道路・公共交通機関等の早期復旧・応急輸送体制

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要（道路・公共交通機関等の早期復旧・応急輸送体制を取り巻く環境）

• 自治体が道路・公共交通機関等の早期復旧・応急輸送体制を整備する意義は、「人命救助活動の迅速な遂行」と「首都機能の維持による国家的麻痺の回避と早期復旧」にあります。
• 特に東京都特別区のような世界有数の高密度都市において、首都直下地震などの大規模災害が発生した場合、交通インフラの機能停止は、単なる不便にとどまらず、社会全体の機能不全に直結します。
  • （出典）内閣府「首都直下地震の被害想定と対策について（最終報告）」平成25年度
• 政府の被害想定では、首都直下地震により最大で約2.3万人の死者、約453万人の帰宅困難者が発生するとされており、その被害を最小限に食い止めるためには、発災直後からの数時間、数日間における応急輸送ネットワークの確保が極めて重要となります。
  • （出典）内閣府「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」令和4年度
  • （出典）Newton Consulting株式会社「【2024年最新】首都直下地震はいつ起こる？被害想定や企業がとるべき対策を解説」2024年

意義

住民にとっての意義

生命の安全確保

• 道路の早期啓開は、消防車や救急車といった緊急車両の活動を可能にし、倒壊建物からの救出や火災による延焼拡大の阻止に直結します。これは、災害による直接死・関連死を減らすための最も基本的な前提条件です。

不安の軽減と生活再建

• 交通インフラの復旧は、被災者にとって復興の進捗を実感できる最も分かりやすい指標の一つであり、社会的な不安を軽減します。また、支援物資の円滑な供給や、家族の安否確認、その後の生活再建に向けた移動を可能にします。

地域社会にとっての意義

経済活動の早期再開

• 交通ネットワークは経済の動脈です。その早期復旧は、サプライチェーンの維持、企業の事業継続（BCP）を支え、災害による経済的損失の拡大を防ぎます。特に首都・東京の機能停止は、日本経済全体に甚大な影響を及ぼします。
  • （出典）内閣府「防災白書」令和6年度
  • （出典）総務省「サプライチェーンの維持のための取組」令和4年度

社会秩序の維持

• 長期間の孤立や物資不足は、社会不安を増大させ、治安の悪化につながる可能性があります。応急輸送体制は、支援物資を公平かつ迅速に届けることで、社会秩序の維持に貢献します。

行政にとっての意義

責務の遂行と信頼の確保

• 国民の生命と財産を守ることは、行政の最も重要な責務です。効果的な災害対応、特に初動における交通機能の確保は、行政への住民の信頼を維持・向上させる上で不可欠です。

効率的な応急・復旧活動の実現

• 避難所の開設・運営、瓦礫の撤去、ライフラインの復旧など、あらゆる災害応急対策は、人や物資を運ぶための交通路が確保されていなければ始まりません。応急輸送体制の確立は、全ての復旧活動の基盤となります。

（参考）歴史・経過

1995年 阪神・淡路大震災

• 高架高速道路の倒壊や橋梁の落橋など、都市インフラの脆弱性が露呈しました。倒壊家屋による道路閉塞が救助・消火活動を著しく阻害し、道路啓開の重要性が初めて広く認識されました。また、代替輸送路としての海上輸送の有効性も示されました。
  • （出典）神戸市交通局「阪神・淡路大震災における市バス・地下鉄の記録」平成8年度
  • （出典）鹿島建設株式会社「特集：阪神・淡路大震災から10年」2005年
  • （出典）一般財団法人建設コンサルタンツ協会「阪神高速道路の復旧～阪神・淡路大震災を乗り越えて～」平成25年度

2011年 東日本大震災

• 広域にわたる甚大な津波被害により、沿岸部の交通網が壊滅しました。この教訓から、内陸から沿岸部へ複数のルートを同時に啓開する「くしの歯作戦」が展開されました。また、首都圏では約515万人もの帰宅困難者が発生し、交通機関の麻痺が社会に与える影響の大きさを浮き彫りにしました。
  • （出典）復興庁「東日本大震災からの復興の状況に関する報告」令和4年度
  • （出典）国土交通省「東日本大震災における交通関係の復旧状況の推移」平成23年度
  • （出典）東京都「東日本大震災の記録」平成24年度

2014年 災害対策基本法改正

• 関東甲信地方での記録的な大雪により、多数の車両が立ち往生し、除雪作業を妨げた教訓から、法改正が実施されました。これにより、道路管理者が緊急車両の通行を確保するために、放置車両等を強制的に移動・撤去できる権限が明確化され、道路啓開を迅速化するための法的な基盤が整備されました。
  • （出典）国土交通省「災害対策基本法の一部を改正する法律」平成26年度
  • （出典）国土交通省道路局「改正災対法 今冬の降雪対応に適用」平成27年度

