【東京都】水害時の損害調査結果を罹災証明に活用:都が損保2社と協定
はじめに
※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。
概要
東京都は令和8年9月14日、三井住友海上火災保険と水害時の損害調査結果の提供・利用に関する協定を結びました。同社が保険金の算定のために集めた被害状況の分かる写真などの調査情報を区市町村に提供し、罹災証明書の発行を迅速化することが目的とされています。水害時の情報提供に関して都が損害保険会社と協定を結ぶのは初めてと報じられており、都は今後、他の損害保険会社との連携も検討するとしていました。
その4日後の令和8年9月18日には、都はあいおいニッセイ同和損害保険とも「損害調査結果の提供及び利用に関する協定」を締結しました。都の発表によれば、この協定は水災により生活基盤に被害を受けた住民の早期の生活再建を支援することを目的とし、保険会社が実施する損害調査の結果を都内の区市町村に提供して、区市町村がそのデータを罹災証明書の交付に活用する枠組みです。所管は総務局総合防災部防災管理課です。短期間のうちに2社目との協定に至ったことは、都がこの枠組みを一社限りの取組ではなく、複数の損害保険会社に広げていく方針であることを示しています。
報道によれば、三井住友海上との協定の対象は、水害で被害を受けた木造やプレハブの住宅のうち、浸水の深さなどの情報から被害認定が可能なものです。情報は契約者本人の同意を得たうえで活用されます。罹災証明書の発行は区市町村の業務であり、通常は自治体職員が個別に実施している被害認定調査の負担軽減も見込まれています。
特別区の実務にとって、この協定は受け手としての準備を問うものです。協定を結んだのは都ですが、提供されたデータを使って罹災証明書を交付するのは区です。データが届いたときに、それを被害認定の判断にどう組み込み、どの手順で審査し、住民への説明をどう行うかは、区の側で決めておかなければなりません。協定の効果が現れるかどうかは、区の受け入れ体制に左右されると考えられます。
意義
罹災証明が生活再建の入口であること
罹災証明書は、災害によって住家が受けた被害の程度を市町村長が証明する書面です。災害対策基本法第90条の2第1項は、市町村長は、災害の被災者から申請があったときは、遅滞なく、住家の被害その他当該市町村長が定める種類の被害の状況を調査し、罹災証明書を交付しなければならないと定めています。
被災者にとって、罹災証明書は各種の支援を受けるための入口となる書面です。証明書が手元に届くまでの期間は、そのまま生活再建の手続きに着手できない期間になります。交付を早めることは、事務の効率化にとどまらず、被災者の生活再建の時間軸を前に倒すことを意味します。都があいおいニッセイ同和損害保険との協定の目的を早期の生活再建の支援と明記していることも、この位置づけに沿ったものです。
民間が既に持つ情報を行政が使う
水害が起きると、損害保険会社は保険金の支払いのために契約者の住宅の被害を調査します。自治体もまた、罹災証明書を交付するために同じ住宅の被害を調査します。同じ住宅に、目的の異なる二つの調査が入っているのが従来の姿でした。
今回の協定は、この重複に着目したものです。保険会社の調査で撮影された写真や、そこから読み取れる浸水の深さといった情報を、契約者の同意を得て自治体が利用できるようにすれば、自治体は現地に行かずに判定できる住宅を増やせます。民間が既に取得している情報を、同意という手続きを介して公的な判断に転用する構図であり、行政が自ら情報を集める以外の選択肢を制度化した点に意義があります。
都が仲介することの意味
損害保険会社と自治体の協定は、これまでも市町村単位で結ばれてきました。今回の特徴は、都道府県である東京都が協定の当事者となり、都内の区市町村へのデータ提供を枠組みとして整えた点にあります。
