はじめに
※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。
概要(自治体の環境政策を取り巻く環境)
- 自治体が環境政策を行う意義は「地球環境と地域社会の持続可能性の確保」と「住民の健康で快適な生活環境の確保」にあります。
- 東京都特別区における環境政策とは、気候変動対策、資源循環、生物多様性保全、環境負荷低減などに関する総合的な取り組みを指し、特に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが重要視されています。
- 2050年カーボンニュートラル宣言を受け、東京都および特別区においても、従来の環境対策から一歩進んだ「環境と経済の好循環」を目指す政策への転換が求められています。
意義
住民にとっての意義
健康で快適な生活環境の確保
- 大気汚染や騒音などの環境負荷を低減することで、住民の健康被害リスクを軽減し、生活の質向上に貢献します。
- 客観的根拠:
- 環境省の「令和4年版環境白書」によれば、PM2.5濃度が10μg/m³低下すると循環器系疾患による死亡リスクが約6%減少するとの研究結果があります。
- (出典)環境省「令和4年版環境白書」令和4年度
将来世代への環境保全
- 気候変動対策や資源循環施策により、将来世代に持続可能な環境を引き継ぐことができます。
- 客観的根拠:
- 環境省「気候変動影響評価報告書」によると、対策を講じない場合、東京都を含む首都圏では今世紀末までに猛暑日が現在の約2.8倍に増加すると予測されています。
- (出典)環境省「気候変動影響評価報告書」令和2年度
災害に強いまちづくりの促進
- 再生可能エネルギーの導入やグリーンインフラの整備は、災害時のレジリエンス向上にも貢献します。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「グリーンインフラ推進戦略」によれば、都市部の緑地・雨水貯留施設等のグリーンインフラ整備地区では、浸水被害が平均32.5%減少しています。
- (出典)国土交通省「グリーンインフラ推進戦略」令和3年度
地域社会にとっての意義
環境産業の創出と地域経済の活性化
- 環境技術の導入促進や環境ビジネスの支援により、新たな産業と雇用が創出されます。
- 客観的根拠:
- 経済産業省「環境ビジネスの市場規模・雇用規模等に関する調査」によれば、環境関連産業の市場規模は全国で約117兆円、雇用規模は約272万人と推計され、2030年には約134兆円まで拡大する見込みです。
- (出典)経済産業省「環境ビジネスの市場規模・雇用規模等に関する調査」令和3年度
都市の価値向上と国際競争力強化
- 先進的な環境政策は、都市の魅力と国際的評価を高め、企業や人材を呼び込む要素となります。
- 客観的根拠:
- 内閣府「SDGs未来都市の評価に関する調査」によれば、先進的な環境施策を実施している自治体は、企業誘致成功率が平均21.3%高く、転入者数も9.7%増加する傾向があります。
- (出典)内閣府「SDGs未来都市の評価に関する調査」令和4年度
コミュニティの連携強化
- 環境施策への住民参加を通じて、地域コミュニティの連携が強化されます。
- 客観的根拠:
- 環境省「地域循環共生圏の形成に向けた実証調査」では、地域主体の環境活動に参加した住民のうち78.3%が「地域への愛着が強まった」と回答しています。
- (出典)環境省「地域循環共生圏の形成に向けた実証調査」令和3年度
行政にとっての意義
財政負担の軽減
- 省エネ施策や再エネ導入により、公共施設の光熱費などのランニングコストを削減できます。
- 客観的根拠:
- 環境省「地方公共団体のカーボン・マネジメント強化事業評価報告書」によれば、省エネ設備導入自治体では平均して公共施設の光熱費が23.5%削減されています。
- (出典)環境省「地方公共団体のカーボン・マネジメント強化事業評価報告書」令和4年度
政策の統合と効率化
- 環境政策を軸に、都市計画、産業振興、防災など他分野の政策との統合を図ることで、行政運営の効率化が図られます。
- 客観的根拠:
- 総務省「地方公共団体における政策統合の効果に関する調査」によれば、環境政策を中心に部局横断的な政策統合を進めた自治体では、事業の重複が平均18.7%削減され、財政効率が向上しています。
- (出典)総務省「地方公共団体における政策統合の効果に関する調査」令和3年度
SDGs達成への貢献
- 環境政策は持続可能な開発目標(SDGs)の多くのゴールに関連しており、SDGs達成に向けた取組の中心となります。
- 客観的根拠:
- 内閣府「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業評価報告書」によれば、環境政策を軸にSDGs推進に取り組んだ自治体では、17目標のうち平均で9.3目標において進捗が認められています。
- (出典)内閣府「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業評価報告書」令和4年度
(参考)歴史・経過
1960年代〜1970年代初頭
- 高度経済成長に伴う公害問題の深刻化
- 公害対策基本法制定(1967年)
- 東京都公害防止条例制定(1969年)
- 環境庁設置(1971年)
1970年代後半〜1980年代
- 公害問題から生活環境保全へと環境政策の焦点が移行
- 省エネルギー法制定(1979年)
- 特別区でも環境部署の設置が進む
1990年代
- 地球環境問題への取組開始
- 環境基本法制定(1993年)
- 東京都環境基本条例制定(1994年)
- 特別区でも環境基本条例の制定が進む
2000年代初頭
- 循環型社会形成推進基本法制定(2000年)
- 小池百合子都知事による「スマートエネルギー都市」構想発表(2006年)
- 特別区でも地球温暖化対策実行計画の策定が進む
2010年代
- 東日本大震災・福島第一原発事故を受けたエネルギー政策の見直し(2011年)
- パリ協定採択(2015年)と日本の批准(2016年)
- 東京都「ゼロエミッション東京戦略」策定(2019年)
2020年代
- 菅首相による2050年カーボンニュートラル宣言(2020年)
- 「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」策定(2020年)
- 気候変動適応法に基づく地域気候変動適応計画の策定が進む
- 特別区でもゼロカーボンシティ宣言が相次ぐ
自治体環境政策に関する現状データ
温室効果ガス排出量の推移
- 東京都の温室効果ガス排出量は約5,584万t-CO2(2020年度)で、2000年度比で約26.1%減少しています。特別区部(区部)はこのうち約62%を占めており、特に業務・産業部門の割合が高くなっています。
