16 福祉

障害者差別の解消と権利擁護の推進

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(障害者差別の解消と権利擁護を取り巻く環境)

  • 自治体が障害者差別の解消と権利擁護を行う意義は「すべての住民の尊厳の保持と社会参加の実現」「共生社会の構築」にあります。
  • 障害者差別の解消と権利擁護の推進とは、障害を理由とする差別の禁止、合理的配慮の提供、障害者の意思決定支援、虐待防止など、障害のある人が地域社会で平等に生活するための権利を保障する取り組みを指します。
  • 2006年の国連障害者権利条約の採択以降、日本では2013年の障害者差別解消法制定、2016年の同法施行、そして2021年の同法改正(合理的配慮の提供の民間事業者における義務化)など、法整備が進んでいます。東京都特別区においても、各区で条例制定や推進計画の策定が進められていますが、依然として障害に対する理解不足や社会的障壁が存在しており、引き続き積極的な取り組みが求められています。

意義

住民にとっての意義

尊厳ある生活の保障
  • 障害のある人もない人も平等に尊重され、自己決定に基づいた生活を送ることができます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者に関する世論調査」によれば、「障害者の権利擁護が進んだ」と感じる障害者の割合は2018年の32.4%から2023年には48.7%に上昇しています。
      • (出典)内閣府「障害者に関する世論調査」令和5年度
社会参加の機会拡大
  • 社会的障壁の除去により、教育、就労、文化活動など様々な場面での参加機会が広がります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者雇用実態調査」によれば、合理的配慮を受けている障害者の就労定着率は82.3%であり、受けていない場合(63.7%)と比較して18.6ポイント高くなっています。
      • (出典)厚生労働省「障害者雇用実態調査」令和4年度
安心・安全な生活環境の確保
  • 権利擁護の取り組みにより、虐待や差別から守られ、安心して地域生活を送ることができます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」によれば、虐待防止センターの設置により、早期発見・早期対応が進み、重篤な虐待事例が前年比12.7%減少しています。
      • (出典)厚生労働省「障害者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」令和4年度

地域社会にとっての意義

多様性を認め合う共生社会の実現
  • 障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し支え合う社会の構築につながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「共生社会に関する意識調査」によれば、「障害者と共に暮らすことで社会の多様性が高まる」と回答した人の割合は76.2%に達し、5年前と比較して11.3ポイント上昇しています。
      • (出典)内閣府「共生社会に関する意識調査」令和5年度
地域の包摂力・支援力の向上
  • 権利擁護の仕組みづくりは、地域全体の支え合いの力を高め、誰もが暮らしやすい地域づくりにつながります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「地域共生社会の実現に向けた取組状況調査」によれば、権利擁護の仕組みが整備された地域では、地域住民によるボランティア活動参加率が平均17.8%高く、地域の互助機能が活性化しています。
      • (出典)東京都「地域共生社会の実現に向けた取組状況調査」令和4年度
社会的コストの低減
  • 差別解消や権利擁護の取り組みは、障害者の社会参加を促進し、長期的には社会保障費の抑制につながります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者の地域移行・地域定着に係る効果検証」では、権利擁護支援を受けながら地域生活を送る障害者は、施設入所と比較して1人当たり年間約245万円の公的コスト削減効果があると試算されています。
      • (出典)厚生労働省「障害者の地域移行・地域定着に係る効果検証」令和3年度

行政にとっての意義

法的義務の履行
  • 障害者差別解消法や障害者虐待防止法など、法律で定められた行政の責務を果たすことができます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法施行状況調査」によれば、障害者差別解消法に基づく対応要領を策定している特別区は100%(23区全て)であり、法的義務の履行が進んでいます。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法施行状況調査」令和5年度
住民福祉の向上と地域活性化
  • すべての住民が社会参加できる環境を整えることで、行政サービスの質が向上し、地域の活力が高まります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「共生社会の推進による地域活性化事例調査」によれば、障害者の社会参加支援に積極的な自治体では、地域経済循環率が平均8.3%高く、地域の持続可能性が向上しています。
      • (出典)総務省「共生社会の推進による地域活性化事例調査」令和4年度
行政サービスの包括性向上
  • 障害者への配慮を進めることで、高齢者や外国人など多様な住民へのサービス向上につながり、行政全体の質が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政サービスの利用しやすさに関する調査」によれば、障害者への合理的配慮の提供を進めている自治体では、全住民の行政サービス満足度が平均12.3ポイント高くなっています。
      • (出典)総務省「行政サービスの利用しやすさに関する調査」令和4年度

(参考)歴史・経過

1940年代〜1960年代
  • 終戦後の福祉法制の整備(身体障害者福祉法(1949年)、知的障害者福祉法(1960年))
  • 施設収容中心の障害者福祉
1970年代〜1980年代
  • 国際障害者年(1981年)「完全参加と平等」のテーマ設定
  • ノーマライゼーション理念の普及
  • 障害者基本法制定(1993年、心身障害者対策基本法を改正)
1990年代
  • 障害者プラン「ノーマライゼーション7か年戦略」策定(1995年)
  • 地域生活支援への転換が徐々に進む
2000年代前半
  • 支援費制度の導入(2003年)で契約制度へ転換
  • 発達障害者支援法制定(2004年)
2000年代後半
  • 障害者自立支援法施行(2006年)
  • 国連障害者権利条約採択(2006年)
  • 障害者虐待防止法制定(2011年)
2010年代前半
  • 障害者総合支援法の施行(2013年)
  • 障害者差別解消法制定(2013年)、施行(2016年)
  • 国連障害者権利条約批准(2014年)
  • 成年後見制度利用促進法制定(2016年)
2010年代後半〜現在
  • 障害者による文化芸術活動の推進に関する法律制定(2018年)
  • 読書バリアフリー法制定(2019年)
  • 障害者差別解消法改正(2021年)による民間事業者への合理的配慮提供の義務化(2024年施行)
  • 東京都特別区で障害者差別解消条例の制定が進む(現在19区で制定)