区市町村が個別に保険会社と協定を結ぶ方式では、協定の有無や内容が団体ごとに異なり、保険会社の側も多数の自治体と個別に調整しなければなりません。都が一括して協定を結べば、都内のどの区市町村で被災した場合でも同じ条件でデータが提供される状態を作りやすくなります。広域での水害では被害が複数の区市にまたがるため、条件の統一には実務上の意味があると考えられます。
歴史・経過
罹災証明の交付と調査の効率化
罹災証明書の交付は災害対策基本法に位置づけられた市町村長の義務です。一方で、大規模災害では被害を受けた住家の数が膨大になり、調査に要する人員と時間が交付の遅れにつながってきました。
内閣府は住家被害認定の運用指針と、調査の実施体制に関する手引きを定め、改定を重ねてきました。現在の最新版は、運用指針が令和8年6月、実施体制の手引きが令和7年5月のものです。手引きによれば、災害発生から1か月程度を目処に調査を行い、初回の罹災証明書を交付する事例が多いとされています。
写真と浸水深による判定の制度化
水害の被害認定には、段階を分けた調査の仕組みがあります。手引きでは、第1次調査は外観の損傷状況と浸水深を目視により把握するもので、膨大な量の住家被害を迅速に調査・判定するために設けられた方法と説明されています。木造やプレハブの戸建て住家などでは、浸水の深さに応じて被害の程度を判定する基準が運用指針に定められています。
写真の活用も制度に組み込まれてきました。手引きは、必要に応じて航空写真、被災者が撮影した住家の写真、応急危険度判定の結果などを活用するなど、適切な手法により調査を実施するとしています。運用指針も、写真等を活用することが調査の効率化・迅速化に資すると判断される場合には、写真等を活用して判定することが可能であるとしたうえで、写真等からだけでは判定できない場合には現地調査を行うこととしています。
今回の協定は、この制度の延長線上にあります。浸水深による判定と写真の活用という二つの仕組みが既にあるからこそ、保険会社の調査写真から浸水深を読み取り、第1次調査に相当する判定を行うという運用が成り立つと考えられます。協定の対象が浸水の深さなどから被害認定が可能な住宅に限られているのも、この制度上の枠組みに合わせたものと理解できます。
損害保険会社と自治体の協定の広がり
三井住友海上は、これまでも市町村との間で損害調査結果の提供及び利用に関する協定を結んできました。例えば和歌山県海南市は令和6年10月9日に同社と協定を結んでおり、情報提供に同意した被災者の住家等の損害調査情報を、市が行う住家の被害認定調査に活用して罹災証明書の迅速な発行につなげるとしています。静岡県牧之原市や藤枝市、福島県矢吹町、沖縄県豊見城市なども同種の協定を公表しており、県の単位では熊本県が同社と覚書を交わした例があります。
技術面の検証も進められてきました。令和7年7月には、通信事業者や保険会社など5社が京都府と京都府精華町の協力を得て、損害保険の調査データを被災者生活再建支援システムに連携させ、自治体が現地調査を行わずに罹災証明書を発行できるかを確かめる概念実証を行っています。
東京都と三井住友海上の間には、平成29年7月13日に締結された包括連携協定があり、防災・減災は連携分野の一つに位置づけられていました。今回の協定は、この包括的な連携を具体的な業務の枠組みに落とし込んだものと見ることもできます。
現状データ
被害認定調査に要する人員と時間
内閣府の手引きは、被害認定調査の体制について、1班あたり調査員2人から3人を基本構成とし、1班の1日あたりの調査のペースを第1次調査で10棟から15棟程度、第2次調査で3棟から5棟程度としています。
この数値から単純に計算すると、第1次調査で1万棟を調べるには、延べ667班日から1,000班日程度が必要になります。1班を2人から3人とすれば、延べ1,300人日から3,000人日程度の人員が調査だけに充てられる計算です。実際には移動や資料整理、第2次調査への振り分けも発生するため、所要の人員はさらに増える可能性があります。大規模な水害が起きた局面で、区の職員がこの規模の人員を被害認定調査に振り向けることは容易ではありません。
罹災証明書の交付までの期間については、災害発生から1か月程度を目処に初回の交付を行う事例が多いとされています。調査の一部を現地に行かずに済ませられれば、この期間を短縮できる余地が生まれます。
