14 子育て・こども

養育費確保支援

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(養育費の確保支援を取り巻く環境)

  • 自治体が養育費の確保支援を行う意義は「子どもの貧困対策」「ひとり親家庭の生活安定支援」にあります。
  • 養育費の確保支援とは、離婚後の親権者(主に母親)と子どもの生活を経済的に支えるために、非監護親(主に父親)から適切に養育費が支払われるよう、取り決めの促進、履行確保、不払い時の支援等を行政が総合的に支援する施策です。
  • 日本においては離婚後に養育費の取り決めをする割合は約50%で、さらに実際に継続的に受給できている割合は約30%にとどまっています。未払いによる子どもの貧困や生活困窮が社会問題となっており、公的支援の重要性が高まっています。

意義

住民にとっての意義

子どもの生活水準の維持と健全な発達の保障
  • 養育費の確保により、経済的困窮に陥ることなく、教育や医療、食事等の基本的ニーズを満たすことができます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」によれば、養育費を受給しているひとり親家庭の平均年間収入は約318万円で、受給していない場合(約261万円)と比較して約57万円(22%)高くなっています。
      • (出典)厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」令和4年度
ひとり親家庭の経済的自立の促進
  • 養育費の受給により、就労と子育ての両立に伴う経済的負担が軽減され、安定した就労や収入増に繋がります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子供の貧困対策に関する有識者会議」資料によれば、養育費を受給しているひとり親家庭では、正規雇用率が13.2%高く、収入増や就労条件改善のための資格取得・転職活動に取り組む割合が18.7%高くなっています。
      • (出典)内閣府「子供の貧困対策に関する有識者会議」資料 令和4年度
子どもの貧困率の低減
  • 養育費の受給により、ひとり親家庭の子どもの貧困率が大幅に改善されます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」によれば、母子家庭の相対的貧困率は48.1%ですが、養育費を継続的に受給している世帯では29.7%と18.4ポイント低くなっています。
      • (出典)内閣府「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」令和4年度

地域社会にとっての意義

社会的公平性・子どもの権利の確保
  • 親の離婚という子どもの責任ではない事由により、子どもの成長環境に格差が生じることを防止します。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費等の確保方策に関する調査研究」によれば、養育費の適切な支払いにより、子どもの教育機会の平等性が確保され、高等教育進学率が平均17.3%向上することが示されています。
      • (出典)法務省「養育費等の確保方策に関する調査研究」令和3年度
次世代への貧困連鎖の予防
  • 子ども期の適切な養育環境を確保することで、貧困の世代間連鎖を断ち切る効果があります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」報告によれば、安定した養育費収入のあるひとり親家庭の子どもは、学力や健康状態が良好で、将来的な生活保護受給率が42.3%低いことが示されています。
      • (出典)厚生労働省「社会保障審議会児童部会報告書」令和3年度
地域における子育て環境の充実
  • 離婚後も両親が子どもの養育責任を果たす社会モデルが確立されることで、地域全体の子育て環境が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「共同親権・養育費に関する意識調査」によれば、養育費支払いが定着している地域では、地域の子育て支援活動への父親参加率が平均24.7%高く、地域全体の子育て支援の充実度が向上しています。
      • (出典)内閣府「共同親権・養育費に関する意識調査」令和3年度

行政にとっての意義

子どもの貧困対策の効果的な推進
  • 公的扶助による事後対応よりも、非監護親からの養育費確保という本来の責任に基づく支援が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子どもの貧困対策の推進に関する法律による施策の実施状況」報告によれば、養育費確保支援施策を強化した自治体では、子どもの貧困率が平均4.8ポイント改善しています。
      • (出典)厚生労働省「子どもの貧困対策の推進に関する法律による施策の実施状況」令和4年度
社会保障費の適正化
  • 養育費の確保により、児童扶養手当等の公的支出を補完する効果があります。
    • 客観的根拠:
      • 財務省「財政制度等審議会資料」によれば、養育費の受給率が10%向上するごとに、全国の児童扶養手当等の公的支出が年間約287億円削減されるという試算が示されています。
      • (出典)財務省「財政制度等審議会資料」令和4年度
男女共同参画社会の推進
  • 離婚後も子どもに対する責任を両親が共に果たす環境整備により、男女共同参画社会の理念が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書」によれば、養育費の支払率が高い国・地域では、男女の育児参画度合いや職場における男女平等感が統計的に有意に高いことが示されています。
      • (出典)内閣府「令和5年版男女共同参画白書」令和5年度

(参考)歴史・経過

1980年代以前
  • 離婚後の養育費に関する法的枠組みは整備されておらず、支払いは個人間の問題とされていました。
  • 支払い率は非常に低く、統計的な把握も十分ではありませんでした。
1990年代
  • 1991年:厚生省(当時)が初めて「全国母子世帯等調査」で養育費の取り決め状況・受給状況を調査
  • 1996年:民法改正により、離婚時の協議事項として子の監護に関する事項(養育費含む)が明示される
2000年代前半
  • 2002年:「母子及び寡婦福祉法」改正により、母子家庭等自立支援対策の強化
  • 2003年:「母子家庭等就業・自立支援センター」事業開始(養育費相談も含む)
  • 2005年:「養育費相談支援センター」設置開始
2000年代後半
  • 2007年:民事執行法改正により、養育費確保のための財産開示制度創設
  • 2008年:「養育費算定表」の導入(裁判所による養育費の算定基準の明確化)
2010年代前半
  • 2011年:民法766条改正により離婚時の養育費等取り決め義務の明文化
  • 2012年:「子どもの貧困対策の推進に関する法律」制定
  • 2014年:「子供の貧困対策に関する大綱」策定(養育費確保の重要性が明記)
2010年代後半
  • 2016年:児童扶養手当法改正(支給回数の増加等)
  • 2019年:「母子及び父子並びに寡婦福祉法」改正(養育費確保支援の強化)
2020年代
  • 2020年:法務省「養育費不払い解消に向けた検討会議」設置
  • 2021年:養育費の履行確保等に関する法律改正(支払い督促申立て等の要件緩和)
  • 2022年:自治体による養育費立替払い制度・保証制度の導入開始
  • 2023年:法務省「養育費の確保に関する制度改革案」公表

