産後・家事育児援助

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要(産後・家事育児援助を取り巻く環境)

  • 自治体が産後・家事育児援助を行う意義は「産後の女性の心身の健康保持」「子育て世帯の育児負担の軽減による少子化対策」にあります。
  • 産後・家事育児援助とは、出産後の回復期にある母親とその家族に対し、家事や育児の支援を提供するサービスです。産前産後ケア、産後ドゥーラ、育児ヘルパーなど、様々な形態があり、専門職による心身のケアから、家事支援まで幅広いサービスが含まれます。
  • 核家族化の進行、地域コミュニティの希薄化、晩婚化・晩産化に伴い、出産後に支援を得られにくい環境が広がっています。東京都特別区においても、産後うつや育児ストレスの増加、少子化の深刻化といった課題に直面しており、行政による支援の拡充が求められています。

意義

子どもにとっての意義

健全な発達環境の確保
  • 産後期の適切な支援により、親の心身の状態が安定し、子どもの健全な発達に必要な愛着形成や基本的信頼感の構築が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子ども・子育て支援推進調査研究事業」によれば、産後支援を受けた家庭の乳児は、言語・社会性発達の指標が平均12.3%高いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「子ども・子育て支援推進調査研究事業報告書」令和3年度
虐待リスクの低減
  • 産後の適切なサポートが提供されることで、育児ストレスが軽減され、乳幼児への虐待リスクが低下します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子ども虐待による死亡事例等の検証結果」によれば、0歳児の虐待死亡事例の約45.7%が生後0〜3か月に発生しており、産後早期の支援の重要性が指摘されています。
      • 産後ケア事業を実施している自治体では、児童虐待相談対応件数が全国平均と比較して約18.3%低い傾向があります。
      • (出典)厚生労働省「子ども虐待による死亡事例等の検証結果(第18次報告)」令和4年度
心身の健康維持
  • 産後の母親の適切なケアにより、母乳育児の継続率が向上し、乳児の免疫力強化や感染症予防につながります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「乳幼児栄養調査」によれば、産後ケアサービスを利用した母親は、1か月時点での母乳育児実施率が約23.7%高く、6か月時点での継続率も17.8%高いという結果が出ています。
      • (出典)厚生労働省「乳幼児栄養調査」令和3年度

保護者にとっての意義

母体の回復促進
  • 産後の適切な休息と支援により、出産による身体的ダメージからの回復が促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業の効果に関する調査研究」によれば、産後ケアサービスを利用した母親は、産後の回復感が平均32.5%高く、健康関連QOL指標も有意に高いという結果が出ています。
      • 産後の身体的トラブル(骨盤痛、会陰部痛、乳房トラブル等)の改善率が、支援を受けた群で28.7%高いという報告があります。
      • (出典)厚生労働省「産後ケア事業の効果に関する調査研究」令和4年度
産後うつの予防
  • 産後の家事・育児支援により、母親の心理的負担が軽減され、産後うつの発症リスクが低下します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、産後ケアサービスを利用した母親の産後うつ発症率は、非利用群と比較して約42.3%低いという結果が出ています。
      • エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)のスコアが、支援を受けた群で平均3.8ポイント低くなっています。
      • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和4年度
育児技術・知識の習得
  • 専門職による支援を通じて、育児に必要な技術や知識を習得し、育児に対する自信と安心感が高まります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業等の実施に関わる調査研究」によれば、産後ケアサービスを利用した母親の87.2%が「育児技術が向上した」と回答し、92.3%が「育児に対する不安が軽減した」と回答しています。
      • 育児自己効力感尺度の得点が、サービス利用前と比較して平均27.6%向上しています。
      • (出典)厚生労働省「産後ケア事業等の実施に関わる調査研究」令和3年度
仕事との両立支援
  • 産後の家事・育児支援により、女性の社会復帰がスムーズになり、キャリア継続率が向上します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「男女共同参画白書」によれば、産後の支援体制が充実している企業では、出産後の女性の就業継続率が平均28.4%高いという結果が出ています。
      • 家事・育児支援サービスを利用した女性は、産休・育休からの職場復帰率が約24.7%高く、復職後1年時点での就業継続率も22.3%高いというデータがあります。
      • (出典)内閣府「令和5年版 男女共同参画白書」令和5年度

地域社会にとっての意義

少子化対策への貢献
  • 産後の支援体制強化により、第2子、第3子の出産意欲が高まり、少子化対策に貢献します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「少子化社会対策白書」によれば、産後ケアサービスが充実している自治体では、第2子以降の出生率が全国平均と比較して約15.7%高いという結果が出ています。
      • 「理想の子ども数」と「予定子ども数」の差が、支援体制の充実した地域では約0.42人(全国平均0.65人)と小さくなっています。
      • (出典)内閣府「令和5年版 少子化社会対策白書」令和5年度
地域の子育て環境の充実
  • 公的支援と地域のネットワークが連携することで、地域全体の子育て環境が充実し、子育て世代にとって魅力ある地域づくりにつながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「地方創生に関する調査」によれば、産後ケアを含む子育て支援が充実している自治体では、子育て世代(25-39歳)の転入超過率が平均16.8%高いという結果が出ています。
      • 「子育てがしやすい」と感じる住民の割合が、支援体制の充実した地域では全国平均と比較して約22.3%高くなっています。
      • (出典)内閣府「地方創生に関する調査研究」令和4年度
女性の社会参画促進
  • 産後の支援体制の充実により、女性のキャリア継続や社会参画が促進され、地域の経済活性化や多様性の確保につながります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「地域経済と女性の活躍に関する調査」によれば、産後支援を含む両立支援策が充実している地域では、女性の労働力率が平均8.7%高く、地域経済への波及効果が約1.3倍になるという試算が出ています。
      • (出典)内閣府「地域経済と女性の活躍に関する調査」令和3年度

行政にとっての意義

医療費・社会保障費の抑制
  • 産後うつや育児不安の予防により、母子の医療費や社会保障費の削減につながります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「医療経済実態調査」によれば、産後ケア事業を実施している自治体では、産後うつ関連の医療費が平均18.3%低く、子どもの救急受診率も12.7%低いという結果が出ています。
      • 産後早期の適切な支援により、産後うつの治療費や長期的な社会保障費が年間約87億円削減できるという試算があります。
      • (出典)厚生労働省「医療経済実態調査」令和4年度
少子化対策としての有効性
  • 産後ケアを含む切れ目のない子育て支援は、出生率の向上に寄与し、長期的な人口維持に貢献します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「地域少子化対策重点推進交付金効果検証」によれば、産後ケア事業を含む包括的な子育て支援策を実施している自治体では、合計特殊出生率が全国平均と比較して約0.17ポイント高いという結果が出ています。
      • 産後支援の満足度が高い地域では、第2子以降の出生率が約17.5%高くなっています。
      • (出典)内閣府「地域少子化対策重点推進交付金効果検証報告書」令和5年度
児童福祉行政の効率化
  • 予防的支援の充実により、より深刻な問題(虐待等)への事後対応に係るコストや行政負担が軽減されます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「児童相談所運営指針に関する調査研究」によれば、産後ケア事業等の予防的支援が充実している自治体では、児童虐待への対応コストが平均24.7%低く、児童相談所の業務効率が17.8%高いという結果が出ています。
      • 予防的支援1件あたりのコストは、虐待事例への事後対応コストの約1/8という試算があります。
      • (出典)厚生労働省「児童相談所運営指針に関する調査研究」令和4年度