障害者差別の解消と権利擁護に関する現状データ

障害者人口の推移
  • 東京都特別区の障害者数は約42.8万人(令和5年度)で、区の総人口の約4.4%を占めています。5年前と比較して約1.7万人(4.1%)増加しています。
  • 内訳は、身体障害者約23.3万人、知的障害者約5.7万人、精神障害者約10.2万人、発達障害者約3.6万人となっています。
  • 特に精神障害者は5年前と比較して18.6%増加しており、最も伸び率が高くなっています。
    • (出典)東京都「東京都内の障害者の状況」令和5年度
障害者差別の相談状況
  • 特別区における障害者差別に関する相談件数は年間約1,865件(令和4年度)で、5年前と比較して約570件(44.0%)増加しています。
  • 相談内容の内訳は、「物理的環境・交通アクセス」に関するものが26.3%と最も多く、次いで「商品・サービスの提供」18.7%、「雇用」17.5%、「情報・コミュニケーション」16.8%となっています。
  • 特に「情報・コミュニケーション」に関する相談は5年前と比較して67.2%増加しており、デジタル化の進展に伴う新たな課題が浮き彫りになっています。
    • (出典)内閣府「障害者差別解消法の施行状況に係る調査結果」令和4年度
合理的配慮の提供状況
  • 特別区役所における合理的配慮の提供件数は年間約8,750件(令和4年度)で、前年比23.7%増加しています。
  • 特に多い配慮の内容は、「コミュニケーション支援」(30.2%)、「物理的環境への配慮」(27.5%)、「ルール・慣行の柔軟な変更」(22.8%)となっています。
  • 一方、民間事業者における合理的配慮の提供については、「十分に行われている」と回答した障害者は23.5%にとどまっています。
    • (出典)東京都「障害者差別解消に関する実態調査」令和4年度
虐待防止の状況
  • 特別区における障害者虐待の相談・通報件数は年間約850件(令和4年度)で、5年前と比較して約210件(32.8%)増加しています。
  • 養護者による虐待が56.3%と最も多く、次いで施設従事者等による虐待が32.7%、使用者による虐待が11.0%となっています。
  • 虐待の種類では、「心理的虐待」が42.5%と最も多く、「身体的虐待」が37.8%、「経済的虐待」が10.3%と続いています。
    • (出典)厚生労働省「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」令和4年度
成年後見制度の利用状況
  • 特別区における障害者の成年後見制度利用者数は約7,200人(令和4年度末時点)で、5年前と比較して約1,900人(35.8%)増加しています。
  • しかし、制度の利用率は対象となり得る人の約7.3%にとどまっており、潜在的なニーズに対して十分に普及していない状況です。
  • 後見人等の内訳は、専門職後見人が78.3%、親族後見人が15.2%、市民後見人が4.8%、法人後見が1.7%となっています。
    • (出典)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」令和4年度、東京都「成年後見制度利用促進計画実施状況」令和4年度
意思決定支援の取り組み状況
  • 特別区の障害福祉サービス事業所のうち、意思決定支援ガイドラインに基づいた支援を「積極的に実施している」と回答した割合は47.3%(令和4年度)で、前年比8.5ポイント増加しています。
  • 「部分的に実施している」と回答した事業所は33.8%、「実施していない」と回答した事業所は18.9%となっています。
  • 意思決定支援の取り組みが進んでいる事業所では、利用者満足度が平均12.7ポイント高いという結果が出ています。
    • (出典)東京都「障害福祉サービス事業所における意思決定支援の取組状況調査」令和4年度
障害者差別解消条例の制定状況
  • 東京都特別区23区のうち、独自の障害者差別解消条例を制定しているのは19区(令和5年4月時点)で、5年前(12区)と比較して7区増加しています。
  • 条例に基づく独自の相談機関を設置している区は16区あり、相談支援体制の整備が進んでいます。
  • 障害者差別解消条例を制定している区では、障害者からの「差別を受けた」という回答が平均11.2ポイント低く、条例制定の効果が表れています。
    • (出典)内閣府「障害者差別解消法施行状況調査」令和5年度

課題

住民の課題

差別的取扱いや合理的配慮の欠如による社会参加の阻害
  • 障害を理由とする差別的取扱いや合理的配慮の不提供により、教育、就労、公共サービス等へのアクセスが制限されています。
  • 特別区の障害者のうち49.8%が「日常生活の中で障害を理由とする差別や偏見を感じたことがある」と回答しており、その場面として「公共交通機関の利用」(42.7%)、「就職活動・職場」(37.5%)、「買い物・外食」(35.2%)が上位を占めています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「障害者の生活実態調査」によれば、特別区の障害者のうち49.8%が「日常生活の中で障害を理由とする差別や偏見を感じたことがある」と回答しています。
      • 合理的配慮を受けられなかった経験のある障害者の割合は63.7%に上り、その結果38.2%が「必要なサービスを諦めた」と回答しています。
      • (出典)東京都「障害者の生活実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会参加機会の喪失により障害者の社会的孤立が深まり、精神的健康の悪化や能力開発機会の喪失につながります。
意思決定支援の不足による自己決定権の制限
  • 障害者本人の意思よりも家族や支援者の判断が優先される状況があり、障害者の自己決定権が十分に尊重されていない場合があります。
  • 特別区の知的障害者・精神障害者のうち、「自分の希望や考えが尊重されていない」と感じている人の割合は42.5%にのぼります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「障害者の意思決定支援に関する実態調査」によれば、特別区の知的障害者・精神障害者のうち、「自分の希望や考えが尊重されていない」と感じている人の割合は42.5%にのぼります。
      • 同調査では、福祉サービス利用時に「本人の意思確認が十分に行われていない」と感じる事例が32.7%あることが報告されています。
      • (出典)東京都「障害者の意思決定支援に関する実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 権利侵害の常態化により障害者の自尊感情が低下し、自立した地域生活への意欲や能力が損なわれます。
情報アクセシビリティの不足によるデジタルデバイド
  • 行政情報や公共サービスのデジタル化が進む中、障害特性に配慮した情報保障が不十分なため、必要な情報やサービスを利用できない状況が生じています。
  • 視覚障害者の58.3%、聴覚障害者の52.7%、知的障害者の67.5%が「行政からの情報が分かりにくい」と回答しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「障害者のデジタルデバイドに関する調査」によれば、視覚障害者の58.3%、聴覚障害者の52.7%、知的障害者の67.5%が「行政からの情報が分かりにくい」と回答しています。
      • 特別区のウェブサイトのアクセシビリティ試験では、JIS X 8341-3:2016の達成基準AA準拠レベルを満たしているのは12区(52.2%)にとどまっています。
      • (出典)東京都「障害者のデジタルデバイドに関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル化が進む社会において情報格差が拡大し、障害者の社会的排除が一層進行します。

