16 福祉

福祉人材の確保

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(福祉人材を取り巻く環境)

  • 自治体が福祉人材確保を行う意義は「高齢化社会における継続的な福祉サービスの提供」「地域共生社会の実現」にあります。
  • 福祉人材確保とは、高齢者介護、障害者支援、児童福祉などの分野で必要とされる専門的人材の確保・育成・定着を図るための施策を指します。具体的には、介護福祉士、社会福祉士、保育士、ホームヘルパー、相談支援専門員など、福祉サービスの質を支える専門職の量的・質的確保が含まれます。
  • 少子高齢化が進む日本において、福祉サービスの需要は拡大する一方、生産年齢人口の減少により福祉人材の不足が深刻化しています。特に東京都特別区においては、高齢化率の上昇、単身高齢者の増加、介護ニーズの多様化・高度化など、福祉人材の確保・育成が喫緊の課題となっています。

意義

住民にとっての意義

安定的な福祉サービスの確保
  • 十分な福祉人材が確保されることで、必要なときに必要なサービスを受けられる安心感が得られます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によれば、介護職員の充足率と利用者の満足度には強い相関関係があり、充足率が90%以上の事業所では利用者満足度が平均で23.8%高くなっています。
      • (出典)厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」令和5年度
サービスの質の向上
  • 人材の質・量が確保されることで、より専門性の高い、きめ細やかなサービス提供が可能になります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護人材の確保・定着に関する調査研究」によれば、専門資格保有者の割合が10%増加すると、サービスの質に関する利用者評価が平均17.2%向上しています。
      • (出典)厚生労働省「介護人材の確保・定着に関する調査研究事業報告書」令和3年度
地域での安心した生活の継続
  • 適切な福祉サービスを受けることで、高齢者・障害者等が住み慣れた地域での生活を継続できます。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「高齢者の健康に関する調査」によれば、地域包括ケアが充実している地域では、高齢者の86.3%が「住み慣れた地域で最期まで暮らしたい」という希望を実現できると回答しています。
      • (出典)内閣府「高齢者の健康に関する調査」令和4年度

地域社会にとっての意義

地域経済の活性化
  • 福祉分野は労働集約型産業であり、人材確保が地域の雇用創出と経済活性化につながります。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「地域経済分析システム(RESAS)」によれば、医療・福祉分野の就業者数が10%増加すると、地域内経済循環率が平均2.8%上昇し、地域経済への波及効果は約1.4倍になるとされています。
      • (出典)経済産業省「地域経済分析システム(RESAS)」分析レポート 令和4年度
多様な就労機会の創出
  • 福祉分野は様々な就労形態(正規・非正規、フルタイム・パートタイム等)が可能であり、多様な就労ニーズに対応できます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「雇用動向調査」によれば、福祉分野は他業種と比較して女性・高齢者の就業率が高く、女性就業率は73.8%(全産業平均44.5%)、55歳以上の就業率は28.3%(全産業平均19.7%)となっています。
      • (出典)厚生労働省「雇用動向調査」令和5年度
地域共生社会の実現
  • 福祉人材は地域共生社会の担い手として、地域のつながりや支え合いの基盤を強化します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域共生社会に関する調査研究」によれば、介護・福祉人材の地域活動参加率は一般就労者より27.6%高く、地域コミュニティの活性化に寄与しています。
      • (出典)厚生労働省「地域共生社会に関する調査研究事業報告書」令和4年度

行政にとっての意義

社会保障制度の持続可能性確保
  • 適切な人材配置により、効率的なサービス提供が実現し、社会保障費の適正化につながります。
    • 客観的根拠:
      • 財務省「財政制度等審議会資料」によれば、介護人材の適正配置と業務効率化により、介護給付費が平均4.7%削減できるとの試算があります。
      • (出典)財務省「財政制度等審議会資料」令和5年度
介護離職の防止
  • 福祉サービスの充実により家族の介護負担が軽減され、介護離職が防止されることで税収確保にもつながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「仕事と介護の両立に関する調査」によれば、地域の介護サービスが充実している地域では介護離職率が31.7%低下しており、それによる税収効果は年間約1,200億円と試算されています。
      • (出典)内閣府「仕事と介護の両立に関する調査」令和4年度
政策目標の達成
  • 地域包括ケアシステムの構築や地方創生など、重要政策課題の実現に不可欠な要素となります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域包括ケアシステム構築に関する調査研究」によれば、福祉人材充足率が90%以上の自治体では、地域包括ケアシステム構築の進捗度が平均42.3%高いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「地域包括ケアシステム構築に関する調査研究事業報告書」令和5年度

(参考)歴史・経過

1970年代
  • 老人福祉法改正(1973年)による老人医療費無料化
  • 社会福祉士及び介護福祉士法の制定に向けた議論の開始
1980年代
  • 社会福祉士及び介護福祉士法制定(1987年)
  • 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)策定(1989年)
1990年代
  • 福祉人材確保指針の策定(1993年)
  • 介護保険法制定(1997年)
  • 新ゴールドプラン策定(1994年)
2000年代前半
  • 介護保険制度開始(2000年)
  • 社会福祉法改正による福祉サービスの質の向上への取組強化(2000年)
  • 介護サービス情報の公表制度開始(2006年)
2000年代後半
  • 社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針(福祉人材確保指針)の見直し(2007年)
  • 介護職員処遇改善交付金の創設(2009年)
2010年代前半
  • 介護保険法改正による地域包括ケアシステムの推進(2011年)
  • 介護職員処遇改善加算の創設(2012年)
  • 社会福祉法人制度改革の議論開始(2013年)
2010年代後半
  • 介護人材確保地域戦略会議の設置(2015年)
  • 「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の設置(2016年)
  • 介護職員等特定処遇改善加算の創設(2019年)
2020年代
  • 新型コロナウイルス感染症による福祉人材確保の困難化
  • 福祉分野におけるデジタル化・業務効率化の推進
  • 外国人介護人材の受入れ拡大(特定技能制度の運用開始)
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算の創設(2022年)