実証で示された迅速化の幅
令和7年7月の概念実証では、現地調査では1件につき15分から30分程度の時間を要するのに対し、損害保険の調査データを連携させた仕組みでは30分で10件の判定ができたとされ、約5倍から10倍の迅速化が認められたと報告されています。
ただし、この数値は判定作業そのものの時間の比較であり、罹災証明書の交付までの全工程が同じ比率で短縮されることを示すものではありません。申請の受付、データの突合、判定結果の確認、証明書の発行といった工程は残ります。また、概念実証は限られた条件のもとで行われたものであり、実際の大規模災害で同じ効果が得られるかは、運用を通じて確かめる必要があります。
協定の対象と限界
報道によれば、三井住友海上との協定の対象は、水害で被害を受けた木造やプレハブの住宅のうち、浸水の深さなどの情報から被害認定が可能なものに限られます。浸水深だけでは判定できない損傷がある住宅や、共同住宅の各戸といった類型は、引き続き自治体による調査が必要になる可能性があります。
データが提供されるのは、保険契約があり、かつ契約者が同意した住宅に限られます。保険に加入していない世帯や、同意しなかった世帯の住宅は対象外です。協定によって自治体の調査がすべて不要になるわけではなく、調査対象の一部を現地調査から切り離せるという効果にとどまります。どの程度の割合を切り離せるかは、区域内の住宅の構造や保険の加入状況によって異なると考えられます。
東京都の住宅の構成を見ると、令和5年住宅・土地統計調査では、居住世帯のある住宅723万5,400戸のうち共同住宅が71.6%を占め、一戸建は26.3%にとどまります。全国では共同住宅が44.9%、一戸建が52.7%であり、東京都は共同住宅の比率が際立って高い地域です。協定の対象が木造やプレハブの住宅のうち浸水深などから判定可能なものとされていることを踏まえると、都内では協定によって現地調査を省ける住宅の割合が、戸建ての多い地域より小さくなる可能性があります。
被害の程度の区分そのものは運用指針に定められており、損害割合に応じて、全壊が50%以上、大規模半壊が40%以上50%未満、中規模半壊が30%以上40%未満、半壊が20%以上30%未満、準半壊が10%以上20%未満、それ未満が準半壊に至らない(一部損壊)とされています。保険会社のデータを使う場合でも、判定はこの区分に当てはめて自治体が行うことになります。
政策立案の示唆
この取組を行政が行う理由
第一の理由は、罹災証明書の交付が遅れることの被災者への影響の大きさです。証明書は各種の支援の入口であり、交付が遅れるほど生活再建の着手も遅れます。調査の人員が限られるなかで交付を早めるには、調査の方法そのものを変える必要があります。
第二の理由は、情報の重複の解消です。保険会社と自治体が同じ住宅を別々に調査するのは、社会全体で見れば二重の手間です。保険会社の調査は保険金の算定を目的とし、自治体の調査は被害の程度の証明を目的とするため、目的は異なりますが、浸水深や被害状況の写真という素材は共通しています。共通する素材を共有できれば、二重の手間を減らせます。
第三の理由は、広域災害への備えです。大規模な水害では被害が複数の区市にまたがり、各団体が同時に調査の人員不足に直面します。他の自治体からの応援職員にも限りがあるなかで、民間の調査資源を活用できる仕組みを平時に整えておくことは、広域災害への備えとして合理性があります。
行政側の意図
第一の意図は、区市町村の調査負担を軽減することだと考えられます。報道でも、自治体職員が個別に実施している被害認定調査の負担軽減が見込まれるとされています。都が協定の当事者となり、区市町村にデータを提供する構造をとったのは、罹災証明書の交付主体である区市町村を支援する意図の表れと読めます。
第二の意図は、協定の相手を広げることです。三井住友海上との締結から4日後にあいおいニッセイ同和損害保険との協定を結んだことは、都がこの枠組みを複数の保険会社に展開する方針であることを示しています。保険会社ごとに契約者が異なる以上、協定先が増えるほど、データが提供される住宅の割合は高まります。