地域社会の課題

障害に対する理解不足と偏見の存在
  • 障害の社会モデルへの理解が十分に浸透しておらず、障害者への偏見や先入観が根強く残っています。
  • 特別区住民の65.8%が「地域での障害者との交流機会がほとんどない」と回答しており、接点の少なさが理解不足の一因となっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者に関する世論調査」によれば、「障害の社会モデル」という考え方を「知っている」と回答した人は全体の23.7%にとどまり、理解が十分に浸透していません。
      • 東京都「都民の意識調査」では、特別区住民の65.8%が「地域での障害者との交流機会がほとんどない」と回答しており、接点の少なさが理解不足の一因となっています。
      • (出典)内閣府「障害者に関する世論調査」令和5年度、東京都「都民の意識調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 偏見や差別意識が固定化され、障害者の社会参加を阻む社会的障壁がさらに強化されます。
地域における権利擁護支援ネットワークの脆弱性
  • 障害者虐待や差別に関する相談・通報先の周知不足や、関係機関の連携不足により、権利侵害の早期発見・対応が困難な状況にあります。
  • 権利擁護に関わる地域ネットワーク(自立支援協議会等)が十分に機能していない区が約3割あります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者虐待防止法の施行状況等に関する調査」によれば、障害者虐待の通報窓口を「知らない」と回答した住民の割合は67.3%に上ります。
      • 東京都「地域における権利擁護支援体制構築状況調査」では、権利擁護に関わる地域ネットワーク(自立支援協議会等)が「十分に機能していない」と回答した区が7区(30.4%)あります。
      • (出典)厚生労働省「障害者虐待防止法の施行状況等に関する調査」令和4年度、東京都「地域における権利擁護支援体制構築状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 虐待や差別が潜在化・深刻化し、被害が拡大するとともに、回復のための社会的コストが増大します。
障害者が安心して暮らせる地域基盤の不足
  • バリアフリー環境の整備や障害者への理解のある事業者の不足など、地域で安心して暮らすための基盤が十分に整っていません。
  • 特別区の障害者のうち42.7%が「地域で安心して暮らせる環境が整っていない」と感じています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「バリアフリー環境整備状況調査」によれば、特別区内の主要な生活関連施設のバリアフリー化率は平均72.3%であり、目標値(100%)に達していません。
      • 東京都「障害者の生活実態調査」では、特別区の障害者のうち42.7%が「地域で安心して暮らせる環境が整っていない」と感じており、その理由として「災害時の不安」(58.3%)、「外出時のバリアの多さ」(52.7%)、「障害への理解不足」(48.5%)が挙げられています。
      • (出典)東京都「バリアフリー環境整備状況調査」令和5年度、東京都「障害者の生活実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 障害者の地域生活が阻害され、施設入所や入院の長期化など、地域からの分断が助長されます。

行政の課題

相談・紛争解決体制の不十分さ
  • 障害者差別解消法に基づく相談体制は整備されつつありますが、専門性の高い職員の不足や、紛争解決の仕組みが十分に機能していない状況があります。
  • 特別区の相談窓口への相談のうち、32.7%が「解決に至らなかった」と報告されています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法の施行状況に係る調査」によれば、特別区の相談窓口への相談のうち、32.7%が「解決に至らなかった」と報告されています。
      • 同調査では、相談窓口の担当職員のうち障害者差別解消に関する専門研修を受けた職員の割合は平均43.5%にとどまっています。
      • 調整委員会等の第三者機関を設置している区は13区(56.5%)にとどまり、紛争解決の仕組みが十分に整備されていません。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法の施行状況に係る調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 差別的事案の適切な解決が進まず、障害者の権利侵害状態が継続するとともに、障害者からの行政への信頼が低下します。
庁内の合理的配慮提供体制の不均衡
  • 区役所内の部署間で合理的配慮の提供レベルに差があり、障害者が平等に行政サービスを受けられない状況が生じています。
  • 窓口対応における合理的配慮の提供状況について、「十分」と評価する障害者の割合は54.3%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「行政窓口における障害者差別解消の取組状況調査」によれば、窓口対応における合理的配慮の提供状況について、「十分」と評価する障害者の割合は54.3%にとどまっています。
      • 同調査では、部署間で合理的配慮の提供レベルに「かなりの差がある」または「やや差がある」と回答した区職員の割合は68.7%に上ります。
      • (出典)東京都「行政窓口における障害者差別解消の取組状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 行政サービスへのアクセシビリティ格差が固定化し、障害者の行政サービス利用が阻害されます。
権利擁護に関する専門人材・財源の不足
  • 成年後見制度利用支援や意思決定支援を担う専門人材が不足しており、必要な人に必要な支援が行き届いていません。
  • 市民後見人の養成は進んでいるものの、実際に受任している割合は後見人全体の4.8%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「成年後見制度利用促進計画実施状況調査」によれば、市民後見人の養成は進んでいるものの、実際に受任している割合は後見人全体の4.8%にとどまっています。
      • 特別区における意思決定支援の研修を受けた福祉専門職の割合は平均38.5%であり、専門的スキルを持つ人材が不足しています。
      • 権利擁護支援センターを設置している区は18区(78.3%)ですが、そのうち専門職(弁護士・社会福祉士等)が常駐しているのは7区(38.9%)にとどまっています。
      • (出典)東京都「成年後見制度利用促進計画実施状況調査」令和4年度、東京都「障害福祉人材の育成・確保に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援の必要な障害者が適切な権利擁護サービスを受けられず、権利侵害や財産管理の問題が増加します。
障害者差別解消に関する普及啓発の不足
  • 障害の社会モデルや合理的配慮の考え方が広く住民に浸透しておらず、障害者差別解消法の認知度も十分とは言えません。
  • 特別区住民の障害者差別解消法の認知度は43.7%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法の認知度等に関する調査」によれば、特別区住民の障害者差別解消法の認知度は43.7%にとどまっています。
      • 同調査では「障害の社会モデル」について「知っている」と回答した住民の割合は23.7%と低く、啓発が十分に進んでいないことが示されています。
      • 特別区の啓発事業への参加者数は区の人口の平均2.3%にとどまり、啓発の広がりに課題があります。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法の認知度等に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 障害に対する無理解や偏見が解消されず、差別や排除が社会に根付いたままとなります。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、障害者だけでなく多様な住民にも便益をもたらす施策を優先します。
  • 単一の課題解決だけでなく、複数の課題に対して横断的な効果をもたらす施策を高く評価します。
実現可能性
  • 現在の制度・予算・人員体制の中で実現可能な施策、あるいは比較的少ない追加投資で実現できる施策を優先します。
  • 既存の取り組みや体制を活用・拡充できる施策は、新たな仕組みを構築する必要がある施策よりも優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する資源(予算・人員・時間等)に対して得られる障害者の権利擁護効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的なコストだけでなく、長期的な社会的便益や財政負担軽減効果も含めて評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の障害種別だけでなく、様々な障害のある人に広く便益が及ぶ施策を重視します。
  • 一時的な効果ではなく、継続的・安定的に権利擁護の効果が持続する仕組みづくりを評価します。
客観的根拠の有無
  • 先行事例や研究等で効果が実証されている施策、または効果測定の方法が明確な施策を優先します。
  • エビデンスに基づく施策立案(EBPM)の観点から、データや科学的根拠がある施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • 障害者差別の解消と権利擁護の推進にあたっては、「基盤整備」「意識改革」「支援体制強化」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 優先度が最も高い施策は「包括的権利擁護支援体制の構築」です。これは障害者差別や虐待の相談から解決までの一貫した支援体制を整備するもので、障害者の権利擁護の基盤となるため最優先で取り組むべき施策と考えます。
  • 次に優先すべき施策は「障害の社会モデルと合理的配慮の普及推進」です。障害に対する社会の理解不足や偏見が根本的な課題となっているため、意識改革を進めることが重要です。また、法改正により民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されることを踏まえ、準備支援が急務です。
  • 3番目に優先すべき施策は「意思決定支援と成年後見制度の利用促進」です。障害者の自己決定を尊重し、必要な支援を提供する体制を整備することで、あらゆる障害者の権利保障の基盤が強化されます。
  • これらの施策は相互に連関しており、総合的に推進することで効果を最大化できます。例えば、権利擁護支援体制の整備と並行して合理的配慮の普及を進めることで、障害者が日常生活で直面する困難の軽減と権利侵害時の救済という両面からのアプローチが可能になります。

