2025.06.11 05 特別区(23区) 【2025年6月11日】行政関連ニュースと政策立案のヒント masashi0025 目次 政府墓地行政に関する調査結果(フォローアップ)の公表と地方公共団体への支援要請DX政策中央区、株式会社エクサウィザーズと生成AI活用による業務効率化等の実証実験に関する連携協定を締結デジタル庁、地方公共団体の基幹業務システム統一・標準化に関するFAQ・リファレンス資料を更新(国民健康保険・統合収納管理関連)総務省、「令和7年度 XRデバイスを安全で快適に利用できる環境整備に資する技術の実証事業」公募結果を公表総務管理新宿区、令和7年第2回区議会定例会へ条例改正等議案を提出大田区、納税通知書における仮徴収税額の誤表示(非表示)と対応について発表まちづくり、インフラ整備政策墨田区、新放置自転車等管理システム導入に係るプロポーザル実施を発表千代田区、神田警察通りの道路整備事業を発表教育政策目黒区、GIGAスクール構想におけるICT利活用支援業務委託事業者を公募子育て、子ども政策千代田区、夏休み期間中の小学校体育館開放事業を実施福祉政策厚生労働省、介護人材確保のための専門委員会を設置し初会合開催環境政策千代田区、環境配慮行動宣言「ちよエコ未来企業/事業者宣言」キックオフイベント開催のお知らせスポーツ政策豊島区高齢者クラブ連合会、新方式でのボッチャ選抜大会を開催防災政策日本医療政策機構(HGPI)、「災害級の暑さ」への備えを骨太の方針2025に盛り込むべきと政策提言健康、保健政策目黒区、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」及び「あはき・柔整広告ガイドライン」について周知千代田区、令和7年7月実桜の会(千代田区認知症本人ミーティング)開催のお知らせ政府 墓地行政に関する調査結果(フォローアップ)の公表と地方公共団体への支援要請 概要 出典 総務省 報道発表資料 ニュース概要 総務省行政評価局は、2025年6月10日、公営墓地における無縁墳墓の状況等に関する調査のフォローアップ結果を公表し、その内容を厚生労働省へ通知しました。この通知には、縁故者情報の事前把握の重要性や、無縁改葬後の墓石の取り扱いに関する具体的な事例を地方公共団体へ提供するなど、必要な支援を行うよう厚生労働省に要請する内容が含まれています。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 近年の人口減少、多死社会の進展、そして家族観の多様化といった社会構造の変化に伴い、承継者のいない、あるいは管理されなくなった無縁墳墓が増加しています。これらは公営墓地の管理運営上の大きな負担となるだけでなく、景観や衛生面での問題を引き起こす可能性もあります。そのため、行政が主体となって適切な管理方法を確立し、円滑な改葬処理を促進することで、公営墓地の持続可能性を確保し、将来の新たな墓地需要にも応えていく必要があります 1。 具体的なアクション 総務省は、行政評価局による調査結果と、それに基づく改善措置状況(1回目のフォローアップ)を取りまとめ公表しました 3。この結果を踏まえ、厚生労働省に対し、地方公共団体が無縁墳墓問題へより効果的に対応できるよう、具体的な事例集の提供や技術的助言といった支援策を講じるよう要請しています 1。厚生労働省はこれを受け、事例収集や提供方法について検討を進めるものと見込まれます。 行政側の意図 国として無縁墳墓問題の深刻さを改めて認識し、基礎自治体である地方公共団体が直面している課題の解決を積極的に後押しする狙いがあります。全国の自治体で対応にばらつきが見られる現状に対し、標準的な対応指針の策定や、他自治体の優良な取り組み事例を共有することで、各自治体における無縁墳墓関連業務の効率化と質の向上を図る意向があると考えられます 1。これにより、法的な整合性を保ちつつ、地域の実情に応じた対応が可能になることを目指しています。 期待される効果 地方公共団体による無縁墳墓の計画的かつ適切な改葬が進むことで、墓地の管理不全状態が解消され、墓地全体の環境改善が期待されます。また、これにより新たな墓地区画の供給余力が生まれ、多様化する住民の墓地ニーズへの対応力向上にも繋がるでしょう。長期的には、墓地行政全体の信頼性向上にも寄与すると考えられます 1。 課題・次のステップ 厚生労働省から提供される予定の事例集や支援策が、各自治体にとって実用的で活用しやすい具体的な内容となるかが重要です。また、無縁化の判断や改葬手続きにおいては、故人や縁故者の権利に配慮し、関係者間の丁寧な合意形成プロセスが不可欠であり、そのためのガイドライン整備も課題となります。自治体職員の専門性向上や相談体制の充実も求められるでしょう 1。 特別区への示唆 地価が高く墓地用地の確保が困難な都市部である特別区においても、無縁墳墓の増加は避けて通れない深刻な問題です。国からの支援情報を積極的に収集・活用し、各区の人口動態や既存墓地の状況、区民の意識などを踏まえた、実情に応じた無縁墳墓対策(関連規定の整備、専門相談窓口の強化、合葬式墓地や樹木葬といった新たな形態の墓地の整備・拡充等)を総合的に推進する必要があります。特に、改葬後の墓石の取り扱いに関する国の指針や他自治体の事例は、具体的な処理方法を検討する上で重要な参考となるでしょう 1。この問題は、都市計画や福祉政策とも連携した多角的なアプローチが求められます。 DX政策 中央区、株式会社エクサウィザーズと生成AI活用による業務効率化等の実証実験に関する連携協定を締結 概要 出典 中央区 報道発表 ニュース概要 中央区は、2025年6月6日付で株式会社エクサウィザーズと「生成AIの活用による業務効率化等の実証実験に関する連携協定」を締結したことを、6月10日に発表しました。この協定に基づき、区は生成AIを活用した業務の効率化・高度化、さらには新規区民サービスの創出を目指し、具体的な活用支援事例の作成や効果検証、課題解決、知識共有などを共同で進めます 4。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 生成AIという急速に発展する先端技術を積極的に導入し、定型的な行政事務の効率化を図ることで、職員がより創造的・専門的な業務に注力できる環境を整備するためです。また、区民サービスの質的向上や、これまでにない新たな価値を持つサービスの創出可能性を追求することも大きな目的です。さらに、実証実験を通じて職員がAI技術に触れることで、組織全体のデジタル対応能力を高め、デジタル人材の育成を促進するねらいもあります 4。 具体的なアクション 中央区は、AI分野で実績のある民間企業、株式会社エクサウィザーズと連携協定を締結しました。