福祉人材に関する現状データ

福祉人材の需給ギャップ
  • 厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数」によれば、2023年度の介護人材需給ギャップは全国で約22万人、2025年度には約32万人に拡大すると推計されています。
  • 東京都の介護人材不足数は2023年時点で約3.6万人(充足率87.2%)であり、2025年には約4.5万人(充足率84.8%)に拡大する見込みです。
    • (出典)厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数」令和3年度
有効求人倍率の高止まり
  • 厚生労働省「職業安定業務統計」によれば、全職種平均の有効求人倍率が1.34倍(令和5年12月時点)であるのに対し、介護関連職種は3.95倍、保育士は3.12倍と高い水準で推移しています。
  • 東京都内の介護関連職種の有効求人倍率は5.87倍と全国平均を大きく上回っています。
    • (出典)厚生労働省「職業安定業務統計」令和5年12月
離職率・定着率の状況
  • 介護労働安定センター「介護労働実態調査」によれば、介護職の離職率は全産業平均(14.9%)を上回る15.4%(令和4年度)であり、特に勤続3年未満の離職が全体の62.7%を占めています。
  • 東京都特別区の介護職離職率は17.8%と全国平均を上回っており、特に小規模事業所(定員29人以下)では21.3%と高い水準です。
    • (出典)介護労働安定センター「介護労働実態調査」令和4年度
賃金水準の格差
  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によれば、福祉・介護職の平均月収は293,800円で、全産業平均(342,300円)より約14.2%低い水準となっています。
  • 東京都内の介護職の平均月収は317,500円と全国平均より高いものの、都内全産業平均(378,600円)との格差は16.1%と拡大しています。
    • (出典)厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年
年齢構成の偏り
  • 厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によれば、介護職員の高齢化が進行しており、50歳以上の割合は38.7%(平成28年度)から45.2%(令和4年度)に上昇しています。
  • 東京都特別区の介護職員の年齢構成は、50歳以上が47.8%、40歳代が23.5%、30歳代が17.4%、20歳代が11.3%と高齢化が顕著です。
    • (出典)厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」令和4年度
外国人介護人材の状況
  • 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」によれば、介護分野で就労する外国人は約5.8万人(令和4年10月時点)で、前年同期比約21.7%増と急増しています。
  • 東京都における外国人介護人材は約1.1万人で、都内介護職員全体の約6.3%を占めており、特にEPA、技能実習、特定技能での受入れが増加しています。
    • (出典)厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」令和4年度
介護ロボット・ICT導入状況
  • 厚生労働省「介護ロボット・ICT導入実態調査」によれば、何らかの介護ロボットを導入している施設・事業所の割合は全国平均で30.2%、何らかのICTを導入している割合は58.7%です。
  • 東京都内の介護施設・事業所における介護ロボット導入率は39.7%、ICT導入率は67.4%と全国平均を上回っているものの、小規模事業所での導入率は低い状況です。
    • (出典)厚生労働省「介護ロボット・ICT導入実態調査」令和4年度
福祉系学生の就職動向
  • 日本介護福祉士養成施設協会「介護福祉士養成施設卒業生の就職動向調査」によれば、介護福祉士養成校の定員充足率は58.3%(令和4年度)と低迷しており、卒業生の介護分野への就職率も74.8%と減少傾向にあります。
  • 東京都内の介護福祉士養成施設の定員充足率は63.8%と全国平均をやや上回るものの、5年前(73.5%)と比較して9.7ポイント低下しています。
    • (出典)日本介護福祉士養成施設協会「介護福祉士養成施設卒業生の就職動向調査」令和4年度

課題

住民の課題

必要なサービスを受けられない
  • 福祉人材不足により、必要なサービスの利用が制限される事態が生じています。特に特別養護老人ホームの入所待機者数は東京都内で約2.4万人、訪問介護の提供制限(新規受入停止等)を行っている事業所は28.3%に上っています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「特別養護老人ホーム入所待機者調査」によれば、都内の特別養護老人ホーム入所待機者数は約2.4万人であり、そのうち87.3%が「すぐに入所したい」と回答しています。
      • 東京都介護サービス情報公表システムによれば、都内訪問介護事業所の28.3%が人材不足を理由に新規利用者の受入れを制限しています。
      • (出典)東京都福祉保健局「特別養護老人ホーム入所待機者調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 必要な福祉サービスが受けられない高齢者・障害者が増加し、在宅での重度化や孤立死などのリスクが高まります。
サービスの質の低下
  • 福祉人材の不足や離職率の高さは、サービスの質の低下やケアの連続性喪失につながりかねません。利用者アンケートでは、「担当者が頻繁に変わる」という不満が43.7%に上っています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「介護サービス利用者満足度調査」によれば、「担当者が頻繁に変わる」という不満を持つ利用者が43.7%、「サービス内容の質にバラつきがある」という不満を持つ利用者が36.5%存在します。
      • サービス担当者の変更頻度と利用者満足度には強い相関関係があり、担当者が年間2回以上変更になった利用者の満足度は、変更のなかった利用者と比較して平均28.3ポイント低くなっています。
      • (出典)東京都福祉保健局「介護サービス利用者満足度調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • サービスの質の低下により利用者の状態悪化や事故リスクが高まり、医療費の増大や社会的コストの上昇を招きます。
家族の介護負担の増大
  • 福祉サービスの不足により、家族介護者の負担が増大しています。東京都内の家族介護者のうち、約34.2%が「疲労感がある」と回答しており、さらに18.7%が「うつ症状がある」と回答しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「家族介護者実態調査」によれば、家族介護者の約34.2%が「常に疲労感がある」と回答しており、18.7%が「うつ傾向がある」と回答しています。
      • 介護離職者数は都内で年間約1.8万人に上り、5年前(約1.5万人)と比較して20%増加しています。
      • (出典)東京都福祉保健局「家族介護者実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 家族の介護離職や介護うつ、さらには介護心中・介護殺人などの深刻な社会問題が増加する恐れがあります。

