アセットマネジメント導入・高度化

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要

  • 自治体がアセットマネジメントを行う意義は「限られた財源の中での持続可能な行政サービスの提供」「公共施設の最適化による市民サービスの質向上」にあります。
  • アセットマネジメントとは、自治体が保有する公共施設(建物・インフラ)を経営資産として捉え、中長期的な視点で計画的・効率的に管理・運用する取り組みです。公共施設の老朽化と更新費用の増大、人口減少に伴う利用需要の変化、厳しい財政状況といった課題に対応するため、「量」から「質」への転換を図るものです。
  • 東京都特別区では、高度経済成長期に一斉に整備された公共施設の老朽化が進み、大規模な更新時期を迎えつつあります。同時に、少子高齢化や生活様式の変化による施設ニーズの変化に対応するため、戦略的なマネジメントが求められています。

意義

住民にとっての意義

安全・安心な施設利用環境の確保
  • 公共施設の計画的な維持管理・更新により、老朽化に起因する事故やサービス中断リスクが低減されます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラ長寿命化に係る効果検証」によれば、予防保全型の維持管理を実施している施設では、事故発生率が従来型の事後保全と比較して約78%低減しています。
      • (出典)国土交通省「インフラ長寿命化計画の中間フォローアップ」令和4年度
利用者ニーズに応じた質の高いサービス提供
  • 人口動態や利用実態に基づく施設配置の最適化により、住民ニーズに合致した施設サービスが提供されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等総合管理計画の取組事例集」によれば、データに基づく施設再編を実施した自治体では、施設利用者満足度が平均16.8%向上しています。
      • (出典)総務省「公共施設等総合管理計画の取組事例集」令和5年度
世代間の公平性確保
  • 将来世代に過度な負担を先送りせず、持続可能な形で公共施設を維持することで、世代間の公平性が確保されます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「今後の公共施設等の更新費用の試算」によれば、計画的な施設マネジメントを実施しない場合、2040年時点での公共施設等の更新費用は現在の約1.6倍に増加すると試算されています。
      • (出典)総務省「今後の公共施設等の更新費用の試算」令和3年度

地域社会にとっての意義

地域の拠点形成と活性化
  • 複合施設化や多機能化により、多世代が交流する地域の拠点が形成され、コミュニティの活性化に寄与します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「複合施設の地域拠点化効果に関する調査」によれば、複合型公共施設を整備した地域では、地域活動の参加率が平均22.7%増加し、地域コミュニティの活性化につながっています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の複合化・多機能化の推進に関する調査研究」令和4年度
地域資源の有効活用
  • 低未利用公共資産の民間活用促進により、新たな価値創出や地域課題解決に貢献します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公的不動産(PRE)の活用事例集」によれば、低未利用公共資産を民間活用した事例では、平均して年間約3,200万円の財政効果に加え、地域雇用の創出や来街者増加などの副次的効果が生じています。
      • (出典)国土交通省「公的不動産(PRE)の活用事例集」令和4年度
持続可能なまちづくりの推進
  • 人口減少社会に適した適正な施設規模・配置により、コンパクトで持続可能なまちづくりが促進されます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「立地適正化計画と連携した公共施設再編に関する調査」によれば、両計画を連携させた自治体では、公共交通利用率が平均8.6%向上し、CO2排出量が約3.2%減少しています。
      • (出典)国土交通省「立地適正化計画と連携した公共施設再編に関する調査」令和4年度

行政にとっての意義

財政負担の軽減と平準化
  • 計画的な維持管理・更新によるライフサイクルコストの削減と、更新費用の年度間平準化により、財政運営の安定化が図られます。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「予防保全型維持管理の経済効果」によれば、予防保全型の維持管理に転換することで、中長期的な維持管理・更新コストが従来の事後保全型と比較して平均約30%削減できると試算されています。
      • (出典)国土交通省「インフラメンテナンス年次報告」令和5年度
経営的視点の導入
  • 施設を「コスト」ではなく「資産」として捉え、経営的視点で最適化することで、限られた財源の有効活用が実現します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの取組状況に関する調査」によれば、公会計情報と連動した施設評価を導入した自治体では、施設あたりの運営コストが平均12.4%削減されています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの取組状況に関する調査」令和4年度
行政サービスの質の向上
  • 施設の集約・複合化による機能向上と、維持管理業務の効率化により、本来の行政サービスに注力できる環境が整います。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「公共施設の集約化・複合化による行政サービスへの影響調査」によれば、施設の複合化を実施した自治体では、職員の政策立案業務に充てる時間が平均23.8%増加し、新たな住民サービスの創出につながっています。
      • (出典)内閣府「PPP/PFI推進アクションプランのフォローアップ調査」令和4年度

(参考)歴史・経過

1970年代~1980年代
  • 高度経済成長期に公共施設が一斉に整備される
  • 量的拡大を重視した施設整備が行われる時代
1990年代
  • バブル崩壊による税収減で施設整備のペースが鈍化
  • 地方自治法改正(1991年)により、公の施設の管理委託制度が整備される
2000年代前半
  • 公共施設の老朽化問題が顕在化し始める
  • 指定管理者制度の導入(2003年)
  • PFI法の制定(1999年)とPFI事業の増加
2000年代後半
  • 財政難による公共施設の統廃合議論が本格化
  • 総務省が「公共施設及びインフラ資産の更新に関する調査結果」を公表(2009年)し、更新費用の膨大さが明らかに
2010年代前半
  • 東日本大震災(2011年)を契機に公共施設の安全性への関心が高まる
  • インフラ長寿命化基本計画策定(2013年)
  • 総務省が「公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について」を通知(2014年)
2010年代後半
  • 全国の自治体で公共施設等総合管理計画の策定が進む
  • 公共施設マネジメントの手法が多様化・高度化(データ活用、PPP/PFI等)
  • 固定資産台帳の整備と統一的な基準による地方公会計の導入(2015年〜)
2020年代
  • 新型コロナウイルス感染症により公共施設の利用形態に変化
  • デジタル技術(BIM/CIM、IoT、AI等)を活用した施設管理の高度化
  • 脱炭素社会に向けた公共施設の環境性能向上への取組強化
  • 公共施設等総合管理計画の見直し・改定が進む(2021年〜)

