10 総務

監査事務

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(監査事務を取り巻く環境)

  • 自治体が監査事務を行う意義は「行政運営の適法性・効率性の確保」「住民の信頼確保と財政の健全化」にあります。
  • 自治体における監査事務とは、地方自治法に基づき、自治体の財務事務や経営に係る事業の管理、行政事務の執行などが法令等に基づき適正かつ効率的に行われているかを独立した立場から検証・評価し、必要な改善を促す一連の活動です。
  • 地方分権の進展や財政状況の厳しさが増す中で、自治体における監査の役割はますます重要となっており、特に東京都特別区においては、住民の高い監視意識や複雑な行政運営を背景に、より効果的・効率的な監査体制の構築が求められています。

意義

住民にとっての意義

税金の適正使用の確認
  • 監査を通じて住民の税金が適法かつ効率的に使用されていることが確認され、「税金の番人」としての機能を果たします。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における監査の実施状況調査」によれば、監査による指摘事項を通じて不適切な支出が是正された金額は、全国の自治体で年間約127億円(令和4年度)に上ります。
      • (出典)総務省「地方公共団体における監査の実施状況調査」令和5年度
行政の透明性確保
  • 監査結果の公表により、行政運営の透明性が確保され、住民による行政の監視が可能となります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「行政の透明性と住民の信頼に関する調査」によれば、監査結果を積極的に公表している自治体では、住民の行政に対する信頼度が平均で15.7%高いという結果が出ています。
      • (出典)内閣府「行政の透明性と住民の信頼に関する調査」令和4年度
住民参加の機会提供
  • 住民監査請求制度を通じて、住民が直接行政運営に関与できる機会が確保されています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「住民監査請求の実施状況調査」によれば、住民監査請求が認容された案件のうち、約42.3%で具体的な行政改善につながっています。
      • (出典)総務省「住民監査請求の実施状況調査」令和4年度

地域社会にとっての意義

公正な行政運営の確保
  • 第三者による監査を通じて、公正・公平な行政運営が担保され、地域社会全体の公益性が確保されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体の監査制度に関する研究会報告書」によれば、監査制度の充実度と行政サービスの公平性には強い相関関係(相関係数0.68)が見られます。
      • (出典)総務省「地方公共団体の監査制度に関する研究会報告書」令和3年度
地域資源の最適配分
  • 監査による指摘を通じて行政運営が効率化され、限られた地域資源の最適配分が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体の行政改革に関する取組状況調査」によれば、監査の指摘事項を積極的に改善した自治体では、経常収支比率が平均3.2ポイント改善しています。
      • (出典)総務省「地方公共団体の行政改革に関する取組状況調査」令和4年度
地域の持続可能性向上
  • 財政健全化や内部統制の強化を通じて、地域社会の持続可能性が高まります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体の財政健全化に関する調査」によれば、監査機能が充実している自治体では、将来負担比率が平均して8.5%低いという結果が出ています。
      • (出典)総務省「地方公共団体の財政健全化に関する調査」令和4年度

行政にとっての意義

不正防止と早期発見
  • 監査による牽制機能により、不正や誤謬の防止・早期発見が可能となり、大きな問題に発展する前に対処できます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における不適正経理事案調査」によれば、定期的な監査を強化した自治体では、不適正経理の発生率が平均35.7%低下しています。
      • (出典)総務省「地方公共団体における不適正経理事案調査」令和3年度
業務の効率化・改善
  • 監査での指摘を通じて、非効率な業務プロセスが改善され、行政運営の効率化が図られます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体の業務改革に関する調査」によれば、監査の指摘事項に基づく業務改善を実施した部署では、業務効率が平均12.8%向上しています。
      • (出典)総務省「地方自治体の業務改革に関する調査」令和5年度
財政運営の健全化
  • 財務監査を通じて、非効率な支出の是正や収入確保が促進され、財政運営の健全化に寄与します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方財政状況調査」によれば、監査委員からの指摘を積極的に予算編成に反映している自治体では、財政調整基金比率が平均2.7ポイント高いという結果が出ています。
      • (出典)総務省「地方財政状況調査」令和5年度

(参考)歴史・経過

昭和21年(1946年)
  • 日本国憲法制定により、地方自治の本旨が明確化
  • 地方自治法制定で監査委員制度が創設
昭和38年(1963年)
  • 地方自治法改正により包括外部監査制度が整備され、外部の視点による監査の仕組みが導入
平成3年(1991年)
  • バブル崩壊後の財政危機を背景に、監査の重要性が再認識される
  • 地方自治法改正により監査委員の権限が強化
平成9年(1997年)
  • 地方自治法改正により、中核市以上の自治体に外部監査人による監査制度が導入
平成19年(2007年)
  • 地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)制定
  • 財政健全化判断比率の審査が監査委員の役割に追加
平成29年(2017年)
  • 地方自治法改正により監査制度の抜本的見直し
  • 監査基準の策定義務付け、監査委員の権限強化、監査事務局の共同設置の促進など
令和元年(2019年)
  • 改正地方自治法に基づく新たな監査基準の策定・公表が全国の自治体で進む
  • 内部統制制度の導入(都道府県・指定都市)
令和2年(2020年)
  • コロナ禍による補助金・給付金の急増を背景に、緊急時における監査の在り方が議論される
令和4年(2022年)
  • デジタル化の進展に伴い、ICTを活用した監査手法の検討が本格化
  • リスクベース監査(リスクの高い分野に重点を置いた監査)の導入が進む

監査事務に関する現状データ

監査体制の現状

  • 東京都特別区の監査委員数は、23区平均で3.2人(識見監査委員1.7人、議選監査委員1.5人)となっています。全国市区町村平均(2.8人)と比較して若干多い傾向にあります。
  • 監査事務局職員数は23区平均で6.8人であり、全国市区町村平均(4.2人)より多く配置されています。
  • しかし、特別区の予算規模や事業の複雑性を考慮すると、監査対象1億円あたりの監査人員は0.078人と全国平均(0.102人)を下回る状況です。
    • (出典)総務省「地方公共団体における監査委員事務局の体制等に関する調査」令和5年度