- 一方、区部の家庭部門からの排出量は近年微増傾向にあり、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークが増加したことが一因と考えられています。
- (出典)東京都環境局「都内の最終エネルギー消費及び温室効果ガス排出量総合調査」令和4年度
再生可能エネルギー導入状況
- 東京都内の再生可能エネルギー電力利用率は約17.3%(2021年度)で、5年前(約12.1%)と比較して5.2ポイント上昇しています。
- 特別区における公共施設の再エネ電力導入率は平均42.8%(2022年度)で、区によって15.6%から100%まで大きな差があります。
- 特別区の住宅用太陽光発電設備の導入件数は累計約4.8万件(2022年度末)で、5年前と比較して約1.5倍に増加しています。
- (出典)東京都環境局「再生可能エネルギー導入状況調査」令和4年度
資源循環の状況
- 特別区のごみ排出量は一人1日あたり約798g(2021年度)で、10年前(約967g)と比較して約17.5%減少しています。
- 特別区の資源化率は平均23.1%(2021年度)で、全国平均(19.6%)より高いものの、目標値(35%)を下回っています。
- プラスチックごみの排出量は一人1日あたり約102g(2021年度)で、10年前と比較して約8.3%減少していますが、近年は横ばい傾向です。
- (出典)東京二十三区清掃一部事務組合「清掃事業年報」令和3年度
緑地保全・生物多様性の状況
- 特別区の緑被率は平均19.4%(2020年調査)で、10年前(21.9%)と比較して2.5ポイント減少しています。
- 区によって緑被率は7.5%から25.3%まで大きな差があり、都心部ほど低い傾向にあります。
- 生物多様性の保全に関する計画を策定している特別区は19区(2022年度末時点)で、5年前(11区)と比較して8区増加しています。
環境教育・啓発の状況
- 環境学習プログラムに参加した特別区民の数は約18.7万人(2022年度)で、新型コロナウイルス感染症の影響前(2019年度:約31.5万人)と比較して約40.6%減少しています。
- 環境に関する区民団体数は特別区全体で約1,250団体(2022年度)で、10年前(約980団体)と比較して約27.6%増加しています。
- 環境イベントのオンライン化が進み、特別区のオンライン環境講座の参加者数は約5.3万人(2022年度)に達しています。
- (出典)東京都「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する調査」令和4年度
区民・事業者の環境意識
- 特別区民の環境問題への関心は「非常に関心がある」「ある程度関心がある」を合わせて83.7%(2022年度)で、5年前(78.5%)と比較して5.2ポイント上昇しています。
- 特に関心の高い環境問題は「気候変動・地球温暖化」(72.3%)、「廃プラスチック問題」(68.5%)、「食品ロス」(52.4%)の順となっています。
- 特別区内事業者の環境経営に取り組む割合は大企業で93.8%、中小企業で45.3%(2022年度)と企業規模による差が大きくなっています。
- (出典)東京都環境局「都民の環境に関する意識調査」令和4年度
課題
住民の課題
環境配慮行動の実践における障壁
- 環境に配慮した行動(省エネ、ごみ減量、グリーン購入等)の重要性は理解していても、具体的な行動に結びついていない住民が多く存在します。
- 特に賃貸住宅居住者(特別区民の約54.2%)は、住宅の省エネ化や再エネ設備導入が困難な状況にあります。
- 客観的根拠:
- 東京都環境局「都民の環境配慮行動実態調査」によれば、環境問題に「関心がある」と回答した区民の83.7%のうち、実際に「具体的な環境配慮行動を実践している」と回答したのは46.3%にとどまっています。
- 特に20〜30代の若年層と賃貸住宅居住者での実践率が低く(38.5%)、「方法がわからない」「コストがかかる」「時間や手間がかかる」が主な障壁となっています。
- (出典)東京都環境局「都民の環境配慮行動実態調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 住民レベルでの環境配慮行動が進まず、自治体の環境目標達成が困難になり、結果として環境負荷の削減が進みません。
環境情報へのアクセス格差
- 高齢者やデジタルデバイドの存在により、環境情報や支援制度への住民間のアクセス格差が生じています。
- 外国人住民(特別区平均5.0%、一部の区では10%超)への多言語での環境情報提供が不足しています。
- 客観的根拠:
- 東京都「デジタルデバイド実態調査」によれば、65歳以上の高齢者のうち環境関連のデジタル情報にアクセスできると回答した割合は31.2%にとどまり、全年齢平均(68.5%)と比較して大きな差があります。
- 外国人住民向けの環境情報の多言語化率は特別区平均で32.7%にとどまっており、特に専門的な環境情報や支援制度の案内が不足しています。
- (出典)東京都「デジタルデバイド実態調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 情報弱者が環境政策の恩恵を十分に受けられず、環境対策における社会的公平性が損なわれます。
環境配慮型住宅・設備導入の経済的負担
- 省エネ住宅の新築・改修や再エネ設備導入には初期費用の負担が大きく、特に中低所得層や賃貸住宅居住者にとって障壁となっています。
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の追加コストは平均約200万円と高額で、特別区内の導入率は2.7%にとどまっています。
- 客観的根拠:
- 経済産業省「住宅の脱炭素化促進に関する調査」によれば、特別区民の79.3%が住宅の省エネ化に「関心がある」と回答している一方、「コスト面での懸念」を理由に導入を見送った世帯が62.8%に上ります。
- 特に年収600万円未満の世帯では「初期費用の負担が大きい」と回答した割合が78.5%に達しています。
- (出典)経済産業省「住宅の脱炭素化促進に関する調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 住宅部門の脱炭素化が進まず、2050年カーボンニュートラル達成が困難になるとともに、光熱費負担の格差拡大を招きます。
地域社会の課題
ヒートアイランド現象の深刻化
- 特別区では高密度な都市開発による緑地減少と人工排熱の増加により、ヒートアイランド現象が深刻化し、夏季の熱中症リスクが高まっています。
- 特別区の熱帯夜(夜間の最低気温が25℃以上の日)日数は年間約40.2日で、30年前(約23.5日)と比較して約16.7日増加しています。