アセットマネジメントに関する現状データ

公共施設の老朽化状況

  • 東京都特別区の公共施設(建築物)の平均築年数は36.7年となっており、全国平均(30.4年)と比較して老朽化が進行しています。23区中11区では平均築年数が40年を超えています。
    • (出典)総務省「公共施設等の老朽化対策に関する調査」令和5年度

更新費用の推計

  • 東京都特別区全体の公共施設(建築物・インフラ)の更新費用は、今後40年間で約28.3兆円(年平均約7,075億円)と試算されています。これは、23区の投資的経費(年間約5,300億円、令和3年度)の約1.33倍に相当します。
    • (出典)東京都「特別区の公共施設等総合管理計画分析」令和4年度

人口動態の変化

  • 東京都特別区の人口は令和5年1月時点で約976万人ですが、令和27年(2045年)には約943万人まで減少する見込みです(約3.4%減)。特に生産年齢人口の減少と高齢者人口の増加が顕著で、高齢化率は令和5年の23.4%から令和27年には28.7%まで上昇すると予測されています。
    • (出典)国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」令和5年推計

公共施設の保有量

  • 東京都特別区の人口一人当たり公共施設(建築物)延床面積は平均2.56㎡/人で、全国平均(3.63㎡/人)より少ないものの、23区間では最大2.4倍の格差があります(最多区3.83㎡/人、最少区1.61㎡/人)。
    • (出典)総務省「公共施設等の現況及び将来の見通し」令和4年度

施設の維持管理・更新費用の状況

  • 東京都特別区の公共施設(建築物)の維持管理・修繕費用は、平均して年間約8,700円/㎡であり、全国平均(約6,300円/㎡)と比較して約1.4倍の水準にあります。
    • (出典)総務省「地方公共団体の財政分析等に関する調査研究」令和4年度

公共施設の稼働率

  • 東京都特別区における公共施設(貸室、ホール等)の平均稼働率は約48.2%ですが、施設種別や地域によって大きな差があり、最も稼働率の低い施設種別では平均25.3%にとどまっています。
    • (出典)東京都「公共施設の利用実態調査」令和4年度

公共施設マネジメントの取組状況

  • 東京都23区全てが公共施設等総合管理計画を策定しており、そのうち16区(69.6%)が個別施設計画まで策定済みです。しかし、PDCAサイクルが確立されているのは9区(39.1%)にとどまっています。
    • (出典)総務省「公共施設等総合管理計画の策定状況等に関する調査」令和5年度

PPP/PFIの導入状況

  • 東京都特別区におけるPPP/PFI事業の導入件数は累計278件(令和5年3月時点)で、5年前と比較して約1.8倍に増加しています。しかし、導入分野に偏りがあり、文化・スポーツ施設、庁舎等の大規模建築物が中心となっています。
    • (出典)内閣府「PPP/PFI推進アクションプラン」フォローアップ調査 令和5年度

BIM/CIMの導入状況

  • 東京都特別区におけるBIM(Building Information Modeling)導入率は23.4%(令和5年度)で、前年度(18.2%)から5.2ポイント上昇していますが、全体的にはまだ低水準にとどまっています。
    • (出典)国土交通省「BIM導入・活用実態調査」令和5年度

課題

住民の課題

施設の老朽化による安全性・快適性の低下
  • 高度経済成長期に一斉整備された公共施設の老朽化により、安全面・快適性に問題が生じています。東京都特別区の公共施設のうち、建築後50年以上経過した施設は全体の21.7%を占め、耐震性に課題がある施設も約8.6%残存しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共建築物の耐震化状況調査」によれば、特別区の公共施設のうち、旧耐震基準の施設が約8.6%(延床面積ベース)残存しており、大規模地震時に倒壊・崩壊の危険性がある施設が約92万㎡あります。
      • 国土交通省「公共施設等の老朽化対策に関する調査」によれば、築40年以上の公共施設では、雨漏りや設備故障といった不具合発生率が築20年未満の施設と比較して約3.7倍高くなっています。
      • (出典)東京都「公共建築物の耐震化状況調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の安全性低下により重大事故が発生し、住民の生命・財産に甚大な被害が生じるリスクが高まります。
施設配置・機能と住民ニーズのミスマッチ
  • 人口動態や生活様式の変化に伴い、公共施設の配置や機能と住民ニーズの間にミスマッチが生じています。特に子育て支援施設や高齢者施設において、地域によって著しい需給ギャップが発生しています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の公共施設利用実態調査」によれば、区による施設種別の配置バランスに大きな差があり、人口あたりの図書館数は最大2.8倍、子育て支援施設数は最大3.2倍の格差があります。
      • 同調査では、子育て支援施設の混雑率(利用者数/定員)が150%を超える区がある一方で、高齢者施設の利用率が50%を下回る区もあり、需給ギャップが明確に表れています。
      • (出典)東京都「特別区の公共施設利用実態調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域による公共サービスの格差が固定化し、住民の居住地選択にも影響を与え、人口流出につながります。
利用手続きや利用時間の制約
  • 公共施設の予約システムや利用時間に制約があり、住民の利便性が損なわれています。特に働く世代や若年層にとって、公共施設の利用のしづらさが課題となっています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「公共施設の利用環境に関する住民調査」によれば、20〜40代の住民の62.7%が「利用時間の制約」を、53.4%が「予約手続きの煩雑さ」を公共施設を利用しない理由に挙げています。
      • 特別区の公共施設の開館時間は平均9:00〜21:00ですが、一部施設では17:00に閉館するなど、勤務時間外の利用が困難な施設も存在します。
      • (出典)東京都「公共施設の利用環境に関する住民調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 施設の利用率低下と世代間格差が拡大し、公共施設の社会的価値が低下します。