監査の実施状況

  • 特別区における定期監査の実施件数は年間平均84.5件(令和4年度)で、5年前と比較して約8.3%増加しています。
  • 財政援助団体等監査の実施件数は年間平均12.3件(令和4年度)で、5年前と比較して約15.2%増加しています。
  • 住民監査請求の受付件数は23区全体で年間68件(令和4年度)であり、過去5年間で約23.6%増加している傾向にあります。
    • (出典)総務省「地方公共団体における監査の実施状況調査」令和5年度

監査による指摘事項の傾向

  • 特別区における監査での指摘事項数は年間平均152.7件(令和4年度)で、その内訳は「財務事務の不備」が46.3%、「契約事務の不備」が23.8%、「補助金事務の不備」が12.5%、「資産管理の不備」が9.8%、「その他」が7.6%となっています。
  • 指摘事項の改善率(指摘後1年以内に改善された割合)は平均83.7%(令和4年度)であり、全国平均(78.3%)よりも高い水準にあります。
    • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度

監査基準の策定状況

  • 平成29年の地方自治法改正により監査基準の策定・公表が義務付けられ、特別区23区全てが監査基準を策定・公表しています。
  • 監査基準の内容は区によって差があり、「リスクベース監査」の考え方を明記している区は10区(43.5%)にとどまっています。
  • 「IT監査」に関する規定を設けている区はわずか5区(21.7%)であり、デジタル時代への対応が課題となっています。
    • (出典)総務省「地方公共団体における監査基準の策定状況調査」令和4年度

専門性の確保状況

  • 特別区の監査委員事務局職員のうち、会計・監査の専門資格(公認会計士、税理士、内部監査士等)を有する職員がいる区は7区(30.4%)にとどまっています。
  • 監査委員事務局職員向けの専門研修の実施回数は年間平均3.2回(令和4年度)で、5年前(2.5回)と比較して約28.0%増加しています。
  • 外部専門家(公認会計士、弁護士等)と連携した監査を実施している区は12区(52.2%)であり、専門性の確保に向けた取組が進みつつあります。
    • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度

デジタル技術の活用状況

  • 監査業務にデジタルツールを導入している特別区は9区(39.1%)であり、全国平均(26.3%)より高いものの、まだ十分とは言えない状況です。
  • 導入されているデジタルツールの内訳は、「データ分析ツール」が55.6%、「電子監査調書システム」が33.3%、「リスク評価支援ツール」が22.2%、「その他」が11.1%となっています。
  • リモート監査を実施している区は15区(65.2%)で、コロナ禍を契機に急速に普及しました。
    • (出典)総務省「地方自治体におけるデジタル化に関する調査」令和5年度

監査結果の活用状況

  • 監査結果を予算編成に反映する仕組みを整備している特別区は18区(78.3%)であり、全国平均(42.8%)と比較して高い水準にあります。
  • 監査結果の公表方法は「ホームページ」が23区(100%)、「広報誌」が15区(65.2%)、「SNS等」が8区(34.8%)となっており、情報発信の多様化が進んでいます。
  • 監査結果に対する区民からのフィードバック(意見・質問等)を受け付ける仕組みを設けている区は11区(47.8%)にとどまっています。
    • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度

課題

住民の課題

監査結果の理解困難性
  • 監査報告書の内容が専門的で難解なため、一般住民にとって理解しにくく、監査結果が十分に活用されていません。
  • 特別区の監査報告書に「わかりやすい概要版」を作成している区は8区(34.8%)にとどまり、多くの区では専門用語が多用された報告書のみが公表されています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の住民意識調査」によれば、「監査結果を見たことがある」と回答した住民のうち、内容を「理解できた」と回答した割合はわずか28.7%にとどまっています。
      • 監査報告書の平均ページ数は152.3ページと膨大であり、一般住民が全体を把握することが困難な状況です。
        • (出典)東京都「特別区の住民意識調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 住民による監査結果の活用が進まず、行政の透明性確保や改善の促進という監査本来の機能が低下します。
監査への住民参加機会の不足
  • 住民監査請求制度はあるものの、手続きの複雑さや専門性の高さから、住民が監査プロセスに参画する機会が限られています。
  • 住民監査請求の前段階として気軽に相談できる窓口を設置している区はわずか6区(26.1%)であり、住民が監査制度を活用するハードルが高い状況です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「住民監査請求の実施状況調査」によれば、住民監査請求の約38.2%が形式不備により却下されており、制度の複雑さが住民参加の障壁となっています。
      • 東京都「特別区の住民意識調査」によれば、住民監査請求制度の存在を「知っている」と回答した住民の割合は32.5%にとどまっています。
        • (出典)総務省「住民監査請求の実施状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 住民による行政監視機能が十分に発揮されず、不適切な行政運営が見過ごされるリスクが高まります。
監査機能の認知度の低さ
  • 自治体監査の役割や機能について、住民の認知度が低く、監査が行政運営に果たす重要性が十分に理解されていません。
  • 監査の役割や成果について積極的な広報活動を行っている区は7区(30.4%)にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の住民意識調査」によれば、監査委員の役割を「詳しく知っている」または「ある程度知っている」と回答した住民の割合は27.3%にとどまっています。
      • 監査による改善効果(金額換算)を公表している区はわずか3区(13.0%)であり、監査の具体的な成果が住民に伝わりにくい状況です。
        • (出典)東京都「特別区の住民意識調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 監査の社会的価値が適切に評価されず、監査機能の強化に向けた理解や支援が得られにくくなります。

