10 総務

はじめての公有財産管理課

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。

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業務の意義

区民の総有財産を次世代へ引き継ぐ守護者

 特別区における公有財産管理課(管財課などと呼ばれることもあります)は、区が保有するすべての土地、建物、そして地上権や特許権といった無体財産権に至るまで、莫大な「公有財産」の権利を保全し、適正に管理する極めて重要な中枢部署です。これらの財産は、すべて過去から現在に至るまでの区民の皆様の血税によって取得され、維持されてきた「区民の総有財産」です。私たちは、この巨大な資産が不法に占拠されたり、境界が曖昧になって権利が失われたりすることのないよう、不動産登記や台帳管理を厳格に行い、1平米の土地、1円の価値も損なうことなく、確実な形で次の世代へと引き継ぐ「財産の守護者」としての重い使命を帯びています。

財源を生み出す「稼ぐ行政」の最前線

 これまでの自治体は、土地や建物を「保有すること」自体を目的とし、一度取得した財産はそのまま持ち続けるのが一般的でした。しかし、厳しい財政状況が続く現代においては、保有する資産を最大限に活用して新たな財源を生み出す「PRE(Public Real Estate:公的不動産)戦略」が不可欠となっています。公有財産管理課は、使われなくなった土地(未利用地)や建物を洗い出し、民間企業へ売却したり、定期借地権を設定して貸し付けたりすることで、数千万から数十億円規模の歳入を直接的に生み出す「稼ぐ行政」の最前線に立っています。私たちの不動産戦略一つで、区の財政状況が大きく好転するほどのダイナミックな影響力を持っています。

全庁の資産を俯瞰するファシリティマネジメントの司令塔

 区役所には、学校、公園、保育園、道路など、用途ごとに数多くの施設が存在し、それぞれ別の所管課が管理しています。しかし、個別最適にとらわれていては、区全体の資産の無駄に気づくことはできません。「隣り合う別々の施設を一つに統合できないか」「老朽化したこの建物は、改修するよりも民間施設の一部を借りた方が安いのではないか」といった、全庁的な視点でのファシリティマネジメント(公共施設等総合管理)を牽引するのが公有財産管理課です。各部署の縄張りを越え、区全体の資産ポートフォリオを最適化する司令塔としての役割が求められています。

根拠法令

地方自治法(公有財産の管理及び処分)

 公有財産を扱う上で、最も根幹となる絶対的なルールです。地方自治法第238条以降において、公有財産は「行政財産(庁舎や学校など、行政目的に直接使う財産)」と「普通財産(行政目的に使わず、売却や貸付が可能な財産)」の二つに厳格に区分されています。行政財産は原則として貸し付けたり売却したりすることができないなど、区分によって取り扱いのルールが全く異なります。公有財産管理課の職員は、この区分と運用制限の法理を熟知し、各所管課が適法に財産を利用できるよう指導する権限と責任を持っています。

民法および不動産登記法

 公有財産といえども、隣接する民有地との関係や、売買・貸借の契約においては、私法である「民法」が適用されます。境界に関する相隣関係、所有権の移転、賃貸借契約のルールなど、民法の深い理解が不可欠です。また、区の財産としての権利を第三者に対抗(法的に主張)するためには、「不動産登記法」に基づく正確な登記が絶対条件となります。法務局を相手に、所有権移転登記や分筆登記などの手続きを遅滞なく、かつ正確に行うための専門的な法的知識が求められます。

各区の公有財産規則および財産交換譲与無償貸付等条例

 地方自治法に基づく大原則の下、各区が独自に定めている財産管理のバイブルです。公有財産台帳の整備方法、財産を取得したり処分したりする際の区長の決裁ルート、そしてどのような場合に財産を無償または減額して貸し付けることができるのか(財産交換譲与無償貸付等条例)といった、日々の実務に直結する細かいルールが網羅されています。適正な財産管理を行うための、最も身近で強力な根拠規定となります。

歴史・経過

人口急増期の用地買収と施設建設ラッシュ

 昭和の高度経済成長期から人口急増期にかけて、自治体は急増する区民の行政需要に応えるため、学校、公営住宅、清掃工場などを建設するための「土地」を猛烈な勢いで買い集めました。この時代の公有財産管理課(または用地課など)の主な役割は、地権者と交渉して必要な用地を取得し、次々と新しい施設を建設していくスクラップ・アンド・ビルドの権利調整を下支えすることでした。この時期に取得された膨大な財産が、現在の各区の公有財産の大半を占めています。

バブル崩壊と未利用地の塩漬け問題

 平成に入りバブル経済が崩壊すると、自治体の財政は急速に悪化しました。かつて将来の公共施設用地として高値で先行取得したものの、財政難や計画の変更によって使い道がなくなった「未利用地」が区内に多数点在することになりました。これらの土地は、雑草が生い茂り、不法投棄の温床となるなど、いわゆる「塩漬けの土地」として議会や区民から厳しく批判されるようになりました。この時代、公有財産管理課は、不良債権化した未利用地の処分と適正管理という、極めて重苦しい課題に直面することになりました。