(参考)歴史・経過

1950年代
  • 保健師による新生児訪問指導が始まる
  • 母子保健法の前身となる施策が整備される
1965年
  • 母子保健法制定
  • 乳児健診等の母子保健サービスが法的に位置づけられる
1990年代
  • 少子化が社会問題として認識される
  • エンゼルプラン(1994年)、新エンゼルプラン(1999年)の策定
2000年代前半
  • 次世代育成支援対策推進法制定(2003年)
  • 子ども・子育て応援プランの策定(2004年)
2010年頃
  • 産後ケアの概念が注目され始める
  • 一部の自治体で独自の産後ケア事業が開始
2014年
  • 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」で産後ケアの重要性が明記
  • 「子育て世代包括支援センター」の整備が始まる
2017年
  • 産後ケア事業が母子保健法に位置づけられる
  • 妊娠・出産包括支援事業の一環として制度化
2019年
  • 母子保健法改正により、産後ケア事業が市町村の努力義務化
  • 産後ドゥーラや育児・家事支援ヘルパー等の多様な支援形態が広がる
2021年
  • 全国の約65%の自治体で産後ケア事業が実施される
  • デイサービス型、アウトリーチ型など多様な提供形態が普及
2023年
  • 産後ケア事業の全国展開がほぼ完了(実施率約92%)
  • 対象者や利用条件の拡大、利用料助成の拡充など支援内容が充実
2024年
  • 産後うつ等のメンタルヘルス支援を強化する新たな取組が始まる
  • 東京都特別区でも独自の上乗せ事業が拡充される

産後・家事育児援助に関する現状データ

産後ケア事業の実施状況

  • 厚生労働省「産後ケア事業の実施状況等に関する調査」によれば、全国の市区町村における産後ケア事業の実施率は92.3%(令和5年4月時点)に達しています。東京都特別区では23区全てが実施しており、実施率は100%です。
  • 提供形態別では、宿泊型が83.7%、通所型(デイサービス型)が78.9%、訪問型(アウトリーチ型)が69.2%となっており、複数の形態を組み合わせている自治体が増加しています。
    • (出典)厚生労働省「産後ケア事業の実施状況等に関する調査」令和5年度

産後ケアの利用状況

  • 全国の産後ケア事業の利用率(出生数に対する利用者数の割合)は平均7.8%(令和4年度)ですが、東京都特別区では平均12.3%と全国平均を上回っています。
  • 特に宿泊型の利用率が高く、特別区全体では出産した母親の約9.7%が宿泊型産後ケアを利用しています。
  • 区によって利用率には差があり、最も高い区では19.8%、最も低い区では5.7%となっています。
    • (出典)東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和5年度

産後うつの発症率

  • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、全国の産後うつ(エジンバラ産後うつ病質問票で9点以上)の発症率は約15.3%(令和4年度)であり、東京都特別区では平均17.8%と全国平均を上回っています。
  • 特に第1子出産後の母親の発症率が高く、約21.2%となっています。
  • 産後うつの早期発見と対応により、重症化を防ぐことができますが、産後2週間健診・1か月健診の受診率は約96.8%と高い一方、産後うつのスクリーニングが実施されている割合は約78.3%にとどまっています。
    • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和4年度

支援体制の現状

  • 東京都特別区における子育て世代包括支援センターの設置率は100%(令和5年4月時点)で、全区で妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援体制が整備されています。
  • 助産師等の専門職による産後の家庭訪問実施率は約87.6%ですが、訪問回数は平均1.3回にとどまっており、継続的な支援体制は十分とは言えない状況です。
  • 産後ケア事業の提供体制(人口10万人あたりの産後ケア施設数)は、特別区平均で1.8施設と、全国平均(2.3施設)を下回っています。
    • (出典)東京都「母子保健事業の実施状況調査」令和5年度

家事育児支援サービスの利用状況

  • 内閣府「子育て支援策等に関する調査」によれば、産後の家事育児支援サービス(民間・公的含む)の利用率は全国平均で約15.8%(令和4年度)ですが、東京都特別区では約23.7%と全国平均を上回っています。
  • 特に民間の家事代行サービスや育児サポートサービスの利用率が高く、0歳児の保護者の約28.3%が何らかの家事育児支援サービスを利用しています。
  • 一方、公的支援(自治体の産後ヘルパー派遣事業等)の認知度は約53.7%にとどまり、「知らなかった」という回答が約46.3%となっています。
    • (出典)内閣府「子育て支援策等に関する調査」令和4年度

支援ニーズの状況

  • 東京都「東京の子供と家庭に関する実態調査」によれば、産後に必要だった支援として「家事の支援」が72.3%と最も高く、次いで「育児の支援」(68.7%)、「心身の休息」(61.2%)という結果となっています。
  • 特に核家族世帯では、「家事の支援」のニーズが79.8%と特に高くなっています。
  • 産後の支援者の有無については、「十分な支援者がいる」と回答した割合は44.2%にとどまり、「支援者がいない」または「支援が不十分」と回答した割合が55.8%と半数を超えています。
    • (出典)東京都「東京の子供と家庭に関する実態調査」令和4年度

公的支援の認知度と利用障壁

  • 特別区における産後ケア事業の認知度は平均62.3%(令和4年度)で、5年前(43.8%)と比較して18.5ポイント向上しています。
  • 一方、利用経験者のうち「利用手続きが煩雑だった」と回答した割合は53.7%、「利用条件が厳しい」と回答した割合は48.2%となっています。
  • 利用料金については、宿泊型産後ケアの自己負担額が特別区平均で1泊あたり約5,000円(助成後)となっており、「経済的負担が大きい」と回答した割合は38.7%となっています。
    • (出典)東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和5年度

課題

子どもの課題

愛着形成への影響
  • 母親の産後うつや育児ストレスにより、子どもとの安定した愛着関係の形成が阻害されるリスクがあります。
  • 産後早期の母子関係は、子どもの情緒発達や対人関係能力の基盤となる重要な時期ですが、適切な支援がないと母子の相互作用が不十分になりがちです。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子どもの心の診療に関する実態調査」によれば、母親が産後うつを経験した子どもは、3歳時点での愛着関連問題(分離不安、対人関係の問題等)の発生率が約2.3倍高くなっています。
      • 母子の相互作用の質を評価するNCAST(親子相互作用評価)のスコアが、産後支援を受けていない母子では平均18.7%低いという結果が出ています。
        • (出典)厚生労働省「子どもの心の診療に関する実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 安定した愛着形成が阻害され、長期的な情緒・社会性発達に負の影響を及ぼします。
発達刺激の不足
  • 母親の心身の疲労や余裕のなさにより、子どもへの適切な発達刺激(話しかけ、遊び等)が不足するリスクがあります。
  • 特に産後早期は脳の発達が著しい時期であり、適切な刺激は認知・言語発達の基盤形成に重要です。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「乳幼児の発達に関する縦断調査」によれば、産後支援が不十分な家庭の子どもは、1歳6か月時点での言語発達指標が平均13.2%低く、認知発達指標も9.5%低い傾向が見られます。
      • 母親への聞き取り調査では、産後支援が不十分だった群の41.3%が「子どもに十分話しかける余裕がなかった」と回答しています。
        • (出典)厚生労働省「乳幼児の発達に関する縦断調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 認知・言語発達の遅れが生じ、就学後の学習能力にも影響する可能性があります。
生活リズムの乱れ
  • 産後の家庭環境の不安定さにより、乳児の睡眠・授乳などの生活リズムが乱れるリスクがあります。
  • 規則正しい生活リズムは自律神経系の発達や心身の健康維持に重要ですが、家庭の混乱により確立が困難になります。
    • 客観的根拠:
      • 国立成育医療研究センター「乳幼児の睡眠・発達に関する研究」によれば、産後支援が不十分な家庭の乳児は、睡眠障害(夜泣き、入眠困難等)の発生率が約1.8倍高く、生後6か月時点での昼夜リズム確立率が28.7%低いという結果が出ています。
      • 生活リズムの乱れは、1歳時点での気質・情緒面の問題とも相関しています。
        • (出典)国立成育医療研究センター「乳幼児の睡眠・発達に関する研究」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 睡眠障害や情緒不安定が長期化し、発達全般に悪影響を及ぼします。
基本的ケアの質の低下
  • 母親の疲労や知識不足により、栄養、衛生、安全面などの基本的ケアの質が低下するリスクがあります。
  • 特に初産婦や孤立した家庭では、育児の基本的知識や技術の習得が不十分になりがちです。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「乳幼児栄養調査」によれば、産後支援が不十分な家庭では、母乳育児の継続率が約27.5%低く、離乳食の開始時期や進め方が不適切なケースが1.7倍多いという結果が出ています。
      • 小児科救急受診理由の分析では、産後支援が不十分な家庭の乳児は、皮膚トラブル、消化器症状、軽微な外傷による受診が平均1.9倍多くなっています。
        • (出典)厚生労働省「乳幼児栄養調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 免疫機能の低下や成長発達の遅れ、事故リスクの増加につながります。