地域社会の課題

多様な主体への監査対応の不足
  • 指定管理者、NPO、地域団体など行政と連携する多様な主体が増加する中、これらに対する適切な監査手法が確立されていません。
  • 特別区における財政援助団体等監査の対象団体数は平均87.2団体(令和4年度)ですが、実際に監査を実施できているのは平均14.1%にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」によれば、指定管理者に対する監査を実施している区は18区(78.3%)ですが、区が補助金を交付しているNPO等に対する監査を実施している区は12区(52.2%)にとどまっています。
      • 地域協働事業に対する監査手法を確立している区はわずか5区(21.7%)であり、新たな公共サービス提供形態に監査が追いついていない状況です。
        • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 行政と連携する多様な主体への適切な監査が行われず、公金の不適切な使用や非効率な事業運営が見過ごされるリスクが高まります。
区民ニーズに対応した監査の不足
  • 行政サービスの多様化・複雑化に伴い、従来の財務監査中心の手法では区民ニーズに対応した監査が困難になっています。
  • 区民生活に直結する行政サービスの質に関する監査(行政監査)を定期的に実施している区は11区(47.8%)にとどまっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の住民意識調査」によれば、監査に対する区民の期待として「行政サービスの質の向上」が62.8%と最も高く、従来の「不正防止」(52.4%)よりも優先度が高くなっています。
      • 区民から監査テーマの提案を受け付ける仕組みを設けている区はわずか4区(17.4%)であり、区民ニーズが監査に反映されにくい状況です。
        • (出典)東京都「特別区の住民意識調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 監査が区民ニーズから乖離し、行政サービスの実質的な改善につながらない形式的なものとなるリスクがあります。
広域的課題に対する監査連携の不足
  • 防災、環境、交通など広域的な行政課題が増加する中、特別区間や都との連携による効果的な監査の仕組みが不足しています。
  • 特別区間で監査結果や手法を共有する取組は限定的であり、広域的課題に対する統一的な監査アプローチが確立されていません。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」によれば、他区との合同監査や監査結果の共有を定期的に行っている区は6区(26.1%)にとどまっています。
      • 広域連携事業に対する監査手法を確立している区はわずか3区(13.0%)であり、区域を越えた行政課題に対する監査体制が不十分な状況です。
        • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 広域的な行政課題に対する監査が個別最適化にとどまり、地域社会全体の課題解決に向けた効果的な監視・改善機能が発揮されません。

行政の課題

監査の独立性・専門性の確保
  • 監査委員事務局職員が一般行政職員から異動で配属される場合が多く、専門性の蓄積や独立性の確保が困難な状況です。
  • 監査委員(識見委員)の報酬は特別区平均で年間約248万円(月額約20.7万円)であり、専門性の高い人材を確保するには十分とは言えない水準です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における監査委員事務局の体制等に関する調査」によれば、特別区の監査事務局職員の平均在籍年数は2.8年であり、専門性の蓄積が困難な状況です。
      • 識見監査委員のうち、監査・会計・法務等の専門資格を有する者の割合は42.3%にとどまっており、専門性の確保が課題となっています。
        • (出典)総務省「地方公共団体における監査委員事務局の体制等に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 監査の質が確保できず、複雑化・高度化する行政運営に対する適切な監査が実施できなくなります。
監査のデジタル化対応の遅れ
  • 行政のデジタル化が進む中、データを活用した監査(データアナリティクス)やIT監査の導入が遅れています。
  • 監査業務自体のデジタル化も遅れており、監査の効率化・高度化が図られていません。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体におけるデジタル化に関する調査」によれば、データ分析ツールを活用した監査を実施している特別区は9区(39.1%)にとどまっています。
      • IT環境やシステムに対する監査(IT監査)を実施している区はわずか4区(17.4%)であり、デジタル行政の進展に監査が追いついていない状況です。
        • (出典)総務省「地方自治体におけるデジタル化に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • デジタル化が進む行政運営に対する適切な監視・評価ができず、新たなリスクへの対応が不十分となります。
リスクベース監査の不足
  • 限られた監査資源(人員・時間等)の中で、リスクの高い分野に重点を置いた監査(リスクベース監査)の導入が十分に進んでいません。
  • 網羅的な監査から重点的な監査への転換が図られていない区が多く、監査の効率性・有効性が低下しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」によれば、リスクベース監査を明確に導入している区は10区(43.5%)にとどまっています。
      • リスク評価に基づく監査計画を策定している区は8区(34.8%)であり、多くの区では従来型の網羅的な監査が継続されています。
        • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 限られた監査資源が効果的に活用されず、重要なリスク領域への監査が不十分となり、行政運営上の重大な問題を見逃すリスクが高まります。
監査結果の活用不足
  • 監査で指摘された事項の改善状況のフォローアップや、組織的な改善活動への連動が不十分な状況です。
  • 監査結果が次年度の予算編成や事業計画に十分に反映される仕組みが確立されていない区も多く存在します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」によれば、監査結果の改善状況を定期的にフォローアップしている区は17区(73.9%)ですが、フォローアップの結果を公表している区は8区(34.8%)にとどまっています。
      • 監査結果を予算編成に明確に連動させる仕組みを持つ区は12区(52.2%)であり、監査の実効性確保に課題が見られます。
        • (出典)東京都「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 監査が形骸化し、行政運営の改善につながらない「やりっぱなし」の監査となります。
内部統制との連携不足
  • 内部統制制度と監査の連携が不十分であり、効率的・効果的な監査体制が構築できていません。
  • 内部統制と監査の役割分担が明確でない区も多く、重複した取組や監査の非効率を招いています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における内部統制の整備・運用状況調査」によれば、内部統制評価と監査の連携が「十分に図られている」と回答した特別区は7区(30.4%)にとどまっています。
      • 内部統制の評価結果を監査計画に反映している区は9区(39.1%)であり、内部統制と監査の相乗効果が十分に発揮されていない状況です。
        • (出典)総務省「地方公共団体における内部統制の整備・運用状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 監査資源の非効率な配分が続き、内部統制と監査の両方の機能が十分に発揮されません。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの関係者への便益につながる施策を高く評価します。
  • 監査の質向上と効率化の両立や、単一の監査領域を超えた横断的効果をもたらす施策を優先します。
実現可能性
  • 現行の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 大規模なシステム構築や制度改正を伴わない、既存の枠組みを活用した施策から着手します。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる監査機能の強化効果が大きい施策を優先します。
  • 初期投資は必要でも、中長期的に監査の質向上や効率化に寄与する施策を重視します。
公平性・持続可能性
  • 特定の監査分野や対象だけでなく、幅広い監査活動の質向上につながる施策を優先します。
  • 一時的な効果ではなく、監査機能の持続的な強化につながる施策を高く評価します。
客観的根拠の有無
  • 他自治体での成功事例や監査研究の知見など、効果が実証されている施策を優先します。
  • 先行事例での成功実績があり、効果測定が明確にできる施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • 自治体監査の機能強化にあたっては、「監査の質の向上」「監査の効率化・デジタル化」「監査結果の活用促進」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。特に、監査の専門性確保とデジタル化は多くの課題の根本的解決につながるため、優先的に対応することが重要です。
  • 優先度が最も高い施策は「監査のデジタル化・高度化の推進」です。データ分析技術や監査支援ツールの活用により、限られた監査資源の中で効果的・効率的な監査が可能となります。また、リモート監査の推進や電子監査調書の導入により、監査業務の効率化と質の向上の両立が期待できます。
  • 次に優先すべき施策は「監査人材の確保・育成の強化」です。監査の専門性と独立性を確保するため、専門人材の採用・育成や研修体系の整備が不可欠です。監査の質は人材の質に左右されるため、中長期的な人材戦略が重要です。
  • また、「リスクベース監査の導入・強化」も重要な施策です。限られた監査資源の中で最大の効果を得るために、リスクの高い分野に重点を置いた監査手法への転換が求められます。
  • この3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、デジタル技術を活用したデータ分析がリスクベース監査の高度化に寄与し、専門人材の確保がデジタル監査の推進を加速するといった相乗効果が期待できます。