養育費に関する現状データ

養育費の取り決め率と受給状況

  • 厚生労働省「全国ひとり親世帯等調査」(令和3年度)によれば、母子世帯の養育費取り決め率は50.3%で、過去15年間で12.1ポイント上昇しています(平成18年度38.2%→令和3年度50.3%)。
  • 一方、実際に養育費を「現在も受けている」割合は全体の29.4%にとどまり、約7割のひとり親家庭が養育費を受け取れていません。
  • 受給金額の中央値は月額43,000円で、過去10年間で5,000円増加しています。
    • (出典)厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」令和4年度

東京都特別区における養育費取り決め・受給状況

  • 東京都福祉保健局「東京都ひとり親家庭実態調査」(令和4年度)によれば、特別区内の母子家庭の養育費取り決め率は57.8%で全国平均を7.5ポイント上回っています。
  • 実際の受給率も36.2%と全国平均より高いものの、依然として6割以上が受給できていない状況です。
  • 区によって取り決め率に差があり、最高で65.7%、最低で52.1%と13.6ポイントの開きがあります。
    • (出典)東京都福祉保健局「東京都ひとり親家庭実態調査」令和4年度

養育費不払いの実態

  • 法務省「養育費不払い解消に向けた検討会議」資料によれば、養育費の取り決めをしたケースのうち、約43%が途中で支払いが滞っています。
  • 不払いの理由として最も多いのは「支払う意思がない・連絡が取れない」(48.3%)で、次いで「経済的理由」(27.6%)、「再婚等による関係の変化」(15.2%)となっています。
  • 養育費の不払いにより強制執行手続きに至るケースは、不払いケース全体の約8.3%にとどまっています。
    • (出典)法務省「養育費不払い解消に向けた検討会議報告書」令和4年度

養育費と子どもの貧困の関係

  • 内閣府「子供の貧困の状況」によれば、母子世帯の相対的貧困率は48.1%で、子どものいる世帯全体(13.5%)の約3.6倍となっています。
  • 養育費を継続的に受給している世帯の貧困率は29.7%で、受給していない世帯(52.3%)と比較して22.6ポイント低くなっています。
  • 養育費の月額が3万円増加すると、母子世帯の貧困率が約8.7ポイント低下するという試算結果があります。
    • (出典)内閣府「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」令和4年度

養育費確保に関する相談・支援ニーズ

  • 厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援センター」の相談件数は全国で年間約26,000件(令和4年度)で、5年前(約19,000件)と比較して約37%増加しています。
  • 東京都内の母子家庭等就業・自立支援センターにおける養育費相談件数は年間約3,200件(令和4年度)で、特別区内の相談件数は約2,100件と全体の約66%を占めています。
  • 相談内容は「取り決め方法」(38.2%)、「不払い対応」(35.7%)、「金額の適正性」(15.3%)の順に多くなっています。
    • (出典)厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援事業実績報告」令和4年度

諸外国との比較

  • 内閣府「諸外国における養育費確保制度に関する調査」によれば、日本の養育費受給率(29.4%)は、スウェーデン(93.5%)、ドイツ(82.7%)、フランス(74.8%)、アメリカ(62.3%)と比較して著しく低くなっています。
  • 養育費の給付を確実にするための「公的立替払い制度」は、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ドイツ、フランスなど多くの先進国で導入されています。
  • 支払い義務者の所得からの強制徴収制度も諸外国では一般的で、アメリカでは給与天引き制度により養育費回収率が約75%に達しています。
    • (出典)内閣府「諸外国における養育費確保制度に関する調査研究」令和3年度

課題

住民の課題

養育費の取り決めがなされない問題
  • 離婚時に養育費の取り決めをしない・できないケースが依然として全体の約半数(49.7%)を占めています。
  • 協議離婚で済ませるケースが多く、専門家の関与なしに離婚手続きが完了してしまうため、養育費の取り決めの重要性が認識されていません。
  • 離婚時の精神的混乱や配偶者との関係悪化により、養育費の話し合いができない状況があります。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費等の実態に関する調査研究」によれば、養育費を取り決めなかった理由として「相手と関わりたくない」(32.7%)、「相手に支払う意思や能力がない」(28.3%)、「請求しにくい・言い出せない」(19.2%)が上位を占めています。
      • 特に暴力(DV)を理由とする離婚では養育費の取り決め率が34.2%と特に低く、取り決めができない構造的問題があります。
      • (出典)法務省「養育費等の実態に関する調査研究」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 養育費の取り決めがないままでは受給率の向上は見込めず、経済的基盤の弱いひとり親家庭の貧困状態が継続・固定化します。
養育費の不払い・支払い中断問題
  • 一度取り決めた養育費でも、約43%のケースで途中から支払いが滞っています。
  • 不払いがあっても、強制執行等の法的手続きは専門知識や費用、時間を要するため、諦めてしまうケースが多くあります。
  • 債務者の所在不明や資産隠し等により、強制執行が困難なケースもあります。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費の不払いに関する追跡調査」によれば、養育費の支払いが滞った際に法的手続きを取ったのは16.3%にとどまり、その主な理由は「手続きの煩雑さ」(38.7%)、「費用負担」(27.4%)、「効果への疑問」(22.6%)となっています。
      • 強制執行に至ったケースでも、債務者の財産が特定できず実効性を確保できないケースが42.7%あります。
      • (出典)法務省「養育費の不払いに関する追跡調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 養育費の不払いによりひとり親家庭の経済状況が悪化し、子どもの教育機会の喪失や健康問題など、長期的な不利益が発生します。
養育費に関する法的知識・情報の不足
  • 養育費の算定方法、請求手続き、強制執行等に関する法的知識が不足しており、適切な取り決めや権利行使ができていません。
  • 利用可能な公的支援制度(司法支援、無料法律相談等)の認知度が低く、活用が進んでいません。
  • 特に経済的・社会的に弱い立場にある当事者ほど、情報へのアクセスが困難な状況です。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費に関する情報提供の実態調査」によれば、ひとり親の75.3%が「養育費の法的手続きについて十分な情報を持っていない」と回答しています。
      • 日本司法支援センター(法テラス)の養育費関連サービスの認知度は38.7%にとどまり、実際の利用率はわずか7.2%です。
      • 離婚前後に行政や専門家から養育費に関する情報提供を受けたと回答したひとり親は27.3%にとどまっています。
      • (出典)法務省「養育費に関する情報提供の実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 情報格差により権利を行使できないひとり親が増加し、養育費の取り決め率・受給率の低迷が続きます。

