10 総務

はじめての総務課

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。

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はじめての総務課

業務の意義

自治体組織の屋台骨であり全体を導く羅針盤

 特別区における総務課は、区役所という巨大で複雑な組織全体が、適法かつ円滑に機能するための「屋台骨」としての役割を担う中枢部署です。福祉、土木、環境といった直接区民サービスを提供する事業部門とは異なり、総務課の主な顧客は「庁内の全職員」や「区長・議会」となります。組織のルールである条例や規則の制定、公式な意思決定の証である公文書の管理、さらには区長印などの公印の管守を通じて、行政運営の基礎的なリズムを刻み、区政が正しい方向へ進むための羅針盤としての使命を持っています。総務課の業務が滞れば、全庁の意思決定が麻痺し、区民へのサービス提供の根幹が揺らぐことになります。

適正な行政運営を担保するコンプライアンスの「最後の砦」

 自治体の行うすべての活動は、法律や条例といった法的な根拠に基づかなければなりません(法律による行政の原理)。各事業部門が新たな施策を立ち上げる際、その手続きに瑕疵はないか、住民の権利を不当に侵害していないか、法的な整合性が保たれているかを、第三者的な視点で厳格にチェックするのが総務課の「例規審査」という重要な機能です。時には他部署の職員に対して厳しい指摘を行い、事業の再考を促す「嫌われ役」を引き受けなければならないこともありますが、それこそが自治体の不祥事や違法な行政処分を未然に防ぎ、区民からの信頼を守り抜く「最後の砦」としての矜持です。

開かれた区政を実現する透明性と説明責任の確保

 主権者である区民が、区政に対して正しい理解と批判を持つためには、行政がどのような情報を基に、どのようなプロセスで意思決定を行ったのかが透明にされていなければなりません。総務課は、情報公開制度や個人情報保護制度の総合窓口として、区民からの開示請求に対して適正かつ迅速に対応する責任を負っています。公文書の適正な保存から廃棄に至るまでのライフサイクルを管理し、「記録に残すこと」と「公開すること」を全庁に徹底させることで、区政の透明性を高め、区民に対する説明責任(アカウンタビリティ)を果たすという、民主主義の根幹を支える意義深い業務です。

根拠法令

地方自治法

 地方公共団体の組織や運営に関する最も基本となる法律です。総務課の業務の多くは、この地方自治法に直接的な根拠を持っています。例えば、条例や規則の制定改廃(第14条、第15条)、議会の招集や議案の提出(第149条)、監査委員との調整など、自治体の基本的なガバナンスに関わる条文が網羅されています。総務課の職員にとって、地方自治法はまさにバイブルであり、日々条文を引きながら適法性を確認する姿勢が求められます。

行政手続法および区行政手続条例

 行政が行う処分、行政指導、届出の処理に関する共通のルールを定めた法律および条例です。区民に対して義務を課したり権利を制限したりする「不利益処分」を行う際の聴聞の手続きや、許認可等の申請に対する「審査基準」の策定など、行政運営の公正の確保と透明性の向上を図るための手続きが厳格に定められています。総務課は、各部署がこの手続きを正しく踏んでいるかを指導・監督する役割を担います。

情報公開条例および公文書管理条例

 「知る権利」を保障し、区の保有する公文書の開示を求める権利を定めたのが「情報公開条例」です。そして、その前提となる公文書の作成、整理、保存、廃棄といった文書管理の統一的なルールを定めているのが「公文書管理条例」です。総務課はこれらの条例の所管課として、全庁的なルールを運用し、開示・不開示の判断基準(審査基準)を明確化するとともに、情報公開審査会などの第三者機関の運営を行います。

歴史・経過

権威的な「お役所仕事」からの脱却とサービス化

 昭和の時代の総務課(または文書課など)は、膨大な紙の決裁文書を管理し、厳格な階層構造の中で物理的な公印を押印する、いわゆる「お役所仕事」の象徴的な存在でした。当時の行政は現在よりも権威的であり、住民に対して情報を積極的に公開するという概念も希薄でした。内部の統制や前例踏襲が重んじられ、いかにミスなく定型業務をこなすかが最も重視されていた時代と言えます。

情報公開制度の導入と住民参加の進展

 平成に入ると、国に先駆けて多くの自治体で「情報公開条例」が制定されるという歴史的な転換点が訪れました。住民運動の活発化や、一部の自治体での官製談合、カラ出張といった不祥事の露見を背景に、行政の透明性向上を求める声が急速に高まったのです。総務課は、かつての「文書を隠す・守る」役割から、「区民の共有財産として文書を公開する」役割へと、180度の意識改革と業務プロセスへの大転換を迫られました。この時期から、総務課は「開かれた区政」の推進役としてのカラーを強く持つようになります。

コンプライアンスの徹底と電子決裁への移行

 近年では、地方分権の進展に伴い、自治体が自らの責任で判断し、政策を決定する場面が飛躍的に増加しました。それに伴い、法務能力の強化やコンプライアンス(法令遵守)の徹底が、自治体経営の最重要課題となっています。また、働き方改革やDXの波を受け、長年続いてきた紙とハンコによる文書管理から、電子決裁・電子文書管理システムへの移行が完了、あるいは進行中です。現代の総務課は、法的な専門性を高めつつ、デジタル技術を用いて全庁の業務効率化と内部統制の強化を両立させるという、高度なガバナンス機能の中核へと進化を遂げています。