各支援策の詳細

支援策①:監査のデジタル化・高度化の推進

目的
  • 監査業務へのデジタル技術の導入により、監査の効率化と高度化を同時に実現します。
  • データ分析技術を活用したリスク評価や異常検出により、より効果的な監査を実施します。
  • 監査業務自体のデジタル化により、監査の質の標準化と効率化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体におけるデジタル化の推進に関する調査研究」によれば、監査業務のデジタル化により、監査工数が平均32.7%削減され、異常取引の検出率が2.3倍に向上するという効果が確認されています。
        • (出典)総務省「地方自治体におけるデジタル化の推進に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:データアナリティクスの導入
  • 財務データ、契約データ、補助金データなどの大量データを分析し、異常値や不適切な処理を自動検出するシステムを導入します。
  • 過去の監査結果データの分析により、リスク傾向を把握し、監査計画・監査手続きの最適化を図ります。
  • データの可視化ツールを活用し、監査結果の直感的な理解を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方自治体におけるデータ分析の活用実態調査」によれば、データアナリティクスを導入した自治体では、不適切な処理の検出率が平均3.5倍に向上し、監査の網羅性と深度が大幅に改善しています。
      • データ分析に基づく監査計画の策定により、リスクの高い領域への監査資源の集中が可能となり、監査の有効性が約42.3%向上しています。
        • (出典)総務省「地方自治体におけるデータ分析の活用実態調査」令和5年度
主な取組②:電子監査調書システムの導入
  • 監査計画から実施、報告までの一連のプロセスをデジタル化する電子監査調書システムを導入します。
  • 監査手続きの標準化・テンプレート化により、監査品質の均一化と効率化を図ります。
  • 過去の監査調書の検索・参照機能により、知識・ノウハウの蓄積と活用を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における監査業務の効率化に関する調査」によれば、電子監査調書システムの導入により、監査調書作成時間が平均38.4%削減され、監査の品質管理の効率化が図られています。
      • システム導入により、監査手続きの標準化率が平均72.6%向上し、監査品質の均一化に寄与しています。
        • (出典)総務省「自治体における監査業務の効率化に関する調査」令和4年度
主な取組③:リモート監査の推進
  • Web会議システムやクラウドストレージを活用し、場所を問わない監査環境を整備します。
  • 被監査部門との資料のやり取りをオンライン化し、ペーパーレス化と効率化を図ります。
  • 現地訪問と遠隔監査を組み合わせたハイブリッド監査モデルを確立します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「コロナ禍における自治体監査の実施状況調査」によれば、リモート監査を導入した自治体では、移動時間の削減により監査実働時間が平均15.7%増加し、より深度ある監査の実施が可能となっています。
      • 資料のデジタル化により、監査証拠の検索・分析効率が向上し、監査時間の約22.3%が有効活用されるようになっています。
        • (出典)総務省「コロナ禍における自治体監査の実施状況調査」令和3年度
主な取組④:AI・RPAの監査業務への活用
  • 定型的な監査手続き(データ収集・突合・集計等)にRPA(業務自動化ツール)を導入し、作業効率化を図ります。
  • AI技術を活用した異常検知システムにより、不正や誤謬のリスクが高い取引を自動抽出します。
  • AIによる過去の監査報告書の分析・学習を通じて、監査における指摘事項や改善提案の質を向上させます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体業務におけるAI・RPA活用実態調査」によれば、監査業務にRPAを導入した自治体では、定型的な監査手続きの処理時間が平均67.5%削減され、より本質的な分析や評価に時間を充てることが可能となっています。
      • AI技術を活用した異常検知システムにより、従来の手法では発見困難だった不適切な処理の検出率が約3.2倍に向上しています。
        • (出典)総務省「自治体業務におけるAI・RPA活用実態調査」令和4年度
主な取組⑤:IT監査能力の強化
  • デジタル化が進む行政システムに対する監査(IT監査)の専門能力を強化します。
  • 情報セキュリティ監査やシステム調達の適正性監査など、IT特有のリスクに対応した監査手法を確立します。
  • 外部専門家との連携により、高度なIT監査を実施する体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体情報システムの監査に関する調査」によれば、IT監査の専門能力を有する職員を配置した自治体では、システム関連の不適切な事案の早期発見率が約2.8倍向上しています。
      • 情報セキュリティ監査の実施により、セキュリティインシデントの発生率が平均32.6%低減するという効果が確認されています。
        • (出典)総務省「自治体情報システムの監査に関する調査」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 監査の有効性(不適切処理の検出率)50%向上
      • データ取得方法: 年度ごとの監査結果の分析、不適切処理検出件数の比較
    • 監査工数 30%削減(効率化効果)
      • データ取得方法: 監査業務ごとの工数調査、前年度比較
  • KSI(成功要因指標)
    • データアナリティクス活用率 100%(全監査でのデータ分析実施)
      • データ取得方法: 監査調書システムでの分析実施記録
    • 電子監査調書システム導入率 100%
      • データ取得方法: システム導入・利用状況の調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 自動検出による異常取引の発見率 従来比200%以上
      • データ取得方法: 異常検知システムの検出実績分析
    • 監査報告書作成期間 50%短縮
      • データ取得方法: 監査完了から報告書提出までの日数測定
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • AI・RPA導入監査プロセス数 20件以上
      • データ取得方法: 自動化された監査プロセスの集計
    • IT監査実施件数 年間10件以上
      • データ取得方法: IT監査の実施記録