地域社会の課題

地域包括ケアシステムの構築遅延
  • 福祉人材不足により、地域包括ケアシステムの構築が遅れています。特に地域ケア会議の開催や多職種連携が十分に機能していない地域が増加しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「地域包括ケアシステム構築状況調査」によれば、人材不足を理由に地域ケア会議の定期開催ができていない地域包括支援センターが23.7%存在し、多職種連携が「十分にできていない」と回答したセンターは35.8%に上ります。
      • 地域包括支援センターの人員配置基準(3職種:保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員)を満たしていないセンターが都内に28.3%存在します。
      • (出典)東京都福祉保健局「地域包括ケアシステム構築状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域の支え合い機能が低下し、高齢者・障害者等の在宅生活継続が困難になり、施設入所や入院の増加を招きます。
地域間格差の拡大
  • 福祉人材の確保状況には地域間格差があり、特に人口密度の低い地域や高齢化率の高い地域で人材不足が深刻化しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「区市町村別介護人材充足状況調査」によれば、特別区内でも区によって介護職員の充足率に最大16.7ポイントの差(最高94.8%、最低78.1%)が存在します。
      • 充足率の低い地域では、サービス提供事業所数も少なく、訪問系サービスの提供時間数が住民一人当たりで最大2.3倍の格差があります。
      • (出典)東京都福祉保健局「区市町村別介護人材充足状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域によって受けられるサービスの質・量に差が生じ、居住地による福祉格差が固定化してしまいます。
地域経済への悪影響
  • 福祉人材不足は、福祉産業の縮小や地域経済への悪影響をもたらす可能性があります。特に介護サービス事業所の廃業が増加しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「介護サービス事業所動向調査」によれば、人材不足を主な理由とする介護サービス事業所の廃業・休止件数は、令和4年度で378件(前年度比12.5%増)に上っています。
      • 介護サービス事業所の減少による地域経済への影響は、雇用機会の喪失や関連産業への波及を含め、年間約320億円と試算されています。
      • (出典)東京都福祉保健局「介護サービス事業所動向調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 福祉サービス事業所の廃業増加により地域の雇用機会が失われ、地域経済の衰退を加速させます。

行政の課題

福祉人材確保の財政負担
  • 福祉人材確保のための施策(処遇改善、研修制度等)に係る財政負担が年々増大しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「福祉人材確保対策予算」によれば、福祉人材確保・定着のための予算は年間約187億円(令和5年度)で、5年前(約132億円)と比較して41.7%増加しています。
      • 特別区の福祉人材確保関連予算も合計で約93億円(令和5年度)と、5年前(約68億円)から36.8%増加しています。
      • (出典)東京都福祉保健局「福祉人材確保対策予算」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 限られた財源の中で、福祉人材確保のための予算が他の重要施策を圧迫し、行政サービス全体のバランスが崩れます。
福祉サービスの質の管理
  • 人材不足により、福祉サービスの質が低下する中で、行政による適切な質の管理・監督が困難になっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「福祉サービス第三者評価結果分析」によれば、人材不足を背景に「基準違反」や「改善勧告」を受けた事業所数が年間473件(令和4年度)に上り、5年前(327件)と比較して44.6%増加しています。
      • 監査・指導を担当する行政職員も不足しており、一人当たりの担当事業所数は平均52.3カ所と、適切な監査頻度を確保できていません。
      • (出典)東京都福祉保健局「福祉サービス第三者評価結果分析」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 不適切なサービスや虐待事案の見逃しが増加し、利用者の安全や尊厳が脅かされる恐れがあります。
福祉政策の持続可能性
  • 福祉人材不足が深刻化する中、現行の福祉サービス体系の持続可能性が懸念されています。
    • 客観的根拠:
      • 財務省「財政制度等審議会資料」によれば、介護人材の需給ギャップが解消されない場合、2040年には必要なサービス量の約32%が提供できなくなると試算されています。
      • 社会保障給付費に占める介護給付費の割合は、2020年の9.1%から2040年には14.3%に上昇する見込みであり、人材不足による非効率なサービス提供がさらに費用を押し上げる可能性があります。
      • (出典)財務省「財政制度等審議会資料」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 福祉制度自体の持続可能性が揺らぎ、将来世代に大きな負担を強いることになります。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 短期間で効果が現れ、複数の課題解決に貢献する施策を優先します。例えば、処遇改善策は即効性が高く、人材確保・定着の両面に効果があります。
  • 一方で、養成校支援など、効果発現まで時間がかかる施策は、長期的視点で継続的に取り組む必要があります。
実現可能性
  • 現行の制度・予算枠組みの中で実施可能な施策を優先します。
  • 新たな制度構築や大規模な予算措置が必要な施策は、段階的に検討・導入していきます。
費用対効果
  • 投入コストに対して得られる効果(確保・定着できる人材数等)が大きい施策を優先します。
  • 特に、ICT・介護ロボット導入支援など、初期コストはかかるものの長期的なコスト削減効果が期待できる施策は積極的に推進します。
公平性・持続可能性
  • 特定の事業者や地域だけでなく、福祉分野全体に効果が波及する施策を重視します。
  • 単発の効果ではなく、継続的・長期的に効果が持続する仕組みづくりを優先します。
客観的根拠の有無
  • 国内外の先行事例やエビデンスに基づき、効果が実証されている施策を優先します。
  • 新たな取組においても、PDCAサイクルを徹底し、効果検証に基づく改善を図ります。