2016年 熊本地震

• 幹線道路の啓開は比較的速やかに行われたものの、物資集積拠点から避難所への「ラストワンマイル」輸送で深刻なボトルネックが発生しました。これにより、サプライチェーン全体のマネジメントと、きめ細やかな物流計画の重要性が課題として認識されました。
  • （出典）内閣府「平成28年（2016年）熊本地震に係る初動対応の検証について」平成28年度
  • （出典）国土交通省「熊本地震における道路構造物の被災・応急復旧」平成28年度

2024年 能登半島地震

• 半島という地理的特性から道路網が限定され、土砂崩れ等により多くの集落が長期間孤立しました。道路の寸断が人命救助や支援物資の輸送に致命的な影響を与えることを改めて示し、陸路だけでなく海路・空路を含めた輸送手段の多重化（リダンダンシー）の必要性を強く印象付けました。この教訓は、最新の令和7年版防災白書でも特集として重点的に分析されています。
  • （出典）内閣府「令和7年版 防災白書について」令和7年度

道路・公共交通機関等に関する現状データ

緊急輸送道路ネットワーク

• 東京都では、災害直後から救助・救急、物資輸送等の応急対策を円滑に実施するため、都内の防災拠点を相互に連絡する道路として「緊急輸送道路」を指定しています。これは重要度に応じて第一次から第三次まで区分されています。
  • （出典）東京都建設局「緊急輸送道路ネットワーク計画」
  • （出典）中央区「緊急輸送道路とは」

特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率の推移

• 緊急輸送道路の中でも特に重要な「特定緊急輸送道路」では、沿道建築物の倒壊による道路閉塞を防ぐため、耐震化が推進されています。
• 全体の耐震化率は令和5年12月末時点で88.2%に達していますが、これは裏を返せば、依然として1割以上の建物が耐震基準を満たしておらず、1棟でも倒壊すれば交通が遮断されるリスクを抱えていることを意味します。
• 耐震化率の推移を見ると、平成27年12月の80.9%から緩やかに上昇していますが、令和4年12月の87.7%から令和5年12月の88.2%へと、この1年間での上昇はわずか0.5ポイントにとどまっており、耐震化のペースが鈍化していることが大きな課題です。
• 条例で耐震診断が義務付けられている旧耐震基準の建築物（昭和56年5月以前築）に限ると、診断実施率は98.3%と高いものの、実際に改修等が完了し耐震性を満たす割合は55.3%にとどまっています。
  • （出典）東京都都市整備局「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況について（令和5年12月末時点）」令和6年度

無電柱化の進捗

• 倒壊した電柱は、建物の倒壊と並び道路閉塞の主要な原因となります。電柱の倒壊は、①道路閉塞、②緊急車両の遅延、③火災延焼・救助遅延による死者増、④電力・通信の復旧遅延という負の連鎖を引き起こします。
• しかし、東京都特別区の無電柱化率は約8%と、ロンドンやパリ（100%）など海外主要都市と比較して著しく低い水準です。
• 区ごとにも進捗に大きな差があり、中央区の区道が約37.5%であるのに対し、中野区の区道は約0.7%と、ほとんど進んでいない地域も存在します。1kmあたり約5.3億円という高額な整備費用が最大の障壁となっています。
  • （出典）国土交通省「無電柱化の整備状況」
  • （出典）中央区「中央区無電柱化推進計画」令和6年度
  • （出典）中野区「中野区無電柱化推進計画」
  • （出典）武蔵野大学「無電柱化の費用対効果に関する研究」

帰宅困難者の想定

• 首都直下地震の発生時、東京都内では最大で約453万人の帰宅困難者が発生すると想定されており、そのうち約368万人が特別区内に集中すると予測されています。
• この膨大な数の人々が徒歩で一斉に帰宅を開始した場合、主要な幹線道路は1平方メートルあたり6人以上の危険な混雑状態となり、群衆雪崩のリスクが高まるだけでなく、救急車や消防車が通行するための緊急輸送道路としての機能が完全に麻痺することがシミュレーションで示されています。
• これは、救助・消火活動と住民の帰宅行動との間で「道路空間の奪い合い」が発生することを意味します。この物理的な課題をさらに深刻化させるのが、都民の意識です。都の「むやみに移動しない」ことを求める条例の認知度は33.0%と極めて低く、多くの人が危険な一斉帰宅行動をとる可能性が高いことが示唆されています。
  • （出典）東京都防災会議「首都直下地震等による東京の被害想定」令和4年度
  • （出典）特別区長会事務局「帰宅困難者対策に関する調査研究報告書【概要版】」令和5年度
  • （出典）東京都「帰宅困難者対策に係る徒歩帰宅シミュレーション等を活用した新たな取組の方向性について」令和3年度