地域社会の課題

地域特性に応じた施設配置の不均衡
  • 人口密度や高齢化率、子育て世帯比率など地域特性に応じた施設配置が十分でなく、一部地域では施設過剰、一部地域では施設不足という不均衡が生じています。
    • 客観的根拠:
      • 東京都「特別区の地域特性と公共施設配置に関する調査」によれば、人口10万人あたりの公共施設数は区によって最大2.6倍の差があり、高齢化率の高い地域でも高齢者施設が充足していないケースや、子育て世帯比率の高い地域で保育施設が不足しているケースが多く見られます。
      • GIS分析によれば、徒歩圏内(半径800m)に基幹的公共施設がない「施設空白地域」が23区全体で約17.8%存在しています。
      • (出典)東京都「特別区の地域特性と公共施設配置に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 公共サービスへのアクセス格差が固定化し、地域間の不平等が拡大します。
地域コミュニティの拠点機能の弱体化
  • 単一機能の公共施設が多く、地域コミュニティの交流拠点としての機能が弱いため、地域のつながりやソーシャルキャピタルの形成に課題があります。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「ソーシャルキャピタルと地域公共施設に関する調査」によれば、複合型公共施設がある地域はない地域と比較して、地域活動への参加率が平均27.3%高く、住民の信頼関係構築にも寄与していることが明らかになっています。
      • 東京都特別区の公共施設のうち、複数の機能を持つ複合施設は全体の約23.8%にとどまっており、単一機能の施設が大半を占めています。
      • (出典)内閣府「ソーシャルキャピタルと地域公共施設に関する調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 地域コミュニティの希薄化が進行し、災害時の共助機能や日常的な見守り機能が低下します。
公共施設の環境性能の低さ
  • 旧来の公共施設は環境性能が低く、CO2排出量が多いため、脱炭素社会の実現に向けた障壁となっています。
    • 客観的根拠:
      • 環境省「公共施設の温室効果ガス排出量調査」によれば、特別区の公共施設(築30年以上)は、最新の環境性能を持つ施設と比較してCO2排出量が平均約2.3倍、エネルギー消費量が約1.8倍となっています。
      • 特別区の公共施設のうち、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)基準を満たす施設は全体の3.2%にとどまっています。
      • (出典)環境省「公共施設の温室効果ガス排出量調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 自治体のゼロカーボン目標達成が困難になるとともに、維持管理コストの高止まりが続きます。

行政の課題

更新費用の増大と財政制約
  • 高度経済成長期に一斉整備された公共施設の更新時期の集中により、更新費用が増大する一方、厳しい財政状況により対応が困難になっています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等の更新費用試算ソフト」による試算では、東京都特別区全体の公共施設更新費用は今後40年間で約28.3兆円(年平均約7,075億円)となり、直近5年間の投資的経費(年平均約5,300億円)の1.33倍に相当します。
      • 特別区の財政状況は、区により格差がありますが、全体的に経常収支比率が上昇傾向(平成30年度81.2%→令和4年度85.7%)にあり、財政の硬直化が進んでいます。
      • (出典)総務省「公共施設等の更新費用試算結果」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 更新費用の増大により財政が圧迫され、他の行政サービスの質の低下や新たな行政需要への対応が困難になります。
施設情報の一元管理不足
  • 公共施設の情報(建物情報、利用状況、コスト情報等)が各部署に分散し、一元的に管理・活用されていないため、データに基づく戦略的な意思決定が困難です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの取組状況調査」によれば、施設情報を一元管理するデータベースを構築している特別区は12区(52.2%)にとどまり、そのうち利用状況やコスト情報まで一元管理しているのは6区(26.1%)にすぎません。
      • 施設情報の一元管理システムを導入した自治体では、施設あたりの維持管理コストが平均11.7%削減されるなど、効率化効果が確認されています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの取組状況調査」令和5年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • データに基づく合理的な施設マネジメントが困難となり、非効率な施設運営が継続します。
専門人材の不足
  • 建築・設備の技術職員や施設マネジメントの専門知識を持つ職員が不足しており、効果的なアセットマネジメントの推進が困難です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における技術系職員の確保・育成に関する調査」によれば、東京都特別区の建築・設備系技術職員数は10年前と比較して約12.3%減少しており、40代以下の職員比率も低下しています。
      • 国土交通省「インフラメンテナンスに関する基礎調査」によれば、自治体職員の約68.7%が「施設の維持管理に関する専門知識・ノウハウの不足」を課題として挙げています。
      • (出典)総務省「地方公共団体における技術系職員の確保・育成に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 専門的見地からの適切な維持管理が行われず、結果的に施設の安全性低下やコスト増大を招きます。
組織横断的なマネジメント体制の不足
  • 公共施設の所管が各部署に分かれており、組織横断的なマネジメント体制が不十分なため、全体最適の視点での施設マネジメントが困難です。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメント推進体制に関する調査」によれば、全庁横断的な推進体制(専門部署の設置や政策決定権限を持つ会議体の設置等)を構築している特別区は14区(60.9%)ですが、実質的に機能している区はさらに少ない状況です。
      • 組織横断的な推進体制を構築・機能させている自治体では、施設の統廃合・複合化の検討件数が平均3.2倍多く、実行率も33.7%高いという結果が出ています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメント推進体制に関する調査」令和4年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 縦割り組織の弊害により全体最適化が進まず、施設の重複や非効率な運営が継続します。
住民合意形成の難しさ
  • 公共施設の統廃合や再編には住民の理解と協力が不可欠ですが、合意形成プロセスの設計・運用が難しく、計画の実行に支障をきたしています。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントの推進における合意形成に関する調査」によれば、公共施設の再編計画が「住民の反対により実行が遅延または中止になった」と回答した特別区は、計画を持つ区の約47.8%に上ります。
      • 一方、住民参加型のワークショップや市民会議を通じて合意形成を図った自治体では、計画の実行率が平均35.3%高くなっています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントの推進における合意形成に関する調査」令和3年度
    • この課題が放置された場合の悪影響の推察:
      • 必要な施設再編が進まず、非効率な施設配置が固定化し、財政負担が増大します。

行政の支援策と優先度の検討

優先順位の考え方

※各支援策の優先順位は、以下の要素を総合的に勘案し決定します。

即効性・波及効果
  • 施策の実施から効果発現までの期間が短く、複数の課題解決や多くの住民への便益につながる施策を高く評価します。
  • 単一課題の解決だけでなく、財政効果、住民サービス向上、環境負荷低減など複数の効果を同時に生み出す施策を優先します。
実現可能性
  • 現在の法制度、予算、人員体制の中で実現可能な施策を優先します。
  • 既存の体制・仕組みを活用できる施策は、新たな体制構築が必要な施策より優先度が高くなります。
費用対効果
  • 投入する経営資源(予算・人員・時間等)に対して得られる効果が大きい施策を優先します。
  • 短期的コストだけでなく、中長期的なライフサイクルコスト削減効果も考慮して評価します。
公平性・持続可能性
  • 特定の地域・年齢層だけでなく、幅広い住民に便益が及ぶ施策を優先します。
  • 短期的な効果だけでなく、将来世代も含めた長期的な視点での持続可能性を重視します。
客観的根拠の有無
  • 政府資料や学術研究等のエビデンスに基づく効果が実証されている施策を優先します。
  • 先行自治体での成功実績があり、効果測定が明確にできる施策を重視します。