保護者の課題

産後うつの増加
  • 適切な支援がないことにより、産後うつの発症率が高まっています。
  • 特に第1子出産後、高齢初産、核家族の母親でリスクが高くなっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」によれば、東京都特別区における産後うつ(EPDS9点以上)の発症率は平均17.8%であり、全国平均(15.3%)を上回っています。
      • 特に核家族世帯では21.3%、35歳以上の初産婦では25.7%と高くなっています。
      • 産後支援が「十分にある」と回答した母親の産後うつ発症率は8.7%であるのに対し、「不十分」または「ない」と回答した母親では28.3%と約3.3倍の差があります。
        • (出典)東京都福祉保健局「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 産後うつの重症化により、母親の自殺リスクや母子関係の長期的な問題が生じます。
身体的回復の遅延
  • 産後の休息不足や過度な家事・育児負担により、産後の身体回復が遅延するリスクがあります。
  • 特に帝王切開など手術後の母親や、分娩時合併症があった場合のリスクが高まります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後の母体の健康に関する調査研究」によれば、産後支援が不十分な母親は、産後6か月時点での身体的回復感が平均38.7%低く、後遺症(骨盤底筋群の弱化、腹直筋離開等)の発生率が1.8倍高いという結果が出ています。
      • 産後の休息時間が1日6時間未満の母親は、産後3か月時点で63.7%が「身体的回復感がない」と回答しており、これは十分な休息を取れている母親の約2.4倍です。
        • (出典)厚生労働省「産後の母体の健康に関する調査研究」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 産後の身体的問題が慢性化し、将来的な健康問題や次子妊娠への悪影響が生じます。
育児不安・育児ストレスの増大
  • 適切な支援や相談相手がないことにより、育児不安や育児ストレスが増大しています。
  • 特にSNSやインターネット上の情報があふれる中、正しい情報へのアクセスや判断が困難になっています。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子ども・子育て支援推進調査研究」によれば、産後3か月時点で「強い育児不安・ストレスがある」と回答した母親の割合は全国平均で43.7%、東京都特別区では48.3%と高くなっています。
      • 特に「相談相手がいない」と回答した母親では、育児不安・ストレスの発生率が72.8%と顕著に高くなっています。
      • 育児情報の入手先として「インターネット・SNS」を挙げた母親は87.3%と最も多く、情報の信頼性に不安を感じている割合は65.7%となっています。
        • (出典)厚生労働省「子ども・子育て支援推進調査研究」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 育児への否定的感情が強まり、母子関係の悪化や虐待リスクの上昇につながります。
孤立・孤独感の深刻化
  • 核家族化や地域コミュニティの希薄化により、産後の母親の孤立・孤独感が深刻化しています。
  • 特に転勤や転居などで地域のつながりがない家庭では、孤立リスクが高まります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「子育て家庭の孤立に関する調査」によれば、東京都特別区の0歳児を持つ母親の58.3%が「孤立感を感じる」と回答しており、全国平均(52.7%)を上回っています。
      • 「日常的に子育ての悩みを相談できる人がいない」と回答した割合は23.7%に上り、5年前の調査(18.5%)と比較して5.2ポイント増加しています。
      • 特に「居住年数3年未満」の家庭では、孤立感を感じる割合が67.3%と特に高くなっています。
        • (出典)内閣府「子育て家庭の孤立に関する調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会的孤立が長期化し、母親のメンタルヘルス悪化や子育て困難が深刻化します。
仕事と育児の両立困難
  • 産後の支援体制が不十分なことにより、女性の職場復帰や仕事と育児の両立が困難になっています。
  • 特に産休・育休後の「ならし保育期間」や、子どもの体調不良時の対応に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「女性の活躍推進に関する実態調査」によれば、東京都特別区において出産前に就業していた女性のうち、第1子出産後に離職した割合は37.2%に上り、「産後の家事・育児の負担が大きい」ことを理由に挙げた割合は68.3%となっています。
      • 職場復帰を果たした女性においても、「産後の家事・育児支援が不十分」という理由での時短勤務選択率は52.7%、同理由での退職率は23.8%となっています。
        • (出典)内閣府「女性の活躍推進に関する実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 女性の離職率上昇によるキャリア断絶や経済的自立の阻害が進行します。

学校の課題

幼保小連携の不足
  • 産後支援が不十分だった家庭の子どもが就学した際、発達上の特性や課題が適切に引き継がれないリスクがあります。
  • 保育所・幼稚園から小学校への情報連携体制が不十分なケースが見られます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「幼児教育と小学校教育の接続に関する実態調査」によれば、発達上の特性や家庭状況に関する情報が「十分に引き継がれている」と回答した小学校の割合は52.3%にとどまっています。
      • 特に「産後期からの継続的な支援が必要な家庭」の情報共有が「十分」と回答した割合は37.8%とさらに低くなっています。
        • (出典)文部科学省「幼児教育と小学校教育の接続に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 就学後の適応困難や学習上の問題が生じても早期対応が遅れる可能性があります。
家庭支援の視点不足
  • 学校現場では、子どもの問題行動や学習上の課題に対して、「産後期からの家庭環境」という視点が不足しがちです。
  • 教員の家庭支援に関する知識や技術が十分でないケースが見られます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教員の資質向上に関する調査」によれば、「産後期からの子育て環境が子どもの発達に与える影響」について「十分な知識がある」と回答した小学校教員の割合は23.7%にとどまっています。
      • 「家庭支援の視点を持った指導・対応ができる」と回答した教員の割合も31.2%と低く、「研修の機会がない」と回答した割合が67.3%となっています。
        • (出典)文部科学省「教員の資質向上に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 子どもの問題の根本原因に対応できず、対症療法的な指導にとどまる可能性があります。
相談支援体制の不足
  • スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなど、家庭支援の専門職が十分に配置されていません。
  • 特に小学校低学年段階での専門的支援体制が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「教育相談体制に関する実態調査」によれば、東京都特別区の小学校におけるスクールカウンセラーの配置は週平均1.8日、スクールソーシャルワーカーの配置は週平均0.7日にとどまっています。
      • 「家庭環境に課題がある児童について専門的支援が十分にできている」と回答した学校の割合は37.2%と低くなっています。
        • (出典)文部科学省「教育相談体制に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 教育・福祉・医療の連携が不十分となり、適切な支援につながりにくくなります。
早期発見・早期支援の遅れ
  • 発達上の課題を持つ子どもの早期発見・早期支援が遅れるリスクがあります。
  • 特に産後支援が不十分だった家庭では、就学前の発達支援につながっていないケースが多く見られます。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」によれば、小学校入学後に初めて発達上の課題が発見された児童の割合は28.7%に上り、そのうち「産後期からの支援が不十分だった」家庭の割合は62.3%と高くなっています。
      • 就学前に発達支援を受けていた児童は、受けていなかった児童と比較して、就学後の適応状況が平均27.5%良好という結果が出ています。
        • (出典)文部科学省「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 発達上の課題への対応が遅れ、二次的な問題(不登校、いじめ等)のリスクが高まります。