課題

住民の課題

帰宅判断を誤らせる情報不足と「一斉帰宅」のリスク

• 発災直後の混乱の中、住民は家族の安否確認のために帰宅を急ぐ心理が働きます。しかし、道路の被災状況、火災の延焼範囲、交通機関の復旧見込みといった正確な情報が不足していると、危険なルートを選択したり、安全な場所に留まるべき状況で移動を開始したりする誤った判断を招きます。
• 客観的根拠：
  • 東京都のシミュレーションでは、帰宅困難者が一斉に帰宅を開始すると、主要な幹線道路が人で埋め尽くされ、群衆雪崩などの二次災害を引き起こし、緊急車両の通行を完全に妨げることが示されています。
    • （出典）東京都「帰宅困難者対策に係る徒歩帰宅シミュレーション等を活用した新たな取組の方向性について」令和3年度
  • 都の調査では、一斉帰宅の抑制を求める条例の認知度が33.0%と非常に低い水準にあり、多くの住民が危険な行動をとるリスクが高い状況です。
    • （出典）東京都「帰宅困難者対策条例の認知度等に関する調査結果」令和3年度
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 歩行者による道路の飽和状態が、救急・消火活動の致命的な遅延を招き、助かるはずの命が失われます。

デジタルデバイドによる情報格差

• 災害情報の伝達はスマートフォンが主流となりつつありますが、高齢者や障害者、日本語を解さない外国人など、デジタル機器の操作に不慣れな人々は、重要な情報から取り残される危険性があります。
• 客観的根拠：
  • 災害時の情報伝達手段として、災害用伝言ダイヤルや公共Wi-Fi（00000JAPAN）、デジタルサイネージ、コンビニ等での情報提供など、多様なチャネルの確保が計画されていますが、これらの手段を使いこなせるかどうかは個人のスキルに依存します。
    • （出典）楽天保険の総合窓口「災害時の安否確認、どうすればいい？いざというときのために知っておきたい連絡手段」2025年
    • （出典）(https://www.ntt-east.co.jp/20160311/present/return.html)
    • （出典）内閣府「帰宅困難者対策ガイドライン」
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 情報弱者が避難指示や支援物資の配布場所といった生命線となる情報を受け取れず、社会的孤立と危険に晒されます。

地域社会の課題

緊急輸送道路の機能不全

• 人命救助と復旧活動の生命線である緊急輸送道路が、沿道の未耐震建物の倒壊や電柱の倒壊によって閉塞されるリスクが依然として高いままです。
• 客観的根拠：
  • 令和5年12月末時点で、特定緊急輸送道路沿道建築物の11.8%が耐震性を満たしていません。
    • （出典）東京都都市整備局「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況について（令和5年12月末時点）」令和6年度
  • 特別区内の無電柱化率はわずか8%であり、多くの電柱が倒壊リスクを抱えています。
    • （出典）目黒区「目黒区無電柱化推進計画」
    • （出典）板橋区「板橋区無電柱化推進計画」
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 初動対応の要である人・モノの移動が不可能となり、消火・救助活動が大規模に破綻し、被害が激甚化します。

サプライチェーンの寸断と物資輸送の混乱

• ジャストインタイム方式に依存する現代のサプライチェーンは災害に極めて脆弱です。首都直下地震が発生すれば、道路・鉄道網の寸断により、食料、水、燃料、医薬品などの供給が停止し、首都圏全体が機能不全に陥ります。
• 客観的根拠：
  • 熊本地震では、広域物資拠点の確保はできたものの、そこから各避難所への「ラストワンマイル輸送」が滞り、現場に物資が届かない事態が発生しました。これは、個別の輸送力だけでなく、全体の物流を管理する司令塔機能の不在が原因でした。
    • （出典）内閣府「平成28年（2016年）熊本地震における物資支援に関する主な課題」平成28年度
  • 企業のBCP（事業継続計画）においても、自社だけでなくサプライチェーン全体の強靭化が不可欠であることが指摘されています。
    • （出典）内閣府「令和6年度 防災分野における企業の事業継続の取組に関する調査」令和6年度
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 避難所等で数日内に物資が枯渇し、被災者の健康状態の悪化や衛生環境の劣化を招く二次的な人道危機が発生します。