実証実験の主な内容として、区の様々な業務分野における現状の課題ヒアリングと業務プロセスの再整理、生成AIを活用した効率化・高度化の検討、新たな区民サービスの創出検討、そしてこれらの取り組みに関する効果検証(定量的・定性的データの収集・分析、モデル構築、精度向上検討)、課題解決、関連知識の共有を行います。また、実証実験の成果については、プレスリリースや事例紹介などで積極的に広報協力を行うことも盛り込まれています 4。 行政側の意図 生成AIの導入・活用には専門的な知見や技術が不可欠ですが、行政組織単独での対応には限界があります。そこで、専門的知見と豊富な実績を持つ民間企業と連携することで、技術導入のハードルを下げ、より効果的かつ効率的に実証実験を進める意図があります。実証実験を通じて、具体的な活用方法とその効果、さらには潜在的なリスクや課題を実践的に見極め、成功事例を他の業務分野へ横展開していくことも視野に入れていると考えられます 4。 期待される効果 各種問い合わせ対応、資料作成、データ分析といった事務作業の自動化・時間短縮による業務負担の大幅な軽減が期待されます。これにより、職員はより高度な分析、政策企画、区民との直接的なコミュニケーションといった付加価値の高い業務に注力できるようになります。また、区民のニーズを的確に捉えた新しい行政サービスの開発や、既存サービスのパーソナライズ化なども可能になることが期待されます 4。 課題・次のステップ 実証実験で得られた結果を詳細に分析し、費用対効果を厳密に検証することが最初の課題です。また、生成AIの利用に伴う個人情報保護の徹底、アウトプットの正確性担保、倫理的な側面(バイアス、著作権等)の整理と対応策の確立も不可欠です。これらの検証と整理を踏まえ、本格導入に向けた具体的な計画策定、必要な予算措置、そして全庁的な職員研修プログラムの実施が次のステップとなります 4。 特別区への示唆 中央区のこの先進的な取り組みは、他の特別区が生成AIの導入を検討する上で、非常に有益な試金石となります。特に、連携先の民間企業の選定理由(専門性、実績等)、実証実験の具体的なテーマ設定(中央区の事例では「各種分野における業務の再整理と効率化・高度化の検討」「新たなサービスの創出検討」などが挙げられています 4)、そして効果測定の方法論は、他区が同様のプロジェクトを計画する際に大いに参考になるでしょう。行政における生成AI活用は、単なる技術導入に留まらず、業務プロセス全体の変革と職員の意識改革、そしてデジタル人材の育成という視点が不可欠であることを、中央区の事例は示唆しています 4。 デジタル庁、地方公共団体の基幹業務システム統一・標準化に関するFAQ・リファレンス資料を更新(国民健康保険・統合収納管理関連) 概要 出典 デジタル庁 ニュース概要 デジタル庁は2025年6月10日、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関する取り組みの一環として、「仕様書に関するFAQ・リファレンス(推奨指針)資料」を更新しました。今回の更新では、特に「別紙3_データ要件・連携要件に関するリファレンス詳細」に含まれる国民健康保険関連業務(024o007, 024o008, 024o009, 024o026)および統合収納管理業務(036o005)の一部資料について、誤記等の修正が行われました 5。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 現在、多くの地方公共団体では、基幹業務システム(住民記録、税務、福祉など)が各団体で個別に開発・運用されており、仕様の差異による非効率やコスト増、データ連携の困難さなどが課題となっています。国が進めるこの統一・標準化は、これらの課題を解消し、システム開発・運用の効率化、コスト削減、自治体間や国とのデータ連携の円滑化、そしてガバメントクラウドへのスムーズな移行を促進することを目的としています 5。 具体的なアクション デジタル庁は、標準化仕様書や関連ドキュメント(FAQ、リファレンス資料、移行手順書など)を継続的に開発・提供しています。今回の更新もその一環であり、自治体やシステムベンダーが最新かつ正確な情報に基づいて標準準拠システムへの移行や開発を進められるよう、誤記修正等を通じて資料の品質維持向上を図っています 5。 行政側の意図 国が主導してシステム標準化の旗振り役を担うことで、各自治体が個別に対応するよりも迅速かつ効率的にDXを推進できる環境を整備する意図があります。資料の継続的な更新やFAQの充実は、自治体やベンダーからの疑問点を解消し、標準化への移行プロセスを円滑に進め、現場の混乱を最小限に抑えることを目指しています 5。 期待される効果 標準化されたシステムを複数の自治体が共同で利用したり、ガバメントクラウド上のサービスを利用したりすることで、各自治体のシステム調達・運用コストの大幅な削減が見込まれます。また、特定のベンダーに依存する「ベンダーロックイン」の状態が解消され、より競争力のある調達が可能になります。さらに、自治体間でのデータ連携や情報共有が容易になることで、広域的な行政サービスの展開や、住民サービスの質の向上が期待されます 5。 課題・次のステップ 各自治体においては、国が示す標準仕様に基づいて、自団体の既存システムからの移行計画を具体的に策定し、着実に実行していくことが求められます。特に、既存システムに蓄積された大量のデータの正確な移行作業や、新システムに対応するための職員研修、業務プロセスの見直しなどが大きな課題となります。デジタル庁からの継続的な情報提供と、自治体間の情報共有・連携が重要です 6。 特別区への示唆 国のシステム標準化の動向は、特別区の将来的な情報システム戦略に大きな影響を与えるため、常に最新情報を把握し、自区のシステム更新計画や予算編成に的確に反映させる必要があります。今回の更新内容(国民健康保険業務および統合収納管理業務に関する資料の修正)については、それぞれの担当部署において具体的な業務への影響を確認し、必要に応じてシステムベンダーと協議を行うことが求められます。標準化は単なるシステム刷新ではなく、業務改革の好機と捉え、積極的に取り組む姿勢が重要です 5。このプロセスは反復的であり、細かな修正が継続して行われることを前提とした対応体制の構築が望まれます。 総務省、「令和7年度 XRデバイスを安全で快適に利用できる環境整備に資する技術の実証事業」公募結果を公表 概要 出典 総務省 報道発表資料 ニュース概要 総務省は2025年6月10日、「令和7年度 XRデバイスを安全で快適に利用できる環境整備に資する技術の実証事業」に係る提案公募の結果を公表しました。