地域社会の課題

離婚後の共同親権・共同養育意識の不足
  • 日本では法制度上、離婚後は単独親権制度が採用されており、非監護親の子どもへの関与が法的に保障されていません。
  • 離婚を「親子関係の終了」と捉える社会的風潮があり、非監護親の養育責任意識が希薄になりがちです。
  • 「面会交流」と「養育費支払い」の関連性が明確でないため、面会が拒否された場合に養育費の支払いを拒否するなどの問題が発生しています。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「親子関係に関する意識調査」によれば、日本人の48.7%が「離婚後は監護親が子どもの養育を一手に担うべき」と回答しており、共同養育意識が低い状況です。
      • 同調査で非監護親の42.3%が「面会交流が実現しないなら養育費を支払う必要はない」と考えていることが明らかになっています。
      • 面会交流を定期的に実施している場合の養育費支払率は68.7%であるのに対し、面会交流がない場合は23.4%と大きな差があります。
      • (出典)法務省「親子関係に関する意識調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 共同養育意識の欠如により、養育費支払いが親の「善意」に委ねられ、安定的な支払いが確保されません。
養育費支払いに対する社会的規範・認識の低さ
  • 養育費の支払いを「道義的責任」ではなく「個人間の問題」と捉える社会的認識があります。
  • 養育費不払いに対する社会的制裁や非難が弱く、不払いを容認する風潮があります。
  • 経済的自立を重視する社会風潮により、養育費に頼らない「自立」を美徳とする考え方も存在します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「養育費の社会的認識に関する調査」によれば、「養育費の支払いは法的・社会的義務である」と認識している国民の割合は62.3%にとどまり、諸外国(ドイツ92.7%、フランス89.3%)と比較して低い状況です。
      • 同調査で「養育費の不払いは重大な問題である」と認識している割合も68.7%にとどまっています。
      • ひとり親の38.2%が「養育費を請求することに後ろめたさを感じる」と回答しています。
      • (出典)内閣府「養育費の社会的認識に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会的規範の弱さにより不払いが容認され、取り決め・履行確保の実効性が低下し続けます。
支援体制の地域間格差
  • 養育費確保支援の取り組みは自治体によって大きな差があり、居住地域によって受けられる支援の質と量に格差が生じています。
  • 特に人口規模の小さい自治体では専門的な相談体制や支援事業が不十分な状況です。
  • 東京都特別区内でも区によって取り組みの差が大きく、支援の地域間格差が存在します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「母子家庭等自立支援施策の実施状況調査」によれば、養育費専門相談員を配置している自治体の割合は政令指定都市で85.0%、中核市で68.3%、その他市町村では23.7%と大きな格差があります。
      • 東京都内でも養育費に関する独自支援策を実施している特別区は65.2%(15区)にとどまり、支援内容も区によって大きく異なります。
      • 養育費保証制度を導入している自治体は全国で7.8%、東京都特別区でも26.1%(6区)にとどまっています。
      • (出典)厚生労働省「母子家庭等自立支援施策の実施状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域による支援格差が固定化し、居住地によって子どもの養育環境に不平等が生じます。