行政の課題

縦割り行政による情報共有の遅延と指揮命令系統の混乱

• 効果的な災害対応には、関係機関がリアルタイムで被害状況を共有する「共通作戦図（Common Operational Picture）」が不可欠です。しかし、道路、交通、警察、消防といった所管ごとの縦割り組織では、情報が分断され、統一的な状況認識の形成が困難です。
• 客観的根拠：
  • 首都直下地震時の道路啓開計画である「八方向作戦」は、国、都、警察、道路管理者が緊密に連携することを前提としていますが、これを実効性あるものにするには、組織の壁を越えた情報共有プラットフォームが不可欠です。
    • （出典）国土交通省 関東地方整備局「首都直下地震に備えた道路啓開（八方向作戦）」
    • （出典）せこかんナビ「『八方向作戦』で首都直下地震の道路啓開に挑む」
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 各機関が断片的な情報で動くため、対応の優先順位付けが混乱し、限られた資源が非効率に投入され、救助活動の遅れと被害拡大を招きます。

道路啓開における法的・物理的障害

• 道路啓開は、単に瓦礫を撤去する作業ではありません。倒壊した私有財産である家屋や放置車両の移動には法的な手続きが伴い、また、作業に必要な重機や人員を迅速に動員するには物理的な困難が伴います。
• 客観的根拠：
  • 2014年の災害対策基本法改正は、この課題に対応するため、道路管理者に車両の強制移動権限を付与しました。しかし、この権限を実際に躊躇なく行使するためには、事前の訓練や民間建設業界との具体的な協力協定が不可欠です。
    • （出典）国土交通省道路局「改正災対法 今冬の降雪対応に適用」平成27年度
    • （出典）内閣府中央防災会議「阪神・淡路大震災時における道路啓開の課題」
• この課題が放置された場合の悪影響の推察：
  • 法的な躊躇や重機・人員不足による道路啓開の遅れが、災害応急対策全体の致命的なボトルネックとなります。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

• 即効性・波及効果
  • 施策実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
• 実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。既存の仕組みを活用できる施策は優先度が高くなります。
• 費用対効果
  • 投入する経営資源（予算・人員等）に対して得られる効果が大きい施策を優先します。将来的な財政負担の軽減効果も考慮します。
• 公平性・持続可能性
  • 特定の層だけでなく、幅広い住民に便益が及ぶ施策を優先します。一時的でなく、長期的に効果が持続する施策を高く評価します。
• 客観的根拠の有無
  • 政府資料や先行事例等で効果が実証されている施策を優先します。

支援策の全体像と優先順位

• 首都の生命線を守るためには、「情報（防災DX）」「基盤（ハードウェア）」「人（ソフトウェア）」の3つの側面から、統合的に対策を推進する必要があります。
• これらは個別の施策ではなく、相互に連携することで最大の効果を発揮します。
• 優先度（高）：支援策① 防災DXを活用したリアルタイム道路・交通情報基盤の構築
  • 全ての応急活動の「神経系」となる情報基盤の整備は、他の全ての施策の効果を増幅させるため、最優先で取り組むべきです。波及効果が極めて高く、迅速な意思決定を可能にします。
• 優先度（中）：支援策② 「四路一体」での応急輸送ネットワークの強靭化
  • 物理的な輸送路の確保は不可欠ですが、多大なコストと時間を要します。DXによる情報基盤と連携し、最も効果の高い箇所から重点的に投資することで、費用対効果を高めます。
• 優先度（中）：支援策③ 一斉帰宅抑制と分散帰宅を促進する帰宅困難者対策の高度化
  • 「人」の行動変容を促すこの施策は、物理的なインフラの能力を最大限に活かすために不可欠です。特に、支援策①の情報基盤がなければ実効性が担保できないため、連携して進める必要があります。

各支援策の詳細

支援策①：防災DXを活用したリアルタイム道路・交通情報基盤の構築

目的

• 部署間の縦割りを排し、全ての災害対応機関が同一の被害・交通状況をリアルタイムで共有する「共通作戦図」を構築します。
• 住民や事業者に対し、安全な行動判断を支援するための正確かつ即時性の高い情報を提供します。
  • 客観的根拠：
    • 国土交通省は、国土強靱化計画の中でインフラのデジタル化（DX）を重点施策として掲げており、国の大きな方針と合致しています。
      • （出典）国土交通省「国土強靱化基本計画」令和5年度