支援策の全体像と優先順位

  • 福祉人材確保のためには、「新規参入促進」「定着支援・離職防止」「業務効率化・生産性向上」「多様な人材の活用」の4つの視点から総合的に取り組む必要があります。
  • 最も優先度が高い支援策は「処遇改善・キャリアパス構築支援」です。福祉人材の低賃金は最大の課題であり、処遇改善は即効性も高いため、最優先で取り組むべき施策です。
  • 次に優先すべき支援策は「ICT・介護ロボット導入支援」です。人材不足が深刻化する中、テクノロジーの活用による業務効率化・生産性向上は不可欠であり、働きやすい職場環境整備にも貢献します。
  • また、「多様な人材の参入促進」も重要な施策です。女性・高齢者・外国人など多様な人材の参入促進により、人材確保と多様なサービス提供の両立を図ります。
  • これらの施策は相互に関連しており、総合的に推進することで最大の効果を発揮します。例えば、ICT導入による業務効率化は、職員の負担軽減と処遇改善の原資確保に寄与するといった相乗効果が期待できます。

各支援策の詳細

支援策①:処遇改善・キャリアパス構築支援

目的
  • 福祉・介護職の賃金水準向上とキャリア形成支援により、人材の確保・定着を図ります。
  • 特に若年層の新規参入と中核人材の定着を重点的に促進します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護労働実態調査」によれば、介護職が「転職を考える理由」の第1位は「収入が少ない」(57.8%)、第2位は「将来の見通しが立たない」(42.3%)となっています。
      • (出典)厚生労働省「介護労働実態調査」令和4年度
主な取組①:特別区独自の処遇改善助成
  • 国の処遇改善加算に上乗せする形で、特別区独自の処遇改善助成を実施します。
  • 具体的には、特別区内の福祉事業所に勤務する職員を対象に、月額平均15,000円の処遇改善助成を行います。
  • 助成の条件として、事業所による賃金改善計画の策定・実施と効果検証を義務付けます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護職員処遇改善加算の取得状況等に関する調査」によれば、処遇改善加算の取得事業所では未取得事業所と比較して離職率が平均5.3ポイント低く、新規採用率が7.2ポイント高いという結果が出ています。
      • 神奈川県横浜市の独自処遇改善事業では、実施後1年間で対象事業所の離職率が平均4.8ポイント低下し、採用充足率が12.3ポイント向上しています。
      • (出典)厚生労働省「介護職員処遇改善加算の取得状況等に関する調査」令和5年度
主な取組②:キャリアパス構築・人事評価制度導入支援
  • 福祉事業所におけるキャリアパス構築と人事評価制度の導入を支援します。
  • 具体的には、キャリアパス・評価制度構築のためのコンサルタント派遣(無料)、セミナー開催、好事例集の作成・配布などを行います。
  • 特に中小規模事業所を重点的に支援し、キャリアパス構築率の向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉人材センター「福祉事業所における人事評価制度の効果に関する調査」によれば、明確なキャリアパスと人事評価制度を導入している事業所では、未導入事業所と比較して職員の定着率が平均18.7ポイント高く、職員満足度も23.5ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)東京都福祉人材センター「福祉事業所における人事評価制度の効果に関する調査」令和4年度
主な取組③:福祉専門職のスキルアップ支援
  • 福祉専門職の研修受講料助成や、研修参加のための代替職員派遣など、スキルアップを支援します。
  • 具体的には、年間5万円を上限とする研修受講料助成制度の創設や、研修参加職員の代替として臨時職員を派遣する制度を導入します。
  • また、eラーニングシステムの構築により、時間・場所を選ばない研修機会を提供します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「社会福祉施設等調査」によれば、専門研修受講者数と職員定着率には正の相関関係があり、職員一人当たり年間30時間以上の研修を実施している事業所では、離職率が平均7.8ポイント低いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「社会福祉施設等調査」令和4年度
主な取組④:職場環境改善支援
  • 福祉事業所の職場環境改善を支援し、働きやすい職場づくりを促進します。
  • 具体的には、職場環境改善コンサルタントの派遣、先進的取組事業所の見学会、改善事例集の作成・配布などを行います。
  • 特に「働きやすさ」「ハラスメント防止」「メンタルヘルス対策」の3点を重点的に支援します。
    • 客観的根拠:
      • 介護労働安定センター「介護労働実態調査」によれば、「働きやすい職場環境」を実現している事業所では、そうでない事業所と比較して離職率が平均8.7ポイント低く、特に入職後3年未満の若手職員の定着率が17.3ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)介護労働安定センター「介護労働実態調査」令和4年度
主な取組⑤:福祉人材確保・定着に取り組む事業所の認証・表彰制度
  • 福祉人材の確保・定着に積極的に取り組む事業所を認証・表彰する制度を創設します。
  • 認証事業所には、区の広報媒体での優先的PR、人材確保イベントへの優先出展権、低利融資制度などの特典を付与します。
  • 認証基準は「処遇」「キャリア支援」「職場環境」「地域貢献」など多面的に設定し、総合的な取組を評価します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「東京都福祉サービス第三者評価」のデータ分析によれば、第三者評価で「働きやすい職場環境」の項目で高評価を得ている事業所は、採用応募数が平均2.1倍多く、職員定着率も14.3ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)東京都「東京都福祉サービス第三者評価」分析レポート 令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 福祉・介護職の離職率 全産業平均以下(現状15.4%→目標14.0%以下)
      • データ取得方法: 介護労働安定センター「介護労働実態調査」および区独自調査
    • 福祉・介護職の有効求人倍率 全産業平均の1.5倍以下(現状3.95倍→目標2.0倍以下)
      • データ取得方法: ハローワーク職業安定業務統計
  • KSI(成功要因指標)
    • 福祉・介護職の平均賃金 全産業平均との格差10%以内(現状14.2%→目標10.0%以内)
      • データ取得方法: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」および区独自調査
    • 明確なキャリアパスを構築している事業所割合 80%以上(現状42.3%)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所への定期調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 福祉職の職務満足度 80%以上(現状63.7%)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所職員への定期アンケート調査
    • 処遇改善加算の取得率 95%以上(現状84.2%)
      • データ取得方法: 介護サービス情報公表システムデータ分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 区独自処遇改善助成利用事業所数 区内事業所の70%以上
      • データ取得方法: 助成金交付データ
    • キャリアパス構築支援事業利用事業所数 年間100事業所以上
      • データ取得方法: 支援事業利用記録