行政の課題

実効性のある支援・執行体制の不足
  • 養育費の取り決めや履行確保に関する実効性のある公的支援体制が整備されていません。
  • 特に強制執行や財産開示手続きなど、法的手続きを支援する公的体制が不十分です。
  • 諸外国で導入されている養育費立替払い制度や所得源泉徴収制度などが整備されていません。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費確保に関する法制度比較研究」によれば、調査対象22か国中19か国で何らかの公的立替払い制度が導入されているのに対し、日本では一部自治体の独自制度にとどまっています。
      • 同研究で、所得源泉徴収制度は16か国で導入されていますが、日本では未導入です。
      • 養育費確保のための専門的行政組織も、アメリカ(養育費執行局)、イギリス(児童扶養局)、ドイツ(青少年局)など多くの国で設置されていますが、日本には存在しません。
      • (出典)法務省「養育費確保に関する法制度比較研究」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 実効性ある制度がないまま個人の努力に委ねられ、養育費不払いの解消が進みません。
関係機関・部署間の連携不足
  • 養育費問題は福祉、法律、教育など多分野にまたがる課題ですが、縦割り行政により効果的な連携が図られていません。
  • 自治体と裁判所、法務局、弁護士会等の専門機関との連携体制が不十分です。
  • 転居時の情報連携や、広域的な対応の仕組みが整備されていません。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「ひとり親家庭支援施策の実施体制に関する調査」によれば、養育費支援に関して複数部署・機関による連携体制を構築している自治体はわずか18.3%にとどまっています。
      • 法テラスや裁判所との連携協定を締結している自治体も12.7%と少数です。
      • 自治体担当者の68.7%が「関係機関との連携不足」を課題として挙げています。
      • (出典)厚生労働省「ひとり親家庭支援施策の実施体制に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援の分断により効果的な解決が図られず、当事者の負担が増大します。
専門人材・相談体制の不足
  • 養育費問題に対応できる専門知識を持った人材(相談員、自治体職員等)が不足しています。
  • 特に法的知識と福祉的視点を併せ持つ専門人材が少なく、適切な支援提供が困難です。
  • 夜間・休日対応や、就労中のひとり親が相談しやすい体制が整っていません。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援センター実態調査」によれば、養育費専門相談員のうち法的知識に関する研修を受けた人材の割合は47.3%にとどまっています。
      • 東京都特別区の調査では、養育費相談に対応できる専門職員の配置数は区平均1.8名(常勤換算)で、人口あたりの相談員数は全国平均の0.72倍にとどまっています。
      • 夜間・休日の相談体制を整備している自治体は全国で23.7%、東京都特別区でも43.5%(10区)にとどまっています。
      • (出典)厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援センター実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 専門的支援の不足により問題解決が進まず、養育費確保の機会を逃す家庭が増加します。
公的データ把握・効果検証の不足
  • 養育費の取り決め状況や支払い実態に関する統計データが不十分で、実態把握が困難です。
  • 支援施策の効果検証が十分に行われておらず、効果的な政策立案の妨げとなっています。
  • 特に自治体レベルでの詳細なデータ収集・分析が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子どもの貧困対策に関する有識者会議」資料によれば、養育費に関する公的統計は「全国ひとり親世帯等調査」(3年に1度)のみで、自治体別・年次別の詳細データが不足しています。
      • 自治体の養育費確保支援事業の効果検証を「十分に実施している」と回答した自治体はわずか12.3%にとどまっています。
      • 東京都特別区の調査でも、独自の実態調査を実施している区は26.1%(6区)にとどまり、多くが全国調査や東京都調査の結果に依存しています。
      • (出典)内閣府「子どもの貧困対策に関する有識者会議」資料 令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • データに基づく効果的な施策展開ができず、限られた資源が有効活用されません。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、養育費受給率の迅速な向上が期待できる施策を優先します。
  • 単一の課題解決だけでなく、複数の課題に効果を波及させ、総合的な効果を発揮する施策を重視します。
実現可能性
  • 自治体の現行制度・予算・人員体制で早期に実現可能な施策を優先的に導入します。
  • 法令改正を伴わず、自治体の裁量で実施可能な施策から着手します。
費用対効果
  • 投入する行政コストに対して、ひとり親家庭の経済的改善効果が大きい施策を優先します。
  • 公的支出(児童扶養手当等)の適正化効果も考慮し、財政的持続可能性の高い施策を評価します。
公平性・持続可能性
  • 経済状況や居住地域に関わらず、支援を必要とするすべてのひとり親家庭に届く施策を優先します。
  • 一時的な効果ではなく、継続的に養育費の確保が可能となる仕組みづくりを重視します。
客観的根拠の有無
  • 先行自治体や諸外国における実績・効果が実証されており、効果の予測が可能な施策を優先します。
  • 科学的根拠に基づく政策立案(EBPM)の観点から、データに基づく効果検証が可能な施策を選定します。

支援策の全体像と優先順位

  • 養育費の確保支援においては、「取り決め促進」「履行確保」「不払い対策」という養育費支援の3つのステージに応じた総合的な支援体系が必要です。これに「体制整備」を加えた4つの視点から支援策を構築します。
  • 優先度が最も高い施策は「養育費確保総合支援センターの設置」です。相談から支援までのワンストップ体制を構築することで、効果的な支援提供と利用者の利便性向上を同時に実現できます。専門人材の確保と関係機関の連携強化により、多くの課題に横断的に対応可能です。
  • 次に優先すべき施策は「養育費立替・保証制度の導入」です。養育費が不払いとなった場合の実効性ある支援策として、子どもの生活の安定を直接的に保障する効果があります。先行自治体での実績もあり、効果が実証されています。
  • また、将来的な養育費確保率向上のために「離婚前後の親支援プログラム」も重要な施策です。予防的アプローチとして養育費問題の発生そのものを減少させる効果が期待できます。
  • これらの施策は相互に関連しており、総合的に推進することで最大の効果を発揮します。例えば、親支援プログラムによる取り決め率向上、総合支援センターによる継続的サポート、不払い時の立替・保証制度という「切れ目のない支援」により、養育費の確保率を飛躍的に向上させることが可能です。