主な取組①：リアルタイム被害・交通状況の統合的「見える化」

• 区内に設置されたCCTV、河川・道路カメラ、地震計、さらに協定を結んだ民間施設のカメラ映像等を、GIS（地理情報システム）上で統合するプラットフォームを構築します。
• AI画像解析技術を導入し、カメラ映像から道路の閉塞、橋梁の損傷、火災の発生、人流の密集などを自動で検知・マッピングし、被害状況の把握を劇的に迅速化します。
  • 客観的根拠：
    • 近年の防災DXでは、ドローンやAI、CCTVを活用した被害状況の迅速な把握がトレンドとなっており、技術的な実現可能性は高いです。
      • （出典）(https://jichitai.works/article/details/2627)
      • （出典）国土交通省「防災・減災、国土強靱化のための５か年加速化対策」を推進」令和6年度

主な取組②：AIによる道路啓開・応急輸送ルートの最適化支援

• 統合されたリアルタイム被害情報に基づき、AIが緊急車両の最適ルートや、啓開作業の優先順位を即座に提案するシステムを開発します。
• このシステムは、病院や消防署等の重要施設の位置、道路ネットワークの寸断状況、火災の延焼予測などを総合的に判断し、最も効果的なルートと作業計画を提示します。
  • 客観的根拠：
    • 国土交通省は、線状降水帯の予測精度向上などにAIを活用しており、防災分野でのAI活用は国全体の潮流です。
      • （出典）内閣官房「新たな国土形成計画（全国計画）」令和5年度

主な取組③：ドローン・航空機による情報収集体制の強化

• 平時から民間のドローン事業者と災害時協力協定を締結し、操縦者を含めた「災害対応ドローン隊」を組織します。
• 発災後、地上からの接近が困難なエリアの被害状況調査や孤立集落の捜索のため、迅速にドローンを派遣する体制を構築し、定期的な訓練を実施します。
• ドローンによる医薬品や通信機器等の軽量物資の緊急輸送についても実証実験を進めます。
  • 客観的根拠：
    • 近年、災害時のドローン活用に関する実証実験が全国で活発に行われており、物資輸送や状況把握における有効性が確認されています。
      • （出典）(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000131865.html)
      • （出典）港区「ドローンによる「レベル3.5飛行での物資輸送」は東京湾で初」2025年

KGI・KSI・KPI

• KGI（最終目標指標）
  • 人命救助・消火活動における初動対応時間 50%短縮
    • データ取得方法： 防災訓練におけるシミュレーションや、過去の災害対応記録との比較分析。
• KSI（成功要因指標）
  • 主要な緊急輸送道路の通行可否状況の確定時間 発災後2時間以内
    • データ取得方法： 防災DXプラットフォームのシステムログ。
• KPI（重要業績評価指標）アウトカム指標
  • AIによる道路閉塞箇所の誤検知率 5%未満
    • データ取得方法： AIの検知結果と、パトロール等による実地調査結果との突合検証。
• KPI（重要業績評価指標）アウトプット指標
  • 防災DXプラットフォームに接続されたCCTVカメラ数（官民合計） 10,000台
    • データ取得方法： システム管理部門による接続台数の集計。

支援策②：「四路一体」での応急輸送ネットワークの強靭化

目的

• 地震動による物理的被害から道路ネットワークの機能を確実に守ります。
• 陸路（道路）、海路（港湾）、水路（河川）、空路（ヘリポート）を一体的に活用し、一つの輸送手段が絶たれても他の手段で代替できる多重性（リダンダンシー）を確保します。
  • 客観的根拠：
    • 首都直下地震対策では、道路啓開の「八方向作戦」に加え、水路・航路・空路を活用した「四路の連続性確保」が国の計画に盛り込まれており、陸路のみに依存しない体制構築が求められています。
      • （出典）国土交通省 関東地方整備局「首都直下地震への備え」

主な取組①：特定緊急輸送道路の「無閉塞化」の加速

• 単に耐震化率の数値を追うのではなく、第一次緊急輸送道路などの最重要路線について、沿道建築物の耐震化と無電柱化をセットで完了させ、絶対に閉塞しない「無閉塞化コリドー（回廊）」を創設することを目標とします。
• 残存する未耐震化建物や未実施の無電柱化区間に対し、補助金の大幅な拡充や、より強力な行政指導を行うなど、集中的な対策を講じます。
  • 客観的根拠：
    • 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化率は88.2%ですが、進捗は年々鈍化しており、従来のペースでは目標達成に長期間を要するため、抜本的な対策が必要です。
      • （出典）東京都都市整備局「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況について（令和5年12月末時点）」令和6年度
    • 都内の無電柱化率は極めて低く、防災上の大きな弱点となっています。
      • （出典）国土交通省「無電柱化の整備状況（特別区、政令市）」

