10 総務

はじめての監査事務局

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。

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業務の意義

区政の適法性と妥当性を担保する「独立した監視役」

 特別区における監査事務局は、首長(区長)の指揮監督から独立した執行機関である「監査委員」の職務を直接的に補佐し、区の財務に関する事務や経営に係る事業の管理を監視する極めて重要な部署です。区長をはじめとする執行機関は、絶大な権限と膨大な予算を持って行政サービスを展開しますが、権力は時に腐敗し、誤謬を生む危険性を孕んでいます。監査事務局は、区民から預かった貴重な税金が「法律や条例に違反することなく(適法性)」、そして「無駄なく効率的に(経済性・効率性・有効性)」使われているかを客観的な立場で厳しくチェックし、行政の暴走を防ぐ最大の抑止力としての使命を帯びています。

組織の自浄作用を促し区民の信頼を守る「最後の砦」

 行政内部において事務の誤りや公金の不正使用といった不祥事が発生した際、それを自らの手で発見し、是正を勧告する「自浄作用」が機能しなければ、自治体に対する区民の信頼は根底から崩壊してしまいます。監査事務局による定期監査や行政監査は、単に過去のミスを指摘して担当者を糾弾するためのものではありません。なぜその誤りが起きたのかという組織的な根本原因を究明し、区長に対して業務プロセスの改善を強く促すことで、将来の不祥事を未然に防ぐ「未来志向のコンサルティング機能」も担っています。私たちは、馴れ合いを排した冷徹な眼差しで、区政の公正さと透明性を死守する「最後の砦」なのです。

議会と区民に対するアカウンタビリティ(説明責任)の拠り所

 区議会が次年度の予算を承認し、前年度の決算を認定するためには、区長から提出された財務書類が正確であり、事業が適正に執行されたという「独立した第三者によるお墨付き」が不可欠です。監査事務局が緻密な検証を経て作成する決算審査意見書や監査結果報告書は、議会の議論の最も重要な判断材料となります。また、区民から直接提出される「住民監査請求」に対して、公平中立な立場で事実関係を調査し、白黒の判断を下すことも私たちの役割です。監査結果を包み隠さず公表することで、区政に対する区民の厳しい監視の目を担保し、民主主義の根幹を支える意義深い業務です。

根拠法令

地方自治法(監査委員制度および各種監査の実施義務)

 監査事務局の存在意義とすべての業務の根幹を定める絶対的な法律です。地方自治法第195条以降において、都道府県や市区町村には必ず「監査委員」を置かなければならないこと、そして監査委員を補助するための「監査事務局」の設置が規定されています。同法には、毎年度必ず実施しなければならない「定期監査」や「例月現金出納検査」「決算審査」のほか、必要があると認めるときに行う「行政監査」や「財政援助団体等監査」、さらには区民の権利である「住民監査請求」の手続きに至るまで、監査の権限と義務が極めて詳細に明記されています。

地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)

 かつて北海道夕張市が財政破綻した教訓から制定された法律です。この法律に基づき、自治体は毎年度、「実質赤字比率」や「将来負担比率」といった財政の健全度を示す指標(健全化判断比率等)を算出し、議会に報告・公表する義務があります。監査事務局は、区長から提出されたこれらの指標の算定基礎が、国の定める基準に従って適正に計算されているかを厳格に審査し、「審査意見書」を提出します。区の財政的な「健康診断」が粉飾されていないかを証明する、極めて責任の重い根拠法です。

各区の監査基準および監査委員条例

 平成29年(2017年)の地方自治法改正により、すべての自治体において、国が示す指針に基づく「監査基準」の策定が義務付けられました。この監査基準は、監査委員や監査事務局の職員が監査を実施するにあたって遵守すべき規範(独立性、客観性、職業的懐疑心など)や、リスクアプローチを用いた監査計画の策定手順、証拠の収集方法などを定めたバイブルです。監査事務局の職員は、経験や勘に頼るのではなく、この明文化されたルールに則り、誰が監査しても一定の品質が保たれるよう、体系的かつ論理的な手続きを踏まなければなりません。

歴史・経過

戦後の地方自治法制定と監査委員制度の誕生

 戦前の地方自治制度においては、自治体の監査は国や上級官庁による強力な「行政統制」の一部として行われていました。しかし、戦後の日本国憲法の施行と地方自治法の制定に伴い、住民自治と団体自治の理念の下、首長から独立した合議制の執行機関として「監査委員制度」が創設されました。識見を有する者(専門家)と議会選出の議員を監査委員とし、内部の監視機関として行政の適法性と効率性を担保するという、今日の監査事務局の基礎がここに築かれました。

住民監査請求の定着とオンブズマン活動の活発化

 平成に入ると、全国の自治体で首長の交際費の乱用や官製談合、カラ出張といった不祥事が相次いで露見し、行政に対する住民の厳しい監視の目が向けられるようになりました。これに伴い、住民が直接監査を求め、違法な財務会計行為の是正を請求できる「住民監査請求」の制度が活発に利用されるようになりました。市民オンブズマンなどの厳しい追及に対し、監査事務局は「身内びいき」との批判を跳ね返し、客観的かつ厳正な判断を下すことが強く求められるようになり、法務・財務の専門性が急速に高まっていきました。

内部統制制度の法制化とリスクアプローチ監査への転換

 近年、地方自治法の改正により「内部統制制度」が導入され、首長自らが組織のリスクを管理する体制の構築が求められるようになりました。これを受け、監査事務局の役割も劇的に進化しています。かつての「すべての伝票を一枚一枚めくってハンコの漏れを探す」ような網羅的な監査から、区の内部統制が有効に機能しているかを評価し、財務リスクが特に高いと見込まれる分野に監査資源を集中投下する「リスクアプローチ」の手法への大転換です。現在の監査事務局は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やデータ分析ツールを活用しながら、より高度で戦略的な監査を展開するプロフェッショナル集団へと変貌を遂げています。