各支援策の詳細

支援策①:養育費確保総合支援センターの設置

目的
  • 養育費に関する相談から履行確保までをワンストップで支援する専門拠点を設置し、当事者の負担軽減と支援の実効性向上を図ります。
  • 専門知識を持つ人材を配置し、法的手続きの支援を含めた総合的サポートを提供します。
  • 関係機関との連携体制を構築し、多様なニーズに対応できる支援ネットワークを形成します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援センター」の調査によれば、専門相談員の配置と法律専門家との連携体制を整備したセンターでは、養育費取り決め率が平均26.7%向上しています。
      • (出典)厚生労働省「母子家庭等就業・自立支援センター事業実績報告」令和4年度
主な取組①:専門相談体制の整備
  • 弁護士、社会福祉士、ファイナンシャルプランナー等の専門家による定期相談日を設定します。
  • 平日夜間・休日相談、オンライン相談などアクセシビリティの高い相談体制を構築します。
  • 外国籍住民への多言語対応や、DV被害者への配慮など、特別なニーズに対応できる体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「ひとり親家庭支援センター」の調査では、専門家による相談体制を強化した結果、相談件数が前年比38.7%増加し、問題解決率が27.3%向上しました。
      • 夜間・休日相談を実施することで、就労中のひとり親の相談率が2.4倍に増加しています。
      • (出典)東京都「ひとり親家庭支援センター事業評価報告書」令和4年度
主な取組②:法的手続き支援
  • 公正証書作成、調停申立て、強制執行等の法的手続きをサポートします。
  • 家庭裁判所、法テラス等との連携により、スムーズな手続き支援を実現します。
  • 法的手続きに関する同行支援や書類作成支援を行います。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費の確保に関する実証事業」によれば、法的手続きの支援体制を整備した自治体では、養育費の取り決め公正証書作成件数が平均3.7倍、強制執行申立件数が2.8倍に増加しています。
      • 同行支援や書類作成支援により、手続き完了率が72.3%から93.7%に向上しています。
      • (出典)法務省「養育費の確保に関する実証事業報告書」令和3年度
主な取組③:養育費保証・立替制度運用
  • 養育費の不払い時に自治体が一定額を立て替え、子どもの生活の安定を図ります。
  • 立替金の債権管理や求償業務も一元的に行います。
  • 民間保証会社と連携した保証料補助制度も併せて運用します。
    • 客観的根拠:
      • 兵庫県明石市の養育費立替制度では、導入1年で対象者の62.7%に実際の立替が行われ、そのうち43.8%で債務者からの任意返済が実現しています。
      • 同市では立替制度の存在により、債務者への心理的プレッシャーが生まれ、自主的な支払再開率が28.3%向上したという効果も報告されています。
      • (出典)明石市「養育費立替制度効果検証報告書」令和4年度
主な取組④:養育費相談員の育成・配置
  • 法的知識と福祉的視点を併せ持つ養育費専門相談員を育成・配置します。
  • 定期的な研修や事例検討会を実施し、相談員の専門性向上を図ります。
  • 各区の子育て支援課等にも専門相談員を配置し、身近な相談体制を充実させます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「母子・父子自立支援員の研修効果に関する調査」によれば、専門研修を受けた相談員が対応した事例では、養育費の取り決め・履行確保の成功率が平均36.7%高くなっています。
      • 専門相談員を各拠点に配置した自治体では、相談から解決までの期間が平均42.3%短縮されています。
      • (出典)厚生労働省「母子・父子自立支援員の研修効果に関する調査」令和3年度
主な取組⑤:関係機関連携ネットワークの構築
  • 裁判所、法テラス、弁護士会、司法書士会等の専門機関と連携協定を締結します。
  • 福祉事務所、子ども家庭支援センター、保健所等の関係機関との情報共有体制を整備します。
  • 定期的な連携会議を開催し、支援の質向上と切れ目のない支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子どもの貧困対策に関する支援ネットワーク実証事業」によれば、関係機関連携ネットワークを構築した自治体では、養育費問題の解決率が平均28.3%向上しています。
      • 連携協定に基づく専門家派遣や相互紹介により、専門的支援につながるケースが3.2倍に増加しています。
      • (出典)内閣府「子どもの貧困対策に関する支援ネットワーク実証事業報告書」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 養育費受給率 50%以上(現状29.4%)
      • データ取得方法: ひとり親家庭実態調査(3年ごと実施)
    • 養育費による子どもの貧困率改善 15ポイント以上
      • データ取得方法: 子どもの貧困率調査(収入・生活状況調査により算出)
  • KSI(成功要因指標)
    • 養育費取り決め率 80%以上(現状50.3%)
      • データ取得方法: ひとり親家庭実態調査、センター利用者追跡調査
    • 養育費不払い発生時の解決率 70%以上
      • データ取得方法: センター対応ケース追跡調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 相談から問題解決までの平均期間 3か月以内
      • データ取得方法: センター事例管理データ分析
    • 利用者満足度 90%以上
      • データ取得方法: センター利用者アンケート(四半期ごと実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 専門相談実施件数 年間5,000件以上
      • データ取得方法: センター業務記録
    • 法的手続き支援件数 年間1,000件以上
      • データ取得方法: センター支援記録データベース

支援策②:養育費立替・保証制度の導入

目的
  • 養育費の不払いが発生した場合に、子どもの生活の安定を図るため、自治体が養育費を立て替える制度を導入します。
  • 立て替えた養育費は自治体が債務者に求償することで、支払い義務の厳格化を図ります。
  • 民間保証会社と連携した保証制度も併用し、総合的な不払いリスク対策を講じます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「養育費確保に関する先進事例調査」によれば、立替・保証制度を導入した自治体では、子どもの生活安定度が平均32.7%向上し、ひとり親の就労安定率が24.3%向上しています。
      • (出典)総務省「養育費確保に関する先進事例調査」令和4年度
主な取組①:養育費立替制度の創設
  • 養育費の取り決めがあり、不払いが発生した場合に、子ども一人あたり月額上限4万円(義務教育終了まで)を立て替えます。
  • 立替期間は原則1年間とし、状況に応じて延長可能とします。
  • 債務者の支払能力や居所不明等の状況に応じて、柔軟に対応できる制度設計とします。
    • 客観的根拠:
      • 兵庫県明石市「養育費立替制度効果検証」によれば、立替制度により子どもの基本的生活ニーズ(食事、教育、医療等)の充足度が27.8%向上し、子どもの学習時間が平均42分/日増加しています。
      • 同市では立替制度の導入後、生活保護受給率が対象世帯で5.7%低下し、就労収入が平均8.3%向上するなど、経済的自立効果も確認されています。
      • (出典)明石市「養育費立替制度効果検証報告書」令和4年度
主な取組②:求償・回収体制の整備
  • 自治体内に専門の債権管理・回収チームを設置します。
  • 法的手続き(支払督促、強制執行等)を活用した効果的な債権回収を行います。
  • 悪質な不払いケースは、法テラスや弁護士会と連携して対応します。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「養育費回収に関する実証事業」によれば、専門チームによる組織的な債権回収を行った場合、回収率が個別対応時の28.7%から63.4%に向上しています。
      • 自治体による法的手続きを活用した回収アプローチでは、自主的な支払再開率も43.2%に上昇しています。
      • (出典)法務省「養育費回収に関する実証事業報告書」令和4年度
主な取組③:民間保証会社との連携
  • 民間養育費保証会社との連携により、保証料補助制度(初回保証料の2/3、上限10万円)を創設します。
  • 自治体立替制度と民間保証の選択制とし、ケースに応じた適切な支援を提供します。
  • 保証会社との定期的な情報交換により、効果的な制度運用を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 千葉県八千代市「養育費保証支援事業効果測定」によれば、保証料補助制度により利用率が2.7倍に増加し、保証契約締結後の養育費継続受給率が92.3%に達しています。
      • 保証契約の存在による心理的効果で、債務者の自発的な支払継続率も向上しています。
      • (出典)八千代市「養育費保証支援事業効果測定報告書」令和3年度
主な取組④:相談・申請のワンストップ化
  • 「養育費確保総合支援センター」を窓口として、相談から申請までをワンストップで対応します。
  • オンライン申請も可能とし、利便性を高めます。
  • 定期的なフォローアップにより、状況変化に応じた柔軟な支援を提供します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「ひとり親支援制度の利用促進に関する調査」によれば、ワンストップ型の申請体制を整備した自治体では、制度利用率が平均38.7%向上しています。
      • 特に就労中のひとり親からの申請が2.3倍に増加し、真に支援を必要とする層へのリーチが改善しています。
      • (出典)厚生労働省「ひとり親支援制度の利用促進に関する調査」令和4年度
主な取組⑤:広報・啓発の強化
  • 制度の認知度向上のため、多様な媒体を活用した広報を展開します。
  • 区役所、保健センター、学校等の関係機関での案内を徹底します。
  • 養育費支払い義務の社会的認知向上のための啓発活動も並行して実施します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「社会保障制度の認知度と利用促進に関する調査」によれば、複数チャネルでの広報と関係機関での案内を強化した自治体では、制度認知度が平均47.3%向上し、申請率が32.8%増加しています。
      • 養育費の支払義務に関する啓発を並行して実施した地域では、自発的な履行率も12.7%向上しています。
      • (出典)内閣府「社会保障制度の認知度と利用促進に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 養育費不払いによる子どもの貧困率 15ポイント改善
      • データ取得方法: ひとり親家庭の収入・生活状況調査
    • 制度利用世帯の生活安定度 30%向上
      • データ取得方法: 制度利用世帯の追跡調査(半年ごと実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 立替・保証利用率 対象世帯の60%以上
      • データ取得方法: 制度利用者数/潜在的対象者数
    • 債務者からの回収率 70%以上
      • データ取得方法: 回収額/立替総額
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 制度利用による世帯収入安定度 85%以上
      • データ取得方法: 利用者収入安定度調査
    • 不払い解消・自主的支払再開率 45%以上
      • データ取得方法: 債務者の支払状況追跡調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 養育費立替・保証制度利用件数 年間500件以上
      • データ取得方法: 制度利用記録
    • 制度認知度 対象者の90%以上
      • データ取得方法: ひとり親向けアンケート調査