この事業は、XR(Extended Reality)技術の進展に伴い、利用者が安全かつ快適にデバイスを使用できる環境を整備するための技術開発や検証を支援するものです。具体的な採択事業者や実証事業の内容については、総務省の別途公表資料で確認が必要です 3。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 XR技術は、エンターテインメント分野だけでなく、教育、医療、製造、都市計画など多様な分野での活用が期待されています。しかし、その普及には、利用者の視覚的疲労や空間識失調といった安全面での課題、プライバシー保護、コンテンツの倫理的側面など、解決すべき技術的・社会的課題が存在します。行政が実証事業を支援することで、これらの課題を早期に明らかにし、適切なルール整備やガイドライン策定に繋げ、技術の健全な発展と社会実装を促進することを目的としています 3。 具体的なアクション 総務省は、XRデバイスの安全・快適利用に関する技術開発や実証を行う事業者を公募し、外部有識者等による審査を経て、採択事業者を決定しました。今後、採択された事業者は、総務省の支援のもとで実証実験を開始し、その成果を報告することになります 3。 行政側の意図 XRという新たな技術領域における潜在的なリスクや課題を、技術が社会に広く普及する前に把握し、先手を打って対応策を検討する意図があります。実証事業を通じて得られた客観的なデータや知見を、将来の政策形成や国際的な標準化活動に活かし、日本がXR技術分野で主導的な役割を果たすことも視野に入れていると考えられます 3。 期待される効果 実証事業を通じて、XRデバイスの安全性向上に資する新たな技術や評価手法が開発されることが期待されます。これにより、利用者が安心してXR技術を享受できる環境が整備され、関連産業の振興にも繋がります。また、行政サービスにおけるXR技術の応用可能性(例:仮想空間での窓口相談、災害シミュレーション、文化財のバーチャル展示など)の検討も進む可能性があります 3。 課題・次のステップ 各実証事業の成果を詳細に分析し、横断的な知見として集約することが重要です。特に、プライバシー保護、データセキュリティ、未成年者保護といった倫理的・法制度的課題への対応策を具体的に検討し、必要に応じてガイドラインや法制度の見直しに繋げていく必要があります。国際的な動向も踏まえた検討が求められます 3。 特別区への示唆 XR技術は、将来的には特別区の行政サービスにおいても、観光振興(バーチャルツアー)、教育(体験型学習)、都市計画(住民合意形成のための3Dシミュレーション)、防災(避難訓練)、文化施設の魅力向上など、多様な分野での活用が期待されます。総務省が進める実証事業の動向やその成果を注視し、将来的なXR技術導入の可能性、導入時の留意点、区民へのメリットなどを検討する上で重要な材料とすべきです。特に「安全で快適な利用環境の整備」という視点は、公共サービスへの応用を考える上で不可欠です 3。 総務管理 新宿区、令和7年第2回区議会定例会へ条例改正等議案を提出 概要 出典 新宿区 報道発表 ニュース概要 新宿区は、2025年6月10日に開会した令和7年第2回新宿区議会定例会(会期:6月10日~6月19日)に、複数の議案を提出したことを6月9日に発表しました。提出案件には、「新宿区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案」(議案第51号)、「新宿区特別区税条例の一部を改正する条例案」(議案第54号)、「新宿区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案」(議案第62号)などが含まれています 7。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 地方自治法等の法令改正への的確な対応、社会経済情勢の変化(例:働き方改革、税制改正)、区民ニーズの多様化、そして区政運営上の新たな課題への対応など、様々な要因に基づき、既存の条例や制度を適切に見直し、改正する必要があるためです。これにより、行政サービスの円滑な提供と区民福祉の継続的な向上を図ることを目的としています 8。 具体的なアクション 区長が、所管する事務について条例案、予算案、契約案件、その他の議決を要する事項を議案として取りまとめ、区議会に提出し、審議を求めます。今回の定例会では、職員の服務や給与、税制、手数料、福祉施設の設置、都市計画、契約締結など、多岐にわたる分野の議案が提出されています 8。 行政側の意図 区政の重要事項について、区民の代表である区議会の審議と議決を経ることで、政策決定プロセスの正当性と透明性を確保し、民主的な区政運営を実践する意図があります。条例改正等を通じて、区が目指す施策を法的な裏付けのもとに具体化し、計画的に推進していくことを目指しています 8。 期待される効果 提出された議案が可決・成立し、改正条例等が施行されることにより、関連する制度の改善や行政運営の効率化が図られます。例えば、職員の育児休業制度の改正(議案第51号)は、職員のワークライフバランス向上や人材確保に、特別区税条例の改正(議案第54号)は、国の税制改正(定額減税等)への対応や適切な税負担の実現に、地区計画関連条例の改正(議案第62号)は、良好な市街地環境の形成や地域の特性を活かしたまちづくりに、それぞれ寄与することが期待されます 8。 課題・次のステップ 区議会において、提出された各議案について十分な質疑応答と審議が行われ、適切な判断が下されることが重要です。議案が可決された後は、区民や関係事業者への速やかな周知徹底、施行に向けた準備(システム改修、様式変更、職員研修等)を円滑に進める必要があります 8。 特別区への示唆 新宿区が提出した議案群は、他の特別区においても共通する課題や、同様の法改正への対応が必要となるケースが多く含まれていると考えられます。特に、職員の育児休業制度の改正(議案第51号、国の法改正や人事院勧告等を受けた対応の可能性があります)、特別区税条例の改正(議案第54号、定額減税など全国的な税制変更への対応が含まれる可能性があります)、そして特定の地区計画に関連する建築制限条例の改正(議案第62号、地域の実情に応じたまちづくりの具体的手法として参考になります)などは、他区が自区の制度設計や政策立案を行う上で、具体的な条文内容や改正理由を精査し、参考にすべき点が多いでしょう。各議案の詳細は新宿区のウェブサイトで公開されているため 8、これらを確認することが有益です 8。 大田区、納税通知書における仮徴収税額の誤表示(非表示)と対応について発表 概要 出典 大田区 報道発表 ニュース概要 大田区は2025年6月10日、同日に発送した「令和7年度特別区民税・都民税・森林環境税納税通知書兼決定通知書」の一部において、令和8年度に公的年金から特別徴収される予定の税額(仮徴収税額)が表示されていなかったという誤りがあったことを発表しました。