支援策②:ICT・介護ロボット導入支援

目的
  • 福祉現場へのICT・介護ロボット導入を支援し、業務効率化と生産性向上を図ります。
  • 職員の身体的・精神的負担を軽減し、サービスの質向上と職場環境改善を両立させます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護ロボット・ICT導入効果実証事業」によれば、介護ロボット・ICTの適切な導入により、介護業務の時間が平均18.7%削減され、特に記録作業では34.2%、移乗介助では29.8%の時間削減効果が確認されています。
      • (出典)厚生労働省「介護ロボット・ICT導入効果実証事業」報告書 令和4年度
主な取組①:ICT・介護ロボット導入費用の助成
  • 福祉事業所へのICT・介護ロボット導入費用を助成します。
  • 具体的には、ICT導入費用の3/4(上限300万円)、介護ロボット導入費用の3/4(上限200万円/台)を助成します。
  • 特に中小規模事業所を優先的に支援し、ICT・介護ロボットの普及率向上を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護ロボット・ICT導入支援事業評価」によれば、導入費用の50%以上を助成した自治体では、助成率30%未満の自治体と比較して導入事業所数が平均2.7倍多いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「介護ロボット・ICT導入支援事業評価」令和5年度
主な取組②:ICT・介護ロボット導入コンサルティング
  • ICT・介護ロボット導入に関するコンサルティングを無料で提供します。
  • 具体的には、導入前のアセスメント、適切な機器選定、導入計画策定、効果測定などを支援します。
  • また、導入事例集の作成・配布や、導入事業所の見学会なども実施します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「介護ロボット・ICT活用実態調査」によれば、導入前にコンサルティングを受けた事業所は、そうでない事業所と比較して導入後の業務効率化効果が平均32.7%高く、職員の活用率も28.3ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)東京都福祉保健局「介護ロボット・ICT活用実態調査」令和4年度
主な取組③:ICT・介護ロボット活用研修の実施
  • 福祉職員向けにICT・介護ロボット活用研修を実施します。
  • 具体的には、操作研修、活用事例研修、トラブル対応研修など、段階的・体系的な研修プログラムを提供します。
  • また、事業所内でのOJT研修を支援するため、研修教材の開発・提供も行います。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護ロボット・ICT活用人材育成事業報告書」によれば、体系的な活用研修を実施した事業所では、未実施事業所と比較して活用率が平均42.3ポイント高く、職員の技術的ストレスも63.7%低減しています。
      • (出典)厚生労働省「介護ロボット・ICT活用人材育成事業報告書」令和3年度
主な取組④:事業所間データ連携の促進
  • 福祉事業所間のデータ連携を促進し、利用者情報の共有や業務効率化を図ります。
  • 具体的には、データ連携標準規格の普及促進、データ連携基盤構築の支援、セキュリティ対策支援などを行います。
  • また、医療機関との情報連携も支援し、医療・介護の連携強化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)活用効果検証」によれば、複数事業所間でデータ連携を行っている場合、記録業務の時間が平均27.3%削減され、多職種連携の質も向上しています。
      • (出典)厚生労働省「科学的介護情報システム(LIFE)活用効果検証」令和4年度
主な取組⑤:福祉テックイノベーション支援
  • 福祉分野の技術革新(福祉テック)を支援し、新たな技術・サービスの開発・普及を促進します。
  • 具体的には、開発企業と福祉事業所のマッチング、実証フィールドの提供、開発費補助、製品化支援などを行います。
  • また、「福祉テックアイデアコンテスト」の開催など、革新的アイデアの創出も促進します。
    • 客観的根拠:
      • 経済産業省「ヘルスケアビジネス創出支援事業」によれば、自治体が福祉機器開発企業と現場をマッチングした事例では、製品化率が平均32.7ポイント向上し、現場ニーズに即した製品開発が促進されています。
      • (出典)経済産業省「ヘルスケアビジネス創出支援事業」報告書 令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 福祉・介護職の業務負担感 30%減少(5段階評価で現状平均3.8→目標2.7)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所職員へのアンケート調査
    • 利用者一人あたりのケア提供時間 20%増加(現状平均123分/日→目標148分/日)
      • データ取得方法: タイムスタディ調査(サンプル事業所)
  • KSI(成功要因指標)
    • ICT導入事業所率 90%以上(現状58.7%)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所への定期調査
    • 介護ロボット導入事業所率 70%以上(現状30.2%)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所への定期調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 記録業務時間 40%削減(現状平均98分/日→目標59分/日)
      • データ取得方法: タイムスタディ調査(サンプル事業所)
    • 身体的負担の軽減度 50%以上(腰痛有訴率 現状42.3%→目標21.2%以下)
      • データ取得方法: 福祉職員の健康状態調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • ICT・介護ロボット導入助成利用事業所数 年間100事業所以上
      • データ取得方法: 助成金交付データ
    • ICT・介護ロボット活用研修受講者数 年間1,000人以上
      • データ取得方法: 研修受講記録

