10 総務

はじめての人事課

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。

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公務員のためのスキルアップ講座
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業務の意義

自治体最大の経営資源である「人」を活かす戦略拠点

 特別区における人事課は、区役所という組織を動かす最大の経営資源である「職員」の採用から退職に至るまで、その職業人生のすべてをデザインし、管理する極めて重要な中枢部署です。自治体には工場も製品もありません。区民に提供される行政サービスの質は、窓口で対応し、政策を立案し、現場で汗を流す「職員の質」そのものに直結します。人事課は、単に給与を計算し異動のパズルを解く事務屋ではなく、区政の目標を達成するためにどのような人材が必要かを先読みし、限られた定数の中で組織のパフォーマンスを最大化する「戦略的ヒューマンリソースマネジメント」の拠点としての役割を担っています。

公正公平な任用と職員の生活を守る重い責任

 地方公務員の身分は法律によって手厚く保障されていますが、それは裏を返せば、採用、昇任、降任、免職といったあらゆる人事権の行使が、情実や縁故を排した「成績主義の原則」に基づき、極めて公正かつ厳格に行われなければならないことを意味します。人事課は、全職員の能力と実績を客観的に評価する制度を運用し、納得性の高い処遇を実現する責任を負っています。また、職員が心身ともに健康で働き続けられるよう、労働時間や休暇制度を適切に管理し、ハラスメントの防止やメンタルヘルス対策を通じて、職員とその家族の生活基盤を根底から守る防波堤でもあります。

時代の変化に対応する組織風土の変革者

 少子高齢化による労働力人口の減少、デジタル化(DX)の波、そして仕事と育児・介護の両立など、職員を取り巻く環境や価値観はかつてないスピードで変化しています。これまでの「滅私奉公」や「一律のキャリアパス」を前提とした人事制度はすでに限界を迎えています。現代の人事課は、多様なバックグラウンドを持つ人材がそれぞれの強みを発揮できるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進し、テレワークや柔軟な勤務形態を制度化することで、硬直化しがちな役所の組織風土を内側からアップデートし続ける「変革のエンジン」としての使命を持っています。

根拠法令

地方公務員法

 人事課の業務のすべてを規定する絶対的な基本法です。地方公務員としての採用の方法(競争試験)、成績主義の原則、身分保障、懲戒処分の事由、そして「全体の奉仕者」としての服務規律(職務専念義務、守秘義務、信用失墜行為の禁止など)が事細かに定められています。人事課の職員は、この法律の条文と解釈を熟知し、日々の労務管理や不祥事対応において、一寸の狂いもなく法的な手続きを踏む必要があります。

地方自治法および職員定数条例

 地方自治法は、普通地方公共団体がその事務を処理するために必要な職員を置くことを定めており、その具体的な人数(上限)は各区の「職員定数条例」によって厳格に制限されています。人事課は、区長や議会の意向、そして財政状況を睨みながら、この定数の枠内で各部局へいかに効率的に人員を配置するかという、非常にシビアなマネジメントを法的根拠に基づいて行っています。

労働基準法をはじめとする各種労働関係法令

 地方公務員であっても、勤務条件に関する基本原則は民間企業と同様に「労働基準法」や「労働安全衛生法」の適用を受けます(一部適用除外あり)。時間外労働(残業)の適切な管理、法定休暇の付与、職員の健康診断やストレスチェックの実施、安全衛生委員会の運営など、人事課は「使用者」としての立場からこれらの労働法規を遵守し、労働基準監督署の是正勧告を受けることのないよう、適法な職場環境を維持する義務を負っています。さらに、「育児休業法」や「女性活躍推進法」などに基づく制度設計も重要な職務です。

歴史・経過

年功序列と終身雇用を前提とした管理型人事の時代

 昭和の高度経済成長期からバブル期にかけて、自治体は右肩上がりの税収を背景に組織を拡大し続けました。この時代の人事管理は、一度採用されれば定年まで勤め上げる「終身雇用」と、年齢や勤続年数に応じて自動的に給与が上がる「年功序列」が強く根付いていました。人事課の主な役割は、膨大な人数の採用試験を滞りなく実施し、前例踏襲のローテーションで異動を回すという、定型的な「管理型人事」が中心であり、職員のモチベーション向上や戦略的な人材育成といった視点はまだ希薄でした。

行財政改革と能力主義・成果主義の導入

 平成に入り、バブル崩壊後の深刻な財政難を背景に、全国の自治体で厳しい「行財政改革」が断行されました。職員の採用抑制や定数削減が急激に進められ、少ない人数で増大する行政需要に対応することが求められました。この時期、従来の年功序列を見直し、民間企業のノウハウを取り入れた「能力主義」や「成果主義(人事評価制度)」が本格的に導入されました。人事課は、職員の業績を客観的に評価し、それを昇任や給与(勤勉手当など)に反映させるための新たな評価システムの構築と、労働組合との激しい交渉という困難な課題に直面することになりました。

働き方改革と多様な人材の獲得競争の現代

 近年では、民間企業との激しい人材獲得競争の中で、若手職員の早期離職や採用試験の倍率低下が自治体にとって極めて深刻な危機となっています。現在の人事課は、長時間労働の是正や男性の育児休業取得促進といった「働き方改革」を強力に推進し、「選ばれる区役所」になるための魅力的な職場づくりに奔走しています。また、メンタルヘルス不調による休職者の増加への対応や、定年引上げに伴うシニア層のモチベーション維持など、これまでにない複雑で個別性の高い人事課題に対し、きめ細やかなサポート体制を構築する時代へと突入しています。