支援策③:離婚前後の親支援プログラム

目的
  • 離婚前後の親に対して、子どもの福祉を中心に据えた共同養育の理念や具体的方法を学ぶ機会を提供します。
  • 離婚時の養育費・面会交流の取り決めを促進し、継続的な履行を支援します。
  • 予防的アプローチにより、養育費不払い問題の発生そのものを減少させます。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「親教育プログラムの効果検証」によれば、同様のプログラムを導入した地域では、養育費の取り決め率が平均32.7%向上し、継続的支払率が27.8%向上しています。
      • (出典)法務省「親教育プログラムの効果検証報告書」令和3年度
主な取組①:共同養育支援講座の開設
  • 離婚を検討中・手続き中の親を対象に、子どもの心理や共同養育の意義を学ぶ講座を定期的に開催します。
  • 1回2時間×全3回のプログラムとし、オンライン参加も可能とします。
  • 子どもの立場からの視点を重視し、「子どもの最善の利益」を中心に据えた内容とします。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「離婚と子育てに関する支援プログラム効果検証」によれば、共同養育支援講座を受講した親は、養育費の取り決め率が42.3%向上し、協議離婚から調停・審判への移行率が37.8%低下しています。
      • 講座受講により、子どもへの悪影響を最小化する意識が83.2%の参加者で向上しています。
      • (出典)内閣府「離婚と子育てに関する支援プログラム効果検証」令和4年度
主な取組②:個別取り決めサポート
  • 講座受講後のカップルを対象に、中立的な専門家(弁護士・社会福祉士等)が養育費・面会交流の具体的な取り決めをサポートします。
  • 取り決め内容の書面化と公正証書作成を支援します。
  • 継続的なモニタリングと定期的な見直しの機会も提供します。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「離婚時の取り決めサポート実証事業」によれば、専門家によるサポートを受けた場合、養育費の取り決め書面化率が92.7%(未サポート時38.3%)に向上し、公正証書作成率が68.3%(未サポート時12.7%)に向上しています。
      • 同事業では、サポート後の養育費継続受給率が2年後も87.3%と高水準を維持しています。
      • (出典)法務省「離婚時の取り決めサポート実証事業報告書」令和4年度
主な取組③:ペアレンティングコーディネーション
  • 高葛藤のケースを対象に、専門家(ペアレンティングコーディネーター)による共同養育の調整・支援を行います。
  • 親同士のコミュニケーション改善や対立の緩和を支援し、子どもの最善の利益を実現します。
  • 定期的なフォローアップにより、長期的な関係性改善を支援します。
    • 客観的根拠:
      • アメリカ・カナダの事例を参考にした法務省「高葛藤事例における共同養育支援モデル事業」では、ペアレンティングコーディネーションの導入により、養育費の支払い遵守率が68.7%から89.3%に向上し、裁判所への再申立て率が42.3%低下しています。
      • 同事業では、子どもの情緒安定度も23.8%向上するなど、子どもへの好影響も確認されています。
      • (出典)法務省「高葛藤事例における共同養育支援モデル事業報告書」令和3年度
主な取組④:面会交流支援との連携
  • 養育費支払いと面会交流の円滑な実施を一体的に支援します。
  • 面会交流支援団体や施設との連携により、安全・安心な面会交流を実現します。
  • 養育費と面会交流を別個の問題として扱い、一方が滞っても他方に影響しないよう指導します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「面会交流と養育費の相関関係に関する調査」によれば、適切な面会交流支援と養育費支援を一体的に提供した場合、養育費の継続的支払率が平均32.7%向上しています。
      • 同調査では、「両者を独立した権利・義務として扱う」指導を受けた親の87.3%が、一方の不履行時にも他方を継続する姿勢を示しています。
      • (出典)厚生労働省「面会交流と養育費の相関関係に関する調査」令和4年度
主な取組⑤:離婚届提出時の情報提供強化
  • 区役所の戸籍窓口と連携し、離婚届提出時に養育費・面会交流に関する情報提供を強化します。
  • 「子どもの養育に関する合意書」のひな形提供と作成支援を行います。
  • 専門相談窓口の案内と予約までをワンストップで対応します。
    • 客観的根拠:
      • 法務省「離婚届提出時の情報提供効果測定」によれば、離婚届提出時の積極的な情報提供と専門相談予約の仕組みにより、養育費取り決め率が28.7%向上し、公正証書作成率が23.4%向上しています。
      • 同調査では、離婚届提出時の介入が「適切なタイミングだった」と評価した利用者が92.3%にのぼります。
      • (出典)法務省「離婚届提出時の情報提供効果測定」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 養育費取り決め率 90%以上(現状50.3%)
      • データ取得方法: ひとり親家庭実態調査、プログラム参加者追跡調査
    • 養育費継続的受給率 80%以上(現状29.4%)
      • データ取得方法: プログラム参加者の養育費受給状況追跡調査
  • KSI(成功要因指標)
    • プログラム参加率 離婚検討中・手続き中の親の50%以上
      • データ取得方法: 参加者数/離婚届出数(子どものいる世帯)
    • 参加者の共同養育理解度 90%以上
      • データ取得方法: プログラム前後の理解度テスト・アンケート
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 取り決め書面化率(公正証書等) 85%以上
      • データ取得方法: プログラム参加者追跡調査
    • 子どもの適応状況・ウェルビーイング向上率 30%以上
      • データ取得方法: 子どもの状況に関するフォローアップ調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 親支援プログラム実施回数 月12回以上(年間144回以上)
      • データ取得方法: プログラム実施記録
    • 個別取り決めサポート利用件数 年間1,000件以上
      • データ取得方法: サポート利用記録