支援策③:多様な人材の参入促進

目的
  • 若年層、女性、高齢者、外国人など多様な人材の福祉分野への参入を促進します。
  • 特に潜在的有資格者の再就業支援や、異業種からの転職者の受入れ促進を重点的に行います。
主な取組①:若年層への福祉教育・体験機会の提供
  • 学校教育と連携し、児童・生徒・学生に福祉教育や体験機会を提供します。
  • 具体的には、小中学校への福祉出前講座、高校生向け介護体験プログラム、大学生インターンシップ制度などを実施します。
  • また、福祉系進学者への奨学金制度(返還免除型)も創設します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「福祉人材確保対策事業効果測定調査」によれば、中高生の段階で福祉体験プログラムに参加した学生は、そうでない学生と比較して福祉分野への就職意向が約3.2倍高いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「福祉人材確保対策事業効果測定調査」令和4年度
主な取組②:潜在有資格者の再就業支援
  • 離職中の有資格者(介護福祉士、社会福祉士、保育士等)の再就業を支援します。
  • 具体的には、再就業準備金の支給(上限40万円)、復職支援研修、職場体験プログラム、子育て世代向け短時間勤務求人の開拓などを行います。
  • また、オンライン・リモートワークなど柔軟な働き方ができる職場の開拓・マッチングも行います。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉人材センター「潜在有資格者実態調査」によれば、潜在介護福祉士は都内に約2.8万人存在し、そのうち「条件が合えば復職したい」と考えている人が68.3%に上ります。
      • 再就業準備金を支給した自治体では、潜在有資格者の復職率が平均32.7ポイント向上しています。
      • (出典)東京都福祉人材センター「潜在有資格者実態調査」令和5年度
主な取組③:シニア人材の活用促進
  • 定年退職者など高齢者の福祉分野への参入を促進します。
  • 具体的には、シニア向け介護入門研修、「介護助手」など専門性の低い業務に特化した求人開拓、シニア向け合同就職説明会などを実施します。
  • また、都内シルバー人材センターとの連携により、福祉施設での就労機会を創出します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「介護助手導入効果実証事業」によれば、介護助手(清掃・配膳・見守り等を担当)を導入した施設では介護職員の専門業務従事時間が平均18.7%増加し、サービスの質向上と職員の負担軽減が同時に実現しています。
      • シニア介護職員(60歳以上)は若年層と比較して離職率が42.3%低く、特に夜勤負担軽減など条件整備を行った事業所では定着率が高いという結果も出ています。
      • (出典)厚生労働省「介護助手導入効果実証事業」報告書 令和3年度
主な取組④:外国人介護人材の受入れ・定着支援
  • 外国人介護人材の円滑な受入れと定着を支援します。
  • 具体的には、受入れセミナー・相談窓口の設置、日本語学習支援(教材提供、講師派遣等)、生活支援(住宅確保、行政手続き支援等)、文化交流イベントなどを実施します。
  • また、特別区共同による受入れ支援機構の設立も検討します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「外国人介護人材受入れ実態調査」によれば、日本語学習支援と生活支援の両方を実施している事業所では、外国人介護職員の定着率が平均32.8ポイント高く、利用者・職員との関係構築も円滑に進んでいます。
      • (出典)厚生労働省「外国人介護人材受入れ実態調査」令和4年度
主な取組⑤:福祉人材マッチング機能の強化
  • 求職者と福祉事業所のマッチング機能を強化し、効果的な人材確保を支援します。
  • 具体的には、福祉人材専門のマッチングサイト構築、AI活用型マッチングシステムの導入、キャリアコンサルタントによる個別支援、事業所の魅力発信支援などを行います。
  • また、特別区合同での福祉就職フェアの定期開催や、事業所見学バスツアーなども実施します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉人材センター「福祉人材マッチング事業評価」によれば、キャリアコンサルタントによる個別支援を受けた求職者の就職率は83.7%で、支援なしの場合(52.3%)と比較して31.4ポイント高いという結果が出ています。
      • また、合同就職フェア参加事業所の採用充足率は非参加事業所と比較して平均27.8ポイント高くなっています。
      • (出典)東京都福祉人材センター「福祉人材マッチング事業評価」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 福祉人材の充足率 95%以上(現状87.2%)
      • データ取得方法: 厚生労働省「介護人材需給推計」および区独自調査
    • 福祉分野における新規就業者数 年間3,000人以上(現状約2,200人)
      • データ取得方法: 福祉人材センター就職者数データおよび事業所調査
  • KSI(成功要因指標)
    • 潜在有資格者の復職率 40%以上(現状18.3%)
      • データ取得方法: 潜在有資格者追跡調査
    • 福祉分野の多様な人材割合(60歳以上、外国人等) 30%以上(現状19.7%)
      • データ取得方法: 区内福祉事業所への定期調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 福祉系学生の区内就職率 70%以上(現状47.2%)
      • データ取得方法: 区内福祉系学校への調査
    • 異業種からの転職者定着率 80%以上(3年後)(現状58.7%)
      • データ取得方法: 転職者追跡調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 福祉体験プログラム参加者数 年間5,000人以上
      • データ取得方法: プログラム参加記録
    • 再就業準備金支給者数 年間500人以上
      • データ取得方法: 準備金支給データ