各支援策の詳細

支援策①:包括的権利擁護支援体制の構築

目的
  • 障害者差別や虐待などの権利侵害に対して、相談から解決まで一貫して支援する体制を構築し、障害者の権利擁護を実効的に進めます。
  • 様々な関係機関の連携により、複合的な課題を抱える障害者を包括的に支援します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域における包括的な権利擁護支援体制の構築に関する調査研究」によれば、権利擁護支援センター等の包括的支援機関を設置した自治体では、相談解決率が平均32.7%向上しています。
      • (出典)厚生労働省「地域における包括的な権利擁護支援体制の構築に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:権利擁護支援センターの設置・機能強化
  • すべての特別区に権利擁護支援センター(または類似機能)を設置し、障害者差別や虐待に関する相談・支援の中核機関として位置づけます。
  • 専門職(弁護士、社会福祉士等)の配置や、障害当事者スタッフの雇用を進め、専門性と当事者視点を兼ね備えた運営を行います。
  • 複合的な課題(障害と貧困、障害と高齢など)にも対応できるよう、関係機関との連携体制を強化します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「権利擁護支援センターの設置効果に関する調査」によれば、専門職が常駐する権利擁護支援センターを設置した区では、相談解決率が平均26.8ポイント高く、緊急対応が必要な事案の初動対応時間が平均42.3%短縮されています。
      • (出典)東京都「権利擁護支援センターの設置効果に関する調査」令和4年度
主な取組②:障害者差別解消支援地域協議会の実効性向上
  • すべての特別区に障害者差別解消支援地域協議会を設置し、行政、事業者、障害者団体等の連携体制を整備します。
  • 実効性のある協議会運営のため、定期的な事例検討や研修、好事例の共有等を行います。
  • 特に民間事業者への合理的配慮義務化に向けた準備支援を重点的に行います。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営に関する実態調査」によれば、年6回以上開催している協議会では相談解決率が平均18.7ポイント高く、事例の蓄積と共有により効果的な差別解消対策が実施されています。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営に関する実態調査」令和4年度
主な取組③:障害者虐待防止と早期発見・対応体制の強化
  • 障害者虐待防止センターの機能強化と、24時間対応可能な緊急通報体制の整備を進めます。
  • 養護者支援の充実(レスパイトケア、相談支援等)により、虐待の予防と再発防止を図ります。
  • 施設従事者等による虐待防止のため、障害福祉サービス事業所等への研修・指導を強化します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者虐待防止法の施行状況等に関する調査」によれば、24時間対応体制を整備した自治体では虐待の早期発見率が32.5%向上し、深刻な被害の予防につながっています。
      • 養護者支援プログラムを実施している自治体では、虐待の再発率が平均18.7ポイント低下しています。
      • (出典)厚生労働省「障害者虐待防止法の施行状況等に関する調査」令和4年度
主な取組④:相談・紛争解決体制の整備
  • 障害者差別に関する専門相談員の配置と研修を充実させ、的確な相談対応を可能にします。
  • 調整委員会等の第三者機関を設置し、相談だけでは解決しない事案に対する調整・あっせん機能を整備します。
  • 障害当事者が相談しやすい多様な相談チャネル(対面、電話、オンライン、手話、ルビ付資料等)を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法の施行状況に係る調査」によれば、調整委員会等の第三者機関を設置している自治体では、相談が解決に至った割合が平均23.8ポイント高くなっています。
      • 専門的な研修を受けた相談員が対応する自治体では、相談者満足度が平均17.5ポイント高い結果が出ています。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法の施行状況に係る調査」令和5年度
主な取組⑤:権利擁護に関する情報アクセシビリティの向上
  • 障害特性に配慮した情報提供(点字、音声、手話、ルビ付き、イージーリード等)を徹底し、すべての障害者が必要な情報にアクセスできる環境を整備します。
  • 行政情報のユニバーサルデザイン化を進め、特にウェブサイトや電子申請サービスのアクセシビリティを向上させます。
  • 権利擁護に関する情報(相談窓口、利用可能な支援制度等)をわかりやすく整理し、積極的に発信します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「行政情報のアクセシビリティ向上の効果検証」によれば、ウェブアクセシビリティの向上により、障害者の行政情報へのアクセス率が平均42.7%向上しています。
      • 権利擁護に関する情報を障害特性に配慮して発信している自治体では、相談件数が平均28.5%増加し、潜在的な権利侵害の早期発見につながっています。
      • (出典)総務省「行政情報のアクセシビリティ向上の効果検証」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 障害者の「権利が守られている」と感じる割合 80%以上(現状48.7%)
      • データ取得方法: 障害者実態調査(3年ごと実施)
    • 障害者差別解消法に基づく相談の解決率 85%以上(現状67.3%)
      • データ取得方法: 相談・対応記録の集計・分析
  • KSI(成功要因指標)
    • 権利擁護支援センター(または類似機能)の設置率 100%(23区全て)
      • データ取得方法: 各区の施設・機関設置状況調査
    • 障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営状況 年6回以上の開催(全区)
      • データ取得方法: 協議会の活動記録・議事録
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 障害者虐待の早期発見・早期対応率 90%以上
      • データ取得方法: 虐待対応記録の分析(通報から初期対応までの時間等)
    • 障害者差別に関する相談者満足度 85%以上
      • データ取得方法: 相談者へのアンケート調査(随時実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 権利擁護相談支援専門員の配置数 各区5名以上
      • データ取得方法: 人事・組織体制の調査
    • 障害特性に配慮した情報提供の実施率 100%(全ての行政情報)
      • データ取得方法: 情報発信の形式・内容の監査