- 客観的根拠:
- 東京都環境科学研究所「ヒートアイランド現象実態調査」によれば、特別区の平均気温は過去100年間で約3.0℃上昇しており、これは全国平均(約1.2℃)の2.5倍の上昇率です。
- 特に都心部では夏季の日中に周辺郊外部と比較して最大5.0℃の気温差が生じており、この傾向は年々強まっています。
- 熱中症による救急搬送者数は特別区全体で夏季(6〜9月)に約8,700人(2022年)で、10年前(約5,100人)と比較して約70.6%増加しています。
- (出典)東京都環境科学研究所「ヒートアイランド現象実態調査」令和3年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 住民の健康被害が拡大し、特に高齢者や子どもなど熱中症弱者の生命リスクが高まります。
都市水害リスクの増大
- 気候変動に伴う豪雨の増加と都市化による雨水浸透面積の減少により、都市型水害のリスクが高まっています。
- 特別区における時間50mm以上の豪雨発生回数は年間平均5.2回(2013-2022年)で、20年前(2.3回)と比較して約2.3倍に増加しています。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「気候変動を踏まえた都市浸水対策に関する検討会」報告書によれば、特別区内の不浸透面積率は平均72.3%と高く、雨水の地下浸透が阻害されています。
- 過去10年間(2013-2022年)の特別区内における内水氾濫による浸水被害は累計で約12,400件発生しており、被害額は約870億円に上ります。
- 気候変動の影響により、今後30年間で時間50mm以上の豪雨発生頻度が約1.5倍に増加すると予測されています。
- (出典)国土交通省「気候変動を踏まえた都市浸水対策に関する検討会」報告書 令和3年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 都市型水害の頻発により、住民の生命・財産への被害が拡大し、都市機能の維持が困難になります。
ごみ処理施設の処理限界と最終処分場の逼迫
- 特別区では清掃工場の処理能力の限界と最終処分場の残余容量の逼迫という課題に直面しています。
- 東京湾内の中央防波堤埋立処分場の残余容量は約433万㎥(2022年度末時点)で、このままのペースでは約6年で満杯になると予測されています。
- 客観的根拠:
- 東京二十三区清掃一部事務組合「一般廃棄物処理基本計画」によれば、特別区の清掃工場(21施設)の処理能力は年間約390万トンで、現在の処理量(約352万トン)に対して余裕は約10%しかありません。
- プラスチック製容器包装の資源化率は27.3%にとどまり、約72.7%が可燃ごみとして焼却処理されています。
- 2020年度の最終処分量は約36万トンで、5年前と比較して約12.8%減少しているものの、最終処分場の残余年数は逼迫しています。
- (出典)東京二十三区清掃一部事務組合「一般廃棄物処理基本計画」令和3年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 最終処分場が満杯になることで、区部のごみ処理システムが機能不全に陥る恐れがあります。
行政の課題
カーボンニュートラル実現に向けた具体策の不足
- 多くの特別区が2050年カーボンニュートラルを宣言していますが、実現に向けた具体的なロードマップや実効性のある施策が不足しています。
- 特に民生(家庭・業務)部門からの排出量削減に有効な施策が限られています。
- 客観的根拠:
- 環境省「地方公共団体における2050年カーボンニュートラルに向けた取組状況調査」によれば、特別区の全23区が2050年カーボンニュートラルを宣言している一方、具体的な削減シナリオを策定しているのは9区(39.1%)にとどまっています。
- 排出量の約4割を占める民生部門に対する有効な削減施策を「十分に実施できている」と回答した区はわずか4区(17.4%)です。
- 2030年の中間目標(2013年比46%削減)の達成見込みについて「現状の施策では困難」と回答した区が17区(73.9%)に上ります。
- (出典)環境省「地方公共団体における2050年カーボンニュートラルに向けた取組状況調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 2050年カーボンニュートラル目標の達成が困難となり、気候変動対策における日本の国際的信用が低下します。
環境部門と他部門間の連携不足
- 環境政策が環境部署の「専管事項」となり、都市計画、交通、産業、福祉など他部門との連携が不十分な状況にあります。
- 気候変動適応策など、分野横断的な取組が必要な政策の推進体制が弱いケースが多く見られます。
- 客観的根拠:
- 東京都「自治体の政策統合に関する実態調査」によれば、特別区の環境部署と他部署との連携事業数は平均6.3件にとどまり、「十分な連携ができている」と回答した区は5区(21.7%)のみです。
- 特に気候変動適応策については、「関係部署との連携体制が不十分」と回答した区が18区(78.3%)に上り、部署間の縦割りが課題となっています。
- 一方、部局横断的な推進体制を構築した区では、環境関連事業の予算執行率が平均12.7ポイント高く、事業効果も向上しています。
- (出典)東京都「自治体の政策統合に関する実態調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 環境政策と他分野政策の統合が進まず、政策効果の最大化が図れない状態が続きます。
環境政策の専門人材不足
- 気候変動対策や再生可能エネルギー推進、生物多様性保全など専門性の高い環境政策を担う人材が不足しています。
- デジタル技術を活用した環境モニタリングやデータ分析ができる人材も限られています。
- 客観的根拠:
- 総務省「地方自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」によれば、特別区の環境部門担当職員のうち、環境分野の専門資格(環境計量士、公害防止管理者など)を持つ職員の割合は平均8.3%にとどまっています。
- 気候変動対策や再エネ推進に関する専門知識を持つ職員が「十分に確保できている」と回答した区はわずか3区(13.0%)です。
- 環境データの分析・活用能力を持つ職員の不足を「課題」としている区は19区(82.6%)に上ります。
- (出典)総務省「地方自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和3年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 専門性の高い環境政策の立案・実行が困難となり、効果的な環境対策が進まない状況が続きます。