対象となる区民(45,608人)には、同日付で別途、正しい仮徴収税額を通知する文書を送付するとしており、原因調査と再発防止に努める方針です 9。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 行政事務の過程で発生した誤り(今回のケースでは納税通知書の重要な記載事項である仮徴収税額の表示漏れ)について、速やかに事実を公表し、影響を受ける区民に対して正確な情報を提供し訂正することにより、区民の混乱を最小限に抑え、行政への信頼が著しく損なわれることを防ぐためです。納税は区民の義務であり権利に関わる重要な事項であるため、透明性のある対応が不可欠です 9。 具体的なアクション 大田区は、誤表示の事実をプレスリリース等で速やかに公表しました。影響を受ける区民45,608人に対しては、正しい仮徴収税額を記載した別途の通知文書を同日付で発送する措置を講じました。並行して、誤表示が発生した原因について詳細な調査を開始し、判明次第、改善策を講じて再発防止に努めるとしています。なお、納税通知書に記載された税額自体に変更はないことも明示しています 9。 行政側の意図 行政の誤りに対して隠蔽することなく、透明性を確保し、迅速かつ誠実な情報訂正を行うことで、区民の不安や不信感を解消し、行政への信頼維持を図る意図があります。内部的には、今回の事案を教訓とし、通知書作成・発送プロセスにおけるチェック体制の不備などを洗い出し、同様のミスを繰り返さないための具体的な再発防止策を構築・徹底することが求められます 9。 期待される効果 対象となる区民に対して、正しい税情報が迅速に伝達されることで、納税に関する混乱や問い合わせの集中を防ぐことができます。また、行政が誤りを認め、真摯に対応する姿勢を示すことで、一時的に低下した信頼の回復に繋がることが期待されます。長期的には、業務プロセスの改善による行政事務の正確性向上と、同様の事案の再発防止による信頼性の確立が目指されます 9。 課題・次のステップ 誤表示が発生した根本原因の徹底的な究明と、それに基づく具体的な再発防止策の策定・実行が最優先課題です。システム上の問題か、人的なチェック体制の問題かなど、原因に応じた対策が必要です。また、区民からの問い合わせに対して、丁寧かつ分かりやすい説明を継続して行うとともに、今後の通知書作成においては、より厳格な確認手順を導入することが求められます 9。 特別区への示唆 納税通知書のような、区民の権利義務に直結する重要書類の作成・発送業務におけるチェック体制の重要性を改めて認識させる事案です。大田区のケース(対象者45,608人 9)は、一見小さな表示漏れであっても、多数の区民に影響を及ぼし、行政事務の信頼を揺るがしかねないことを示しています。他の特別区においても、同様のミスが発生しうる可能性を常に念頭に置き、通知書作成システムの検証、複数人による校正・確認プロセスの徹底、発送前サンプリングチェックの強化など、業務プロセスの総点検や多重的なチェック体制の構築・強化を検討すべきです。特にシステム改修時や制度変更時は注意が必要です 9。 まちづくり、インフラ整備政策 墨田区、新放置自転車等管理システム導入に係るプロポーザル実施を発表 概要 出典 墨田区 報道発表 ニュース概要 墨田区は2025年6月9日、区内における放置自転車等の発見から警告、撤去、保管、そして返却や処分に至るまでの一連の状況をリアルタイムで記録・共有し、管理業務全体の効率化を図るための「新放置自転車等管理システム」導入に向け、公募型プロポーザル方式により事業者を選定すると発表しました 10。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 放置自転車問題は、都市部における歩行空間の阻害、景観悪化、緊急車両の通行障害など、多岐にわたる問題を引き起こすため、効率的かつ効果的な対策が常に求められています。ICT技術を活用した新システムを導入することで、従来の人手に頼る部分が多かった管理業務を大幅に効率化し、情報のリアルタイム共有による迅速な対応を実現します。これにより、職員の業務負担を軽減し、より戦略的な対策や区民サービスの向上に繋げることを目的としています 11。 具体的なアクション 墨田区は、新システムの要求仕様(機能要件として、放置自転車等の発見・警告・撤去状況のリアルタイム共有、GPSによる位置情報管理、モバイル端末での画像保存・管理など 12)を策定しました。この仕様に基づき、最適なシステム及び導入・運用事業者を選定するため、企画提案能力や技術力、実績などを総合的に評価する公募型プロポーザルを実施します。参加表明書の提出期限は2025年6月13日、企画提案書の提出期限は6月23日と設定されています 11。 行政側の意図 競争性と透明性の高いプロポーザル方式を採用することで、コストパフォーマンスに優れ、かつ区の要求仕様を最も満たす最適なシステムと事業者を選定する意図があります。GPSやモバイル端末といった現代的な技術を積極的に活用し、放置自転車対策という現場業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、業務の質的向上を目指しています。また、SaaS形式のクラウド型サービス利用を想定しており 12、初期投資の抑制や柔軟なシステム運用も視野に入れていると考えられます。 期待される効果 システム導入により、放置自転車の発見から撤去までの時間が短縮され、迅速な処理が可能になります。保管状況(場所、期間など)が正確に把握できるため、区民からの問い合わせに対しても迅速かつ的確な対応が期待できます。また、蓄積されたデータ(放置多発エリア、時間帯など)を分析することで、より効果的な予防策や啓発活動の計画・実施に繋がり、放置自転車対策全体の高度化が図られるでしょう 12。 課題・次のステップ 提出される企画提案内容を、技術面、費用面、運用面など多角的に審査し、最も優れた事業者を選定することが当面の課題です。システム導入後は、実際の運用を通じてその効果を検証し、必要に応じて機能改善や運用方法の見直しを継続的に行う必要があります。また、職員への十分な研修と、新システムへの円滑な移行も重要となります 11。 特別区への示唆 放置自転車問題は、程度の差こそあれ多くの特別区で共通して抱える都市課題です。墨田区が導入を目指す新システムの仕様(リアルタイム情報共有、GPS活用による正確な位置情報把握、モバイル端末での画像管理、20万件規模のデータ管理能力、MDMや二要素認証といったセキュリティ要件など 12)や、事業者選定におけるプロポーザル方式の採用は、他の特別区が同様のシステム導入や既存システムの更新を検討する際に、非常に参考となる先進事例と言えます。