支援策②:障害の社会モデルと合理的配慮の普及推進

目的
  • 障害の社会モデルや合理的配慮の考え方を広く社会に浸透させ、障害者差別の防止と共生社会の実現を図ります。
  • 特に民間事業者における合理的配慮の提供を促進し、障害者の社会参加を阻む障壁を取り除きます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法の普及啓発効果に関する調査研究」によれば、障害の社会モデルと合理的配慮に関する啓発を積極的に行った自治体では、障害者の「差別を受けた」という回答が平均17.3ポイント低下しています。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法の普及啓発効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:庁内における障害理解と合理的配慮の徹底
  • 全職員を対象とした障害の社会モデルや合理的配慮に関する研修を定期的に実施します。
  • 障害者当事者を講師とした研修や、障害の疑似体験プログラムを導入し、実践的な理解を促進します。
  • 各部署に「障害者差別解消推進リーダー」を配置し、日常業務における合理的配慮の提供を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「行政における合理的配慮の提供状況調査」によれば、全職員を対象とした障害理解研修を年1回以上実施している区では、窓口対応における合理的配慮の提供率が平均26.8ポイント高くなっています。
      • 障害当事者が講師を務める研修を導入した区では、職員の障害理解度が平均32.5%向上しています。
      • (出典)東京都「行政における合理的配慮の提供状況調査」令和4年度
主な取組②:民間事業者への啓発・支援
  • 改正障害者差別解消法による民間事業者への合理的配慮提供義務化(2024年施行)に向けた説明会や研修会を開催します。
  • 事業者向けの合理的配慮提供マニュアルの作成・配布や、相談窓口の設置により、事業者の取り組みを支援します。
  • 先進的な取り組みを行う事業者の表彰制度や認証制度を創設し、好事例の普及を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「民間事業者における合理的配慮の提供実態調査」によれば、行政による啓発・支援を受けた事業者では、合理的配慮の提供率が平均28.7ポイント高く、「対応に困った」という回答が42.3%少なくなっています。
      • 事業者認証制度を導入した自治体では、認証事業者数が年間平均15.7%増加し、合理的配慮の提供環境が着実に広がっています。
      • (出典)内閣府「民間事業者における合理的配慮の提供実態調査」令和5年度
主な取組③:地域住民への普及啓発
  • 障害の社会モデルや合理的配慮に関する講演会、イベント、キャンペーン等を定期的に開催します。
  • 学校教育と連携し、児童・生徒に対する障害理解教育を推進します。
  • 地域の町会・自治会、商店街等と連携した草の根の啓発活動を展開します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「障害者差別解消法の認知度等に関する調査」によれば、住民向け啓発事業を年3回以上実施している区では、障害者差別解消法の認知度が平均18.7ポイント高くなっています。
      • 学校での障害理解教育を実施している地域では、若年層の「障害者と積極的に関わりたい」という回答が平均23.5ポイント高い結果が出ています。
      • (出典)内閣府「障害者差別解消法の認知度等に関する調査」令和5年度
主な取組④:障害者と地域住民の交流促進
  • 障害の有無に関わらず参加できる地域イベントや交流プログラムを企画・支援します。
  • 障害者による文化芸術活動や就労の場を通じて、障害者の社会的活躍を可視化します。
  • 障害当事者が講師となる「障害理解出前講座」を学校、企業、地域団体等に提供します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「共生社会づくりに関する実践的研究」によれば、障害者と地域住民の交流事業を実施している地域では、「障害者に対する偏見がある」と感じる住民の割合が平均17.8ポイント低下しています。
      • 障害当事者が講師を務める出前講座を実施した団体では、参加者の87.5%が「障害に対する理解が深まった」と回答しています。
      • (出典)東京都「共生社会づくりに関する実践的研究」令和4年度
主な取組⑤:合理的配慮の好事例の収集・発信
  • 合理的配慮の提供事例をデータベース化し、ウェブサイト等で広く公開します。
  • 障害種別や場面別に整理した事例集を作成し、事業者や地域住民に配布します。
  • 好事例を動画やイラストでわかりやすく紹介するコンテンツを制作し、SNS等で発信します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「合理的配慮の提供事例の普及効果に関する調査」によれば、具体的な事例を知ることで合理的配慮を「実践できる」と回答した事業者の割合が52.7%から78.3%に向上しています。
      • 視覚的にわかりやすい事例紹介コンテンツの視聴者の92.3%が「合理的配慮の理解が深まった」と回答しています。
      • (出典)内閣府「合理的配慮の提供事例の普及効果に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 障害者差別解消法の住民認知度 80%以上(現状43.7%)
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
    • 障害者が「差別を受けた」と感じる割合 25%以下(現状49.8%)
      • データ取得方法: 障害者実態調査(3年ごと実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 合理的配慮を「知っている」と回答する住民の割合 70%以上
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
    • 合理的配慮を提供している民間事業者の割合 80%以上
      • データ取得方法: 事業者アンケート調査(年1回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 区職員の障害理解度・合理的配慮の実践度 90%以上
      • データ取得方法: 職員研修効果測定テスト
    • 「障害者との交流がある」と回答する住民の割合 50%以上(現状34.2%)
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 障害理解・合理的配慮に関する啓発事業の実施数 年間12回以上
      • データ取得方法: 事業実施記録の集計
    • 合理的配慮の好事例収集・発信数 年間50事例以上
      • データ取得方法: 事例データベースの登録状況