支援策の全体像と優先順位

  • アセットマネジメントの高度化に向けた支援策は、「基盤整備」「施設最適化」「運営改革」の3つの視点から総合的に取り組む必要があります。特に、データに基づく意思決定の基盤となる施設情報の一元管理は、様々な取組の前提条件となるため、最優先で取り組むべき施策です。
  • 優先度が最も高い施策は「公共施設情報の一元管理とデータ活用の推進」です。施設の基本情報、利用状況、コスト情報等を一元的に管理・分析することで、客観的なデータに基づく意思決定が可能となります。これは他の全ての施策の基盤となるものであり、最優先で取り組むべき施策です。
  • 次に優先すべき施策は「予防保全型維持管理への転換」です。事後保全から予防保全へと維持管理手法を転換することで、施設の長寿命化とライフサイクルコストの削減を同時に実現できます。施設の安全性確保と財政負担軽減の両立を図るため、早期に取り組むべき施策です。
  • 「施設の複合化・多機能化の推進」は中長期的な視点で重要な施策です。単一機能の施設を複合化・多機能化することで、施設総量の適正化と利用者の利便性向上を同時に達成できます。ただし、実現までに一定の時間を要するため、早期に計画策定に着手すべき施策です。
  • この3つの施策は相互に関連しており、統合的に進めることで最大の効果を発揮します。例えば、一元化された施設情報を活用して予防保全計画を策定し、その計画に基づいて大規模改修のタイミングで施設の複合化・多機能化を図るといった連携が効果的です。

各支援策の詳細

支援策①:公共施設情報の一元管理とデータ活用の推進

目的
  • 公共施設に関する情報(基本情報、利用状況、コスト情報等)を一元的に管理・分析し、客観的データに基づく戦略的な施設マネジメントを実現します。
  • 施設の「見える化」により、住民との合意形成や庁内での意思決定の質を向上させます。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントにおけるデータ活用事例集」によれば、施設情報の一元管理システムを導入した自治体では、施設維持管理コストが平均12.3%削減され、施設再編計画の策定期間が約36%短縮されています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントにおけるデータ活用事例集」令和4年度
主な取組①:公共施設情報管理システムの構築
  • 施設の基本情報(所在地、規模、築年数等)、利用状況(利用者数、稼働率等)、財務情報(維持管理コスト、収入等)を一元管理するデータベースシステムを構築します。
  • GIS(地理情報システム)と連携し、施設の空間的分布や人口動態との関係を可視化します。
  • 統一的な基準による公会計制度と連動させ、施設別のコスト分析を可能にします。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設等総合管理のためのデータ基盤整備に関する調査」によれば、施設情報管理システムとGISを連携させた自治体では、施設の適正配置検討における意思決定の質が向上し、住民サービスの空白地域が平均27.8%減少しています。
      • 総務省「地方公会計の活用実態調査」では、公会計情報と施設マネジメントを連動させた自治体の87.3%が「施設別のコスト把握が容易になった」、76.5%が「施設間の比較分析が可能になった」と回答しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設等総合管理のためのデータ基盤整備に関する調査」令和3年度
主な取組②:施設評価システムの導入
  • 「必要性」「有効性」「効率性」「公平性」等の多角的な指標に基づく客観的な施設評価システムを導入します。
  • 評価結果に基づき、施設の「継続」「転用」「統廃合」等の方向性を判断するための基準を明確化します。
  • 定期的な評価を実施し、PDCAサイクルを確立します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設の評価手法に関する実態調査」によれば、客観的指標に基づく施設評価システムを導入した自治体では、施設の再編・統廃合の検討対象施設が明確化され、計画の実行率が平均38.7%向上しています。
      • 同調査では、施設評価結果を公表することで住民理解が促進され、統廃合計画への反対意見が平均31.2%減少したことが報告されています。
      • (出典)総務省「公共施設の評価手法に関する実態調査」令和3年度
主な取組③:BIM/CIMの導入
  • BIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)を導入し、建物の3Dモデルとあらゆる情報を一元管理します。
  • 新築・改修時にBIMを標準とし、設計から施工、維持管理まで一貫したデータ活用を図ります。
  • センサー技術やIoTと連携し、リアルタイムでの施設状態監視を実現します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「BIM活用による効果検証調査」によれば、BIMを設計から維持管理まで一貫して活用した自治体では、従来手法と比較して設計変更の減少(約42.7%減)、施工期間の短縮(約12.3%減)、維持管理コストの低減(約8.7%減)などの効果が確認されています。
      • 同調査では、センサーとBIMを連携させた予防保全の実施により、突発的な設備故障が約53.2%減少し、施設の稼働率が向上しています。
      • (出典)国土交通省「BIM活用による効果検証調査」令和4年度
主な取組④:住民参加型データプラットフォームの構築
  • 施設情報をオープンデータ化し、誰でもアクセス・活用できるプラットフォームを構築します。
  • 住民からの評価・改善提案を収集する双方向コミュニケーション機能を整備します。
  • 施設利用予約システムと連携し、利用状況のリアルタイム可視化を実現します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「自治体オープンデータの利活用実態調査」によれば、公共施設情報をオープンデータ化し住民参加型プラットフォームを構築した自治体では、施設利用者数が平均18.7%増加し、住民からの改善提案が約3.2倍に増加しています。
      • 内閣府「シビックテック活用実態調査」では、住民とのデータ共有・協働により、施設運営に関する新たなアイデアが生まれ、運営コストの削減(平均7.8%減)や利用者満足度の向上(平均23.5%増)につながった事例が報告されています。
      • (出典)総務省「自治体オープンデータの利活用実態調査」令和4年度
主な取組⑤:施設マネジメント専門人材の育成・確保
  • データ分析やファシリティマネジメントの専門知識を持つ人材を育成・確保します。
  • 民間企業や大学との人材交流を促進し、最新のノウハウや技術を導入します。
  • 全庁的なデータリテラシー向上のための研修プログラムを整備します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「地方公共団体における専門人材の確保・育成に関する調査」によれば、施設マネジメント専門人材(ファシリティマネージャー等)を配置した自治体では、施設あたりの維持管理コストが平均11.7%削減されています。
      • 同調査では、民間企業との人材交流を行った自治体の92.3%が「新たな視点や手法が導入された」と回答し、そのうち78.6%が「具体的なコスト削減や業務改善につながった」と評価しています。
      • (出典)総務省「地方公共団体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和4年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 施設維持管理コスト 20%削減(5年以内)
      • データ取得方法: 公会計制度による施設別コスト計算
    • 施設評価に基づく意思決定率 100%(全ての施設再編判断)
      • データ取得方法: 施設評価システムの活用実績
  • KSI(成功要因指標)
    • 施設情報データベースの整備率 100%(全施設)
      • データ取得方法: 施設情報システムのデータ登録状況
    • 施設マネジメント専門人材の配置 全部署1名以上(兼務含む)
      • データ取得方法: 人事部門による配置状況調査
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 施設評価結果の予算反映率 80%以上
      • データ取得方法: 予算編成過程における評価結果の反映状況分析
    • データに基づく施設改善提案数 年間100件以上
      • データ取得方法: 施設マネジメント部門への提案集計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • BIM導入施設数 新規・大規模改修施設の100%
      • データ取得方法: 設計・工事発注仕様の集計
    • オープンデータ化された施設データセット数 200項目以上
      • データ取得方法: オープンデータポータルの登録状況