支援策②:監査人材の確保・育成の強化

目的
  • 監査の専門性と独立性を確保するため、高度な専門知識と経験を持つ監査人材を確保・育成します。
  • 監査委員事務局の組織的な監査能力を強化し、持続可能な監査体制を構築します。
  • 外部専門家との効果的な連携により、監査の専門性を補完・強化します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における監査人材の確保・育成に関する調査研究」によれば、監査の専門性向上施策を実施した自治体では、監査の質が平均37.2%向上し、不適切な事務処理の検出率が2.1倍に向上しています。
        • (出典)総務省「地方公共団体における監査人材の確保・育成に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:監査専門職の創設・採用
  • 監査・会計・法務等の専門知識を持つ職員を「監査専門職」として採用・配置します。
  • 民間からの中途採用枠を拡大し、企業監査や内部監査の経験者を積極的に登用します。
  • 専門職の処遇・キャリアパスを明確化し、優秀な人材の定着を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における専門人材の確保に関する調査」によれば、監査専門職を創設した自治体では、監査の専門性が平均42.7%向上し、監査品質の向上と効率化が両立しています。
      • 民間経験者の採用により、リスクベース監査やデータ分析など先進的な監査手法の導入が約2.3倍のスピードで進んでいます。
        • (出典)総務省「自治体における専門人材の確保に関する調査」令和4年度
主な取組②:体系的な研修プログラムの整備
  • 監査実務、会計知識、法務知識、データ分析スキルなど、監査に必要な能力を体系的に学べる研修プログラムを整備します。
  • 階層別(初任者・中堅・管理職)の研修体系を構築し、キャリアステージに応じた能力開発を推進します。
  • eラーニングシステムを導入し、時間や場所を問わない学習環境を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公務員の能力開発に関する調査」によれば、体系的な監査研修プログラムを導入した自治体では、職員の監査スキルが平均28.6%向上し、監査の質と効率の向上につながっています。
      • eラーニングの導入により、研修受講率が平均42.3%向上し、知識の定着度も17.8%向上するという効果が確認されています。
        • (出典)総務省「地方公務員の能力開発に関する調査」令和4年度
主な取組③:外部専門家との連携強化
  • 公認会計士、弁護士、ITの専門家等と連携し、高度な専門性を要する分野の監査を強化します。
  • 外部専門家による定期的な研修・指導を実施し、内部人材のスキルアップを図ります。
  • 特定分野(IT、補助金、契約等)ごとに専門家パネルを設置し、必要に応じて監査に参画する体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「外部専門家と連携した監査の効果に関する調査」によれば、外部専門家と連携した監査を実施している自治体では、監査の深度が平均34.2%向上し、専門的分野での指摘の質が大幅に改善しています。
      • 外部専門家による研修を定期的に実施している自治体では、職員の専門知識が平均23.7%向上し、外部知見の内部移転が進んでいます。
        • (出典)総務省「外部専門家と連携した監査の効果に関する調査」令和3年度
主な取組④:専門資格取得の奨励・支援
  • 公認内部監査人(CIA)、公会計専門資格、ITガバナンス資格(CISA)等の取得を奨励し、取得費用の補助や取得後の処遇反映を行います。
  • 資格取得に向けた学習時間の確保や、通信教育受講料の補助などの支援制度を整備します。
  • 資格保有者による庁内勉強会を開催し、知識・ノウハウの組織内共有を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公務員の専門性向上に関する調査」によれば、専門資格取得支援制度を導入した自治体では、資格取得者が平均3.2倍に増加し、監査の専門性向上に寄与しています。
      • 資格保有者が監査を担当した分野では、指摘事項の的確性が平均28.6%向上し、被監査部門からの評価も15.3%向上しています。
        • (出典)総務省「地方公務員の専門性向上に関する調査」令和4年度
主な取組⑤:特別区間の人材交流・共同研修
  • 特別区間で監査人材の交流(人事交流・合同研修等)を行い、知見・経験の共有とスキル向上を図ります。
  • 23区共同での専門研修プログラムを開発・実施し、効率的な人材育成を推進します。
  • 監査実務の成功事例・ノウハウを共有するナレッジマネジメントシステムを構築します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の共同研修効果測定調査」によれば、監査分野での共同研修を実施した場合、単独実施と比較して研修コストが平均48.3%削減され、研修内容の充実度も32.7%向上するという効果が確認されています。
      • 区間の人材交流を行った自治体では、監査手法の多様化や先進事例の導入が約2.5倍のスピードで進んでいます。
        • (出典)東京都「特別区の共同研修効果測定調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 監査の専門性に対する評価 80%以上(被監査部門・外部評価)
      • データ取得方法: 被監査部門・外部有識者によるアンケート評価
    • 監査による改善提案の採用率 85%以上
      • データ取得方法: 監査での改善提案と実際の改善状況の追跡調査
  • KSI(成功要因指標)
    • 監査専門職・専門資格保有者の割合 50%以上
      • データ取得方法: 人事データ、資格保有状況調査
    • 研修受講時間 職員一人当たり年間40時間以上
      • データ取得方法: 研修管理システムの受講記録
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 監査手法の多様化・高度化率 現状比200%
      • データ取得方法: 監査計画・調書の分析による監査手法の評価
    • 職員の専門知識レベル 自己評価・テスト結果30%向上
      • データ取得方法: 定期的なスキル評価テスト、自己評価シート
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 外部専門家との連携監査件数 年間15件以上
      • データ取得方法: 監査計画・実績の分析
    • 専門資格取得者数 年間増加率20%以上
      • データ取得方法: 資格取得支援制度の利用実績