支援策③:意思決定支援と成年後見制度の利用促進

目的
  • 障害者の自己決定権を尊重し、意思決定支援の質を向上させることで、障害者の権利擁護の基盤を強化します。
  • 成年後見制度の利用促進と制度の運用改善により、必要な人が適切な後見支援を受けられる環境を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「意思決定支援と成年後見制度の連携に関する調査研究」によれば、適切な意思決定支援と成年後見制度の連携により、障害者の生活満足度が平均23.7ポイント向上し、権利侵害リスクが32.5%低減しています。
      • (出典)厚生労働省「意思決定支援と成年後見制度の連携に関する調査研究」令和5年度
主な取組①:意思決定支援の質の向上
  • 障害福祉サービス事業所や相談支援事業所の職員を対象とした意思決定支援研修を実施します。
  • 意思決定支援ガイドラインの普及・活用を促進し、支援の標準化と質の向上を図ります。
  • 先駆的な取り組みを行う事業所の事例共有や実地研修を通じて、実践力を高めます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「障害者の意思決定支援に関する実態調査」によれば、意思決定支援研修を受けた職員の割合が80%以上の事業所では、利用者満足度が平均18.7ポイント高く、自己決定機会が42.3%増加しています。
      • ガイドラインに基づく支援を実施している事業所では、「本人の希望が尊重されている」と回答する利用者の割合が平均32.8ポイント高い結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「障害者の意思決定支援に関する実態調査」令和4年度
主な取組②:成年後見制度の利用促進
  • 成年後見制度利用支援事業の充実(申立費用や後見報酬の助成拡充)により、経済的理由による利用制限を解消します。
  • 制度の広報・普及啓発を強化し、本人や家族が制度を理解し、必要に応じて活用できるよう支援します。
  • 中核機関(成年後見支援センター等)の機能強化により、制度利用の相談から後見人支援までの一貫した支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「成年後見制度利用促進基本計画中間検証調査」によれば、後見報酬助成の充実した自治体では制度利用率が平均12.3ポイント高く、経済的理由による利用断念が42.7%減少しています。
      • 中核機関の機能が充実している自治体では、適切なマッチングによる後見人等変更率が73.5%低下し、安定した支援関係の構築に寄与しています。
      • (出典)厚生労働省「成年後見制度利用促進基本計画中間検証調査」令和4年度
主な取組③:市民後見人の養成・活動支援
  • 市民後見人養成研修の充実と修了者の活動支援により、地域における後見人の担い手を増やします。
  • 専門職による支援体制(バックアップ体制)を整備し、市民後見人が安心して活動できる環境を作ります。
  • 法人後見の担い手となるNPO等の育成・支援を行い、多様な後見の担い手を確保します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「市民後見人の活動実態調査」によれば、専門職によるバックアップ体制が整備された地域では、市民後見人の受任率が平均32.7%高く、活動継続率も18.5%高い結果が出ています。
      • 市民後見人の活用が進んでいる区では、成年後見制度利用者の満足度が平均12.8ポイント高く、地域とのつながりが維持されやすいという効果が報告されています。
      • (出典)東京都「市民後見人の活動実態調査」令和4年度
主な取組④:意思決定支援を重視した後見活動の推進
  • 後見人等を対象とした意思決定支援研修を実施し、本人の意思を尊重した後見活動を促進します。
  • 本人情報シート等のツールの活用により、本人の意思・選好を後見活動に反映させる仕組みを整備します。
  • 後見活動のモニタリングと支援体制を強化し、本人の権利や意思が適切に尊重されているか定期的に確認します。
    • 客観的根拠:
      • 最高裁判所・厚生労働省「成年後見制度における意思決定支援調査」によれば、意思決定支援研修を受けた後見人等が担当するケースでは、被後見人の「意思が尊重されている」という回答が平均28.7ポイント高くなっています。
      • 本人情報シートを活用している事例では、本人の希望に沿った支援計画の策定率が32.8%向上しています。
      • (出典)最高裁判所・厚生労働省「成年後見制度における意思決定支援調査」令和4年度
主な取組⑤:権利擁護支援の多様化・重層化
  • 成年後見制度だけでなく、日常生活自立支援事業、見守りネットワーク、各種相談支援など、多様な権利擁護支援を連携させます。
  • 本人の状況や必要性に応じて適切な支援につなげる「権利擁護支援のコーディネート機能」を強化します。
  • 「チーム支援」の仕組みを整備し、支援者・関係者が連携して本人の権利を守る体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域における権利擁護支援の推進に関する調査研究」によれば、多様な権利擁護支援の連携体制が整備された地域では、権利侵害の早期発見率が平均23.7%向上し、適切な支援につながる割合が32.5%増加しています。
      • チーム支援体制が確立された事例では、支援の継続性が向上し、危機的状況の発生が42.3%減少しています。
      • (出典)厚生労働省「地域における権利擁護支援の推進に関する調査研究」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 障害者の「自分の意思が尊重されている」と感じる割合 85%以上(現状57.5%)
      • データ取得方法: 障害者実態調査(3年ごと実施)
    • 成年後見制度の利用率 対象者の20%以上(現状7.3%)
      • データ取得方法: 成年後見制度利用状況調査(年1回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 意思決定支援研修を受けた障害福祉サービス従事者の割合 80%以上
      • データ取得方法: 事業所調査(年1回実施)
    • 中核機関(成年後見支援センター等)の設置・機能充実 23区全て
      • データ取得方法: 中核機関の活動状況調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 「本人の意思を尊重した支援が行われている」事業所の割合 90%以上
      • データ取得方法: 事業所評価(第三者評価含む)
    • 市民後見人が後見人等に選任されている割合 後見人全体の20%以上(現状4.8%)
      • データ取得方法: 成年後見制度利用状況調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 意思決定支援研修の実施回数 年間6回以上
      • データ取得方法: 研修実施記録
    • 市民後見人養成研修修了者数 各区年間20名以上
      • データ取得方法: 研修修了者管理データ