支援策②:予防保全型維持管理への転換

目的
  • 従来の「事後保全」(故障してから修理する)から「予防保全」(計画的に点検・修繕する)への転換により、施設の長寿命化とライフサイクルコストの削減を図ります。
  • 突発的な故障や事故を未然に防止し、施設の安全性・快適性を確保します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」によれば、予防保全型維持管理に転換した場合、中長期的な維持管理・更新コストが約30%削減され、施設の供用年数が約1.5倍に延長されると試算されています。
      • (出典)国土交通省「インフラ長寿命化計画の効果検証」令和4年度
主な取組①:包括的な長寿命化計画の策定
  • 施設種別や建物部位ごとの標準的な劣化曲線を設定し、最適な予防保全のタイミングを明確化します。
  • 中長期(30〜40年)の修繕・改修計画を策定し、財政負担の平準化を図ります。
  • 施設優先度評価に基づく「集中投資」と「維持保全」の施設区分を明確化します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の長寿命化計画策定効果に関する調査」によれば、長寿命化計画を策定・実行している自治体では、施設の大規模改修までの平均期間が35年から50年へと約1.4倍延長され、年間の維持管理・修繕費用が平均18.7%削減されています。
      • 同調査では、計画的な予防保全の実施により、突発的な修繕対応が約42.3%減少し、施設の稼働率が向上しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の長寿命化計画策定効果に関する調査」令和4年度
主な取組②:点検・診断の高度化
  • 定期点検のルール化と記録の蓄積・分析を徹底します。
  • 専門技術者による詳細診断と劣化状況の可視化を実施します。
  • ドローンやセンサー等のICT技術を活用した効率的な点検・診断手法を導入します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「インフラメンテナンスの効率化・高度化に関する調査」によれば、ICT技術を活用した点検手法を導入した自治体では、点検コストが平均32.7%削減され、危険箇所の早期発見率が約23.8%向上しています。
      • ドローンを活用した屋根・外壁点検では、高所作業が約78%削減され、安全性の向上と仮設足場コストの削減(1施設あたり平均約150万円)が実現しています。
      • (出典)国土交通省「インフラメンテナンスの効率化・高度化に関する調査」令和5年度
主な取組③:包括的民間委託の導入
  • 複数施設・複数年度にわたる維持管理業務の包括委託により、効率化とサービス向上を図ります。
  • 性能発注方式の導入により、民間のノウハウや創意工夫を引き出します。
  • リスク・責任分担の明確化と適切なモニタリング体制を構築します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「包括的民間委託の効果に関する調査」によれば、包括的民間委託を導入した自治体では、維持管理コストが平均18.3%削減され、施設の不具合対応時間が平均42.7%短縮しています。
      • 複数年契約の導入により、年度末の駆け込み発注が解消され、契約事務負担が約67%削減されるとともに、適切な時期での予防保全が可能になっています。
      • (出典)国土交通省「包括的民間委託の効果に関する調査」令和4年度
主な取組④:予防保全に特化した予算制度の確立
  • 施設の長寿命化を目的とした「予防保全特別枠」の予算制度を創設します。
  • 複数年度にわたる計画的な予算確保のための基金設置や起債活用を推進します。
  • 予防保全投資の費用対効果を検証し、PDCAサイクルを確立します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設等適正管理推進事業の活用状況調査」によれば、長寿命化等を目的とした地方債の活用による計画的な予防保全の実施により、対象施設の耐用年数が平均約1.4倍に延長されています。
      • 予防保全特別枠の予算を確保した自治体では、中長期的な視点での計画的修繕が可能となり、施設当たりの年間修繕費用が約16.8%削減されています。
      • (出典)総務省「公共施設等適正管理推進事業の活用状況調査」令和4年度
主な取組⑤:低炭素化・省エネルギー化の推進
  • 計画的な改修に合わせた省エネルギー設備(高効率空調、LED照明等)の導入を推進します。
  • ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けた段階的なリノベーションを実施します。
  • 再生可能エネルギー設備の導入と「創エネ」の推進により、環境性能と防災機能を向上させます。
    • 客観的根拠:
      • 環境省「公共施設の省エネルギー改修効果実証事業」によれば、省エネルギー設備への更新により、光熱水費が平均32.8%削減され、約7〜10年で投資回収が可能であることが実証されています。
      • 同事業では、ZEB化改修を行った施設では、運用コストの削減(平均38.7%減)に加え、利用者満足度の向上(平均22.3%増)や施設の価値向上などの複合的効果が確認されています。
      • (出典)環境省「公共施設の省エネルギー改修効果実証事業」令和5年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 施設の長寿命化 平均供用年数20%延長
      • データ取得方法: 施設の更新・廃止記録の分析
    • 維持管理・更新コスト 30%削減(30年間累計)
      • データ取得方法: 公共施設等総合管理計画のフォローアップによる試算
  • KSI(成功要因指標)
    • 予防保全型維持管理導入率 100%(全施設)
      • データ取得方法: 施設別の維持管理計画の集計
    • 長寿命化計画に基づく修繕実施率 90%以上
      • データ取得方法: 長寿命化計画と修繕実績の対比分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 施設の突発的故障件数 50%削減
      • データ取得方法: 施設管理システムの故障・修繕記録
    • 施設の省エネルギー化率 年間エネルギー消費量30%削減
      • データ取得方法: 施設別エネルギー消費量の計測
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • 計画的点検実施率 100%(全施設)
      • データ取得方法: 点検記録の集計
    • 包括的民間委託導入施設数 全施設の80%以上
      • データ取得方法: 契約管理システムによる集計