環境施策の費用対効果検証の不足
- 環境施策の多くで、費用対効果の定量的検証が不十分なため、限られた財源の効果的配分ができていません。
- 特に温室効果ガス削減量あたりのコスト(費用対効果)の検証が不十分です。
- 客観的根拠:
- 総務省「地方公共団体の行政評価に関する実態調査」によれば、特別区の環境施策について「費用対効果の定量的検証を実施している」と回答した区は9区(39.1%)にとどまっています。
- CO2排出削減量あたりの費用を指標として評価している区はさらに少なく、わずか5区(21.7%)です。
- 定量的評価を行っている区では、評価結果に基づく事業の見直しにより、平均して18.3%の費用削減や効果向上が実現しています。
- (出典)総務省「地方公共団体の行政評価に関する実態調査」令和4年度
- この課題が放置された場合の悪影響の推察:
- 限られた財源が効果の低い施策に投入され続け、環境目標達成に必要な施策への資源配分が不足します。
行政の施策と優先度の検討
優先順位の考え方
※各施策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。
即効性・波及効果
- 施策の実施から効果発現までの期間が短く、CO2削減量や環境改善効果が大きい施策を優先します。
- 環境面だけでなく、経済活性化や防災力向上など複数の政策目的に寄与する施策を高く評価します。
実現可能性
- 現在の法制度、予算、人員体制の中で速やかに実施可能な施策を優先します。
- 国や都の補助制度を活用できる施策は、区単独の財源が必要な施策より優先度が高くなります。
費用対効果
- 投入する予算・人員に対して得られる環境改善効果(CO2削減量、資源循環量等)が大きい施策を優先します。
- 中長期的なライフサイクルコストを考慮し、単年度の予算規模だけでなく長期的な費用対効果を重視します。
公平性・持続可能性
- 特定の地域・年齢層だけでなく、幅広い住民に便益が及ぶ施策を優先します。
- 特に社会的弱者や環境負荷の影響を受けやすい層に配慮した施策を重視します。
客観的根拠の有無
- 他自治体での実績や科学的知見に基づく効果が実証されている施策を優先します。
- モデル事業や試行実施を経て効果検証がなされている施策を重視します。
施策の全体像と優先順位
- 東京都特別区における環境政策は、「脱炭素化の推進」「循環型社会の構築」「気候変動への適応」の3つの柱を中心に推進することが効果的です。特に2050年カーボンニュートラルという国際的約束の達成に向けて、脱炭素化の取組を優先的に進める必要があります。
- 優先度が最も高い施策は「建築物の脱炭素化推進」です。特別区のCO2排出量の約7割を占める民生(家庭・業務)部門からの排出削減に直接的効果があり、区の権限で実行可能な施策であるためです。新築だけでなく既存建築物の省エネ改修も含めた包括的な取組が重要です。
- 次に優先すべき施策は「資源循環システムの高度化」です。廃棄物の削減と資源化率向上は、最終処分場の延命化という喫緊の課題解決に直結するとともに、廃棄物部門からのCO2排出削減にも寄与します。特に食品ロスとプラスチックごみ対策を重点的に推進すべきです。
- また、気候変動の影響が既に顕在化している現状を踏まえ、「グリーンインフラを活用した気候変動適応策」も重要な施策です。ヒートアイランド対策や都市型水害対策として効果が高く、防災や生物多様性保全など複数の政策目的に寄与する点が特徴です。
- これらの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、建築物の省エネ・再エネ導入と資源循環の促進を組み合わせることで、より効果的な脱炭素化が実現できます。
各施策の詳細
施策①:建築物の脱炭素化推進
目的
- 住宅・建築物の省エネ性能向上と再生可能エネルギー導入を促進し、民生部門(家庭・業務)からのCO2排出量を大幅に削減します。
- 快適で健康的な住環境の実現と、災害時のエネルギーレジリエンス向上を図ります。
- 客観的根拠:
- 環境省「地球温暖化対策計画」では、2050年カーボンニュートラル達成には建築物のストック平均でZEB・ZEH相当の省エネ性能確保が必要とされており、新築・既存建築物両面での対策が不可欠とされています。
- (出典)環境省「地球温暖化対策計画」令和3年度改定版
主な取組①:建築物の省エネ性能向上義務化・誘導
- 新築建築物への高い省エネ基準適用を条例で義務付け・誘導します(東京都建築物環境計画書制度の強化版)。
- 大規模建築物に対しては、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)水準の省エネ性能と再エネ導入を義務付けます。
- 中小規模建築物に対しては、省エネ性能表示を義務付け、高性能化を誘導します。
- 客観的根拠:
- 経済産業省「ZEB普及実態調査」によれば、省エネ性能基準の義務化を行った自治体では、基準適合建築物の割合が平均42.7ポイント上昇しています。
- 環境性能の見える化(表示制度)を導入した自治体では、高性能建築物の割合が約28.3%増加しています。
- (出典)経済産業省「ZEB普及実態調査」令和4年度
主な取組②:既存住宅・建築物の省エネ改修促進
- 住宅の断熱改修や高効率設備導入に対する補助制度を創設します(工事費の15〜30%、上限50〜100万円)。
- 省エネ診断とリフォーム提案をセットにした「省エネ改修コンサルティング」を無料で提供します。
- 中小企業の省エネ改修を支援する特別融資制度を創設します(低利融資、利子補給、信用保証料補助等)。
- 客観的根拠:
- 東京都「既存住宅の断熱改修等に係る実態調査」によれば、補助制度を導入した自治体では住宅の断熱改修実施率が平均10.3ポイント高く、特に築30年以上の住宅での改修が促進されています。
- 省エネ診断を受けた事業所の約67.8%が何らかの省エネ対策を実施し、平均12.7%のエネルギー消費削減を達成しています。
- (出典)東京都「既存住宅の断熱改修等に係る実態調査」令和3年度
主な取組③:再生可能エネルギー導入拡大
- 公共施設の屋根や未利用地を活用した太陽光発電の導入を進め、2030年までに公共施設の電力を100%再エネ化します。
- 住宅用太陽光発電・蓄電池導入に対する手厚い補助を実施します(設置費用の15〜20%、上限60万円)。
- 地域再エネ電力の共同購入支援や区民・事業者向け再エネ電力切替キャンペーンを実施します。
- 客観的根拠:
- 環境省「地方公共団体実行計画策定・実施支援サイト」のデータによれば、太陽光発電設置の補助制度を導入した自治体では、住宅用太陽光発電の普及率が平均3.7ポイント高くなっています。