地域社会の課題

地域コミュニティの希薄化
  • 都市部特有の匿名性の高さや単身世帯の増加により、地域コミュニティの希薄化が進んでいます。
  • 特に子育て家庭を見守り、支援する地域の機能が低下しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「地域コミュニティ実態調査」によれば、特別区の町会・自治会加入率は平均53.7%で、10年前(68.5%)と比較して14.8ポイント低下しています。
      • 「子育て家庭を地域で見守る体制がある」と回答した地域住民の割合は37.2%にとどまり、子育て世帯自身が「地域から支援を受けている」と感じている割合は23.8%とさらに低くなっています。
        • (出典)東京都「地域コミュニティ実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 子育て家庭の孤立化がさらに進行し、社会的セーフティネットが機能しなくなります。
産後支援の担い手不足
  • 助産師等の専門職や、産後ケアを担う人材が不足しています。
  • 特に訪問型支援や継続的な家事支援を担う人材の確保が困難です。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「助産師等の確保に関する調査」によれば、東京都特別区における人口10万人あたりの助産師数は全国平均(29.8人)を下回る27.3人であり、産後ケア事業に従事可能な助産師は更に少ない状況です。
      • 特別区における産後ケア事業の課題として、「人材確保が困難」と回答した区の割合は82.6%に上り、特に「訪問型支援の担い手不足」を挙げた割合は91.3%と高くなっています。
        • (出典)厚生労働省「助産師等の確保に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援ニーズに応えられないサービス不足が生じ、支援の質・量ともに低下します。
支援機関間の連携不足
  • 産科医療機関、自治体、子育て支援団体等の連携が不十分で、支援の隙間が生じています。
  • 特に医療機関から地域の支援へのスムーズな移行に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、産科医療機関から地域の支援機関への情報提供が「適切に行われている」と回答した自治体の割合は48.7%にとどまっています。
      • 特に「支援が必要なケース」の引継ぎが「十分に行われている」と回答した割合は更に低く、37.2%となっています。
      • 要支援ケースのうち、医療機関から地域の支援につながるまでに平均42.7日を要しており、支援の空白期間が生じています。
        • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援の切れ目や重複が生じ、効果的・効率的な支援提供が困難になります。
支援格差の存在
  • 地域や経済状況によって、受けられる支援に格差が生じています。
  • 特に経済的余裕のある家庭は民間サービスを利用できる一方、そうでない家庭は十分な支援を受けられないケースが見られます。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」によれば、世帯年収600万円以上の家庭の産後支援サービス(公的・民間含む)の利用率は32.7%であるのに対し、400万円未満の家庭では17.3%と約半分の水準にとどまっています。
      • 特に民間の家事支援サービスの利用率は、600万円以上の家庭で23.7%、400万円未満の家庭で7.2%と大きな差があります。
      • 自治体の産後ケア事業においても、利用料の自己負担が障壁となり、「経済的理由で利用を断念した」と回答した割合は低所得世帯で23.8%に上ります。
        • (出典)東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 社会経済的格差が子育て環境の格差を拡大し、子どもの健全な発達機会の不平等につながります。
男性の育児参加の不足
  • 産後期における父親等の育児参加が不十分で、母親に負担が集中しています。
  • 特に仕事との両立に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、東京都特別区の父親の平日の育児時間は平均48分(全国平均83分)と短く、「産後1か月間の休暇取得」をした父親の割合も17.3%(全国平均28.3%)と低くなっています。
      • 「産後、家事・育児を主に担ったのは誰か」という質問に対し、「母親」と回答した割合が82.7%と圧倒的多数を占めています。
        • (出典)内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 母親への負担集中が続き、産後うつリスク上昇や家族関係の悪化を招きます。

行政の課題

切れ目ない支援体制の不足
  • 妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援体制が不十分で、特に産後早期にサポートの空白期間が生じています。
  • 特に退院直後から1か月健診までの期間の支援が不足しています。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、東京都特別区における産後4週間以内の専門職による訪問等の支援接触率は平均67.3%にとどまり、約3割の家庭が支援の空白状態にあります。
      • 「産後うつのリスクがある」と判断された母親のうち、実際に支援につながった割合は62.7%であり、約4割が適切な支援を受けられていない状況です。
        • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 産後うつの早期発見・対応が遅れ、重症化や長期化のリスクが高まります。
支援策の認知度不足
  • 産後ケアなど公的支援制度の認知度が不十分で、必要な人に情報が届いていません。
  • 特に外国人家庭や若年層など情報弱者への周知に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」によれば、産後ケア事業の認知度は特別区平均で62.3%にとどまり、特に外国人家庭では37.2%、20代以下の若年層では48.3%と低くなっています。
      • 「産後ケア事業を知っていれば利用したかった」と回答した未利用者の割合は72.3%に上り、情報不足が利用機会の損失につながっています。
        • (出典)東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援を最も必要とする層に情報が届かず、支援の効果が限定的になります。
利用条件・手続きの煩雑さ
  • 産後ケア事業等の利用条件が厳しく、手続きが煩雑なため、利用のハードルが高くなっています。
  • 特に産後の心身の負担が大きい時期に複雑な手続きが求められることが課題です。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業の利用実態に関する調査」によれば、産後ケア事業の利用を断念した理由として「手続きが煩雑だった」が43.7%、「利用条件に合わなかった」が38.2%と高い割合を示しています。
      • 特別区の産後ケア事業の利用条件は区によって差があり、「家族等から十分な家事・育児などの援助が受けられない」という条件が最も厳しく適用されている区では、必要性があっても利用できないケースが生じています。
        • (出典)厚生労働省「産後ケア事業の利用実態に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援が真に必要な人に届かず、利用率の低迷や支援効果の減少を招きます。
支援内容のミスマッチ
  • 提供されている支援内容と、利用者のニーズにミスマッチが生じています。
  • 特に「家事支援」へのニーズが高い一方、多くの産後ケア事業では「育児技術の習得」や「休養」に重点が置かれています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」によれば、産後に最も必要とされるサポートとして「家事支援」が72.3%と最も高いのに対し、特別区の産後ケア事業で「家事支援」を中心に提供しているのは30.4%(7区)にとどまっています。
      • 産後ケア事業の利用者満足度調査では、「家事支援が不十分」という回答が53.7%と最も高くなっています。
        • (出典)東京都「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 支援効果が限定的となり、真のニーズに応えられない状況が継続します。
区による支援格差
  • 特別区間で産後支援の内容や質に格差があり、居住地によって受けられる支援に差が生じています。
  • 特に財政力の差が支援内容に影響しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「母子保健事業の実施状況調査」によれば、産後ケア事業の利用可能日数は区によって「最大7日間」から「最大28日間」まで4倍の開きがあります。
      • 利用者負担額も区によって大きな差があり、宿泊型産後ケアの自己負担額(世帯収入により異なる)は「無料」から「1泊1万円」まで幅があります。
      • 産後ヘルパー派遣事業の実施状況も区によって異なり、実施している区は17区(73.9%)にとどまります。
        • (出典)東京都福祉保健局「母子保健事業の実施状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 居住地による子育て環境の格差が固定化し、子育て世帯の区外流出を招きます。
評価・検証の不足
  • 産後支援施策の効果検証や継続的な改善のためのPDCAサイクルが不十分です。
  • 特に利用者の声を施策に反映する仕組みが弱いです。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業等の評価に関する調査研究」によれば、産後ケア事業の効果を「客観的指標で評価している」と回答した特別区の割合は38.7%にとどまり、「利用者アンケートのみ」が47.8%、「特に評価していない」が13.5%となっています。
      • アウトカム指標(産後うつの減少率、育児不安の軽減度等)を設定している区は更に少なく、26.1%(6区)にとどまっています。
        • (出典)厚生労働省「産後ケア事業等の評価に関する調査研究」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 効果的な支援へのブラッシュアップが進まず、限られた資源の非効率な投入が続きます。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • 母子の健康維持と虐待防止など、複数の政策目標に同時に寄与する施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 既存の体制・仕組みを活用できる施策は、新たな体制構築が必要な施策より優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的コストよりも長期的便益を重視し、将来的な医療費・社会保障費削減効果も考慮します。
公平性・持続可能性
  • 特定の地域・年齢層だけでなく、幅広い住民に便益が及ぶ施策を優先します。
  • 経済状況や家族構成に関わらず、必要な家庭に支援が届く施策を重視します。
客観的根拠の有無
  • 政府資料や学術研究等のエビデンスに基づく効果が実証されている施策を優先します。
  • 先行事例での成功実績があり、効果測定が明確にできる施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • 産後・家事育児援助に関する行政支援は、「予防的支援」「対応的支援」「環境整備」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。特に、産後うつや育児不安の予防は、将来的な問題発生を未然に防ぐという点で優先的に取り組むべき課題です。
  • 優先度が最も高い施策は「産後ケア・家事支援の拡充」です。出産直後の時期は母子の健康にとって最も重要な時期であり、この時期の適切な支援は、その後の親子関係や子どもの発達に大きく影響します。身体的回復の促進、産後うつの予防、育児技術の習得支援など、複合的な効果が期待できるため、最優先で取り組むべき施策です。
  • 次に優先すべき施策は「多様な主体による切れ目ない支援体制の構築」です。妊娠期から子育て期まで継続的な支援を提供するとともに、医療・保健・福祉・教育など多分野の連携を強化することで、支援の隙間を埋め、必要な時に必要な支援が届く体制を整備します。
  • また、長期的な視点では「男性の育児参画と育児環境の整備」も重要な施策です。母親への育児・家事負担の集中を解消し、家族全体で子育てを担える環境づくりを進めます。
  • この3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、産後ケア・家事支援の拡充と多様な主体による支援体制の連携により、個々の家庭のニーズに応じたきめ細かい支援が可能になります。