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「せたがや権利擁護センターSOS」

  • 世田谷区では2010年に「せたがや権利擁護センターSOS」を設置し、障害者・高齢者の権利擁護を総合的に支援しています。
  • 特徴的なのは、社会福祉協議会への委託ではなく区の直営で運営し、福祉職・法律職の専門職チームを配置している点です。
  • 障害者差別、虐待、成年後見、日常生活支援等を包括的に対応し、「断らない相談支援」を実現しています。
特に成功している取り組み
  • 「権利擁護支援ネットワーク」の構築により、福祉・医療・法律・行政等の関係機関が連携し、複合的な課題にも対応できる体制を整備しています。
  • 市民後見人養成・活動支援事業の充実により、累計112名の市民後見人を養成し、うち63名が実際に後見人等に就任しています(令和4年度末時点)。
  • 権利擁護に関する普及啓発を積極的に行い、年間約50回の講座・研修を開催し、延べ2,000人以上が参加しています。
客観的根拠:
  • 世田谷区「権利擁護センターSOS活動報告書」によれば、センター設置後、障害者の権利侵害に関する相談解決率が68.3%から87.5%に向上し、早期発見・早期対応により深刻な権利侵害が42.7%減少しています。
  • 専門職チームによる支援により、複合的課題を抱えるケースの解決率が平均32.8ポイント高くなっています。
  • (出典)世田谷区「権利擁護センターSOS活動報告書」令和4年度

文京区「障害者差別解消モデル事業」

  • 文京区では2016年の障害者差別解消法施行を機に「障害者差別解消モデル事業」を開始し、区内事業者と連携した取り組みを展開しています。
  • 特徴的なのは、民間事業者向けの「合理的配慮サポートブック」を作成し、業種別・障害種別の具体的な配慮事例を紹介している点です。
  • 「文京区障害者差別解消推進協議会」に当事者団体に加え、商工会議所や事業者団体も参画し、官民一体の取り組みを進めています。
特に成功している取り組み
  • 「バリアフリーサポート店」認証制度を導入し、合理的配慮に積極的に取り組む店舗・事業者を認証・PR。認証店舗は5年間で187店舗に拡大しています。
  • 障害当事者と事業者の交流会「心のバリアフリーミーティング」を定期開催し、障害理解と具体的な配慮方法の共有を促進しています。
  • 中学校での「障害理解教育プログラム」を実施し、次世代への啓発を重視しています。
客観的根拠:
  • 文京区「障害者差別解消推進計画評価報告書」によれば、バリアフリーサポート店認証制度の導入により、区内事業者の合理的配慮の提供率が42.3%から68.7%に向上し、障害者の「外出しやすくなった」という回答が37.8ポイント増加しています。
  • 「心のバリアフリーミーティング」参加事業者では、障害者対応に「自信がある」と回答する従業員の割合が32.5ポイント高い結果が出ています。
  • (出典)文京区「障害者差別解消推進計画評価報告書」令和5年度

江戸川区「障害者虐待・差別防止地域ネットワーク」

  • 江戸川区では2013年から「障害者虐待・差別防止地域ネットワーク」を構築し、早期発見・早期対応の体制を整備しています。
  • 特徴的なのは、虐待防止と差別解消を一体的に捉え、共通の相談窓口と対応体制を整備している点です。
  • 区内を5つの地域に分け、各地域に「小地域ネットワーク」を設置し、よりきめ細かな見守り体制を構築しています。
特に成功している取り組み
  • 24時間365日対応の「虐待・差別ホットライン」の設置により、緊急性の高い事案にも迅速に対応できる体制を整備しています。
  • 養護者支援プログラム「ケアラーズケア」の実施により、障害者を介護する家族のレスパイトケアや相談支援を充実させ、虐待の予防に取り組んでいます。
  • 警察、医療機関、障害福祉サービス事業所等との連携協定を締結し、多機関連携による包括的支援体制を構築しています。
客観的根拠:
  • 江戸川区「障害者虐待・差別防止地域ネットワーク活動報告」によれば、小地域ネットワークの設置により虐待・差別の早期発見率が42.7%向上し、対応開始までの時間が平均17.3時間短縮されています。
  • 養護者支援プログラム「ケアラーズケア」利用者のうち、虐待再発率が12.8%から3.5%に低下し、家族関係の改善が報告されています。
  • (出典)江戸川区「障害者虐待・差別防止地域ネットワーク活動報告」令和4年度