標準的な業務フロー

例規(条例・規則等)の審査と制定改廃プロセス

 各所管課が新たな事業を始めるために条例や規則を制定・改正したい場合、まずは総務課(法務担当)へ相談が持ち込まれます。総務課の担当者は、その政策目的をヒアリングした上で、上位法令(憲法や国の法律)に違反していないか、他の区条例との整合性がとれているか、用字用語(法制執務のルール)に誤りがないかを、一言一句徹底的に審査します。この審査は非常に専門性が高く、時には国の省庁への照会や、顧問弁護士への見解確認を行いながら、数ヶ月にわたって所管課と条文の修正を重ねていく、極めて緻密で根気のいる業務です。

文書の収受・発送と公文書管理

 区役所に届く膨大な郵便物や電子メールの公式な受付(収受)を行い、所管する各課へ正確に振り分けます。また、各課から区民や事業者へ発送される文書の集約と郵送手続きを行います。さらに重要なのが「決裁」の管理です。区長や副区長、部長の決裁を仰ぐ重要な起案文書について、手続きの漏れがないかを審査し、最終的な意思決定がなされた文書に「区長印」などの公印を厳格なルールに基づき押印します。決裁済みの文書は、条例で定められた保存期間(1年、3年、5年、10年、永年など)に従って書庫やシステム内で厳重に保管され、期限が来たものは歴史的資料としての価値を審査した上で、適切な廃棄または公文書館への移管手続きを行います。

情報公開請求と個人情報開示請求への対応

 区民等から「この事業に関する契約書を見せてほしい」といった情報公開請求が総合窓口に提出された場合、総務課は即座に該当文書を保有する所管課を特定し、処理の指示を出します。所管課が該当文書を抽出した後、総務課はともにその内容を精査し、条例で定められた不開示情報(個人のプライバシーに関する情報、法人の正当な利益を害する情報など)が含まれていないかを確認します。該当箇所があれば黒塗り(マスキング)を施し、原則14日以内という厳格な期限内に開示決定等の通知書を発送します。個人情報の開示請求についても同様に、本人の権利保護と適正な手続きの確保を図ります。

議会対応の総括と庁内調整

 年に4回開催される区議会の定例会において、総務課は区長側の事務局としての役割を果たします。議員からの一般質問や委員会での質疑に対し、各所管課が作成した答弁書(答弁案)を回収し、区長や教育長といった理事者の意向に沿っているか、過去の答弁と矛盾していないか、全庁的な視点で調整とチェックを行います。議会開催中は、想定外の質問が飛び出した際の迅速な情報収集や、理事者へのメモ入れなど、本会議場や委員会室の裏側で分刻みの緊迫した対応を行い、議事が円滑に進行するよう心血を注ぎます。

訴訟・不服申立てへの対応と法的支援

 区の行った処分に対して区民から「行政不服審査法」に基づく審査請求が出された場合、総務課は審理員(処分に関与していない職員)を指名し、公平な立場で双方の主張を聞き取るための事務局を務めます。また、区が被告となる国家賠償請求訴訟や行政訴訟を提起された場合は、所管課だけでは法的な対応が難しいため、総務課が顧問弁護士や外部の法律事務所と所管課の間に入り、答弁書の作成支援や証拠の収集、和解に向けた調整など、訴訟の終結まで伴走する強力なリーガルサポートを行います。

まとめ

組織の羅針盤となる総務課の皆様へ

 新たに総務課へ配属された皆様、ご着任おめでとうございます。総務課の業務は、区民と直接接して感謝の言葉をいただく機会は少なく、膨大な文書の山と難解な法令用語に立ち向かう、いわば「黒衣(くろご)」のような仕事です。時には、一生懸命に事業を進めようとする他部署の職員に対し、ルールの壁を盾にして「ダメなものはダメ」と突き返さなければならない、精神的に非常にタフな場面も多々あります。「総務課は頭が固い」「手続きばかりでスピード感がない」と理不尽な批判を浴びることもあるでしょう。しかし、どうか揺るがないでください。皆様が赤ペンを握り、条文の一言一句にこだわり抜くその執念が、区長の適正な意思決定を守り、ひいては区民の権利と税金を違法なリスクから確実に守り抜いているのです。総務課がルーズになれば、自治体の組織はいとも簡単に腐敗し、崩壊します。皆様は、この区役所という船が暗礁に乗り上げないよう、常に法とルールの星を見つめ続ける「羅針盤」なのです。初めは法制執務の細かいルールや、過去の判例の難解さに圧倒されるかもしれませんが、焦らず一つひとつの条文の背後にある「目的」を深く読み解く力を養ってください。皆様の厳しくも温かい法的なサポートが、すべての事業部門の背中を押し、この自治体全体の推進力と信頼に直結していくことを心より期待し、全力で応援しております。

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