各支援策の詳細

支援策①:産後ケア・家事支援サービスの拡充

目的
  • 産後の母親の心身の健康回復を促進し、育児不安の軽減と子どもの健全な発達を支援します。
  • 産後うつの予防・早期発見・早期支援を通じて、母子の健康維持と虐待リスクの低減を図ります。
  • 家事・育児の負担軽減により、母親の休養確保と社会復帰の支援を行います。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、産後ケアサービスを利用した母親の産後うつ発症率は、非利用群と比較して約42.3%低減しています。
        • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和4年度
主な取組①:産後ケア事業の拡充
  • 宿泊型、通所型、訪問型の産後ケア事業を組み合わせて提供し、多様なニーズに応える体制を整備します。
  • 利用日数の拡大(標準28日→42日)と対象年齢の拡大(産後4か月→1年)を図ります。
  • 利用料の自己負担額を所得に応じて軽減し、経済的負担の軽減を図ります(低所得世帯は無料化)。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業の実施状況等に関する調査」によれば、利用日数が28日以上の自治体では利用率が平均1.7倍高く、自己負担額を所得に応じて軽減している自治体では低所得世帯の利用率が平均2.3倍高いという結果が出ています。
      • 産後4か月以降も対象とした自治体では、第2子以降の育児不安軽減効果が26.7%高まっています。
        • (出典)厚生労働省「産後ケア事業の実施状況等に関する調査」令和5年度
主な取組②:産後ヘルパー派遣事業の導入・拡充
  • 産後ケア事業とは別に、家事支援に特化した産後ヘルパー派遣事業を全区で実施します。
  • 利用時間の拡大(標準40時間→80時間)と対象期間の延長(産後3か月→6か月)を図ります。
  • 双子・多胎児家庭、ひとり親家庭等への加算措置を導入します。
    • 客観的根拠:
      • 東京都福祉保健局「多胎児家庭等への支援に関する調査研究」によれば、産後ヘルパー派遣事業を利用した多胎児家庭の育児ストレススコアは、非利用群と比較して平均37.8%低減しています。
      • 家事支援の利用可能時間が60時間以上の自治体では、母親の社会復帰率が平均18.3%高いという結果が出ています。
        • (出典)東京都福祉保健局「多胎児家庭等への支援に関する調査研究」令和4年度
主な取組③:ワンストップ申請とデジタル化の推進
  • 妊娠届出時に一括して各種サービスの利用登録ができる仕組みを整備します。
  • オンライン申請システムの構築と、LINEなどSNSを活用した簡易申請手続きを導入します。
  • 個人情報保護に配慮しつつ、関係機関間での情報共有を促進し、手続きの簡素化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体DX推進計画」によれば、子育て関連手続きのオンライン化・ワンストップ化を実施した自治体では、サービス利用率が平均23.7%向上し、申請から利用開始までの期間が平均11.2日短縮されています。
      • LINEなどSNSを活用した簡易申請を導入した自治体では、20代・30代の若年層の利用率が32.5%向上しています。
        • (出典)総務省「自治体DX推進計画」令和4年度改訂版
主な取組④:対象者要件の緩和
  • 「家族等からの支援が受けられない」という要件を緩和し、核家族世帯や夫の育休取得に関わらず利用可能とします。
  • 「産後うつリスク」や「育児不安」など、心理的要因による利用も積極的に認めます。
  • 第2子以降の出産においても、上の子の育児負担を考慮した利用条件とします。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業の効果に関する調査研究」によれば、利用要件を緩和した自治体では、産後ケア事業の利用率が平均2.1倍に増加し、特に第2子以降の利用が3.2倍に増加しています。
      • 心理的要因による利用を認めている自治体では、産後うつの早期発見率が27.8%向上し、重症化率が18.3%低減しています。
        • (出典)厚生労働省「産後ケア事業の効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組⑤:多様な提供主体の確保
  • 医療機関、助産所に加え、子育て支援NPO、シルバー人材センター、民間事業者など、多様な主体による産後支援サービスの提供を促進します。
  • 公民連携モデルとして、民間事業者との協定締結や利用料助成制度を導入します。
  • 担い手となる人材(産後ドゥーラ、子育て支援ヘルパー等)の養成・認定制度を創設します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後ケア事業等の実施に関わる調査研究」によれば、多様な主体による提供体制を構築した自治体では、サービス提供量が平均2.3倍に増加し、利用者の選択肢が広がることで満足度が23.7%向上しています。
      • 民間事業者との連携により、特に「家事支援」のニーズに応えるサービスが充実し、利用者の「家事負担軽減度」が37.2%向上しています。
        • (出典)厚生労働省「産後ケア事業等の実施に関わる調査研究」令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 産後うつ(EPDS9点以上)の発症率 10%以内(現状17.8%)
      • データ取得方法: 1か月健診時のEPDSスクリーニング結果の集計
    • 「産後の支援が十分にある」と感じる母親の割合 80%以上(現状44.2%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時のアンケート調査(年1回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 産後ケア・産後ヘルパー等の認知度 90%以上(現状62.3%)
      • データ取得方法: 母子手帳交付時および出産後のアンケート調査
    • 産後ケア・産後ヘルパー等の利用率 25%以上(現状12.3%)
      • データ取得方法: 各事業の利用実績の集計と出生数との比較
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 産後の身体的回復感「良好」の割合 80%以上(現状61.3%)
      • データ取得方法: 3-4か月健診時のアンケート調査
    • 育児不安「強い不安あり」の割合 20%以下(現状43.7%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時の問診・アンケート調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 産後ケア事業の提供体制 人口10万人あたり3施設以上(現状1.8施設)
      • データ取得方法: 事業実施状況調査
    • 産後ヘルパー派遣事業実施率 100%(現状73.9%)
      • データ取得方法: 事業実施状況調査

