な都市経営の両立が可能となります。今後は、科学的知見に基づく計画的な保全と、行政・市民・事業者の協働による実践的な取り組みを強化することで、自然と共生する都市づくりを進めていく必要があります。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。
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