特に、現場業務の効率化とデータに基づいた戦略立案を両立させようとするアプローチは、他区のDX推進においても示唆に富んでいます 10。 千代田区、神田警察通りの道路整備事業を発表 概要 出典 千代田区 報道発表 ニュース概要 千代田区は2025年6月10日、神田警察通りの道路整備事業に関する情報を発表しました。この事業は、当該道路の機能向上や環境改善を目的としていると考えられますが、具体的な事業目的、整備範囲、工事期間、詳細な整備内容等については、区の発表資料や関連ページで確認が必要です 13。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 一般的に道路整備事業は、当該道路の老朽化対策、交通安全性の向上(歩車分離、交差点改良、視距改善等)、交通の円滑化(渋滞緩和、アクセス向上)、歩行者空間の質の向上(バリアフリー化、緑化、休憩スペース設置)、都市景観の改善、あるいは沿道地域の活性化や防災機能の強化などを目的として行われます。神田警察通りという特定の通り名が付されていることから、地域特性を踏まえた計画であると推察されます。 具体的なアクション 千代田区が主体となり、道路整備計画を策定し、必要な調査・設計を行い、その後、工事等を実施するものと考えられます。事業の規模や内容によっては、関係機関(警視庁、電力・ガス等のインフラ事業者)との協議・調整や、地域住民・沿道事業者への説明会なども行われる可能性があります 13。 行政側の意図 計画的な都市インフラの維持更新・整備を通じて、区民や当該地域への来街者にとって、より安全で快適、かつ魅力的な都市環境を提供することを目指していると考えられます。これにより、地域の生活環境の質の向上、経済活動の活性化、ひいては区全体の魅力向上に繋げる意図があるでしょう。 期待される効果 整備内容によりますが、交通事故の削減、交通渋滞の緩和、歩行者や自転車利用者の安全性・快適性の向上、バリアフリー化の推進による誰もが利用しやすい道路空間の実現、良好な都市景観の形成、沿道のにぎわい創出などが期待されます。 課題・次のステップ 工事期間中における周辺地域への交通影響(迂回、渋滞等)や騒音・振動対策、工事ヤードの確保、関係権利者(土地所有者、店舗等)との調整や合意形成、必要な予算の確保、そして計画通りの円滑な事業進捗管理などが一般的な課題として挙げられます。事業完了後の効果検証も重要です。 特別区への示唆 道路整備は、都市機能の維持・向上に不可欠な基礎的な都市インフラ政策であり、各特別区において継続的に実施されています。千代田区の「神田警察通り」という特定の通り名を冠した整備事業は、その名称から歴史的背景や地域における重要性を鑑み、単なる機能回復に留まらない、地域特性を深く考慮した整備内容(例えば、景観配慮、歩行者優先空間の創出、地域イベントとの連携など)が含まれている可能性があります。他の特別区においても、それぞれの地域が抱える課題や魅力に応じた、きめ細やかな道路整備計画を策定・実施する上で、このような特定路線に着目した整備アプローチは参考になり得ます 13。 教育政策 目黒区、GIGAスクール構想におけるICT利活用支援業務委託事業者を公募 概要 出典 目黒区 報道発表 ニュース概要 目黒区は2025年6月10日、区立小・中学校全校に配置しているICT利活用支援員の業務について、令和7年12月からの業務委託事業者を公募型プロポーザル方式により選定すると発表しました。この取り組みは、GIGAスクール構想に基づき整備された学習用情報端末等の効果的な活用を促進し、学校教育におけるICT化を一層推進することを目的としています。契約期間は最大で令和9年度末までの2年4か月を予定しています 18。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 GIGAスクール構想によって全ての児童・生徒に1人1台の学習用情報端末が整備されましたが、これらのICT機器を学校現場で効果的に活用し、教育の質の向上に繋げるためには、教員への専門的なサポートが不可欠です。ICT利活用支援員を配置することで、教員のICTスキル向上、授業準備の負担軽減、そして児童・生徒の情報活用能力の育成を組織的に支援することを目的としています 19。 具体的なアクション 目黒区は、ICT利活用支援業務に関する仕様(支援員の業務範囲、配置体制、求められるスキル等)を定めた上で、公募型プロポーザル方式により専門的なノウハウを持つ外部事業者を選定します。選定された事業者は、契約に基づき区立の全小・中学校にICT利活用支援員を派遣し、授業支援、教員研修、トラブル対応などの業務を行います。応募受付期間は令和7年7月15日までとされています 19。 行政側の意図 ICT機器の操作や効果的な授業での活用方法、情報セキュリティ対策など、専門的な知識や技術が求められる分野において、外部の専門人材(支援員)を導入することで、教員がより安心してICT教育に取り組める環境を整備する意図があります。これにより、教員は授業内容の充実に専念でき、結果としてICTを活用した教育活動全体の円滑な推進と質の向上を目指しています 19。目黒区の「MEGUROスマートスクール・アクションプラン」 19 とも連動した動きと考えられます。 期待される効果 授業におけるICT活用が特別なものではなく日常的な活動として定着し、児童・生徒の学習意欲向上や、個別最適な学び、協働的な学びが一層深化することが期待されます。また、教員のICT指導に対する不安感が解消され、より多様な教育実践に挑戦しやすくなることも見込まれます。これにより、児童・生徒が情報社会を生き抜くために必要な資質・能力を効果的に育成できると考えられます 22。 課題・次のステップ 質の高いICT利活用支援員を安定的に確保し、各学校のニーズに応じて適切に配置することが重要です。また、支援員と教員間の円滑なコミュニケーションと連携体制を構築し、支援の効果を最大化する必要があります。定期的な活動報告やアンケート等を通じて支援効果を継続的に評価し、業務内容や配置計画の改善に繋げていくことも求められます 19。 特別区への示唆 GIGAスクール構想の成功は、整備されたハードウェア(端末やネットワーク)を、いかにソフトウェア面(教員の指導スキル、カリキュラム、効果的な支援体制)で支えるかにかかっています。目黒区が区立全校にICT利活用支援員を配置するという手厚い支援体制は、他の特別区がICT支援員の配置計画や業務委託の内容(例えば、支援員の業務範囲チェックリスト 19 など)を検討する上で、人員規模、契約形態、委託する業務範囲などの点で具体的な参考になるでしょう。