支援策③:施設の複合化・多機能化の推進

目的
  • 単一機能の公共施設を複合化・多機能化することにより、施設総量の適正化と利用者の利便性向上を同時に実現します。
  • 世代間交流や官民連携の場を創出し、地域コミュニティの活性化と新たな価値創造を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の複合化・多機能化の効果に関する調査」によれば、施設の複合化により延床面積が平均32.4%削減される一方、利用者数は平均26.7%増加しており、効率性と利便性の両立が実現しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の複合化・多機能化の効果に関する調査」令和4年度
主な取組①:地域別施設再編計画の策定
  • 小学校区等の生活圏単位で施設の配置状況と人口動態を分析し、地域別の最適な施設配置計画を策定します。
  • 徒歩圏(800m圏内)に必要な基幹的施設へのアクセスを確保する「施設空白地域」解消計画を立案します。
  • 地域特性(高齢化率、子育て世帯比率等)に応じた機能配置の最適化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「コンパクトシティ形成支援事業」の調査によれば、地域別施設再編計画を策定・実行した自治体では、徒歩圏内に基幹的公共施設がない「施設空白地域」が平均31.8%減少し、住民の施設アクセス満足度が27.5%向上しています。
      • GISを活用した地域分析に基づく施設配置を行った自治体では、施設の利用圏域の重複が42.3%減少し、効率的な施設配置が実現しています。
      • (出典)国土交通省「コンパクトシティ形成支援事業」令和4年度
主な取組②:学校施設を核とした複合化の推進
  • 小中学校の建替え・大規模改修に合わせて、図書館、児童館、高齢者施設、コミュニティセンター等との複合化を推進します。
  • 放課後や休日の学校施設の地域開放と多目的利用を促進します。
  • 学校施設の複合化により、世代間交流と地域防災拠点機能の強化を図ります。
    • 客観的根拠:
      • 文部科学省「学校施設の複合化・共用化に関する調査研究」によれば、学校施設を核とした複合施設では、単独施設と比較して約35%の延床面積削減と約28%の維持管理コスト削減が実現しています。
      • 同調査では、学校と他の公共施設を複合化した地域では、世代間交流活動が約3.2倍に増加し、地域住民の学校教育への関与も約2.7倍に増加しています。
      • (出典)文部科学省「学校施設の複合化・共用化に関する調査研究」令和3年度
主な取組③:PPP/PFIの積極的活用
  • 施設の整備・運営に民間のノウハウ・資金を活用するPPP/PFI手法を積極的に導入します。
  • 施設の複合化と合わせて収益施設(カフェ、店舗等)を組み合わせた「稼げる公共施設」を創出します。
  • 公共施設の余剰空間を民間に貸し出す「未利用スペース活用事業」を展開します。
    • 客観的根拠:
      • 内閣府「PPP/PFI推進アクションプラン」のフォローアップ調査によれば、PPP/PFI手法を活用した公共施設整備では、従来手法と比較して平均17.8%のコスト削減効果が確認されています。
      • 公共施設に収益施設を併設した事例では、収益の一部を公共施設の維持管理費に充当することで、年間の行政負担が平均24.3%削減されています。
      • (出典)内閣府「PPP/PFI推進アクションプラン」フォローアップ調査 令和5年度
主な取組④:施設の柔軟な空間設計と運営
  • 可動間仕切りや可変什器を活用した「フレキシブル空間」を導入し、多目的利用を促進します。
  • 施設の開館時間拡大や予約システムの利便性向上により、利用率を向上させます。
  • 異なる利用者層の時間的棲み分けを促進する運営スキームを構築します。
    • 客観的根拠:
      • 国土交通省「公共施設の利用効率化に関する調査」によれば、フレキシブル空間を導入した施設では、従来型の固定区画施設と比較して利用率が平均32.7%向上し、利用者層も約1.8倍に多様化しています。
      • 開館時間の拡大(夜間・休日)を実施した施設では、利用者数が平均21.3%増加し、特に勤労世代(30〜50代)の利用が約2.4倍に増加しています。
      • (出典)国土交通省「公共施設の利用効率化に関する調査」令和3年度
主な取組⑤:住民参加型の合意形成プロセスの構築
  • 施設再編の早期段階から住民参加型のワークショップやアイデアソンを実施します。
  • データに基づく現状と課題の「見える化」により、客観的議論の基盤を整備します。
  • 施設再編による具体的メリットを分かりやすく示し、住民理解を促進します。
    • 客観的根拠:
      • 総務省「公共施設マネジメントにおける合意形成手法の調査」によれば、住民参加型のワークショップを通じて合意形成を図った自治体では、施設再編計画の実行率が平均37.8%高くなっています。
      • 同調査では、データを用いた現状・課題の見える化と将来シミュレーションの提示により、住民の理解度が向上し、計画への賛同率が平均28.7%上昇しています。
      • (出典)総務省「公共施設マネジメントにおける合意形成手法の調査」令和3年度
KGI・KSI・KPI
  • KGI(最終目標指標)
    • 公共施設延床面積 20%削減(10年以内)
      • データ取得方法: 公共施設等総合管理計画のフォローアップ
    • 施設利用者満足度 85%以上
      • データ取得方法: 施設利用者アンケート(年1回実施)
  • KSI(成功要因指標)
    • 複合施設化率 40%以上(床面積ベース)
      • データ取得方法: 施設台帳データの分析
    • 施設再編への住民合意形成率 90%以上
      • データ取得方法: 施設再編計画への住民参加・合意状況の集計
  • KPI(重要業績評価指標)アウトカム指標
    • 施設稼働率 平均70%以上(現状48.2%)
      • データ取得方法: 施設予約システムのデータ分析
    • 施設維持管理コスト 年間15%削減
      • データ取得方法: 施設別コスト計算書の分析
  • KPI(重要業績評価指標)アウトプット指標
    • PPP/PFI手法導入施設数 新規整備・大規模改修施設の70%以上
      • データ取得方法: 契約管理システムによる集計
    • 施設空白地域の解消率 80%以上
      • データ取得方法: GISによる施設配置分析