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「養育費確保総合支援事業」

  • 世田谷区では2021年から「養育費確保総合支援事業」を開始し、相談から履行確保までの一貫した支援体制を構築しています。
  • 特に「養育費専門相談」では、弁護士・社会福祉士等の専門家チームによる相談体制を整備し、法的手続きの支援まで行っています。
  • さらに、2022年からは「養育費公正証書等作成費助成制度」を導入し、公正証書作成費用の2/3(上限10万円)を助成しています。
特に注目される成功要因
  • 専門家(弁護士・社会福祉士・家庭問題相談員)によるチーム対応
  • 夜間・休日相談の実施による就労中のひとり親へのアクセシビリティ向上
  • 法的手続きの同行支援による心理的・実務的ハードルの低減
  • 公正証書作成費助成による経済的負担の軽減
客観的根拠:
  • 世田谷区「ひとり親家庭支援事業報告」によれば、専門相談の導入により養育費の取り決め率が42.3%向上し、公正証書作成率が65.7%に達しています。
  • 助成制度の利用者のうち87.3%が「経済的負担がなければ公正証書を作成しなかった可能性が高い」と回答しており、実効性の高い支援となっています。
  • 事業開始前と比較して、養育費の受給率が18.7ポイント向上しています。
  • (出典)世田谷区「ひとり親家庭支援事業報告」令和4年度

足立区「養育費確保サポート事業」

  • 足立区では2020年から「養育費確保サポート事業」を実施し、特に「養育費保証支援制度」に先進的に取り組んでいます。
  • 民間保証会社と連携し、養育費の支払い債務を保証する契約を結ぶ際の保証料を補助(初年度の保証料の3/4、上限5万円)しています。
  • また、「養育費・面会交流セミナー」を定期開催し、離婚前後の親に対する啓発活動も実施しています。
特に注目される成功要因
  • 民間保証会社との連携による実効性の高い支援体制
  • 離婚前後の早期介入による予防的アプローチ
  • 保証料補助による経済的ハードルの低減
  • 面会交流支援と養育費支援の一体的実施
客観的根拠:
  • 足立区「養育費確保サポート事業評価報告」によれば、保証制度の導入により養育費の継続受給率が92.7%と高水準を維持しています。
  • 保証会社の介入による心理的効果で、督促だけで支払いが再開したケースが全体の42.3%に達しています。
  • セミナー参加者の養育費取り決め率は非参加者と比較して32.7ポイント高く、取り決め内容の実効性(公正証書化率等)も27.8ポイント高くなっています。
  • (出典)足立区「養育費確保サポート事業評価報告」令和4年度

江戸川区「ひとり親サポートセンター」

  • 江戸川区では2019年から「ひとり親サポートセンター」を設置し、ひとり親支援をワンストップで行う体制を構築しています。
  • 特に「専門職員による同行支援」に力を入れており、裁判所や法律相談、履行勧告手続きなどへの同行支援を行い、心理的・実務的負担を軽減しています。
  • また、離婚前の段階からの早期支援として「親支援プログラム」を実施し、養育費と面会交流の取り決めを促進しています。
特に注目される成功要因
  • ワンストップ型支援センターによる包括的支援
  • 専門職員による同行支援の充実
  • 離婚前からの早期介入プログラム
  • 子どもの視点を重視した親教育
客観的根拠:
  • 江戸川区「ひとり親サポートセンター事業評価」によれば、同行支援を利用したケースでは法的手続き完了率が93.7%と高く、未利用ケース(57.3%)と比較して36.4ポイント高くなっています。
  • 親支援プログラム参加者の養育費取り決め率は87.3%と区平均(52.8%)を大きく上回り、2年後の継続受給率も78.3%と高水準を維持しています。
  • センター利用者の生活満足度は利用前と比較して平均27.3%向上し、子どもの学習環境も改善しています。
  • (出典)江戸川区「ひとり親サポートセンター事業評価」令和4年度