PRE戦略の台頭と民間活力の導入

 近年、公共施設の老朽化が一斉に進む一方で、人口減少社会を迎え、これ以上の施設を維持することは財政的に不可能となっています。そこで登場したのが、国が主導する「公共施設等総合管理計画」の策定と、PRE戦略です。現在の公有財産管理課は、単に土地を売却するだけでなく、定期借地権を用いて民間企業に土地を貸し、そこに区民向けのスーパーや保育園を併設してもらうなど、民間資金等の活用による公共施設整備(PPP/PFI)の手法を駆使して、区の財産を「地域の活性化」へと直接的につなげる、極めて戦略的で高度な不動産マネジメントを実践する時代へと進化しています。

標準的な業務フロー

公有財産の取得と不動産登記

権利関係の精査と確実な保全

 道路を広げたり、新たな公園を造ったりするために、各事業部門が民間から土地を買い取った際、その最終的な権利の保全を行うのが公有財産管理課です。売買契約書や登記承諾書に不備がないかを厳重にチェックし、抵当権などの複雑な権利関係が確実に抹消されているかを確認した上で、管轄の法務局へ所有権移転登記を嘱託します。登記が完了して初めて、その土地は名実ともに「区の財産」として確定します。

公有財産台帳の整備と現況把握

一元的なデータ管理と実地調査

 区が所有するすべての土地(面積、取得価格、地目など)や建物(構造、延床面積、耐用年数など)の情報を一元的に記録した「公有財産台帳」を管理します。この台帳は、区の貸借対照表(バランスシート)の基礎となる極めて重要な法定帳簿です。台帳上の数字と現地の状況にズレが生じないよう、各所管課からの異動報告を厳格に審査し、時には自ら現地へ赴いて境界標の有無や建物の現況を調査し、正確なデータへのアップデートを絶え間なく行います。

境界確定と官民境界のトラブル解決

ミリ単位の権利調整と歴史の紐解き

 公有財産(区道や区有地)と、それに隣接する民有地との境界が不明確な場合、隣接する土地の所有者と現地で立ち会い、境界線をミリ単位で決定する「境界確定」を行います。これは、過去の公図や古い航空写真、時には明治時代の地券まで遡って歴史を紐解き、地権者同士の激しい利害の対立を法的な根拠に基づいて調整していく、極めて専門性が高く、泥臭い交渉を伴う業務です。境界が確定しなければ、民間の建築計画もストップしてしまうため、迅速かつ公平な判断が求められます。

目的外使用許可と普通財産の貸付

適正な使用料の徴収と財産の有効活用

 区民の皆様の財産である土地や建物は、タダで使わせることはできません。例えば、区立公園の地下に電力会社がケーブルを通す場合や、庁舎の屋上に携帯電話の基地局を設置する場合など、本来の行政目的以外で使用するケースでは、「行政財産の目的外使用許可」を与え、条例に基づき厳格に計算された使用料を徴収します。また、用途が廃止された「普通財産」については、地域の町会に無償で貸し付けたり、民間企業に有償で貸し付けたりするための契約事務を統括し、区の貴重な財源を確保します。

未利用財産の処分(売却)と有効活用

不動産鑑定と一般競争入札の執行

 将来にわたって行政目的で使用する見込みのない未利用地(普通財産)を特定し、売却手続きを進めます。不動産鑑定士に評価を依頼して適正な「予定価格」を算定し、一般競争入札を実施して最高価格の入札者に売却します。単に高く売るだけでなく、地域の住環境に悪影響を及ぼすような乱開発を防ぐため、事前に「用途指定(例えば、一定規模の戸建て住宅しか建てられないなど)」を付して売却するなど、都市計画と連動した戦略的な処分を行います。

まとめ

土地と建物に歴史を刻み未来を拓く皆様へ

 新たに公有財産管理課へと配属された皆様、ご着任おめでとうございます。管財の仕事は、一見すると図面と台帳ばかりを相手にする地味な業務に見えるかもしれません。しかしその実態は、隣地所有者との境界をめぐる怒号飛び交う現場での立ち会いや、長年にわたって区有地を不法に占拠し続ける相手に対する毅然とした法的措置(明け渡し訴訟など)といった、非常に泥臭く、精神的なタフさが求められる修羅場の連続です。他部署の職員から「手続きが細かすぎる」「早く使わせてくれ」と急かされても、法的な根拠なき特例は絶対に認めないという、孤独な戦いを強いられることもあるでしょう。しかし、どうか誇りを持ってください。土地は決して逃げませんが、権利は人が守らなければいとも簡単に失われます。皆様が図面に引くその一本の境界線が、皆様が法務局へ届けるその一枚の登記簿が、区民の莫大な財産を不当な侵奪から守り抜き、この自治体の揺るぎない財政基盤を根底で支えているのです。さらに、皆様の斬新なアイデアと不動産戦略が、使われていなかった空き地を活気あふれる区民の憩いの場へと変え、数億円という巨大な財源を生み出して未来の子どもたちの教育や福祉へと直結していく、これほどダイナミックで夢のある仕事は他にありません。初めは民法や不動産登記法の難解な専門用語に圧倒されるかもしれませんが、自らの足で現地を歩き、土地の持つ歴史とポテンシャルを感じ取る感性を磨いていってください。皆様の厳格なコンプライアンス意識と、未来を見据えた不動産プロデュースの力が、この街の財産価値を飛躍的に高めていくことを心より期待し、全力で応援しております。

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