第三の意図は、契約者の同意を前提とすることで、個人情報の取扱いに関する懸念に先回りすることです。保険会社が持つ情報は契約者の個人情報であり、本人の同意なく自治体に提供することには慎重であるべきです。同意を条件とする設計は、利用範囲を限定する代わりに、制度の正当性を確保するものと考えられます。
期待される効果
最も直接的に期待されるのは、罹災証明書の交付までの期間の短縮です。現地調査を要する住宅の一部を切り離せれば、調査の人員をより判定の難しい住宅に振り向けられます。概念実証で示された判定作業の迅速化の幅は、交付期間全体の短縮にも一定の寄与をすると考えられます。
次に、調査に従事する職員の負担軽減が見込まれます。大規模災害の直後は、避難所の運営や物資の配布、各種の相談対応など、職員に求められる業務が集中します。被害認定調査の一部を省力化できれば、他の災害対応業務に人員を回せる余地が生まれます。
さらに、判定の根拠が記録として残りやすくなる効果もあります。保険会社の調査写真は、撮影日時や撮影箇所が整理された形で提供されると考えられます。後に被災者から判定への疑問が寄せられた場合にも、根拠となった写真を示して説明できる可能性があります。
課題・次のステップ
第一の課題は、同意の取得の仕組みです。データの提供は契約者本人の同意が前提とされていますが、同意をいつ、どのように取得するのかによって、提供されるデータの量が大きく変わります。被災直後の混乱のなかで個別に同意を取り付けるのか、保険契約の時点であらかじめ同意を得ておくのかといった設計は、提供の実効性を左右すると考えられます。
第二の課題は、提供されたデータの取扱いです。区は、受け取ったデータを被害認定にどう組み込むか、判定結果を誰がどう確認するかを決めておく必要があります。運用指針は、写真等からだけでは判定できない場合には現地調査を行うこととしており、データを機械的に判定結果に置き換えることは想定されていません。データに基づく判定と現地調査の振り分け基準を、平時に定めておくことが求められます。
第三の課題は、判定の公平性です。保険に加入している世帯は保険会社のデータにより早く証明書を受け取れる一方、加入していない世帯は従来どおり現地調査を待つことになります。交付の早さに差が生じること自体は避けがたいものの、その差が支援の内容の差につながらないよう、説明の仕方を含めて配慮が必要です。判定の基準そのものはどちらの方法でも同じであることを、住民に分かりやすく伝える工夫が求められます。
第四の課題は、システムの連携です。概念実証では損害保険の調査データを被災者生活再建支援システムに連携させる方式が検証されましたが、区ごとに利用しているシステムは異なります。都を経由してデータが提供される場合に、区のシステムへどのような形式で取り込むのかは、実際の運用に向けて詰めるべき事項です。
第五の課題は、対象外となる住宅への対応です。共同住宅の各戸や、浸水深だけでは判定できない損傷がある住宅など、協定の対象とならない類型は少なくありません。東京都は住宅に占める共同住宅の比率が71.6%と全国の44.9%を大きく上回っており、協定の効果が戸建て中心の地域ほどには現れない可能性があります。協定の効果を過大に見積もらず、従来の調査体制の整備と並行して進める必要があります。
特別区への示唆
第一の示唆は、受け手としての準備を始めることです。協定は都が結びましたが、罹災証明書の交付主体は区です。データがどの経路で、どの形式で届き、区のどの部署が受け取り、誰が判定し、どう証明書の交付につなげるのか。この一連の流れを区の業務手順に書き込んでおかなければ、協定は災害時に機能しません。被害認定の業務マニュアルや受援計画に、損害保険会社のデータの取扱いを追記することが最初の一歩になると考えられます。