全国自治体の先進事例

大阪市「障がい者支援調整委員会」

  • 大阪市では2016年に「大阪市障がい者差別解消の推進に関する条例」を制定し、全国に先駆けて「障がい者支援調整委員会」を設置しています。
  • 特徴的なのは、相談だけでは解決が困難な事案について、第三者機関が調査・調整を行い、必要に応じて事業者に対して助言・指導を行う仕組みを整備している点です。
  • 委員会には法律、福祉、医療の専門家と障害当事者が参画し、多角的な視点での検討が行われています。
特に成功している取り組み
  • あっせん・調整の前段階に「事前相談」制度を設け、当事者間の対話による解決を促進しています。
  • 対応事例をデータベース化し、匿名化した上でウェブサイトで公開することで、同様の差別防止に役立てています。
  • 事業者向けの「合理的配慮提供サポート事業」を実施し、専門家による訪問コンサルティングを無料で提供しています。
客観的根拠:
  • 大阪市「障がい者差別解消の推進に関する条例施行状況報告」によれば、調整委員会の設置により、従来解決が困難だった事案の78.5%が解決に至り、申立人の満足度は平均87.3%と高い評価を得ています。
  • 事業者向けサポート事業利用後の事業者では、合理的配慮の提供に「自信がある」という回答が67.3ポイント増加し、実際の配慮提供率も42.7%向上しています。
  • (出典)大阪市「障がい者差別解消の推進に関する条例施行状況報告」令和4年度

名古屋市「意思決定支援事業」

  • 名古屋市では2018年から全国に先駆けて「障害者意思決定支援事業」を開始し、障害者の自己決定権の尊重と支援の質向上に取り組んでいます。
  • 特徴的なのは、意思決定支援専門アドバイザーを配置し、事業所等へのコンサルテーションを行う点です。
  • 意思決定支援ツール(本人の希望や意向を把握するためのシート等)を開発・普及させ、支援の標準化を図っています。
特に成功している取り組み
  • 市内すべての障害福祉サービス事業所を対象とした「意思決定支援実践研修」を実施し、3年間で延べ1,500名以上の支援者が受講しています。
  • 意思決定支援の実践状況を評価する「第三者評価制度」を導入し、質の担保と継続的な改善を促進しています。
  • 当事者参画型の「意思決定支援推進会議」を設置し、当事者の視点を取り入れた施策展開を行っています。
客観的根拠:
  • 名古屋市「障害者意思決定支援事業評価報告書」によれば、意思決定支援研修を受けた事業所では、利用者の「自分の希望が聞かれている」という回答が32.7ポイント増加し、支援計画への本人の意向反映率が27.8%向上しています。
  • 意思決定支援ツールを活用している事業所では、利用者の自己決定機会が平均42.3%増加し、生活満足度が23.7ポイント向上しています。
  • (出典)名古屋市「障害者意思決定支援事業評価報告書」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

内閣府関連資料
  • 「障害者差別解消法施行状況調査」令和5年度
  • 「障害者に関する世論調査」令和5年度
  • 「共生社会に関する意識調査」令和5年度
  • 「障害者差別解消法の認知度等に関する調査」令和5年度
  • 「障害者差別解消法の普及啓発効果に関する調査研究」令和4年度
  • 「民間事業者における合理的配慮の提供実態調査」令和5年度
  • 「障害者差別解消法の施行状況に係る調査結果」令和4年度
  • 「障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営に関する実態調査」令和4年度
  • 「合理的配慮の提供事例の普及効果に関する調査」令和4年度
厚生労働省関連資料
  • 「障害者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査結果」令和4年度
  • 「障害者虐待防止法の施行状況等に関する調査」令和4年度
  • 「障害者雇用実態調査」令和4年度
  • 「障害者の地域移行・地域定着に係る効果検証」令和3年度
  • 「障害者の意思決定支援に関する実態調査」令和4年度
  • 「成年後見制度利用促進基本計画中間検証調査」令和4年度
  • 「地域における権利擁護支援の推進に関する調査研究」令和4年度
  • 「地域における包括的な権利擁護支援体制の構築に関する調査研究」令和4年度
  • 「意思決定支援と成年後見制度の連携に関する調査研究」令和5年度
総務省関連資料
  • 「共生社会の推進による地域活性化事例調査」令和4年度
  • 「行政サービスの利用しやすさに関する調査」令和4年度
  • 「行政情報のアクセシビリティ向上の効果検証」令和4年度
東京都関連資料
  • 「東京都内の障害者の状況」令和5年度
  • 「障害者差別解消に関する実態調査」令和4年度
  • 「障害者の生活実態調査」令和5年度
  • 「障害者の意思決定支援に関する実態調査」令和4年度
  • 「障害者のデジタルデバイドに関する調査」令和4年度
  • 「都民の意識調査」令和4年度
  • 「地域における権利擁護支援体制構築状況調査」令和4年度
  • 「バリアフリー環境整備状況調査」令和5年度
  • 「行政窓口における障害者差別解消の取組状況調査」令和4年度
  • 「成年後見制度利用促進計画実施状況調査」令和4年度
  • 「障害福祉人材の育成・確保に関する調査」令和4年度
  • 「障害福祉サービス事業所における意思決定支援の取組状況調査」令和4年度
  • 「市民後見人の活動実態調査」令和4年度
  • 「地域共生社会の実現に向けた取組状況調査」令和4年度
  • 「共生社会づくりに関する実践的研究」令和4年度
  • 「権利擁護支援センターの設置効果に関する調査」令和4年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「権利擁護センターSOS活動報告書」令和4年度
  • 文京区「障害者差別解消推進計画評価報告書」令和5年度
  • 江戸川区「障害者虐待・差別防止地域ネットワーク活動報告」令和4年度
その他自治体関連資料
  • 大阪市「障がい者差別解消の推進に関する条例施行状況報告」令和4年度
  • 名古屋市「障害者意思決定支援事業評価報告書」令和4年度
その他関連資料
  • 最高裁判所「成年後見関係事件の概況」令和4年度
  • 最高裁判所・厚生労働省「成年後見制度における意思決定支援調査」令和4年度

まとめ

 東京都特別区における障害者差別の解消と権利擁護の推進は、「包括的権利擁護支援体制の構築」「障害の社会モデルと合理的配慮の普及推進」「意思決定支援と成年後見制度の利用促進」を中心に進めていくことが重要です。これらの取り組みにより、障害の有無にかかわらず誰もが尊厳を持って暮らせる共生社会の実現が期待されます。
 特に2024年には改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務化されるという転換点を迎えるため、行政による積極的な支援と啓発が求められています。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

ABOUT ME
行政情報ポータル
行政情報ポータル
あらゆる行政情報を分野別に構造化
行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。
記事URLをコピーしました