主な取組②：河川・海上・航空輸送路の整備と連携強化

• 区内の河川舟運用の船着場や港湾施設の一部を「災害時緊急船着場」として指定し、物資の荷揚げや人員輸送の拠点として整備します。
• 自衛隊、海上保安庁、民間海運・舟運事業者と合同で、水上ルートを用いた物資・人員輸送訓練を定期的に実施します。
• 大規模公園や学校の校庭などを「臨時ヘリポート」としてあらかじめ指定し、離着陸の障害となる物の撤去や受け入れ体制の訓練を行います。
  • 客観的根拠：
    • 阪神・淡路大震災では、陸路が寸断された中で船舶が物資輸送や人員移動に大きな役割を果たしました。
      • （出典）神戸市交通局「阪神・淡路大震災における市バス・地下鉄の記録」平成8年度

主な取組③：官民連携による道路啓開体制の構築

• 地域の建設業協会等と、災害時の協力内容、費用負担、動員手順などを具体的に定めた実効性のある協定を締結します。
• 年に一度、警察、消防、自衛隊、建設業界が参加する大規模な合同道路啓開訓練を実施します。訓練では、災害対策基本法に基づく車両移動命令の発動など、より実践的なシナリオを取り入れます。
  • 客観的根拠：
    • 阪神・淡路大震災の教訓として、道路啓開には行政だけでなく、地域の建設業界の協力が不可欠であることが示されています。
      • （出典）内閣府中央防災会議「阪神・淡路大震災時における道路啓開の課題」
    • 昭和区（名古屋市）などでは、警察・消防・土木事務所・地元建設業者が連携した合同道路啓開訓練が定期的に実施されています。
      • （出典）名古屋市昭和土木事務所「令和4年度 昭和区合同道路啓開訓練」令和4年度

KGI・KSI・KPI

• KGI（最終目標指標）
  • 発災後72時間以内の主要防災拠点間を結ぶ輸送ルート確保率 100%
    • データ取得方法： 防災訓練での達成状況評価および、発災時の防災DXプラットフォームによる実績評価。
• KSI（成功要因指標）
  • 第一次緊急輸送道路沿道の建築物耐震化率 100%
    • データ取得方法： 東京都都市整備局の公表データ。
• KPI（重要業績評価指標）アウトカム指標
  • 道路啓開訓練における1kmあたりの啓開所要時間 20%短縮
    • データ取得方法： 訓練時のタイムスタディ（時間動作分析）。
• KPI（重要業績評価指標）アウトプット指標
  • 官民連携による道路啓開実動訓練の実施回数 年2回以上
    • データ取得方法： 区の事業実施記録。

支援策③：一斉帰宅抑制と分散帰宅を促進する帰宅困難者対策の高度化

目的

• 帰宅困難者による一斉徒歩帰宅を抑制し、緊急輸送道路の機能を確保します。
• 画一的な「待機」から、情報に基づき安全に帰宅できる人を段階的に帰宅させる「分散帰宅」へとパラダイムシフトを図ります。
  • 客観的根拠：
    • 東京都のシミュレーションでは、帰宅タイミングを分散させることが、危険な混雑を緩和する上で極めて有効であることが示されています。
      • （出典）東京都「帰宅困難者対策に係る徒歩帰宅シミュレーション等を活用した新たな取組の方向性について」令和3年度

主な取組①：「むやみに移動しない」原則の徹底と事業所備蓄の義務化強化

• あらゆる広報媒体を活用し、「発災後、安全が確認されるまでは、その場に留まることが最も安全な行動である」という原則を、年間を通じて繰り返し周知徹底するキャンペーンを実施します。
• 条例を改正し、一定規模以上の事業者に対し、従業員のための3日分の水・食料・簡易トイレ等の備蓄を「努力義務」から「義務」へと強化し、定期的な報告・立ち入り検査制度を導入します。
  • 客観的根拠：
    • 東京都の調査で、帰宅困難者対策条例の認知度は33.0%と低く、これまでの普及啓発活動が十分な効果を上げていないことが明らかになっています。
      • （出典）東京都「帰宅困難者対策条例の認知度等に関する調査結果」令和3年度
    • 東日本大震災時、事業所が従業員を保護し、待機させたことが、混乱の抑制に繋がった事例が報告されています。
      • （出典）東京消防庁「事業所における帰宅困難者対策に関する報告書」平成24年度

主な取組②：情報提供による「分散帰宅」の誘導

• 支援策①で構築する防災DXプラットフォームと連携し、個人のスマートフォン等にパーソナライズされた帰宅支援情報を提供します。
• 「自宅方面の安全が確認されました。混雑を避けるため、〇時～〇時の間に帰宅を開始してください」といった形で、方面別・時間差での帰宅を促すプッシュ型通知を配信し、人流を能動的にコントロールします。
  • 客観的根拠：
    • スマートフォンの普及率は9割を超え、個々人への情報伝達インフラは整っています。これを活用しない手はありません。
      • （出典）東京都「帰宅困難者対策に係る徒歩帰宅シミュレーション等を活用した新たな取組の方向性について」令和3年度