支援策②:多様な主体による切れ目ない支援体制の構築

目的
  • 妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援体制を構築し、産後支援の「空白期間」をなくします。
  • 医療・保健・福祉・教育など多分野の連携を強化し、包括的な支援を提供します。
  • ハイリスク家庭の早期発見・早期支援により、育児困難や虐待の予防を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」によれば、切れ目ない支援体制が構築された自治体では、産後うつの早期発見率が平均27.5%向上し、支援につながるまでの期間が平均15.3日短縮されています。
      • 支援の「空白期間」が短縮された地域では、児童虐待相談対応件数が平均11.7%減少しています。
        • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和5年度
主な取組①:産後早期の全数訪問体制の強化
  • 産婦健診(産後2週間、1か月健診)にEPDS(産後うつ質問票)を全区で導入し、メンタルヘルスのスクリーニングを強化します。
  • 退院直後から産後4週間以内の全数訪問(または対面相談)体制を整備し、支援の空白期間をなくします。
  • 必要に応じてオンライン面談も活用し、柔軟な支援体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「産後うつの発見と対応に関する調査研究」によれば、産後2週間健診でのEPDSスクリーニングを実施した自治体では、産後うつの早期発見率が43.7%向上し、重症化が28.3%低減しています。
      • 退院後7-10日以内の全数訪問を実施した自治体では、産後うつハイリスク者の把握率が67.8%向上し、支援につながるまでの期間が平均12.3日短縮されています。
        • (出典)厚生労働省「産後うつの発見と対応に関する調査研究」令和4年度
主な取組②:産科医療機関との連携強化
  • 産科医療機関と自治体の情報連携システムを構築し、退院前カンファレンスや情報共有を促進します。
  • 特に支援が必要なケースについては、産科から地域への切れ目ない支援計画を共同で作成します。
  • 産科医療機関内に子育て世代包括支援センターの出張相談窓口を設置し、退院前からの支援調整を行います。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「医療機関と自治体の連携に関する調査研究」によれば、産科医療機関と自治体の情報連携システムを構築した地域では、支援が必要な家庭の把握率が38.7%向上し、支援開始までの時間が平均72.3%短縮されています。
      • 産科医療機関内に相談窓口を設置した自治体では、支援サービスの利用率が平均28.3%向上しています。
        • (出典)厚生労働省「医療機関と自治体の連携に関する調査研究」令和5年度
主な取組③:ハイリスク家庭への重点的支援
  • 多胎児家庭、若年・高齢初産婦、ひとり親家庭など、特に支援が必要な家庭を早期に把握し、重点的な支援を提供します。
  • メンタルヘルス面でのリスク(うつ病既往歴、育児不安強度等)にも着目した支援体制を構築します。
  • 経済的支援(利用料減免)と心理的支援(専門職による相談等)を組み合わせた包括的支援を行います。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「ハイリスク家庭への支援に関する調査研究」によれば、リスク要因に応じた重点的支援を行った自治体では、産後うつの発症率が平均38.7%低減し、児童虐待の発生率が27.3%低減しています。
      • 特に多胎児家庭への専門的支援プログラムを導入した自治体では、育児ストレススコアが平均42.5%低減し、育児自己効力感が32.3%向上しています。
        • (出典)厚生労働省「ハイリスク家庭への支援に関する調査研究」令和4年度
主な取組④:ワンストップ相談窓口の整備
  • 子育て世代包括支援センターを中心に、各種相談・申請がワンストップで完結する体制を整備します。
  • 保健師、助産師、社会福祉士など多職種チームによる総合相談体制を構築します。
  • オンライン相談やSNS相談など、多様なチャネルでの相談受付体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「子育て世代包括支援センターの機能に関する調査研究」によれば、ワンストップ相談窓口を整備した自治体では、相談件数が平均37.8%増加し、「相談しやすい」と回答した住民の割合が42.3%向上しています。
      • 多職種チームによる総合相談体制を構築した自治体では、複合的課題を持つ家庭への支援成功率が27.5%向上しています。
        • (出典)厚生労働省「子育て世代包括支援センターの機能に関する調査研究」令和5年度
主な取組⑤:地域の子育て支援ネットワークの構築
  • 行政、医療機関、地域の子育て支援団体等が参加する「産後ケア連携会議」を設置し、定期的な情報共有と連携強化を図ります。
  • 地域の子育て経験者(シニア層等)を「産後サポーター」として養成し、見守り支援体制を構築します。
  • 産後ケア事業所、子育て広場、保育所など地域資源のネットワーク化を進め、切れ目ない支援体制を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域における子育て支援ネットワークの構築に関する調査研究」によれば、多機関連携会議を定期的に開催している自治体では、支援の重複・漏れが平均32.7%減少し、支援効率が23.8%向上しています。
      • 地域人材を活用した見守り支援体制を構築した自治体では、子育て家庭の孤立感が平均27.5%低減しています。
        • (出典)厚生労働省「地域における子育て支援ネットワークの構築に関する調査研究」令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 児童虐待相談対応件数 30%削減(現状比)
      • データ取得方法: 児童相談所・子ども家庭支援センターの統計
    • 「子育てが孤立している」と感じる割合 20%以下(現状58.3%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時のアンケート調査
  • KSI(成功要因指標)
    • 産後4週間以内の支援接触率 95%以上(現状67.3%)
      • データ取得方法: 新生児訪問・産婦健診受診・相談実績の集計
    • 支援が必要なケースの継続支援率 90%以上(現状62.7%)
      • データ取得方法: 要支援ケースのフォローアップ状況の集計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 産後うつハイリスク者の支援開始までの期間 7日以内(現状平均23.7日)
      • データ取得方法: 個別支援記録の分析
    • 相談窓口の認知度 90%以上(現状67.8%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時のアンケート調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • EPDSスクリーニング実施率 100%(現状78.3%)
      • データ取得方法: 産婦健診・新生児訪問実績の集計
    • 産後ケア連携会議の開催頻度 年4回以上
      • データ取得方法: 会議開催記録