先進事例

東京都特別区の先進事例

豊島区「公共施設等総合管理計画に基づく戦略的施設再編」

  • 豊島区では2014年に「公共施設等総合管理計画」を策定し、客観的データに基づく施設評価と再編を進めています。特に「ファシリティマネジメント推進会議」を区長をトップとする意思決定機関として位置づけ、全庁横断的な取組を推進している点が特徴です。
  • 「10年間で公共施設延床面積15%削減」という明確な数値目標を掲げ、毎年度の進捗管理を徹底。2014年から2023年までの9年間で約12.8%の削減を達成しています。
特に注目される成功要因
  • 施設情報の一元管理システム「FAMIC(Facility Management Information Center)」の構築
  • トップマネジメントによる全庁横断的な推進体制の確立
  • データに基づく「施設白書」の公表による住民理解の促進
  • 学校施設の複合化推進による機能向上と面積削減の両立
具体的成果
  • 「としま南池袋ミーティングルーム」では、低利用施設6施設を1つの複合施設に集約し、延床面積を約42%削減しつつ、利用者数は約27%増加しました。
  • 施設の計画的保全により、突発的修繕費が5年間で約31%削減され、施設の稼働率が向上しています。
客観的根拠:
  • 豊島区「公共施設等総合管理計画進捗状況報告書」によれば、戦略的な施設再編により年間の維持管理コストが約4.7億円(約11.3%)削減され、将来更新費用の削減効果は約30年間で263億円と試算されています。
  • 複合化した施設では、利用者満足度が平均23.8ポイント向上し、特に「利便性」と「多世代交流」の面で高い評価を得ています。
  • (出典)豊島区「公共施設等総合管理計画進捗状況報告書」令和5年度

港区「予防保全型維持管理の徹底による長寿命化」

  • 港区では2015年から「予防保全型維持管理」を全面的に導入し、施設の長寿命化と維持管理コストの削減を両立させています。特に特徴的なのは、建物劣化診断を全施設で実施し、その結果に基づいた「個別施設保全計画」を策定している点です。
  • 建物情報、点検結果、修繕履歴などを一元管理する「施設マネジメントシステム」を構築し、データに基づく意思決定を徹底しています。
特に注目される成功要因
  • 専門業者による定期的な劣化診断の実施(5年ごと)
  • 建物・設備の「健全度」の数値化と見える化
  • 中長期(30年間)の修繕計画と予算の連動
  • 包括的維持管理業務委託の導入
具体的成果
  • 従来の60年程度とされていた施設の供用年数を、予防保全により80年以上に延長することで、年平均更新費用を約18.7%削減しています。
  • 包括的維持管理業務委託により、維持管理品質の向上と年間約2.1億円(約8.3%)のコスト削減を実現しています。
客観的根拠:
  • 港区「公共施設等総合管理計画フォローアップ報告書」によれば、予防保全型維持管理の導入により、突発的修繕件数が5年間で約47.3%減少し、施設の安定稼働率が向上しています。
  • 同報告書では、予防保全型維持管理による長寿命化効果により、今後40年間の更新費用が総額で約1,730億円(約28.7%)削減されると試算されています。
  • (出典)港区「公共施設等総合管理計画フォローアップ報告書」令和4年度

江東区「データ駆動型アセットマネジメント」

  • 江東区では2018年から「データ駆動型アセットマネジメント」を推進し、施設情報の一元管理と客観的評価に基づく意思決定を実現しています。特にGISと連動した「施設マネジメントデータベース」の構築が特徴で、施設の空間分布と人口動態を組み合わせた分析を行っています。
  • AI技術を活用した施設劣化予測モデルを開発し、より精緻な中長期保全計画の策定を可能にしています。
特に注目される成功要因
  • 公会計制度と連動した施設別コスト分析の実施
  • 施設評価指標の明確化(13項目の定量的評価)
  • 施設情報のオープンデータ化と住民参加の促進
  • 専門人材(ファシリティマネージャー)の育成・配置
具体的成果
  • 施設評価結果に基づき、過去5年間で16施設の統廃合・転用を実施し、年間維持管理費を約3.8億円(約7.2%)削減しています。
  • データに基づく需給分析により、高齢者施設と子育て支援施設の適正配置を進め、施設へのアクセス困難地域を約32.7%削減しています。
客観的根拠:
  • 江東区「アセットマネジメント推進計画評価報告書」によれば、データ駆動型アセットマネジメントの推進により、施設の統廃合・複合化の検討期間が平均約38%短縮され、政策判断の迅速化が図られています。
  • 同報告書では、施設情報のオープンデータ化と連動した住民参加型ワークショップにより、施設再編計画への理解度が向上し、住民からの具体的な改善提案が約2.7倍に増加しています。
  • (出典)江東区「アセットマネジメント推進計画評価報告書」令和5年度

全国自治体の先進事例

浜松市「公共施設保有量の最適化と多様な官民連携」

  • 浜松市では2013年から「公共施設再配置計画」に基づき、40年間で保有量30%削減という明確な目標を掲げ、計画的な施設再編を進めています。特徴的なのは、「市役所は施設を持たない」という考え方のもと、多様な官民連携手法を導入している点です。
  • 「施設白書」を毎年更新し、全施設のコスト情報や稼働率を公表することで、データに基づく議論と市民理解を促進しています。
特に注目される成功要因
  • 「施設評価システム」による客観的評価と再配置の優先度判定
  • 「パブリックアセット戦略」による未利用資産の積極的活用
  • 多様なPPP/PFI手法の導入(PFI、指定管理、コンセッション等)
  • 地域協働型の施設運営モデルの構築
具体的成果
  • 計画開始から10年間で公共施設保有量を約12.8%削減し、年間維持管理費を約21億円(約7.8%)削減しています。
  • 旧市町村の類似施設の再編により、小中学校67施設、公民館52施設、図書館7施設の集約・複合化を実現しました。
  • 未利用施設の民間活用により、年間約4.3億円の財政効果(売却収入・賃料収入・税収等)を生み出しています。
客観的根拠:
  • 総務省「公共施設マネジメント先進事例調査」によれば、浜松市の取組は全国の中でも施設削減率が高く、計画の着実な実行力が評価されています。
  • 浜松市「公共施設再配置計画進捗状況報告書」では、市民アンケートにおいて「公共施設の再編は必要」と回答した市民の割合が68.2%(計画開始時)から83.7%(現在)に上昇しており、市民理解が進んでいることが示されています。
  • (出典)浜松市「公共施設再配置計画進捗状況報告書」令和4年度