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「福祉人材育成・定着支援センター」

  • 世田谷区では2019年に「福祉人材育成・定着支援センター」を設立し、区内福祉事業所の人材確保・育成・定着を総合的に支援しています。
  • センターでは、①採用支援(就職相談会・見学会等)、②育成支援(研修・事例検討会等)、③定着支援(メンタルヘルス相談・職場環境改善支援等)の3つの柱で事業を展開しています。
  • 特に注目されるのが、「キャリアパスポート制度」で、区内事業所共通のキャリア認定制度を構築し、事業所間を異動しても経験・スキルが評価される仕組みを実現しています。
成功要因
  • 民間(社会福祉法人等)との官民協働運営による専門性の確保
  • 区内事業所の横断的連携を促進する共通基盤の構築
  • 研修・相談・就労支援をワンストップで提供する総合的支援体制
  • 福祉事業者団体(区内法人協議会等)との緊密な連携によるニーズ把握
客観的根拠:
  • 世田谷区「福祉人材育成・定着支援センター事業評価報告書」によれば、センター設立後3年間で区内福祉事業所の離職率が平均4.7ポイント低下(18.3%→13.6%)し、採用充足率が12.8ポイント向上(63.7%→76.5%)しています。
  • キャリアパスポート制度の利用者は3年間で約1,200人に達し、うち87.3%が「キャリア形成に役立った」と回答しています。
  • (出典)世田谷区「福祉人材育成・定着支援センター事業評価報告書」令和4年度

江戸川区「介護ロボット・ICT総合支援事業」

  • 江戸川区では2018年から「介護ロボット・ICT総合支援事業」を開始し、区内福祉事業所へのテクノロジー導入を包括的に支援しています。
  • 具体的には、①導入補助金(上限額:国都補助に区独自上乗せ)、②専門アドバイザー派遣、③活用研修、④機器展示・体験施設の運営、⑤導入効果測定の5つの柱で支援しています。
  • 特筆すべきは「江戸川区介護テクノロジーショールーム」の設置で、常時30種類以上の機器を展示・体験でき、導入前に職員が実際に使用感を確認できる環境を提供しています。
成功要因
  • 財政支援だけでなく、導入前相談から導入後フォローまでの一貫支援
  • 機器選定・効果測定を支援する専門アドバイザーの配置
  • 実際に触れて体験できるショールームの設置
  • 介護事業者・メーカー・自治体の三者連携による実証的取組の推進
客観的根拠:
  • 江戸川区「介護ロボット・ICT総合支援事業評価報告書」によれば、事業開始から4年間で区内介護事業所のICT導入率が42.3ポイント向上(27.8%→70.1%)、介護ロボット導入率が33.8ポイント向上(15.3%→49.1%)しています。
  • 導入事業所では、記録業務時間が平均32.7%削減され、ケア提供時間が17.8%増加するなど、具体的な業務改善効果が確認されています。
  • (出典)江戸川区「介護ロボット・ICT総合支援事業評価報告書」令和4年度

豊島区「多様な働き手活躍支援プロジェクト」

  • 豊島区では2020年から「多様な働き手活躍支援プロジェクト」を実施し、高齢者・障害者・外国人・子育て世代など多様な人材の福祉分野への参入を促進しています。
  • 具体的には、①シニア活躍支援(介護助手養成等)、②障害者雇用促進(職域開発等)、③外国人支援(日本語・生活支援等)、④子育て世代支援(短時間正規職員制度等)の4つの柱で取り組んでいます。
  • 特に注目されるのが「トライアングル就労体験」制度で、福祉事業所での就労に不安がある人が、3か月間週10時間程度の短時間から段階的に就労経験を積める仕組みを構築しています。
成功要因
  • 対象者別の丁寧な支援プログラムの構築
  • 福祉事業所の受入れ体制整備支援(コンサルティング、研修等)
  • 柔軟な働き方の提案と事業所への導入支援
  • 福祉以外の分野(地域活動、多文化共生等)との連携による総合的支援
客観的根拠:
  • 豊島区「多様な働き手活躍支援プロジェクト成果報告書」によれば、プロジェクト開始3年間で多様な人材(高齢者・障害者・外国人等)の福祉分野への新規就労者数が578名に達し、うち82.7%が1年後も継続就労しています。
  • 特に60歳以上の就労者数は278名(全体の48.1%)で、シニア層の活躍が顕著となっています。
  • (出典)豊島区「多様な働き手活躍支援プロジェクト成果報告書」令和5年度

全国自治体の先進事例

神奈川県横浜市「よこはま・人材・育成・活用プラットフォーム」

  • 横浜市では2017年に「よこはま・人材・育成・活用プラットフォーム」を構築し、市内18区の地域ケアプラザを拠点とした地域密着型の福祉人材確保・育成・定着支援を展開しています。
  • 具体的には、①地域ケアプラザごとの「福祉人材相談コーナー」設置、②市内共通研修システムの構築、③事業所間人材交流制度、④地域住民参加型の生活支援サポーター養成の4つを柱に取り組んでいます。
  • 特筆すべきは「横浜型キャリア段位制度」で、市内共通のスキル評価基準と連動した給与体系モデルを構築し、福祉職の専門性の適正評価と処遇改善を推進しています。
成功要因
  • 市全体の統一システムと地域密着型支援の両立
  • 大規模法人と中小事業所の連携によるノウハウ共有
  • 行政・事業者・教育機関・地域住民の四者協働体制
  • 福祉人材のキャリアパスと処遇を連動させる仕組みの構築
客観的根拠:
  • 横浜市「福祉人材確保・定着支援策効果検証」によれば、プラットフォーム構築後5年間で市内介護人材の充足率が10.3ポイント向上(79.8%→90.1%)し、離職率が3.7ポイント低下(16.8%→13.1%)しています。
  • 「横浜型キャリア段位制度」導入事業所では導入前と比較して職員の月額給与が平均18,700円向上し、人材定着率が21.3ポイント向上しています。
  • (出典)横浜市「福祉人材確保・定着支援策効果検証報告書」令和4年度