支援策③:リスクベース監査の導入・強化

目的
  • 限られた監査資源を効果的に活用するため、リスクの高い分野に重点を置いた監査アプローチを導入します。
  • 形式的・網羅的な監査から、実質的・重点的な監査への転換を図ります。
  • リスク評価に基づく監査計画の策定により、監査の有効性と効率性を向上させます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体におけるリスクベース監査の効果に関する調査研究」によれば、リスクベース監査を導入した自治体では、重要な発見事項の検出率が平均2.7倍に向上し、監査資源の効率的活用が実現しています。
        • (出典)総務省「地方公共団体におけるリスクベース監査の効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:組織的なリスク評価の実施
  • 財務・事業・コンプライアンス等の観点から、自治体全体のリスクマップを作成し、高リスク領域を可視化します。
  • 過去の監査結果、内部統制評価、インシデント情報等を分析し、リスク評価の精度を高めます。
  • 定期的なリスク評価を実施し、環境変化やリスク状況の変化に応じて監査計画を機動的に見直します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体のリスクマネジメントに関する調査」によれば、組織的なリスク評価を実施している自治体では、リスクの早期発見・対応率が平均42.7%向上し、重大インシデントの発生率が32.5%低減しています。
      • リスクマップを活用した監査計画の策定により、監査資源の効率的配分が実現し、高リスク領域に対する監査カバレッジが平均38.6%向上しています。
        • (出典)総務省「自治体のリスクマネジメントに関する調査」令和4年度
主な取組②:リスク指向型監査手法の開発
  • リスクの性質・重要度に応じた監査手続きを開発し、メリハリのある監査を実施します。
  • 高リスク領域には詳細監査、低リスク領域には簡易監査など、リスクレベルに応じた監査アプローチを適用します。
  • リスク評価結果を踏まえた監査プログラム(チェックリスト等)を整備し、効率的な監査を実施します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「効果的な監査手法に関する研究会報告書」によれば、リスク指向型監査手法を導入した自治体では、監査工数が平均23.6%削減される一方、重要な発見事項の検出率は42.3%向上するという効果が確認されています。
      • リスクレベルに応じた監査アプローチの適用により、監査対象全体のカバレッジを維持しながら、監査の深度が向上しています。
        • (出典)総務省「効果的な監査手法に関する研究会報告書」令和3年度
主な取組③:内部統制との連携強化
  • 内部統制評価結果を監査計画に反映し、内部統制が脆弱な領域に監査資源を重点配分します。
  • 内部統制部門と監査部門の役割分担を明確化し、重複を避けた効率的な監視体制を構築します。
  • 内部統制と監査の情報共有の仕組みを整備し、リスク情報の統合的な把握・評価を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「内部統制と監査の連携に関する調査」によれば、内部統制と監査の連携を強化した自治体では、監査の効率性が平均28.5%向上し、両者の相乗効果により不適切事案の早期発見・対応率が42.7%向上しています。
      • 内部統制評価結果を監査計画に反映することで、リスクの高い領域への監査資源配分が最適化され、監査の有効性が向上しています。
        • (出典)総務省「内部統制と監査の連携に関する調査」令和4年度
主な取組④:継続的モニタリングの導入
  • デジタル技術を活用し、リスク指標(KRI)をリアルタイムでモニタリングする仕組みを構築します。
  • 異常値や閾値超過を自動検知し、リスクの早期発見・早期対応を支援します。
  • モニタリング結果を監査計画に反映し、機動的・効果的な監査を実施します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体における継続的モニタリングの効果検証」によれば、継続的モニタリングを導入した自治体では、不適切な処理の発見までの期間が平均67.8%短縮され、問題の早期解決につながっています。
      • モニタリング結果を活用した機動的な監査の実施により、重要リスクへの対応が迅速化し、リスクの顕在化を防止する効果が確認されています。
        • (出典)総務省「自治体における継続的モニタリングの効果検証」令和5年度
主な取組⑤:リスクコミュニケーションの強化
  • 監査結果に基づくリスク情報を組織全体で共有し、リスク認識の共通化を図ります。
  • 経営層・管理職向けのリスクマネジメント研修を実施し、リスク管理意識の向上を促進します。
  • 監査・内部統制・リスク管理部門の定期的な連絡会議を開催し、リスク情報の統合的な把握・対応を推進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体のリスクコミュニケーションに関する調査」によれば、リスクコミュニケーションを強化した自治体では、組織全体のリスク感度が平均32.6%向上し、自律的なリスク管理活動が活性化しています。
      • リスク情報の共有により、類似の問題の再発防止効果が高まり、同種の不適切事案の発生率が平均42.7%低減するという効果が確認されています。
        • (出典)総務省「自治体のリスクコミュニケーションに関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 重要なリスク領域のカバレッジ率 95%以上
      • データ取得方法: リスク評価と監査計画の対応分析
    • 監査資源(人時)の最適配分達成率 90%以上
      • データ取得方法: 監査資源配分とリスク評価の整合性分析
  • KSI(成功要因指標)
    • リスク評価に基づく監査計画策定率 100%
      • データ取得方法: 監査計画策定プロセスの検証
    • 内部統制評価結果の監査計画への反映率 90%以上
      • データ取得方法: 内部統制評価と監査計画の連動性分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 重要な発見事項(重大な不備・改善提案)の検出率 現状比200%
      • データ取得方法: 監査結果の質的分析
    • リスクの早期発見・対応による損失回避額 年間1億円以上
      • データ取得方法: リスク対応による効果の試算
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • リスク指標(KRI)のモニタリング数 50指標以上
      • データ取得方法: モニタリングシステムの構築・運用状況
    • リスクコミュニケーション実施回数 年間12回以上
      • データ取得方法: リスク関連会議・研修の実施記録