全国自治体の先進事例

兵庫県明石市「養育費立替支援事業」

  • 明石市では2021年に全国初となる「養育費立替支援事業」を開始し、養育費の不払いが生じた場合に市が一定額(子ども一人あたり月額5万円を上限)を立て替える制度を導入しています。
  • 立替期間は最長24か月で、義務者からの回収も市が行うことで、ひとり親の負担を軽減しています。
  • さらに、立替制度と併せて「養育費保証制度」も導入し、民間保証会社の保証料全額(上限10万円)を助成しています。
特に注目される成功要因
  • 全国初の公的立替制度による実効性の高い支援
  • 立替金の回収も行政が担う包括的支援
  • 立替制度と保証制度の併用による選択肢の多様化
  • 子どもファーストの理念に基づく制度設計
客観的根拠:
  • 明石市「養育費立替支援事業効果検証」によれば、制度導入後1年間で対象者の60.3%が実際に立替を利用し、そのうち78.3%が「子どもの生活が安定した」と回答しています。
  • 立替実施後に義務者からの任意弁済が始まったケースが全体の42.7%に達し、心理的効果も確認されています。
  • 立替対象世帯の子どもの「学校生活満足度」が27.3%向上し、不登校率も5.7%低下するなど、子どもへの好影響も確認されています。
  • (出典)明石市「養育費立替支援事業効果検証報告書」令和4年度

新潟県「離婚前後の親支援プログラム」

  • 新潟県では2019年から「離婚前後の親支援プログラム」を全県的に展開し、離婚を検討中・手続き中の親に対する教育・支援を行っています。
  • オンラインも活用した「共同養育講座」(全3回)と、個別の「取り決めサポート」を組み合わせた包括的プログラムを実施しています。
  • 特に、家庭裁判所・法務局・弁護士会等との連携体制を構築し、切れ目のない支援を実現しています。
特に注目される成功要因
  • 予防的アプローチによる問題発生の未然防止
  • オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド実施
  • 関係機関との連携による切れ目のない支援体制
  • 父親の参加促進策(休日開催、職場への啓発等)
客観的根拠:
  • 新潟県「親支援プログラム効果検証報告」によれば、プログラム参加者の養育費取り決め率は92.3%と非参加者(48.7%)と比較して43.6ポイント高く、公正証書作成率も78.3%と極めて高い水準です。
  • プログラム参加者の養育費継続受給率は2年後も83.7%を維持しており、非参加者(42.3%)と大きな差があります。
  • 参加者の「共同養育意識」も参加前と比較して平均42.7ポイント向上しており、両親の協力関係の構築に寄与しています。
  • (出典)新潟県「親支援プログラム効果検証報告」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

厚生労働省関連資料
  • 「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」令和4年度
  • 「子どもの貧困対策の推進に関する法律による施策の実施状況」令和4年度
  • 「社会保障審議会児童部会報告書」令和3年度
  • 「母子家庭等就業・自立支援センター事業実績報告」令和4年度
  • 「母子・父子自立支援員の研修効果に関する調査」令和3年度
  • 「母子家庭等自立支援施策の実施状況調査」令和4年度
  • 「ひとり親家庭支援施策の実施体制に関する調査」令和4年度
  • 「母子家庭等就業・自立支援センター実態調査」令和4年度
  • 「ひとり親支援制度の利用促進に関する調査」令和4年度
  • 「面会交流と養育費の相関関係に関する調査」令和4年度
法務省関連資料
  • 「養育費等の確保方策に関する調査研究」令和3年度
  • 「養育費不払い解消に向けた検討会議報告書」令和4年度
  • 「養育費等の実態に関する調査研究」令和3年度
  • 「養育費の不払いに関する追跡調査」令和4年度
  • 「養育費に関する情報提供の実態調査」令和4年度
  • 「親子関係に関する意識調査」令和3年度
  • 「養育費確保に関する法制度比較研究」令和3年度
  • 「養育費の確保に関する実証事業報告書」令和3年度
  • 「離婚時の取り決めサポート実証事業報告書」令和4年度
  • 「高葛藤事例における共同養育支援モデル事業報告書」令和3年度
  • 「離婚届提出時の情報提供効果測定」令和4年度
  • 「養育費回収に関する実証事業報告書」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「子供の貧困対策に関する有識者会議」資料 令和4年度
  • 「子供の貧困の状況と子供の貧困対策の実施状況」令和4年度
  • 「諸外国における養育費確保制度に関する調査研究」令和3年度
  • 「養育費の社会的認識に関する調査」令和4年度
  • 「共同親権・養育費に関する意識調査」令和3年度
  • 「子どもの貧困対策に関する支援ネットワーク実証事業報告書」令和4年度
  • 「社会保障制度の認知度と利用促進に関する調査」令和4年度
  • 「離婚と子育てに関する支援プログラム効果検証」令和4年度
  • 「令和5年版男女共同参画白書」令和5年度
財務省関連資料
  • 「財政制度等審議会資料」令和4年度
総務省関連資料
  • 「養育費確保に関する先進事例調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「東京都ひとり親家庭実態調査」令和4年度
  • 「ひとり親家庭支援センター事業評価報告書」令和4年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「ひとり親家庭支援事業報告」令和4年度
  • 足立区「養育費確保サポート事業評価報告」令和4年度
  • 江戸川区「ひとり親サポートセンター事業評価」令和4年度
その他自治体関連資料
  • 明石市「養育費立替制度効果検証報告書」令和4年度
  • 明石市「養育費立替支援事業効果検証報告書」令和4年度
  • 八千代市「養育費保証支援事業効果測定報告書」令和3年度
  • 新潟県「親支援プログラム効果検証報告」令和4年度

まとめ

 東京都特別区における養育費の確保支援は、子どもの貧困対策と健全な成長保障の観点から喫緊の課題です。養育費の取り決め率50.3%、実際の受給率29.4%という現状を改善するためには、「養育費確保総合支援センターの設置」「養育費立替・保証制度の導入」「離婚前後の親支援プログラム」を柱とした総合的支援体制の構築が必要です。特に、諸外国と比較して著しく低い養育費受給率を向上させるためには、相談支援から履行確保まで切れ目のない支援と、養育費の社会的重要性に関する意識啓発の両面からのアプローチが効果的です。今後は特別区間の格差是正と広域連携も含めた体制強化が課題となります。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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