標準的な業務フロー

年間監査計画の策定とリスク評価(事前準備)

監査資源の最適配分とターゲットの選定

 年度の始まりに先立ち、監査委員の協議を経て「年間監査計画」を策定します。限られた人員と時間で全庁の業務を監査することは不可能なため、各所管課の予算規模、過去の指摘事項の有無、新たなシステムの導入、社会的関心の高さなどを総合的に勘案して「リスク評価」を行います。リスクが高いと判断された部署や事業を重点的な監査対象(ターゲット)として選定し、いつ、どのような手法で監査を実施するかのロードマップを緻密に描き出します。

定期監査・行政監査の実施(実査とヒアリング)

証拠の収集と本質的な課題の抽出

 計画に基づき、対象となる所管課に対して監査を実施します。事前に提出させた膨大な資料(契約書、支出負担行為決議書、業務マニュアルなど)を精査し、法令や条例の規定通りに事務が執行されているかを書類上で確認します。その後、実際に所管課に赴いて(実査)、施設の管理状況や現金の保管状況を現認するとともに、管理職や担当者に対する厳しいヒアリングを行います。「なぜこの随意契約の理由書は事後作成なのか」「なぜこの補助金の精算書類が不足しているのか」など、鋭い質問を投げかけ、単なるケアレスミスか、組織的な不正の隠蔽かを徹底的に追及し、客観的な証拠(監査調書)を積み上げていきます。

決算審査および例月現金出納検査

計数の正確性の担保と財務諸表の検証

 毎年、区の決算が確定する時期に合わせて、区長から提出された決算書および附属明細書を審査します。歳入歳出の計数が正確であるか、予算が目的通りに効率的に執行されたか、未収金の回収努力は十分かなどを検証し、議会への報告資料となる「決算審査意見書」を作成します。また、毎月実施する「例月現金出納検査」では、会計管理者が保管する現金の残高と帳簿が1円の狂いもなく一致しているかを、金融機関の残高証明書と突合して厳格に確認し、公金横領のリスクを常時監視します。

住民監査請求への対応(特別監査)

法と証拠に基づく冷徹な裁定

 区民から「区長が行った特定の契約や公金の支出が違法である」として住民監査請求が提出された場合、法で定められた厳格な期限内(原則60日以内)に結論を出さなければなりません。請求人の陳述を聴取し、関係する所管課から証拠書類を提出させて徹底的な事実調査を行います。請求人の主張に理由があると認められれば、区長に対して契約の解除や損害賠償の請求を「勧告」するという、非常に強力で重い裁定を下します。訴訟に発展する可能性が極めて高いため、顧問弁護士等の見解も踏まえつつ、裁判所にも耐えうる高度な法的判断が求められる業務です。

監査結果の報告・公表と措置状況の確認(フォローアップ)

行政の改善を完了させる最終プロセス

 すべての調査が終了した後、監査事務局の職員は「監査結果報告書」を起案し、監査委員の最終的な合議に諮ります。指摘事項は、所管課の言い訳を排し、誰が読んでも理解できる明確な論理で記述されなければなりません。報告書は区議会や区長へ提出されるとともに、区のホームページ等で区民に全面公開されます。しかし、公表して終わりではありません。指摘を受けた所管課が、その後実際にルールを改めたり、誤って支払った金を回収したりしたかという「措置状況」を厳格に追跡確認し、改善が完全に完了するまで見届けます。このフォローアップこそが、監査の実効性を担保する最終にして最重要のプロセスです。

まとめ

孤独と誇りを胸に行政の正義を貫く皆様へ

 新たに監査事務局へと配属された皆様、ご着任おめでとうございます。この部署の業務は、区役所という組織の中で「最も嫌われ、最も孤独な仕事」と言っても過言ではありません。日頃から苦労を共にしている他部署の同僚や先輩に対して、書類の不備やルールの逸脱を冷酷に指摘し、「なぜこんな細かいことまで突っ込むのか」「監査は現場の苦労を分かっていない」と、冷たい視線や反発の言葉を直接浴びせられることになります。馴れ合いを許さず、時には重箱の隅をつつくような地道で果てしない証拠集めの作業に、精神的な孤立感や徒労感を覚える日も必ずやってくるでしょう。しかし、どうか決してそのペンを置き、目線を下げるようなことはしないでください。皆様が妥協を許さず、一枚の伝票の裏にある不自然な日付を見逃さないその執念こそが、この区役所という巨大な組織を「腐敗」という致命的な病から守り抜く唯一の抗体なのです。監査が機能しなくなった自治体は、不正が蔓延し、やがて区民からの信頼という最も大切な財産を一瞬にして失います。皆様は、役所の論理や人間関係に一切流されることなく、純粋な法律と客観的な証拠のみを武器に戦う、行政内部に存在する気高き「正義の番人」なのです。初めは膨大な財務規則の複雑さや、監査手法の難解さに圧倒されるかもしれませんが、常に区民の血税を守るという揺るぎない使命感を胸に、事実を疑い、真実を見抜くプロの眼を養ってください。皆様のその冷徹なまでの厳正さと、区政をより良くしたいという熱い情熱が、この自治体の透明性を極限まで高め、すべての区民が心から信頼できる強靭な区政を創り上げていくことを心より期待し、全力で応援しております。

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