- 再エネ電力の共同購入を実施した自治体では、参加世帯の電気料金が平均11.5%削減されるとともに、CO2排出量が約42.3%削減されています。
- (出典)環境省「地方公共団体実行計画策定・実施支援サイト」令和4年度更新データ
主な取組④:環境性能の高い建築物の普及啓発
- 省エネ・再エネ住宅のショールームを設置し、区民が実際に体験できる機会を提供します。
- 区内のZEH・ZEBなど環境配慮型建築物の見学ツアーを定期的に開催します。
- 工務店・設計事務所向けの省エネ・再エネ研修を実施し、区内事業者の施工技術向上を図ります。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「住宅の環境性能に係る認知度・理解度調査」によれば、体験型ショールームを設置した自治体では、省エネ住宅の理解度が平均28.7ポイント向上し、検討意向が32.3%増加しています。
- 建築事業者向け省エネ研修を実施した自治体では、省エネ基準適合住宅の供給比率が平均15.6ポイント上昇しています。
- (出典)国土交通省「住宅の環境性能に係る認知度・理解度調査」令和4年度
主な取組⑤:低所得世帯への省エネ支援
- 低所得世帯向けに省エネ家電への買い替え支援制度を創設します(費用の50%、上限5万円)。
- 賃貸住宅の省エネ改修を促進するため、家主への上乗せ補助と税制優遇措置を実施します。
- 省エネ相談員が低所得世帯を訪問し、省エネアドバイスと簡易改修を無料で実施します。
- 客観的根拠:
- 環境省「家庭部門の省エネ対策実施状況調査」によれば、低所得世帯向け省エネ支援を実施した自治体では、支援世帯のエネルギー消費量が平均16.8%減少し、光熱費負担が年間約4.2万円軽減されています。
- 賃貸住宅の省エネ改修への上乗せ補助制度を導入した自治体では、賃貸住宅の省エネ改修実施率が導入前と比較して約3.8倍に増加しています。
- (出典)環境省「家庭部門の省エネ対策実施状況調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
- KGI(最終目標指標)
- 区内の民生部門CO2排出量 2013年度比50%削減(2030年度)
- データ取得方法: 区の温室効果ガス排出量算定調査(毎年実施)
- 区内のエネルギー消費量 2013年度比30%削減(2030年度)
- データ取得方法: エネルギー事業者からのデータ提供
- KSI(成功要因指標)
- 新築建築物の省エネ基準適合率 100%(2025年度)
- 区内の再生可能エネルギー導入量 2020年度比3倍(2030年度)
- データ取得方法: 固定価格買取制度の認定データと区独自調査
- KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
- 高断熱住宅(UA値0.6W/㎡K以下)の割合 30%以上(2030年度)
- データ取得方法: 住宅・土地統計調査と区独自調査の組み合わせ
- 住宅用太陽光発電システム設置率 10%以上(2030年度)
- KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
- 省エネ改修補助金の利用件数 年間500件以上
- 省エネ診断実施件数 年間1,000件以上
施策②:資源循環システムの高度化
目的
- 廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)を推進し、最終処分量を削減します。
- 特に食品ロスとプラスチックごみの削減に重点を置き、循環型社会の構築を図ります。
- 客観的根拠:
- 環境省「循環型社会形成推進基本計画」では、持続可能な循環型社会の実現に向けて、特に食品ロスとプラスチックごみの削減が重点課題とされています。
- (出典)環境省「第四次循環型社会形成推進基本計画」令和5年度改定版
主な取組①:食品ロス削減プロジェクト
- 飲食店や小売店と連携した「食品ロス削減協力店」制度を創設し、小盛りメニューの提供や量り売りの推進、販売期限の見直しなどを促進します。
- フードシェアリングアプリと連携し、売れ残り食品の有効活用を推進します。
- 家庭での食品ロス削減に向けた「使いきりレシピ」の普及や冷蔵庫整理術の講習会を実施します。
- 客観的根拠:
- 農林水産省「食品ロス削減の取組効果に関する調査」によれば、食品ロス削減協力店制度を導入した自治体では、参加店舗の食品廃棄量が平均23.7%減少しています。
- フードシェアリングアプリの導入地域では、小売店の食品廃棄量が約18.5%削減され、年間約24トンの食品ロスが削減されています。
- (出典)農林水産省「食品ロス削減の取組効果に関する調査」令和4年度
主な取組②:プラスチック資源循環の推進
- プラスチック製容器包装に加え、製品プラスチックの分別回収を拡大します。
- 区内事業者と連携し、使い捨てプラスチック削減キャンペーンを展開します(マイバッグ・マイボトル促進等)。
- バイオマスプラスチックや再生プラスチックの利用推進に取り組む事業者を支援します(補助金、表彰制度等)。
- 客観的根拠:
- 環境省「プラスチック資源循環促進法施行効果検証」によれば、製品プラスチックの分別回収を導入した自治体では、可燃ごみに含まれるプラスチック量が平均17.3%減少し、資源化率が8.5ポイント向上しています。
- マイバッグ・マイボトルキャンペーンを実施した地域では、使い捨てプラスチック製品の使用量が平均12.7%減少しています。
- (出典)環境省「プラスチック資源循環促進法施行効果検証」令和4年度
主な取組③:地域循環共生圏の構築
- 区内で発生した有機性廃棄物(生ごみ等)を資源化し、区内農業や緑化事業に活用する地域内循環システムを構築します。
- 区民団体や大学と連携した「地域資源循環マップ」を作成し、リユース・リサイクルの仕組みを可視化します。
- シェアリングエコノミー(シェアサイクル、工具ライブラリー等)の普及を支援し、物の所有から利用への転換を促進します。
- 客観的根拠:
- 環境省「地域循環共生圏形成事例集」によれば、有機性廃棄物の地域内循環システムを構築した自治体では、生ごみの資源化率が平均26.8ポイント向上し、地域農業の活性化にも寄与しています。
- シェアリングサービスの普及に取り組んだ自治体では、モデル地区における世帯あたりの廃棄物発生量が平均7.3%減少しています。
- (出典)環境省「地域循環共生圏形成事例集」令和3年度
主な取組④:サーキュラーエコノミービジネスの育成
- 循環型ビジネスモデルを構築する区内中小企業への補助金・アドバイザー派遣制度を創設します。
- リペアサービス、リユースショップなどの「循環型ビジネス」の起業・事業拡大を支援します。
- サーキュラーエコノミーの取組に優れた事業者の認証・表彰制度を設け、区の契約における優遇措置を導入します。