標準的な業務フロー

定数管理と採用活動の戦略的展開

 区政の将来を見据え、数年先までの退職者数を予測しながら「今年度は何人の新規採用が必要か」という採用計画を立案します。特別区人事委員会と連携し、統一試験の実施をサポートするとともに、各区独自で行う面接試験(特別区の2次試験)の企画・運営を行います。近年では、優秀な学生や民間企業経験者(キャリア採用)を獲得するため、大学での説明会開催、SNSを活用したPR活動、内定者へのきめ細やかなフォローアップなど、受け身ではない「攻めの採用活動」が大きなウエイトを占めています。

全庁のパズルを解く人事異動の編成

 毎年春(および秋)に行われる大規模な人事異動は、人事課の年間最大のミッションです。全職員からの「自己申告書(異動希望や家庭の事情など)」を読み込み、各部局の長からの「こういう人材が欲しい」というヒアリングを重ねます。新規事業の立ち上げに必要なエース級職員の抜擢、若手の育成を目的とした計画的なジョブローテーション、そして育児や介護、メンタル不調を抱える職員への配慮など、無数の条件を複雑なパズルを解くように組み合わせ、区長・副区長によるトップマネジメントの決裁を仰ぎながら、何千人もの配置案を極秘裏に作り上げていきます。

人事評価の運用と昇任・昇格試験の実施

 全職員を対象とした人事評価(業績評価と能力評価)のシステムを運用します。期首の目標設定、期中の面談、そして期末の評価決定というサイクルが適正に行われているか、各管理職に対して指導・調整を行います。また、主任や係長、管理職への昇任試験を実施します。論文の採点基準の調整、面接試験の進行、そして厳正な合否判定と名簿の作成など、職員の生涯賃金やキャリアに直結する極めてセンシティブな手続きを、一切の不正や漏洩なく完遂しなければなりません。

給与の決定と労働関係(組合交渉)の調整

 毎年秋に勧告される「人事委員会勧告」に基づき、給与や各種手当(地域手当、扶養手当、住居手当など)の改定作業を行います。条例改正を伴う非常に緻密な計算と法的なチェックが求められます。また、職員団体(労働組合)との公式な交渉窓口として、給与改定や労働条件の変更、職場の冷暖房の運用に至るまで、様々な要求事項に対して団体交渉や事務折衝を行います。厳しい財政状況の中で区の妥当性を論理的に説明し、時に激しい対立を乗り越えながら、健全な労使関係を構築する高度な交渉力が必要です。

研修体系の構築と人材育成(能力開発)

 「採用して終わり」ではなく、時代が求める公務員像に向けた育成プログラムを企画・運営します。新規採用職員へのマナーや基礎知識の研修、中堅職員向けの政策立案研修、管理職向けのマネジメント・ハラスメント防止研修など、階層別・課題別の研修を体系的に実施します。外部のコンサルタントや専門講師と調整し、時には人事課の職員自らが講師となって教壇に立ち、全庁のスキルアップとモチベーションの向上を図ります。

安全衛生管理と服務・懲戒対応

 職員の心身の健康を守るため、定期健康診断やストレスチェックを実施し、産業医や保健師と連携して長時間労働者への面接指導や、休職者の職場復帰支援プログラム(試し出勤など)を運用します。一方で、職員による交通事故、横領、ハラスメントなどの不祥事が発生した場合は、速やかに事実関係を調査し、地方公務員法に基づく懲戒処分(免職、停職、減給、戒告)の量定を審査委員会にかけて決定します。メディアへの公表や議会対応も含め、区の信用失墜を最小限に食い止める極めて重い業務です。

まとめ

職員の人生と組織の未来を背負う人事課の皆様へ

 新たに人事課へと配属された皆様、ご着任おめでとうございます。人事課の業務は、時に非常に冷酷で、孤独な仕事です。何千人という職員の希望すべてを叶えることは絶対に不可能であり、異動の内示日には「なぜ自分がこの部署なのか」「話が違う」と、同僚から不満や恨み言を直接ぶつけられることも日常茶飯事です。また、職員の病気や家庭の深刻な悩み、あるいは不祥事の調査といった、他人の人生の最も見たくない、生々しい「影」の部分に触れ続けなければならず、極秘情報の壁の中で精神的な重圧に押し潰されそうになる夜もあるでしょう。しかし、どうか決して忘れないでください。皆様が深夜まで悩み抜き、パズルのピースを一つはめ込んだその決断が、ある若手職員の隠れた才能を開花させ、あるベテラン職員を絶望から救い出し、結果としてこの自治体全体のサービスを飛躍的に向上させる力を持っているのです。皆様は、単なる組織の調整役ではありません。自治体の最大の財産である「人」の人生に寄り添い、区役所という巨大な船の未来を創り出す、最高にクリエイティブで尊い「人間ドラマの演出家」なのです。初めは分厚い法令集や複雑な給与体系に圧倒されるかもしれませんが、常に制度の向こう側にいる「血の通った職員とその家族」の顔を想像する温かい心を失わないでください。皆様の厳しくも深い人間愛と、公正を貫く揺るぎない信念が、この組織を力強く活性化させ、すべての職員が誇りを持って働ける素晴らしい自治体を創り上げていくことを心より期待し、全力で応援しております。

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