第二の示唆は、判定の振り分け基準をあらかじめ定めておくことです。提供されたデータで判定できる住宅と、現地調査が必要な住宅を分ける基準がなければ、担当者ごとに判断がばらつきます。運用指針が写真等の活用を認めつつ、判定できない場合は現地調査を求めていることを踏まえ、どの条件なら写真で判定し、どの条件なら現地に行くかを区として整理しておくことが求められます。
第三の示唆は、地域の住宅構造に応じた効果の見積もりです。協定の対象は木造やプレハブの住宅のうち浸水深などから判定可能なものとされています。共同住宅の多い地域と戸建ての多い地域では、協定によって現地調査を省ける割合が大きく異なるはずです。自区の浸水想定区域内の住宅の構造別の内訳を把握し、協定でどの程度の調査を省力化できるかを見積もっておけば、残る調査に必要な人員を現実的に計画できます。
第四の示唆は、住民への事前周知です。データの提供は契約者の同意が前提であり、同意の仕組みを住民が知らなければ活用は進みません。保険会社からの案内に加えて、区の側からも、水害時に保険会社の調査結果を罹災証明書に活用できる仕組みがあること、そのためには同意が必要であることを周知しておくことが、協定の効果を高めると考えられます。
第五の示唆は、民間の情報を行政の判断に使うという発想の応用です。今回の協定は、保険会社が既に持つ情報を、同意を介して公的な判断に転用する仕組みです。同じ構図は、他の分野にも応用できる可能性があります。民間事業者が業務の過程で取得している情報のうち、行政の判断に使えるものは何か。その情報を、本人の同意や法令上の根拠のもとで、どう共有できるか。こうした問いを立てることは、限られた職員で行政需要に応える方法を考えるうえで、有効な視点になると考えられます。
まとめ
東京都は令和8年9月14日に三井住友海上火災保険と、同月18日にあいおいニッセイ同和損害保険と、水害時の損害調査結果の提供と利用に関する協定を相次いで締結しました。保険会社が保険金の算定のために実施した損害調査の結果を、契約者本人の同意を得て都内の区市町村に提供し、区市町村が罹災証明書の交付に活用する枠組みです。水害時の情報提供に関して都が損害保険会社と協定を結ぶのは初めてと報じられており、都は他の損害保険会社との連携も検討するとしています。
この協定が成り立つ背景には、住家被害認定の制度の蓄積があります。内閣府の手引きは、第1次調査を外観の損傷状況と浸水深を目視で把握する迅速な調査方法と位置づけ、航空写真や被災者が撮影した写真の活用も認めてきました。運用指針も、写真等の活用が効率化・迅速化に資すると判断される場合には写真等による判定を可能とし、写真等だけでは判定できない場合には現地調査を行うこととしています。保険会社の調査写真から浸水深を読み取って判定する運用は、この枠組みの延長にあります。
期待される効果は、罹災証明書の交付までの期間の短縮と、調査に従事する職員の負担軽減です。手引きが示す調査のペースは、第1次調査で1班1日10棟から15棟程度であり、大規模な水害では膨大な人員が必要になります。概念実証では判定作業が約5倍から10倍迅速化したと報告されていますが、これは判定作業そのものの比較であり、交付までの全工程が同じ比率で短縮されるわけではありません。協定の対象は木造やプレハブの住宅のうち浸水深などから判定可能なものに限られ、保険に加入していない世帯や同意しなかった世帯の住宅も対象外です。
特別区にとっての要点は、協定の当事者は都でも、罹災証明書の交付主体は区だということです。データがどの経路で届き、誰が受け取り、どの基準で写真による判定と現地調査を振り分けるのか。これを平時に業務手順へ書き込んでおかなければ、協定は災害時に機能しません。共同住宅の比率が高い地域では協定の効果が限られる可能性もあるため、自区の住宅構造に応じて効果を見積もり、従来の調査体制の整備と並行して進めることが現実的な対応になると考えられます。民間が既に持つ情報を同意を介して公的な判断に使うという発想は、罹災証明に限らず、限られた職員で行政需要に応えるための一つの方法を示しています。




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