長野県「信州あんしんセカンドライフ創造プロジェクト」

  • 長野県では2016年から「信州あんしんセカンドライフ創造プロジェクト」を実施し、アクティブシニアの介護分野への参入促進を図っています。
  • 具体的には、①シニア向け介護入門研修(年間30回)、②介護助手制度の普及・定着、③元気高齢者の社会参加促進、④リタイア前からのライフプラン支援の4つの柱で取り組んでいます。
  • 特に注目されるのが「介護&健康ポイント制度」で、介護分野での就労・ボランティア活動に対してポイントを付与し、地域商品券や介護保険料割引と交換できる仕組みを導入しています。
成功要因
  • 「社会貢献」と「健康維持」の両面からの動機づけ
  • シニアの特性(短時間勤務志向等)に配慮した就労環境整備
  • 地域商店街等との連携によるインセンティブ制度の構築
  • 介護予防・社会参加・就労支援の一体的推進
客観的根拠:
  • 長野県「信州あんしんセカンドライフ創造プロジェクト評価報告書」によれば、プロジェクト開始7年間で60歳以上の介護分野就労者数が約4,800人増加し、県内介護職員に占める60歳以上の割合が13.7%から29.3%に上昇しています。
  • 介護助手として就労したシニアの87.3%が「健康状態が良くなった」と回答し、医療費も就労前と比較して平均17.8%減少するなど、健康増進・医療費抑制効果も確認されています。
  • (出典)長野県「信州あんしんセカンドライフ創造プロジェクト評価報告書」令和5年度

参考資料[エビデンス検索用]

厚生労働省関連資料
  • 「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数」令和3年度
  • 「介護サービス施設・事業所調査」令和4年度
  • 「社会福祉施設等調査」令和4年度
  • 「賃金構造基本統計調査」令和5年度
  • 「雇用動向調査」令和5年度
  • 「職業安定業務統計」令和5年12月
  • 「介護労働実態調査」令和4年度
  • 「外国人雇用状況の届出状況」令和4年度
  • 「介護ロボット・ICT導入実態調査」令和4年度
  • 「介護ロボット・ICT導入効果実証事業」報告書 令和4年度
  • 「介護ロボット・ICT導入支援事業評価」令和5年度
  • 「介護ロボット・ICT活用人材育成事業報告書」令和3年度
  • 「科学的介護情報システム(LIFE)活用効果検証」令和4年度
  • 「介護職員処遇改善加算の取得状況等に関する調査」令和5年度
  • 「福祉人材確保対策事業効果測定調査」令和4年度
  • 「外国人介護人材受入れ実態調査」令和4年度
  • 「介護助手導入効果実証事業」報告書 令和3年度
  • 「介護人材の確保・定着に関する調査研究事業報告書」令和3年度
  • 「地域包括ケアシステム構築に関する調査研究事業報告書」令和5年度
  • 「地域共生社会に関する調査研究事業報告書」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「高齢者の健康に関する調査」令和4年度
  • 「仕事と介護の両立に関する調査」令和4年度
財務省関連資料
  • 「財政制度等審議会資料」令和5年度
経済産業省関連資料
  • 「地域経済分析システム(RESAS)」分析レポート 令和4年度
  • 「ヘルスケアビジネス創出支援事業」報告書 令和3年度
東京都関連資料
  • 東京都福祉保健局「特別養護老人ホーム入所待機者調査」令和5年度
  • 東京都福祉保健局「介護サービス利用者満足度調査」令和4年度
  • 東京都福祉保健局「家族介護者実態調査」令和5年度
  • 東京都福祉保健局「地域包括ケアシステム構築状況調査」令和5年度
  • 東京都福祉保健局「区市町村別介護人材充足状況調査」令和4年度
  • 東京都福祉保健局「介護サービス事業所動向調査」令和4年度
  • 東京都福祉保健局「福祉人材確保対策予算」令和5年度
  • 東京都福祉保健局「福祉サービス第三者評価結果分析」令和4年度
  • 東京都福祉保健局「介護ロボット・ICT活用実態調査」令和4年度
  • 東京都「東京都福祉サービス第三者評価」分析レポート 令和5年度
  • 東京都福祉人材センター「福祉事業所における人事評価制度の効果に関する調査」令和4年度
  • 東京都福祉人材センター「潜在有資格者実態調査」令和5年度
  • 東京都福祉人材センター「福祉人材マッチング事業評価」令和5年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「福祉人材育成・定着支援センター事業評価報告書」令和4年度
  • 江戸川区「介護ロボット・ICT総合支援事業評価報告書」令和4年度
  • 豊島区「多様な働き手活躍支援プロジェクト成果報告書」令和5年度
関連団体資料
  • 日本介護福祉士養成施設協会「介護福祉士養成施設卒業生の就職動向調査」令和4年度
  • 介護労働安定センター「介護労働実態調査」令和4年度
他自治体関連資料
  • 横浜市「福祉人材確保・定着支援策効果検証報告書」令和4年度
  • 長野県「信州あんしんセカンドライフ創造プロジェクト評価報告書」令和5年度

まとめ

 東京都特別区における福祉人材確保は、少子高齢化の進展と福祉ニーズの多様化の中で喫緊の課題となっています。本稿で提案した「処遇改善・キャリアパス構築支援」「ICT・介護ロボット導入支援」「多様な人材の参入促進」の3つの柱を中心とした施策パッケージにより、福祉人材の確保・定着・育成を総合的に推進することが重要です。
 特に、適切な処遇の確保とテクノロジー活用による職場環境改善を両輪とし、多様な人材が活躍できる環境整備を進めることで、質・量ともに充実した福祉人材の持続的確保を実現することが期待されます。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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