専門業者への委託という形は、人材確保や専門性維持の観点からも有効な選択肢の一つです 19。 子育て、子ども政策 千代田区、夏休み期間中の小学校体育館開放事業を実施 概要 出典 千代田区 報道発表 ニュース概要 千代田区は2025年6月10日、区内の小学生を対象に、夏休み期間中に区立小学校の体育館を開放する事業を実施すると発表しました。この事業は、児童の安全な遊び場の確保や体力向上、異年齢交流の促進などを目的としていると考えられます 13。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 都市部では子どもたちが自由に体を動かせる場所が限られており、特に長期休暇中は、児童が安全に過ごせる居場所と運動機会の提供が重要となります。この事業は、児童の体力増進やストレス発散を促すとともに、地域社会との繋がりを育み、健全な成長を支援することを目的としています。 具体的なアクション 千代田区が、事業を実施する対象小学校を選定し、開放する具体的な日時や利用に関するルール(対象学年、持ち物、注意事項等)を設定します。また、安全管理体制(監視員の配置、保険加入等)を整備した上で、事業を運営・管理するものと推察されます 13。 行政側の意図 学校施設という既存の公共資源を有効活用することで、比較的低コストで効果的な子育て支援策を提供する意図があると考えられます。特に、共働き家庭など、日中に保護者が不在となる家庭の児童にとって、長期休暇中の安全な居場所としての役割も期待されます。 期待される効果 児童の体力向上や運動習慣の定着に繋がります。また、様々な学年の児童が一緒に遊ぶことで、社会性やコミュニケーション能力といった非認知能力の育成も期待できます。保護者にとっては、子どもが安全な環境で過ごせることによる安心感の向上にも寄与するでしょう。 課題・次のステップ 安全管理者の確保とその質の維持・向上が最も重要な課題です。また、夏休み期間中であるため、熱中症対策(空調設備の確認、水分補給の呼びかけ等)も不可欠です。利用ルールの周知徹底と、参加状況の把握、そして利用者からのフィードバックを元にしたプログラム内容の改善や、対象校の拡大検討などが次のステップとして考えられます。 特別区への示唆 小学校体育館の長期休暇中における開放は、多くの特別区で比較的実施しやすい子育て支援策の一つです。千代田区の取り組みは、特に都心部で外遊びの場所が限られがちな児童にとって、貴重な運動機会と交流の場を提供するものです。他の特別区においても、学校施設の有効活用という観点から、体育館だけでなく校庭や特別教室なども含めた多様な児童向けプログラム(スポーツ教室、文化活動、学習支援など)を展開する際の参考となり得るでしょう 13。 福祉政策 厚生労働省、介護人材確保のための専門委員会を設置し初会合開催 概要 出典 厚生労働省HP ニュース概要 厚生労働省は、社会保障審議会福祉部会の下に「福祉人材確保専門委員会」を新たに設置し、このほど初会合を開催したと、労働新聞社が2025年6月9日に報じました。この専門委員会では、介護分野における人材不足に対応するため、若者・高齢者・未経験者などを確保する具体的な方向性を今秋にもまとめる予定で、効果的なマッチング手法、業務の切り出し、キャリアアップ支援、外国人介護人材の定着支援、潜在介護福祉士の掘り起こしなどが議論されます 24。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 日本社会全体の急速な高齢化に伴い、介護サービスの需要は増大し続けていますが、一方で介護現場では深刻な人材不足が常態化しており、サービスの安定供給体制そのものが揺らぎかねない状況にあります。この危機的状況に対応し、質の高い介護サービスを持続的に提供できる体制を確保するため、国が主導して包括的かつ実効性のある人材確保策を策定・推進する必要があります 24。 具体的なアクション 厚生労働省は、社会保障審議会という公式な場に専門委員会を設置し、有識者、事業者団体、労働者代表、地方自治体関係者など、多様な立場からの意見を集約しながら、介護人材確保のための具体的な戦略を検討・策定します。検討項目には、魅力ある職場づくり、多様な人材層(若年層、中高年未経験者、元気な高齢者など)へのアプローチ、効果的な求人・求職マッチングシステムの構築、介護助手の導入などによる業務の切り分けと負担軽減、明確なキャリアパスの提示とキャリアアップ支援、外国人介護人材の受け入れ拡大と定着支援策の強化、そして資格を持ちながらも介護職に就いていない潜在介護福祉士の現場復帰支援などが含まれています 24。 行政側の意図 国の主導により、介護人材確保に関する包括的かつ中長期的な戦略を策定し、都道府県や市町村、公的機関、養成施設、そして介護サービス事業者といった関係主体それぞれの役割と責任を明確化することで、より実効性の高い対策を全国的に推進する意図があります。専門委員会の議論を通じて、現場の実態やニーズを踏まえた、地に足の着いた政策提言を目指していると考えられます 24。 期待される効果 専門委員会での議論を経て策定される具体策が実行に移されることで、介護分野への多様な人材の新規参入が促進されることが期待されます。また、介護職員の処遇改善、労働環境の向上、専門性の向上を通じたキャリアアップ支援などが進むことで、離職率の低下と定着率の向上が見込まれます。これにより、介護サービスの担い手が確保され、国民が安心して質の高い介護サービスを受けられる体制の維持・向上に繋がることが期待されます 24。 課題・次のステップ 専門委員会での議論を、今秋という比較的短い期間で具体的な政策提言として取りまとめることが最初の課題です。提言内容が総花的にならず、実効性と優先順位の高い施策に絞り込めるかが問われます。提言がなされた後は、それらを実現するための具体的な予算措置、必要な法制度の改正、そして地方自治体や事業者への周知と実行支援が次のステップとなります。特に、財源確保は大きな課題となる可能性があります 24。 特別区への示唆 介護人材の不足は、高齢化率が全国平均よりも高く、かつサービス需要が集中する特別区において、特に喫緊かつ深刻な課題です。国の専門委員会の動向を常に注視し、そこで示される新たな方向性や具体策を、速やかに各区の介護保険事業計画や高齢者福祉計画、介護サービス事業者への支援策などに反映させるための準備を進める必要があります。特に、外国人介護人材の円滑な受け入れと生活・就労支援、地域における潜在介護福祉士の掘り起こしと再研修プログラムの提供、介護職の魅力をPRする区独自のキャンペーン展開などは、特別区が主体的に取り組むべき重要な視点となるでしょう 24。 