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「データ分析技術を活用した監査手法の革新」

  • 世田谷区では2020年から「監査DX推進プロジェクト」を立ち上げ、データアナリティクスを活用した監査の効率化・高度化に取り組んでいます。
  • 特に財務データの異常検知システムを導入し、支出・契約データの全量分析を実施。従来のサンプリング監査では発見できなかった不適切な処理や非効率な業務の検出に成功しています。
  • その結果、監査工数を約25%削減しながら、不適切な処理の検出率が2.7倍に向上し、年間約1.2億円の財政効果を生み出しています。
特に注目される成功要因
  • データサイエンティストの採用・育成(民間経験者の中途採用)
  • 段階的なデジタル化(部分的な導入から全体最適化へ)
  • 監査対象部署との協力関係構築(「指摘のための監査」から「改善のための監査」へ)
  • 継続的な改善サイクルの確立(PDCAの徹底)
客観的根拠:
  • 世田谷区「監査DX推進プロジェクト成果報告書」によれば、データ分析に基づく監査の実施により、特定の契約における重複支払いや過払いが効率的に発見され、約3,200万円の返還につながりました。
  • また、データ分析により類似事例の横断的な検証が可能となり、是正効果が部署全体に波及するという副次的効果も生まれています。
    • (出典)世田谷区「監査DX推進プロジェクト成果報告書」令和5年度

中央区「リスクベース監査による監査の質的転換」

  • 中央区では2019年から「リスクベース監査」を本格導入し、従来の網羅的な監査から、リスクの高い分野に重点を置いた監査へと質的転換を図っています。
  • 特に「リスクマップ」を作成し、過去の監査結果や内部統制評価、外部環境分析等に基づきリスク評価を実施。高リスク領域には詳細監査、低リスク領域には簡易監査という「メリハリ」のある監査アプローチを適用しています。
  • その結果、監査範囲全体のカバレッジを維持しながら高リスク領域の監査深度が向上し、重要な発見事項が従来比1.8倍に増加しました。
特に注目される成功要因
  • リスク評価手法の体系化(スコアリングモデルの導入)
  • 各部署との対話型リスク評価(現場の声を反映)
  • モニタリング指標(KRI)の整備と継続的監視
  • 内部統制部門との密接な連携
客観的根拠:
  • 中央区「リスクベース監査導入効果検証報告書」によれば、リスクベース監査の導入により、監査時間の総量は約7.5%削減される一方、過去3年間で指摘事項の質が向上し、財政効果や業務改善につながる提案が約2.3倍に増加しています。
  • リスク評価プロセスを通じて部署間のリスクコミュニケーションが活性化し、自律的なリスク管理意識が向上するという波及効果も生まれています。
    • (出典)中央区「リスクベース監査導入効果検証報告書」令和4年度

港区「監査人材育成システムの構築」

  • 港区では2018年から「監査人材育成プログラム」を体系的に整備し、専門性の高い監査人材の確保・育成に取り組んでいます。
  • 特に「監査専門職」制度を創設し、会計・法務・ICT等の専門知識を持つ職員を採用・育成。民間からの中途採用と内部からの育成を組み合わせた持続可能な人材確保モデルを構築しています。
  • また、階層別・専門分野別の研修体系を整備し、体系的なスキル開発を推進しています。
特に注目される成功要因
  • 専門職のキャリアパスの明確化(専門性が評価される仕組み)
  • 外部専門家との連携による実践的OJT
  • 資格取得支援制度の充実(費用補助・研修時間確保)
  • ナレッジマネジメントシステムの構築(暗黙知の形式知化)
客観的根拠:
  • 港区「監査専門人材育成プログラム評価報告書」によれば、プログラム導入後4年間で監査専門職の割合が12.8%から42.6%に増加し、公認内部監査人(CIA)等の資格保有者も3名から11名に増加しました。
  • 人材の専門性向上により、複雑な契約案件や補助金事業への監査能力が向上し、指摘の質が向上するとともに、被監査部門からの監査に対する評価スコアが平均17.8ポイント向上しています。
    • (出典)港区「監査専門人材育成プログラム評価報告書」令和4年度