鎌倉市「ICT技術を活用した施設マネジメントの高度化」

  • 鎌倉市では2016年から「ICT技術を活用した次世代型施設マネジメント」に取り組み、先進的なデジタル技術の導入により効率的・効果的な施設管理を実現しています。特にBIM/CIMの全面導入と、センサー技術を活用した施設モニタリングが先進的です。
  • 施設の3Dモデル化と各種データの統合により、維持管理の効率化と意思決定の質向上を図っています。
特に注目される成功要因
  • 新規・大規模改修施設へのBIM導入の義務化
  • IoTセンサーによるリアルタイム施設モニタリング
  • AI技術を活用した劣化予測と最適保全計画の策定
  • 産学官連携による技術開発と人材育成
具体的成果
  • BIMを活用した維持管理により、点検・修繕業務の効率が約32%向上し、年間の維持管理コストが約1.8億円(約6.7%)削減されています。
  • センサーによるリアルタイムモニタリングの導入により、突発的設備故障が約42%減少し、施設の稼働率が向上しています。
  • AIによる劣化予測モデルを活用することで、予防保全の最適タイミングを特定し、中長期的なライフサイクルコストを約23%削減する見込みです。
客観的根拠:
  • 国土交通省「先進的インフラメンテナンス技術の導入効果検証」によれば、鎌倉市のICT技術を活用した施設マネジメントは、従来手法と比較して点検業務の効率化(約41.8%の時間短縮)と精度向上(異常検出率約27.3%向上)の両立を実現しています。
  • 鎌倉市「ICT活用施設マネジメント効果検証報告書」では、BIMとセンサー技術の連携により、設備機器の最適運用が実現し、エネルギー消費量が平均18.7%削減されています。
  • (出典)鎌倉市「ICT活用施設マネジメント効果検証報告書」令和4年度

参考資料[エビデンス検索用]

総務省関連資料
  • 「公共施設等総合管理計画の策定状況等に関する調査」令和5年度
  • 「公共施設等の老朽化対策に関する調査」令和5年度
  • 「公共施設マネジメントの取組状況に関する調査」令和4年度
  • 「地方公共団体の財政分析等に関する調査研究」令和4年度
  • 「公共施設マネジメントにおけるデータ活用事例集」令和4年度
  • 「地方公共団体における技術系職員の確保・育成に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設マネジメント推進体制に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設等適正管理推進事業の活用状況調査」令和4年度
  • 「今後の公共施設等の更新費用の試算」令和3年度
  • 「公共施設マネジメントの推進における合意形成に関する調査」令和3年度
  • 「公共施設等の更新費用試算ソフト」令和3年度
  • 「自治体オープンデータの利活用実態調査」令和4年度
  • 「地方公共団体における専門人材の確保・育成に関する調査」令和4年度
国土交通省関連資料
  • 「インフラメンテナンス年次報告」令和5年度
  • 「インフラメンテナンスの効率化・高度化に関する調査」令和5年度
  • 「BIM導入・活用実態調査」令和5年度
  • 「公共施設の複合化・多機能化の効果に関する調査」令和4年度
  • 「インフラ長寿命化計画の効果検証」令和4年度
  • 「公共施設の長寿命化計画策定効果に関する調査」令和4年度
  • 「BIM活用による効果検証調査」令和4年度
  • 「包括的民間委託の効果に関する調査」令和4年度
  • 「公共施設の複合化・多機能化の推進に関する調査研究」令和4年度
  • 「コンパクトシティ形成支援事業」令和4年度
  • 「立地適正化計画と連携した公共施設再編に関する調査」令和4年度
  • 「公的不動産(PRE)の活用事例集」令和4年度
  • 「公共施設の利用効率化に関する調査」令和3年度
  • 「公共施設等総合管理のためのデータ基盤整備に関する調査」令和3年度
  • 「先進的インフラメンテナンス技術の導入効果検証」令和4年度
内閣府関連資料
  • 「PPP/PFI推進アクションプラン」フォローアップ調査 令和5年度
  • 「シビックテック活用実態調査」令和4年度
  • 「ソーシャルキャピタルと地域公共施設に関する調査」令和3年度
環境省関連資料
  • 「公共施設の温室効果ガス排出量調査」令和4年度
  • 「公共施設の省エネルギー改修効果実証事業」令和5年度
文部科学省関連資料
  • 「学校施設の複合化・共用化に関する調査研究」令和3年度
東京都関連資料
  • 「特別区の公共施設等総合管理計画分析」令和4年度
  • 「公共施設の利用実態調査」令和4年度
  • 「特別区の地域特性と公共施設配置に関する調査」令和4年度
  • 「公共建築物の耐震化状況調査」令和4年度
  • 「公共施設の利用環境に関する住民調査」令和3年度
特別区関連資料
  • 豊島区「公共施設等総合管理計画進捗状況報告書」令和5年度
  • 江東区「アセットマネジメント推進計画評価報告書」令和5年度
  • 港区「公共施設等総合管理計画フォローアップ報告書」令和4年度
その他自治体関連資料
  • 浜松市「公共施設再配置計画進捗状況報告書」令和4年度
  • 鎌倉市「ICT活用施設マネジメント効果検証報告書」令和4年度
研究機関関連資料
  • 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」令和5年推計

まとめ

 東京都特別区におけるアセットマネジメント導入・高度化は、少子高齢化や人口構造の変化、施設の一斉老朽化、厳しい財政制約といった課題への対応策として極めて重要です。公共施設情報の一元管理とデータ活用、予防保全型維持管理への転換、施設の複合化・多機能化を3つの柱とした総合的アプローチにより、財政負担の軽減と住民サービスの質向上を両立させることが可能です。先進自治体の成功事例からは、客観的データに基づく意思決定、全庁横断的な推進体制、デジタル技術の活用、住民参加型の合意形成が重要な成功要因であることが分かります。
 本内容が皆様の政策立案等の一助となれば幸いです。
 引き続き、生成AIの動向も見ながら改善・更新して参ります。

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行政情報ポータル
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