環境政策 千代田区、環境配慮行動宣言「ちよエコ未来企業/事業者宣言」キックオフイベント開催のお知らせ 概要 出典 千代田区 報道発表 ニュース概要 千代田区は2025年6月9日、区内に事業所を置く企業や事業者を対象に、自主的な環境配慮行動を促進するための新たな制度「ちよエコ未来企業宣言/ちよエコ未来事業者宣言」を開始するにあたり、そのキックオフイベントの開催を告知しました。この宣言制度は、事業者が環境負荷低減に向けた目標を設定し、その達成に向けて取り組むことを奨励するものです 13。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 地球温暖化対策や循環型社会の構築といった環境課題への対応は、行政の取り組みだけでは限界があり、地域社会の主要な構成員である企業・事業者の積極的な参画が不可欠です。この宣言制度は、事業者の自主的な環境配慮行動を促し、具体的な取り組みを「見える化」することで、地域全体の環境負荷低減と持続可能な社会の実現に貢献することを目的としています。 具体的なアクション 千代田区が、企業・事業者向けの環境配慮行動宣言制度(「ちよエコ未来企業宣言/ちよエコ未来事業者宣言」)を新たに創設し、参加する企業・事業者を募集します。その制度開始を広く周知し、多くの事業者の参加を促すために、キックオフイベントを企画・開催します。イベントでは、制度の趣旨説明、参加方法の案内、先行事例の紹介などが行われるものと推察されます 13。 行政側の意図 宣言という公的な意思表示の形をとることで、参加企業・事業者の環境問題に対する意識を一層高め、具体的な行動変容(省エネルギー化、再生可能エネルギー導入、廃棄物削減、グリーン購入の推進など)を促す意図があります。また、優れた環境配慮活動を行っている事業者を認定・表彰したり、その取り組み内容を広く公表したりすることで、他の事業者への波及効果や、企業の社会的評価(ESG経営等)の向上に繋げることも狙いの一つと考えられます。 期待される効果 参加事業所からの二酸化炭素排出量の削減、省エネルギー・再生可能エネルギー導入の促進、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進による廃棄物削減、そして事業者従業員の環境意識の向上が期待されます。これにより、区全体の環境パフォーマンス向上に貢献するでしょう。 課題・次のステップ 宣言制度への参加事業者数をいかに拡大していくか、そして宣言された内容が形式的なものに終わらず、実効性のある具体的な取り組みに繋がるよう、どのようなフォローアップやインセンティブを提供していくかが課題です。取り組み状況のモニタリング手法の確立や、定期的な成果報告・評価の仕組み、さらには参加事業者間の情報交換や連携促進の場の提供なども、次のステップとして検討されるべきでしょう。 特別区への示唆 オフィス街や商業集積地を多く抱える特別区にとって、地域内の企業・事業者との連携による環境政策の推進は極めて重要です。千代田区が導入する「宣言制度」は、事業者の自主性を尊重しつつ、具体的な環境行動を促すための有効な手法の一つとして、他の特別区も参考にできるでしょう。特に、制度開始にあたってキックオフイベントを開催し、広く周知と参加呼びかけを行う手法は、事業のスタートアップにおいて効果的です。各区の産業特性や事業者の規模に応じた、参加しやすい制度設計が鍵となります 13。 スポーツ政策 豊島区高齢者クラブ連合会、新方式でのボッチャ選抜大会を開催 概要 出典 豊島区高齢者クラブウェブサイト ニュース概要 豊島区高齢者クラブ連合会は、2025年6月9日(月曜日)に豊島体育館において「第8回・区高連ボッチャ選抜大会」を新方式で開催したと、6月10日にウェブサイトで報告しました。今大会は、各ブロックでの予選を勝ち抜いた選抜32チームが参加する形式で行われました 27。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 この大会は行政が直接主催するものではありませんが、高齢者の自主的な団体活動を支援することを通じて、高齢者の健康増進、介護予防、社会参加の促進、そして生きがいづくりに貢献することを目的としています。特にボッチャは、年齢や体力、障害の有無に関わらず誰もが参加しやすく楽しめるユニバーサルスポーツであり、高齢者のスポーツ活動として非常に適しています 27。 具体的なアクション 豊島区高齢者クラブ連合会が大会を主催し、企画・運営を行っています。豊島区は、豊島体育館という公的施設を会場として提供するなどの形で協力している可能性があります。大会は、各地域ブロックでの予選会を経て、選抜されたチームが本大会に出場するという、競技性を高めつつ参加の裾野も広げる「新方式」で実施されました 27。 行政側の意図 (豊島区が高齢者クラブ連合会の活動を支援する場合の意図として)高齢者の自主的かつ主体的な活動を尊重し、財政的支援や活動場所の提供などを通じてその活動を後押しすることで、地域における健康づくりや仲間づくりの輪を広げることを目指しています。ボッチャのような軽スポーツを通じた介護予防効果や、認知機能の維持・向上、社会的な孤立の防止といった効果にも期待していると考えられます 27。 期待される効果 大会への参加や練習を通じて、高齢者の体力維持・向上、認知症予防、そして閉じこもり防止に繋がることが期待されます。また、チームスポーツであるボッチャは、仲間とのコミュニケーションを促進し、地域コミュニティの活性化や新たな友人関係の構築にも寄与するでしょう。大会という目標を持つことで、日々の生活に張り合いが生まれる効果もあります 27。 課題・次のステップ より多くの高齢者にボッチャの魅力を伝え、大会への参加を促すための広報活動の強化が必要です。また、ボッチャの指導ができる人材の育成や、初心者向けの体験会の開催なども有効でしょう。将来的には、ボッチャ以外の多様なスポーツへの展開や、世代間交流を目的としたイベントへの発展なども考えられます。大会運営の担い手確保も継続的な課題です 27。 特別区への示唆 ボッチャは、高齢者や障害を持つ方々にとって、身体的な負担が少なく、戦略性も楽しめるため、健康増進、リハビリテーション、そしてインクルーシブな社会参加を推進する観点から非常に有効なスポーツです。豊島区の高齢者クラブ連合会による活発な活動は、他の特別区が高齢者向けのスポーツ振興策や、関連団体への支援方法を検討する上で、大いに参考になる事例です。特に、予選を経て本大会を行うという「新方式」の導入は、大会の活性化や参加者のモチベーション向上に繋がる工夫として注目されます。各区の実情に合わせて、このような地域主体の活動を支援していくことが望まれます 27。 