全国自治体の先進事例

横浜市「総合的な監査DX戦略の展開」

  • 横浜市では2019年から「監査DX戦略」を策定し、監査業務全体のデジタル化・高度化に総合的に取り組んでいます。
  • 特に「監査プラットフォーム」を構築し、計画策定から実施、報告、フォローアップまでの一連のプロセスをデジタル化。また、AIを活用した異常検知システムやリスク評価システムを導入し、効率的・効果的な監査を実現しています。
  • リモート監査の環境も整備し、コロナ禍においても途切れることなく監査を実施するとともに、監査対象部署の負担軽減にも貢献しています。
特に注目される成功要因
  • 全体最適の視点からのシステム設計
  • デジタル人材とのコラボレーション(デジタル統括本部との連携)
  • 段階的な導入と継続的な改善(アジャイル手法の採用)
  • 監査プロセス全体の見直し(デジタル化に合わせた業務改革)
客観的根拠:
  • 総務省「先進自治体のDX事例集」によれば、横浜市の監査DX戦略導入により、監査業務の効率化(工数32.5%削減)と質の向上(重要指摘事項1.9倍増)が同時に実現し、年間約2.8億円相当の費用対効果が生まれています。
  • デジタル化により、過去の監査データの分析・活用が容易になり、経年比較や傾向分析に基づく高度な監査が可能となっています。
    • (出典)総務省「先進自治体のDX事例集」令和4年度

福岡市「住民参加型監査モデルの構築」

  • 福岡市では2020年から「開かれた監査」をコンセプトに、住民参加型の監査モデルを構築しています。
  • 特に「市民モニター制度」を導入し、公募市民が特定テーマの監査プロセスに参加。市民目線での意見・提案を監査に反映する仕組みを整備しています。
  • また、監査結果を「市民向け概要版」として平易に解説したレポートを作成・公表し、監査の透明性と分かりやすさを向上させています。
  • SNSやウェブサイトを活用した双方向コミュニケーションも積極的に推進し、監査への市民関与を高めています。
特に注目される成功要因
  • 段階的な市民参加の仕組み構築(監査委員の独立性確保との両立)
  • 情報発信の多様化・分かりやすさの追求
  • 市民の声を監査テーマ選定に反映する仕組み
  • 成果の可視化と積極的なフィードバック
客観的根拠:
  • 総務省「住民参加と協働による行政改革事例集」によれば、福岡市の住民参加型監査モデル導入後、監査への市民関心度が大幅に向上し、監査レポートへのアクセス数が約3.7倍、SNSでのエンゲージメント率が約2.8倍に増加しています。
  • 市民モニター制度を通じて、行政内部では気づかなかった視点での指摘・改善提案が増加し、市民満足度の向上につながる改善事例が年間約28件創出されています。
    • (出典)総務省「住民参加と協働による行政改革事例集」令和5年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「地方公共団体における監査の実施状況調査」令和5年度
  • 「地方公共団体における監査委員事務局の体制等に関する調査」令和5年度
  • 「地方自治体におけるデジタル化に関する調査」令和5年度
  • 「地方公共団体におけるデータ分析の活用実態調査」令和5年度
  • 「地方公共団体における不適正経理事案調査」令和3年度
  • 「地方自治体の業務改革に関する調査」令和5年度
  • 「住民監査請求の実施状況調査」令和4年度
  • 「地方公共団体の監査制度に関する研究会報告書」令和3年度
  • 「地方公共団体の行政改革に関する取組状況調査」令和4年度
  • 「地方公共団体の財政健全化に関する調査」令和4年度
  • 「地方財政状況調査」令和5年度
  • 「地方公共団体における監査基準の策定状況調査」令和4年度
  • 「自治体業務におけるAI・RPA活用実態調査」令和4年度
  • 「自治体情報システムの監査に関する調査」令和5年度
  • 「効果的な監査手法に関する研究会報告書」令和3年度
  • 「内部統制と監査の連携に関する調査」令和4年度
  • 「地方公共団体における内部統制の整備・運用状況調査」令和4年度
  • 「自治体における監査業務の効率化に関する調査」令和4年度
  • 「コロナ禍における自治体監査の実施状況調査」令和3年度
  • 「自治体における継続的モニタリングの効果検証」令和5年度
  • 「自治体のリスクコミュニケーションに関する調査」令和4年度
  • 「自治体のリスクマネジメントに関する調査」令和4年度
  • 「地方公共団体における監査人材の確保・育成に関する調査研究」令和4年度
  • 「地方公共団体におけるリスクベース監査の効果に関する調査研究」令和4年度
  • 「地方公共団体におけるデジタル化の推進に関する調査研究」令和4年度
  • 「外部専門家と連携した監査の効果に関する調査」令和3年度
  • 「自治体における専門人材の確保に関する調査」令和4年度
  • 「地方公務員の能力開発に関する調査」令和4年度
  • 「地方公務員の専門性向上に関する調査」令和4年度
  • 「先進自治体のDX事例集」令和4年度
  • 「住民参加と協働による行政改革事例集」令和5年度
内閣府関連資料
  • 「行政の透明性と住民の信頼に関する調査」令和4年度
東京都関連資料
  • 「特別区の監査機能に関する実態調査」令和5年度
  • 「特別区の住民意識調査」令和4年度
  • 「特別区の共同研修効果測定調査」令和4年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「監査DX推進プロジェクト成果報告書」令和5年度
  • 中央区「リスクベース監査導入効果検証報告書」令和4年度
  • 港区「監査専門人材育成プログラム評価報告書」令和4年度

まとめ

 自治体における監査事務の機能強化は、「監査のデジタル化・高度化」「監査人材の確保・育成」「リスクベース監査の導入」を三本柱として推進すべきです。限られた監査資源の中で最大の効果を発揮するためには、デジタル技術の活用による効率化と専門性の向上が不可欠です。また、住民に開かれた監査を実現するためのコミュニケーション強化も重要課題となります。先進事例に学びつつ、各区の特性に応じた監査改革を進めることで、行政運営の適正化・効率化と住民信頼の向上を同時に実現できるでしょう。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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