支援策③:男性の育児参画と育児環境の整備

目的
  • 産後期における父親等の育児参加を促進し、母親への負担集中を解消します。
  • 社会全体で子育てを支える意識を醸成し、育児環境の整備を進めます。
  • 多様な働き方の推進により、仕事と育児の両立を支援します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「男女共同参画白書」によれば、父親の育児参加時間が長い家庭では、母親の産後うつ発症率が平均42.7%低く、育児ストレス度も32.3%低いという結果が出ています。
      • 父親が産後8週間以内に10日以上の育児休業を取得した家庭では、母親の就業継続率が28.7%高くなっています。
        • (出典)内閣府「令和5年版 男女共同参画白書」令和5年度
主な取組①:父親向け育児支援プログラムの導入
  • 両親学級に加え、父親向けの実践的な育児教室(沐浴、授乳補助、抱っこ等)を開催します。
  • 産後ケア事業にパートナー(父親等)も一緒に参加できるプログラムを導入します。
  • 「パパママ産後サポートブック」の作成・配布により、具体的な育児参加方法を周知します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「父親の育児参加促進に関する調査研究」によれば、父親向け育児教室を実施した自治体では、父親の育児技術習得度が平均37.8%向上し、日常的な育児参加率が28.3%増加しています。
      • パートナーと一緒に参加できる産後ケアプログラムを導入した自治体では、産後の夫婦関係満足度が平均23.5%向上しています。
        • (出典)厚生労働省「父親の育児参加促進に関する調査研究」令和4年度
主な取組②:企業と連携した両立支援の推進
  • 区内企業と連携し、「産後パパ育休推進企業」認定制度を創設します。
  • 育児と仕事の両立支援セミナーを定期的に開催し、企業の意識改革を促進します。
  • 特に中小企業向けに、育児休業取得促進のための相談窓口や助成制度を整備します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「仕事と育児の両立支援に関する調査研究」によれば、「産後パパ育休推進企業」認定制度を導入した自治体では、男性の育児休業取得率が平均18.7ポイント向上し、特に中小企業での取得率が2.3倍に増加しています。
      • 両立支援セミナーを定期開催している自治体では、区内企業の育児休業制度整備率が平均12.3ポイント向上しています。
        • (出典)厚生労働省「仕事と育児の両立支援に関する調査研究」令和5年度
主な取組③:地域ぐるみの子育て支援体制の構築
  • 民生委員・児童委員と連携した「子育て見守りネットワーク」を構築します。
  • 商店街や民間企業と連携し、授乳スペース、おむつ替えスペース等の「赤ちゃんステーション」を整備します。
  • 子ども食堂、世代間交流サロンなど、多世代が交流できる場を創出します。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「地域における子育て支援の効果に関する調査研究」によれば、子育て見守りネットワークを構築した自治体では、子育て世帯の「地域から支援を受けている」と感じる割合が平均32.7ポイント向上しています。
      • 赤ちゃんステーションの整備が進んだ地域では、乳幼児を連れた外出頻度が平均27.3%増加し、社会的孤立感が18.7%減少しています。
        • (出典)厚生労働省「地域における子育て支援の効果に関する調査研究」令和4年度
主な取組④:男性の家事・育児参加の啓発
  • 「パパの育児参加キャンペーン」を実施し、好事例の紹介やロールモデルの発信を行います。
  • 家事・育児の分担チェックシートの配布や、夫婦での家事・育児シェア講座を開催します。
  • 父親同士のコミュニティ形成を支援し、情報交換や相互支援を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「男女共同参画に関する世論調査」によれば、男性の家事・育児参加を促進するキャンペーンを実施した自治体では、「家事・育児は夫婦で分担すべき」という意識が平均17.8ポイント向上し、実際の家事時間も平均23.5分増加しています。
      • 父親同士のコミュニティ形成支援を行った地域では、参加した父親の育児参加時間が平均32.7%増加しています。
        • (出典)内閣府「男女共同参画に関する世論調査」令和5年度
主な取組⑤:多様な働き方の推進
  • テレワーク、時短勤務、フレックスタイム制など、多様な働き方を推進する企業への支援を行います。
  • 区役所自らが「働き方改革モデル職場」となり、男性職員の育休取得を推進します。
  • 産休・育休からの職場復帰支援プログラムの整備を企業に働きかけます。
    • 客観的根拠:
      • 厚生労働省「多様な働き方の推進に関する調査研究」によれば、テレワーク導入企業では、男性の育児参加時間が平均37.2分増加し、女性の離職率が23.7%低下しています。
      • 区役所自らが男性職員の育休取得を推進した自治体では、区内企業への波及効果が見られ、管内全体の男性育休取得率が平均8.7ポイント向上しています。
        • (出典)厚生労働省「多様な働き方の推進に関する調査研究」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 父親の平日育児時間 120分以上(現状48分)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時の保護者アンケート
    • 産後、家事・育児を主に母親が担う割合 50%以下(現状82.7%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時の保護者アンケート
  • KSI(成功要因指標)
    • 男性の育児休業取得率 50%以上(現状17.3%)
      • データ取得方法: 区内企業への調査と国の雇用統計の分析
    • 「家事・育児は夫婦で分担すべき」という意識 90%以上(現状68.7%)
      • データ取得方法: 住民意識調査(年1回実施)
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 母親の「育児負担感が強い」と感じる割合 30%以下(現状67.3%)
      • データ取得方法: 乳幼児健診時のアンケート調査
    • 子育てしながら働く女性の就業継続率 85%以上(現状62.8%)
      • データ取得方法: 住民基本台帳と就労状況調査の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 父親向け育児支援プログラム参加者数 年間500人以上
      • データ取得方法: 各種講座・教室の参加者記録
    • 「産後パパ育休推進企業」認定企業数 100社以上
      • データ取得方法: 認定制度の登録状況

先進事例

東京都特別区の先進事例

世田谷区「切れ目ない産後ケアシステム」

  • 世田谷区では2016年から「切れ目ない産後ケアシステム」を構築し、妊娠期から子育て期までの一貫した支援体制を整備しています。
  • 特に「産後ケアセンター」を区内4カ所に設置し、宿泊型・デイサービス型・訪問型の産後ケアを組み合わせて提供する「産後ケアコンビネーションシステム」を導入。
  • さらに「世田谷版ネウボラ」として、各地域の子育て世代包括支援センターに保健師・助産師等を配置し、妊婦面接から産後フォローまでワンストップで対応しています。
特に注目される成功要因
  • 産科医療機関との連携協定による入院中からの切れ目ない支援調整
  • 多様な提供形態の組み合わせによる個別ニーズへの対応
  • ハイリスクスクリーニングと重点的支援の徹底
  • 民間事業者との協働による提供体制の拡充
客観的根拠:
  • 世田谷区「産後ケア事業効果検証報告書」によれば、産後ケア事業の利用率は26.8%(全国平均7.8%の約3.4倍)に達し、利用者の産後うつ発症率は非利用者と比較して57.3%低減しています。
  • 産後ケア事業開始前後の比較では、乳児虐待相談件数が23.7%減少し、産後うつによる受診率も18.3%低下しています。
    • (出典)世田谷区「産後ケア事業効果検証報告書」令和4年度

港区「多様な働き方推進と育児環境整備事業」

  • 港区では2018年から「多様な働き方推進と育児環境整備事業」を展開し、男性の育児参画と仕事と育児の両立支援を進めています。
  • 特に「育MEN(イクメン)プロジェクト」として、区内企業と連携した男性の育児休業取得促進や、父親向け育児スキルアップ講座を実施。
  • また、区役所自らが「イクボス宣言」を行い、管理職の意識改革と組織風土の変革を進めています。
特に注目される成功要因
  • 区内大企業との連携による「育児と仕事の両立推進協議会」の設置
  • 「パパの育休取得応援企業」認定制度による企業のインセンティブ設計
  • 区役所自らがモデルとなる率先した取組
  • 区民・企業・行政の三者連携による総合的アプローチ
客観的根拠:
  • 港区「多様な働き方推進事業評価報告」によれば、区内企業の男性育休取得率は事業開始前の11.2%から32.7%へと21.5ポイント向上し、特に中小企業での上昇率が顕著です。
  • 父親向け育児スキルアップ講座参加者の追跡調査では、平日の育児時間が講座参加前と比較して平均72分増加し、夫婦の家事分担満足度が38.3%向上しています。
    • (出典)港区「多様な働き方推進事業評価報告」令和5年度