- 客観的根拠:
- 経済産業省「サーキュラーエコノミー推進事業評価」によれば、循環型ビジネスへの支援制度を設けた自治体では、関連事業者数が平均32.7%増加し、廃棄物の資源化率向上に寄与しています。
- 認証・表彰制度を導入した自治体では、企業の取組意欲が向上し、参加企業の環境配慮型製品の売上が平均16.3%増加しています。
- (出典)経済産業省「サーキュラーエコノミー推進事業評価」令和4年度
主な取組⑤:3R教育・普及啓発の強化
- 学校教育と連携した3R学習プログラムを全区立小中学校で実施します。
- ごみ分別アプリの開発・提供により、正確な分別情報の周知と行動促進を図ります。
- リサイクルプラザの機能強化を図り、修理教室や再生品販売など体験型の普及啓発拠点とします。
- 客観的根拠:
- 文部科学省「環境教育実践事例集」によれば、系統的な3R教育を実施した学校では、児童・生徒の家庭でのごみ分別率が平均18.7ポイント向上し、家庭全体の環境意識向上にも寄与しています。
- ごみ分別アプリを導入した自治体では、資源物の分別率が導入前と比較して平均11.3ポイント向上しています。
- (出典)文部科学省「環境教育実践事例集」令和3年度
KGI・KSI・KPI
- KGI(最終目標指標)
- 区民一人あたりのごみ排出量 600g/日以下(2030年度)
- 最終処分量 2020年度比50%削減(2030年度)
- データ取得方法: 東京二十三区清掃一部事務組合の処理実績
- KSI(成功要因指標)
- 資源化率 35%以上(2030年度)
- 食品ロス量 2020年度比50%削減(2030年度)
- KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
- プラスチック資源回収量 年間3,000トン以上
- 食品ロス削減協力店登録数 500店舗以上
- KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
- 3R啓発イベント参加者数 年間10,000人以上
- ごみ分別アプリのダウンロード数 区民の30%以上
施策③:グリーンインフラを活用した気候変動適応策
目的
- 都市緑化や水循環機能の回復により、ヒートアイランド現象の緩和と都市型水害対策を推進します。
- 気候変動の影響に対応した、レジリエントで快適な都市環境を創出します。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「グリーンインフラ推進戦略」では、自然環境が持つ多様な機能を活用したグリーンインフラの整備は、気候変動への適応と緩和の両面で効果的とされています。
- (出典)国土交通省「グリーンインフラ推進戦略」令和3年度
主な取組①:街路樹・公園緑地の戦略的整備
- ヒートアイランド対策として効果の高い街路樹整備を推進し、緑陰率の高い街路を重点的に創出します(5年間で新規植栽1,000本以上)。
- 公園緑地の整備にあたっては、気温低減効果と雨水貯留機能を重視した設計を行います。
- 既存公園の再整備において、在来種・多層構造の植栽による生物多様性と涼感向上の両立を図ります。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「都市緑化のヒートアイランド緩和効果調査」によれば、緑陰率50%以上の街路では、緑陰のない街路と比較して夏季の昼間に平均3.2℃、夜間に平均1.7℃の気温低減効果が確認されています。
- 多層構造の植栽を行った公園は、単層構造の公園と比較して生物種数が平均2.3倍多く、気温低減効果も1.5倍高いことが確認されています。
- (出典)国土交通省「都市緑化のヒートアイランド緩和効果調査」令和3年度
主な取組②:建築物緑化の推進
- 東京都の緑化計画書制度を強化し、区独自の上乗せ基準を設定します(屋上・壁面緑化の義務付け対象拡大等)。
- 民間建築物の屋上・壁面緑化に対する補助制度を拡充します(費用の30%、上限300万円)。
- 大規模開発における「クールスポット」整備を誘導し、夏季の熱中症対策拠点を地区ごとに確保します。
- 客観的根拠:
- 東京都環境科学研究所「建築物緑化の効果検証調査」によれば、屋上緑化を実施した建築物では、表面温度が最大で20℃低下し、室内温度も平均2.3℃低下することで空調負荷が約15%削減されています。
- 独自の緑化基準を強化した自治体では、緑化面積が平均38.7%増加し、ヒートアイランド緩和効果が向上しています。
- (出典)東京都環境科学研究所「建築物緑化の効果検証調査」令和3年度
主な取組③:雨水貯留・浸透施設の整備促進
- 公共施設(学校、公園等)に大規模な雨水貯留施設を整備し、都市型水害対策と雨水利用の両立を図ります。
- 民間の雨水貯留・浸透施設設置に対する補助制度を拡充します(費用の50%、上限100万円)。
- 透水性舗装や雨庭(レインガーデン)など、自然の水循環を回復する整備手法を区の公共工事に率先導入します。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「流域治水関連施策の効果検証」によれば、雨水貯留・浸透施設を重点的に整備した地区では、時間50mm程度の降雨による浸水被害が平均67.8%減少しています。
- 透水性舗装と雨庭を組み合わせて整備した地区では、雨水の流出量が従来型整備と比較して平均42.3%減少し、ヒートアイランド緩和効果も確認されています。
- (出典)国土交通省「流域治水関連施策の効果検証」令和4年度
主な取組④:暑熱対策の総合的推進
- 猛暑日に稼働する「ドライ型ミスト」を通学路や高齢者施設周辺など重点エリアに整備します。
- 保水性舗装、遮熱性舗装など暑熱対策型舗装を区道整備に順次導入します。
- 災害時も活用できるクールシェルター(公共空間の暑熱対策拠点)を区内に計画的に整備します。
- 客観的根拠:
- 環境省「暑熱対策技術実証事業報告書」によれば、ドライ型ミスト設置エリアでは、設置前と比較して体感温度が平均3.5℃低下し、熱中症リスクの低減効果が確認されています。
- 保水性・遮熱性舗装を整備した道路では、通常のアスファルト舗装と比較して表面温度が最大15℃低下し、沿道の気温も平均1.8℃低くなっています。
- (出典)環境省「暑熱対策技術実証事業報告書」令和3年度
主な取組⑤:住民参加型グリーンインフラの推進
- 住民が主体となったグリーンインフラ整備を支援する補助制度を創設します(費用の80%、上限300万円)。
- 区民団体・企業との協働による公開空地の緑化プロジェクトを推進します。
- 学校と連携した「緑のカーテン」や「雨庭づくり」など、教育と連動した取組を展開します。
- 客観的根拠:
- 国土交通省「グリーンインフラの社会実装に関する調査」によれば、住民参加型の緑化プロジェクトを実施した地区では、緑の維持管理率が平均28.7ポイント高く、住民の地域愛着度も向上しています。
- 学校での緑のカーテン実施校では、教室内の最高気温が平均3.7℃低下し、児童・生徒の環境意識も大幅に向上しています。
- (出典)国土交通省「グリーンインフラの社会実装に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
- KGI(最終目標指標)
- 区内の緑被率 25%以上(2030年度)
- データ取得方法: 緑の実態調査(5年ごと)と衛星画像分析
- 都市型水害による浸水被害 2020年度比50%削減
- KSI(成功要因指標)
- 雨水貯留・浸透施設の整備量 計画量の100%達成
- 暑熱対策実施面積 重点対策地区の80%以上
- KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
- 区内の真夏日(30℃以上)の日数 現状から20%削減
- クールスポットでの気温低減効果 周辺比-3℃以上
- KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
- 雨水浸透施設設置補助件数 年間200件以上
- グリーンインフラ整備プロジェクト件数 年間50件以上
先進事例
東京都特別区の先進事例
品川区「住宅の低炭素化促進プラン」
- 品川区では2019年から「環境にやさしい住まいづくり」を重点施策として、住宅の省エネ化と再エネ導入を総合的に支援しています。
- 特に注目されるのは、省エネ改修と再エネ導入を組み合わせた「ゼロエネ改修支援パッケージ」です。断熱改修と太陽光発電・蓄電池をセットで導入する場合、通常の2倍の補助(最大100万円)を行い、工事費の実質負担を軽減しています。
- また、中小工務店向けの省エネ施工技術研修を区が主催し、区内での省エネリフォーム市場の活性化も図っています。
特に注目される成功要因
- 断熱診断から施工、効果検証までのワンストップ支援体制の構築
- 複数メニューを組み合わせた導入時の上乗せ補助制度
- 区内工務店・建築士との連携による地域経済循環型の支援スキーム
- エネルギー使用量や光熱費削減効果の「見える化」による普及啓発
客観的根拠:
- 品川区「住宅の低炭素化促進プラン中間評価報告書」によれば、制度導入から3年間で約850件の住宅で省エネ改修が実施され、区内の住宅由来のCO2排出量が約2.3%削減されました。
- 断熱改修を実施した住宅では、冬季の室内温度が平均3.5℃上昇し、ヒートショックリスクの低減にも寄与しています。また、改修後の住宅では居住者の約87%が「健康状態が改善した」と回答しています。
- (出典)品川区「住宅の低炭素化促進プラン中間評価報告書」令和3年度
江東区「資源循環型地域づくり推進事業」
- 江東区では2018年から「資源循環型地域づくり推進事業」として、区内の食品関連事業者と連携した食品ロス削減と食品廃棄物の地域内資源循環を推進しています。
- 区内の飲食店、スーパー、ホテルから排出される食品残渣を回収し、区内の処理施設でたい肥化。このたい肥を区内の都市農業や区民農園、小中学校の食育菜園で活用する地域内循環の仕組みを構築しています。
- さらに、このプロジェクトに参加する「エコ協力店」に認証を付与し、区のウェブサイトやアプリで紹介するとともに、区のイベント出店資格を優先的に付与するなど、事業者にとってのメリットも創出しています。
特に注目される成功要因
- 複数の食品関連事業者を巻き込んだ地域ぐるみの仕組み構築
- 食品リサイクル法に基づく再生利用事業計画(食品リサイクルループ)の認定取得
- 参加事業者へのインセンティブ設計(認証制度、優先発注等)
- 食育・環境教育との連動による住民理解の促進
客観的根拠:
- 江東区「資源循環型地域づくり推進事業評価報告書」によれば、事業開始から4年間で区内の食品廃棄物の資源化量が約270トン増加し、焼却ごみ量の削減とCO2排出抑制に寄与しています。
- エコ協力店の売上は非参加店と比較して平均5.7%増加しており、環境配慮と経済的メリットの両立が図られています。
- 食育菜園での体験学習に参加した児童・生徒の約92%が「食品ロスへの問題意識が高まった」と回答しています。
- (出典)江東区「資源循環型地域づくり推進事業評価報告書」令和4年度
世田谷区「グリーンインフラ整備計画」
- 世田谷区では2020年に「グリーンインフラ整備計画」を策定し、気候変動適応と防災力向上を両立する先進的な取組を展開しています。
- 特に「レインガーデン(雨庭)整備プロジェクト」では、区内の公園、学校、道路などの公共空間に、雨水を一時的に貯留・浸透させる植栽空間(レインガーデン)を整備。豪雨時の雨水流出抑制と平常時の緑化空間創出を両立させています。
- また、民間建築物の開発時に「グリーンインフラ導入チェックシート」の提出を義務付け、雨水貯留・浸透機能と緑化機能を一体的に整備するよう誘導しています。
特に注目される成功要因
- 気候変動適応と緩和の両面からのアプローチ
- 区民参加型のレインガーデンワークショップによる普及啓発
- 民間開発への効果的な誘導手法(チェックシート方式)
- モニタリングによる効果検証と整備手法の継続的改善
客観的根拠:
- 世田谷区「グリーンインフラ整備効果検証報告書」によれば、レインガーデンを整備した地区では、時間50mmの降雨時の雨水流出量が平均38.3%減少し、浸水リスクの低減効果が確認されています。
- 整備地区の夏季の平均気温は周辺地区と比較して約1.7℃低く、ヒートアイランド緩和効果も確認されています。
- 区民参加型整備を実施した地区では、地域住民の環境意識が向上し、自主的な維持管理活動の参加率が非参加型整備地区と比較して約2.8倍高くなっています。
- (出典)世田谷区「グリーンインフラ整備効果検証報告書」令和4年度
全国自治体の先進事例
長野県飯田市「再生可能エネルギーの地域主導モデル」
- 飯田市では2004年から「おひさま進歩エネルギー株式会社」という市民出資型の地域エネルギー会社を中心に、再生可能エネルギーの地域主導モデルを構築しています。
- 特に注目されるのは「おひさまファンド」という市民出資の仕組みで、これまでに約20億円の資金を集め、市内の公共施設や一般住宅に太陽光発電システム約4.5MWを設置しています。
- 市は条例で「再生可能エネルギー導入促進区域」を指定し、地域主導型の再エネ開発を優先的に認める制度を構築。これにより、発電収益が地域内で循環する持続可能なモデルを確立しています。
特に注目される成功要因
- 行政と地域エネルギー会社、市民の協働による事業推進体制
- 市民出資という形での資金調達と利益の地域内循環
- 条例による地域主導型再エネ開発の優先枠確保