主な取組③：一時滞在施設の確保と運営支援の強化

• 引き続き、民間事業者や大学等と協定を締結し、一時滞在施設の量的確保を進めます。
• 協定施設に対し、受付手順、情報伝達方法、配慮が必要な方への対応などを標準化した「一時滞在施設運営キット」を配布するとともに、施設の開設・運営状況をリアルタイムで共有するためのシステム（防災DXプラットフォームの一部）を提供します。
  • 客観的根拠：
    • 千代田区では、民間事業者との協定締結を積極的に進め、都の備蓄品購入補助制度を活用することで、官民双方にメリットのある形で施設確保を進めています。
      • （出典）千代田区「帰宅困難者等一時受入協定」
    • 新宿駅周辺防災対策協議会では、感染症対策を含めた実践的な施設運営訓練を実施しており、運営ノウハウの蓄積が進んでいます。
      • （出典）新宿駅周辺防災対策協議会「帰宅困難者一時滞在施設運営訓練の実施について」2023年

KGI・KSI・KPI

• KGI（最終目標指標）
  • 帰宅困難者に起因する緊急輸送道路の機能低下ゼロ
    • データ取得方法： 防災DXプラットフォームによる交通状況データの分析（訓練時および発災時）。
• KSI（成功要因指標）
  • 「一斉帰宅の抑制」原則の区民認知度 90%以上
    • データ取得方法： 毎年度実施する区民意識調査。
• KPI（重要業績評価指標）アウトカム指標
  • 分散帰宅シミュレーションにおけるピーク時歩行者密度 3人/㎡以下
    • データ取得方法： エージェントベースの交通シミュレーションモデルによる評価。
• KPI（重要業績評価指標）アウトプット指標
  • 従業員3日分の備蓄を完了した事業所の割合 95%以上
    • データ取得方法： 事業者へのアンケート調査および立ち入り調査。

先進事例

東京都特別区の先進事例

新宿区「新宿駅周辺防災対策協議会による官民一体の帰宅困難者対策」

• 新宿区は、世界最大のターミナル駅を抱える地域特性を踏まえ、周辺の事業者、鉄道事業者、大学、区が一体となった「新宿駅周辺防災対策協議会」を組織しています。
• この協議会では、「むやみに移動しない」などの共通の行動指針（新宿ルール）を定め、標準化された一時滞在施設の運営マニュアルや開設キットを作成しています。
• 特筆すべきは、感染症対策など、その時々の社会情勢を反映したシナリオに基づき、毎年大規模な実動訓練を実施し、計画の実効性を繰り返し検証している点です。これは、計画を「作りっぱなし」にしない、生きた防災対策の好事例です。
  • （出典）新宿区「帰宅困難者対策」
  • （出典）新宿駅周辺防災対策協議会「帰宅困難者一時滞在施設運営訓練の実施について」2023年
  • （出典）住友不動産株式会社「新宿駅周辺防災対策協議会 帰宅困難者一時滞在施設運営訓練 実施報告」2023年

江東区「防災カタログギフトによる自助の促進」

• 江東区は、関東大震災100年を機に、全世帯を対象に防災用品に特化したカタログギフト「そなエールギフト」を配布しました。
• 各世帯が5,000円相当のポイントを使い、200種類以上の商品から自宅の備蓄で不足しているものを自ら選ぶという仕組みです。
• 単に行政が画一的な物品を配布するのではなく、住民一人ひとりが「自分の家には何が足りないか」を考える機会を創出することで、防災を「自分事」として捉えさせる、極めて優れた「自助」促進策といえます。
  • （出典）江東区「防災都市こうとう そなエールギフト」
  • （出典）青木かのブログ「江東区の防災カタログギフト」2023年

千代田区「民間事業者との連携による一時滞在施設の面的確保」

• 昼間人口が極めて多い千代田区では、帰宅困難者対策として民間事業者との連携を強力に推進しています。
• 区内の多数の民間ビル、大学、各種団体と「帰宅困難者等一時受入協定」を締結し、一時滞在施設を「点」ではなく「面」で確保しています。
• この取り組みを後押しするのが、協定を締結した事業者に対して備蓄品の購入費用を補助する東京都の制度です。これにより、事業者側の負担を軽減し、協力を引き出しやすい環境を整備しており、官民連携による効果的な資源確保のモデルとなっています。
  • （出典）千代田区「帰宅困難者等一時受入協定」
  • （出典）秋葉原帰宅困難者対策協力会「協力会について」
  • （出典）株式会社鉃鋼ビルディング「千代田区と「大規模災害時における帰宅困難者等受入れに関する協定」を締結」2024年