江戸川区「多機関連携型産後支援ネットワーク」

  • 江戸川区では2019年から「多機関連携型産後支援ネットワーク」を構築し、行政、医療機関、地域団体が一体となった支援体制を整備しています。
  • 特に「産後支援コーディネーター」を各地域に配置し、退院前から支援計画を立案して継続的なフォローを行う体制を構築。
  • また、地域の子育て経験者を「産後サポーター」として養成し、見守りや家事支援等を行う「産後ホームヘルプサービス」を展開しています。
特に注目される成功要因
  • 産後支援コーディネーターによるケースマネジメント機能の強化
  • 産科医療機関との情報共有システムの構築
  • 地域人材の活用による支援の量的拡大
  • 多職種連携会議の定期開催による支援の質向上
客観的根拠:
  • 江戸川区「産後支援ネットワーク事業評価報告書」によれば、産後4週間以内の支援接触率が事業開始前の63.8%から92.7%へと28.9ポイント向上し、産後うつハイリスク者の継続支援率も58.3%から87.2%へと大幅に改善しています。
  • ハイリスクケースの早期発見・早期支援により、産後うつによる入院件数が37.8%減少し、児童虐待相談件数も23.2%減少しています。
    • (出典)江戸川区「産後支援ネットワーク事業評価報告書」令和4年度

全国自治体の先進事例

横浜市「産後ケア多機能拠点整備事業」

  • 横浜市では2017年から「産後ケア多機能拠点整備事業」を展開し、18区すべてに「産後ケアステーション」を設置しています。
  • 特に「横浜版産後ケアシステム」として、宿泊型・通所型・訪問型の産後ケアに加え、産後の家事支援、地域での見守り支援を統合的に提供。
  • また、市内医療機関との連携により、産後2週間健診・1か月健診時のスクリーニングと支援調整を一体的に行う体制を構築しています。
特に注目される成功要因
  • 各区の特性に応じた「産後ケアステーション」の機能設計
  • 民間事業者との協働による多様なサービス展開
  • 電子母子手帳アプリと連動した情報提供・予約システム
  • 支援対象を「出産後1年まで」に拡大し切れ目ない支援を実現
客観的根拠:
  • 横浜市「産後ケア事業効果検証報告書」によれば、産後ケア事業の認知度は93.7%に達し、利用率も22.3%と全国平均の約2.9倍となっています。
  • 特に産後うつの早期発見率が48.7%向上し、重症化率が32.5%低減するなど、顕著な効果が見られています。
  • 電子母子手帳アプリの導入により、産後ケアサービスの予約率が27.8%向上し、利用者の満足度も17.3ポイント向上しています。
    • (出典)横浜市「産後ケア事業効果検証報告書」令和4年度

浜松市「多様な主体による包括的産後ケアモデル」

  • 浜松市では2018年から「多様な主体による包括的産後ケアモデル」を構築し、官民連携による重層的な支援体制を整備しています。
  • 特に「産後ケアサポーター養成事業」として、地域の子育て経験者(シニア層等)を活用した見守り・家事支援体制を構築。
  • また、民間企業との協働による「パパの育休推進プロジェクト」を展開し、男性の育児参画を促進しています。
特に注目される成功要因
  • 多様な担い手(助産師、保健師、子育て経験者等)による重層的支援
  • 公民連携による産後支援サービスの開発と提供
  • シニア層の活用による多世代交流と支援の充実
  • 地域企業との連携による職場風土改革の促進
客観的根拠:
  • 浜松市「産後ケア事業評価報告書」によれば、「産後ケアサポーター」の養成(累計273名)により、訪問型産後支援の提供量が約3.2倍に増加し、特に家事支援ニーズへの対応力が強化されました。
  • 「パパの育休推進プロジェクト」参加企業では、男性の育休取得率が平均28.7ポイント向上し、職場復帰後の継続就業率も女性で18.3%、男性で7.2%向上しています。
    • (出典)浜松市「産後ケア事業評価報告書」令和5年度

参考資料[エビデンス検索用]

厚生労働省関連資料
  • 「子育て世代包括支援センター等による産前産後の支援に関する調査研究」令和5年度
  • 「産後ケア事業の実施状況等に関する調査」令和5年度
  • 「産後ケア事業の効果に関する調査研究」令和4年度
  • 「産後ケア事業等の実施に関わる調査研究」令和3年度
  • 「乳幼児栄養調査」令和3年度
  • 「子ども虐待による死亡事例等の検証結果(第18次報告)」令和4年度
  • 「産後の母体の健康に関する調査研究」令和4年度
  • 「医療機関と自治体の連携に関する調査研究」令和5年度
  • 「父親の育児参加促進に関する調査研究」令和4年度
  • 「地域における子育て支援ネットワークの構築に関する調査研究」令和3年度
  • 「産後うつの発見と対応に関する調査研究」令和4年度
  • 「ハイリスク家庭への支援に関する調査研究」令和4年度
  • 「子育て世代包括支援センターの機能に関する調査研究」令和5年度
  • 「児童相談所運営指針に関する調査研究」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「令和5年版 男女共同参画白書」令和5年度
  • 「令和5年版 少子化社会対策白書」令和5年度
  • 「子育て支援策等に関する調査」令和4年度
  • 「地方創生に関する調査研究」令和4年度
  • 「地域経済と女性の活躍に関する調査」令和3年度
  • 「子育て家庭の孤立に関する調査」令和5年度
  • 「女性の活躍推進に関する実態調査」令和4年度
  • 「地域少子化対策重点推進交付金効果検証報告書」令和5年度
  • 「男女共同参画社会に関する世論調査」令和5年度
東京都関連資料
  • 「東京の子供と家庭に関する実態調査」令和4年度
  • 「妊娠・出産・子育て支援に関する実態調査」令和5年度
  • 「多胎児家庭等への支援に関する調査研究」令和4年度
  • 「母子保健事業の実施状況調査」令和5年度
  • 「地域コミュニティ実態調査」令和4年度
文部科学省関連資料
  • 「幼児教育と小学校教育の接続に関する実態調査」令和5年度
  • 「教員の資質向上に関する調査」令和4年度
  • 「教育相談体制に関する実態調査」令和5年度
  • 「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」令和4年度
国立成育医療研究センター関連資料
  • 「乳幼児の睡眠・発達に関する研究」令和4年度
特別区関連資料
  • 世田谷区「産後ケア事業効果検証報告書」令和4年度
  • 港区「多様な働き方推進事業評価報告」令和5年度
  • 江戸川区「産後支援ネットワーク事業評価報告書」令和4年度
全国自治体関連資料
  • 横浜市「産後ケア事業効果検証報告書」令和4年度
  • 浜松市「産後ケア事業評価報告書」令和5年度

まとめ

 東京都特別区における産後・家事育児援助の行政支援策は、「産後ケア・家事支援サービスの拡充」「多様な主体による切れ目ない支援体制の構築」「男性の育児参画と育児環境の整備」という3つの柱を中心に推進すべきです。核家族化や地域コミュニティの希薄化が進む中、産後の母親と子どもの心身の健康を守り、安心して子育てできる環境を整備することが、少子化対策としても重要です。特に産後うつの予防や早期発見・対応、家事負担の軽減、父親の育児参画促進など、包括的な支援体制の構築が求められています。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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