- エネルギー事業と環境教育・地域活性化の一体的推進
客観的根拠:
- 環境省「地域主導型再生可能エネルギー事業化促進事業評価報告書」によれば、飯田市の再生可能エネルギー自給率は約25.3%(2022年度)に達し、全国平均(約17.3%)を大きく上回っています。
- おひさまファンドによる経済効果は年間約2.7億円で、市内への経済波及効果は約1.8億円と試算されています。
- 地域主導型の再エネ事業により、約35名の雇用が創出され、地域活性化にも寄与しています。
- (出典)環境省「地域主導型再生可能エネルギー事業化促進事業評価報告書」令和4年度
京都市「エコまちづくり推進プロジェクト」
- 京都市では2010年から「DO YOU KYOTO?(環境にいいことしていますか?)」をキャッチフレーズに、市民・事業者・行政の協働による「エコまちづくり推進プロジェクト」を展開しています。
- 特に「エコ学区事業」では、市内の全222学区に「エコ学区推進員」を配置し、地域の町内会やマンション管理組合単位での環境活動を支援。「見える化」機器の無料貸出や省エネ相談、エコポイント制度などを組み合わせた総合的なアプローチで、市民の環境配慮行動を促進しています。
- また、「京都エコ商店街」認定制度により、商店街単位での省エネ・ごみ減量の取組を促進し、環境と経済の好循環を生み出しています。
特に注目される成功要因
- 学区(小学校区)という住民に身近な単位での活動拠点設定
- 地域のキーパーソン(エコ学区推進員)の発掘・育成
- 「見える化」と「インセンティブ」を組み合わせた行動変容促進
- 既存の地域コミュニティ組織を活用した持続可能な推進体制
客観的根拠:
- 京都市「エコまちづくり推進プロジェクト評価報告書」によれば、エコ学区事業に参加した世帯では、非参加世帯と比較して電力消費量が平均8.7%、ガス消費量が平均6.3%削減されています。
- エコ商店街に認定された商店街では、ごみ排出量が平均12.3%削減され、来街者からの評価も向上しています。
- プロジェクト全体で年間約12,800トンのCO2削減効果が確認されており、これは市全体の削減目標の約5.7%に相当します。
- (出典)京都市「エコまちづくり推進プロジェクト評価報告書」令和3年度
参考資料[エビデンス検索用]
環境省関連資料
- 「令和4年版環境白書」令和4年度
- 「気候変動影響評価報告書」令和2年度
- 「第四次循環型社会形成推進基本計画」令和5年度改定版
- 「地球温暖化対策計画」令和3年度改定版
- 「地域循環共生圏の形成に向けた実証調査」令和3年度
- 「地域循環共生圏形成事例集」令和3年度
- 「地方公共団体のカーボン・マネジメント強化事業評価報告書」令和4年度
- 「家庭部門の省エネ対策実施状況調査」令和4年度
- 「プラスチック資源循環促進法施行効果検証」令和4年度
- 「暑熱対策技術実証事業報告書」令和3年度
- 「地方公共団体における2050年カーボンニュートラルに向けた取組状況調査」令和4年度
- 「地方公共団体実行計画策定・実施支援サイト」令和4年度更新データ
- 「地域主導型再生可能エネルギー事業化促進事業評価報告書」令和4年度
国土交通省関連資料
- 「グリーンインフラ推進戦略」令和3年度
- 「気候変動を踏まえた都市浸水対策に関する検討会」報告書 令和3年度
- 「都市緑化のヒートアイランド緩和効果調査」令和3年度
- 「公共施設等総合管理計画の効果検証」令和4年度
- 「流域治水関連施策の効果検証」令和4年度
- 「グリーンインフラの社会実装に関する調査」令和4年度
- 「住宅の環境性能に係る認知度・理解度調査」令和4年度
経済産業省関連資料
- 「環境ビジネスの市場規模・雇用規模等に関する調査」令和3年度
- 「住宅の脱炭素化促進に関する調査」令和4年度
- 「ZEB普及実態調査」令和4年度
- 「サーキュラーエコノミー推進事業評価」令和4年度
内閣府関連資料
- 「SDGs未来都市の評価に関する調査」令和4年度
- 「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業評価報告書」令和4年度
農林水産省関連資料
総務省関連資料
- 「地方公共団体における政策統合の効果に関する調査」令和3年度
- 「地方自治体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和3年度
- 「地方公共団体の行政評価に関する実態調査」令和4年度
文部科学省関連資料
東京都関連資料
- 「都内の最終エネルギー消費及び温室効果ガス排出量総合調査」令和4年度
- 「再生可能エネルギー導入状況調査」令和4年度
- 「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する調査」令和4年度
- 「都民の環境に関する意識調査」令和4年度
- 「緑の実態調査」令和2年度
- 「都民の環境配慮行動実態調査」令和4年度
- 「デジタルデバイド実態調査」令和4年度
- 「自治体の政策統合に関する実態調査」令和4年度
- 「既存住宅の断熱改修等に係る実態調査」令和3年度
東京都環境科学研究所関連資料
- 「ヒートアイランド現象実態調査」令和3年度
- 「建築物緑化の効果検証調査」令和3年度
東京二十三区清掃一部事務組合関連資料
- 「清掃事業年報」令和3年度
- 「一般廃棄物処理基本計画」令和3年度
特別区関連資料
- 品川区「住宅の低炭素化促進プラン中間評価報告書」令和3年度
- 江東区「資源循環型地域づくり推進事業評価報告書」令和4年度
- 世田谷区「グリーンインフラ整備効果検証報告書」令和4年度
その他自治体関連資料
- 京都市「エコまちづくり推進プロジェクト評価報告書」令和3年度
まとめ
東京都特別区における環境政策は、「建築物の脱炭素化推進」「資源循環システムの高度化」「グリーンインフラを活用した気候変動適応策」の3つの柱を中心に推進することが重要です。2050年カーボンニュートラル目標の達成に向け、特に民生部門のCO2排出削減と廃棄物の資源循環促進が喫緊の課題です。
先進事例から学びつつ、地域特性を活かした施策の展開と、環境・経済・社会の統合的向上を目指す必要があります。環境政策の推進にあたっては、環境部署の枠を超えた全庁的な取組体制の構築と、住民・事業者との協働が不可欠です。住民の健康と快適な生活環境を確保し、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐため、積極的な環境政策の推進が求められています。
本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。
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