全国自治体の先進事例

神戸市「阪神・淡路大震災の教訓の継承と実践」

• 神戸市では、1995年の震災の教訓が行政や市民の活動に深く根付いています。特に交通インフラ事業者である阪神高速道路株式会社は、震災で甚大な被害を受けた経験から、具体的な被災シナリオを想定した道路啓開や応急復旧訓練を継続的に実施しています。
• また、市全体で毎年1月17日に実施されるシェイクアウト訓練など、市民レベルでの防災意識の維持・向上にも力を入れています。震災を知らない世代が増える中、経験と教訓を風化させず、組織的・社会的に継承していく仕組みを構築している点が、他の自治体の模範となります。
  • （出典）サンテレビ「阪神淡路大震災を前に 巨大地震を想定した道路啓開訓練 阪神高速」2024年
  • （出典）神戸市「1.17 神戸市シェイクアウト訓練」
  • （出典）兵庫県「ひょうごインフラ整備プログラム」令和6年度

熊本市「熊本地震の経験に基づく応急輸送ロジスティクスの改革」

• 2016年の熊本地震では、全国から送られた支援物資が、被災地の入口である集積拠点で滞留し、本当に必要としている避難所まで届かない「物流の目詰まり」が深刻な課題となりました。
• この教訓から、熊本県・市は物資輸送計画を抜本的に見直しました。具体的には、①被災地への直接の物資送付を原則禁止し、②広域物資拠点（鳥栖市など）で情報を集約・仕分けを行い、③被災地のニーズに応じて必要なものを必要なだけ送る「全体最適」のロジスティクス体制を構築しました。支援物資が「澱みなく」流れる仕組みを官民連携で作り上げた先進事例です。
  • （出典）内閣府「熊本地震における災害支援物資輸送の課題と改善策」平成28年度
  • （出典）熊本市「熊本市災害時受援計画」
  • （出典）熊本県「熊本県地域防災計画」

参考資料［エビデンス検索用］

内閣府・復興庁関連資料

• （出典）内閣府「令和7年版 防災白書」令和7年度
• （出典）内閣府「首都直下地震の被害想定と対策について（最終報告）」平成25年度
• （出典）内閣府「帰宅困難者対策ガイドライン」
• （出典）内閣府中央防災会議「阪神・淡路大震災時における道路啓開の課題」
• （出典）復興庁「東日本大震災からの復興の状況に関する報告」令和4年度

国土交通省関連資料

• （出典）国土交通省「国土強靱化基本計画」令和5年度
• （出典）国土交通省「東日本大震災における交通関係の復旧状況の推移」平成23年度
• （出典）国土交通省「災害対策基本法の一部を改正する法律」平成26年度
• （出典）国土交通省道路局「改正災対法 今冬の降雪対応に適用」平成27年度
• （出典）国土交通省 関東地方整備局「首都直下地震への備え」
• （出典）国土交通省「無電柱化の整備状況」

東京都・特別区関連資料

• （出典）東京都防災会議「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」令和4年度
• （出典）東京都「帰宅困難者対策に係る徒歩帰宅シミュレーション等を活用した新たな取組の方向性について」令和3年度
• （出典）東京都都市整備局「特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化状況について（令和5年12月末時点）」令和6年度
• （出典）新宿区「帰宅困難者対策」
• （出典）江東区「防災都市こうとう そなエールギフト」
• （出典）千代田区「帰宅困難者等一時受入協定」
• （出典）中央区「中央区無電柱化推進計画」令和6年度
• （出典）中野区「中野区無電柱化推進計画」
• （出典）特別区長会事務局「帰宅困難者対策に関する調査研究報告書【概要版】」令和5年度

その他自治体・機関資料

• （出典）神戸市「1.17 神戸市シェイクアウト訓練」
• （出典）熊本市「熊本市災害時受援計画」
• （出典）阪神高速道路株式会社「阪神・淡路大震災の記録」
• （出典）東京消防庁「事業所における帰宅困難者対策に関する報告書」平成24年度

まとめ

　東京都特別区の災害対応力は、道路・交通インフラの機能維持にかかっています。本報告書で提案した、①防災DXによる情報基盤の構築、②輸送ネットワークの物理的強靭化、③住民・事業者の行動変容を促す対策、という三位一体の改革を断行することが、首都の生命線を守り、未曾有の国難を乗り越えるための鍵となります。
　本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
　引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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