防災政策 日本医療政策機構(HGPI)、「災害級の暑さ」への備えを骨太の方針2025に盛り込むべきと政策提言 概要 出典 日本医療政策機構(HGPI) ニュース概要 独立系民間シンクタンクである日本医療政策機構(HGPI)は、2025年6月9日、「災害級の暑さ」への備えを政府の「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)」に明記するよう求める政策提言を発表しました。提言では、熱中症などの気候変動起因の災害リスクを災害対策の中心課題として再定義し、高齢者や地域の脆弱層への支援・アラート体制の強化、医療施設の強靭化(耐震・脱炭素・再生可能エネルギー対応)などを求めています 28。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 (これは民間シンクタンクの提言ですが、行政がこれを受ける場合)近年の猛暑は、熱中症による健康被害や死亡事例を多発させ、従来の「夏の暑さ対策」というレベルを超え、人命に関わる「災害」としての側面を強めています。気候変動の影響が深刻化する中、行政としてこの新たな災害リスクに正面から向き合い、国民の生命と健康を守るための包括的かつ強力な対策を講じる必要性が高まっているためです。 具体的なアクション HGPIの提言するアクションには、熱中症等のリスクを災害対策基本法等における災害と明確に位置づけること、高齢者や基礎疾患を有する者、屋外労働者、子どもといった脆弱層を対象とした具体的な避難計画や支援策、早期警戒アラートシステムを強化すること、そして医療機関が災害時にも機能し続けられるよう、耐震化や自家発電設備の整備、脱炭素化を進め、災害対応型ヘルスケア拠点へと転換することなどが含まれています 28。 行政側の意図 (行政がこの提言を政策に反映させる場合の意図として)「災害級の暑さ」という新たな脅威に対して、従来の縦割り行政の枠を超え、防災、医療、福祉、環境、都市計画など、多分野にまたがる横断的な政策フレームを構築し、社会全体のレジリエンス(強靭性)を高めることを目指すものと考えられます。プラネタリーヘルスの視点 28 も取り入れ、環境・健康・経済の統合的なアプローチを重視する姿勢が伺えます。 期待される効果 「災害級の暑さ」に対する社会全体の危機意識が向上し、予防策や早期対応が徹底されることで、熱中症による重症者や死亡者の大幅な削減が期待されます。また、脆弱層へのきめ細やかな支援体制が整備されることで、誰一人取り残さない暑さ対策が実現します。医療施設の強靭化は、猛暑時だけでなく、地震や風水害など他の大規模災害時における医療提供体制の維持にも貢献します 28。 課題・次のステップ 提言内容を国の「骨太の方針」や具体的な防災計画、健康増進計画等にどのように落とし込み、実効性のある施策として展開していくかが課題です。そのためには、関係省庁間の連携強化、地方自治体への財政的・技術的支援、そして国民一人ひとりへの啓発活動が不可欠です。気候変動の進行予測を踏まえた、中長期的な視点での対策の継続も求められます。 特別区への示唆 ヒートアイランド現象が顕著な特別区にとって、「災害級の暑さ」への対策は極めて重要な政策課題です。HGPIの提言は、各区が策定する地域防災計画や健康増進計画等を見直す上で、多くの示唆を与えてくれます。特に、高齢者や単身世帯が多い都市部特有の脆弱性に対応した避難誘導体制の構築、一時避難所としてのクーリングシェルターの指定・運営方法の具体化、地域医療機関との連携による救急搬送体制の強化、そして緑化推進や保水性舗装といった都市環境対策との連携などが求められます。この提言は、従来の熱中症対策から一歩踏み込み、暑さを「災害」と捉え直すパラダイムシフトの必要性を示しており、特別区の防災担当者や健康福祉担当者は、この視点を強く意識すべきです 28。 健康、保健政策 目黒区、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」及び「あはき・柔整広告ガイドライン」について周知 概要 出典 目黒区 報道発表 (具体的な周知内容ページへの直接リンクは、目黒区HPの新着情報「6月10日 「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」について」及び「あはき・柔整広告ガイドラインについて」から確認が必要です) ニュース概要 目黒区は2025年6月10日、区内の医療機関(病院、診療所)および、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の施術所に対し、それぞれ厚生労働省が定める広告ガイドラインの遵守徹底を改めて求める情報をウェブサイト等で公開しました。不適切な広告による区民の誤認を防ぎ、適切な受療行動を支援することが目的です 18。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 医療や施術に関する広告は、国民・区民が医療機関や施術所を選択する上で重要な情報源ですが、虚偽・誇大な広告や、科学的根拠の乏しい情報を基にした広告は、患者・利用者の適切な受療機会を阻害し、健康被害に繋がる恐れもあります。行政(保健所設置区である特別区)には、医療法やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律等に基づき、これらの広告を監視・指導し、区民の健康と安全を守る責務があります。 具体的なアクション 目黒区(保健所)が、厚生労働省策定の「医療広告ガイドライン」および「あはき・柔整広告ガイドライン」の主なポイントや注意すべき事項を改めて整理し、区内の医療機関や施術所の開設者・管理者に向けて、ウェブサイト掲載や通知等の方法で周知徹底を図っています。違反が疑われる広告に関する情報提供窓口の案内なども行っている可能性があります 18。 行政側の意図 医療機関や施術所側の広告ガイドラインに対する理解を深めさせ、自主的な広告内容の適正化を促す意図があります。これにより、不適切な広告が未然に防止されること、また、万が一不適切な広告が発見された場合には、円滑な指導・是正措置に繋げることを目指しています。最終的には、区民が正確な情報に基づいて医療機関等を選択できる環境を整備することが狙いです。 期待される効果 医療広告や施術所広告の適正化が進み、虚偽・誇大広告による区民の健康被害や不利益が防止されることが期待されます。また、医療機関等が提供する情報の信頼性が高まり、区民が安心して医療サービスや施術を選択できるようになるでしょう。 課題・次のステップ ウェブサイトやSNSなど、広告媒体の多様化・複雑化に伴い、全ての不適切広告を網羅的に監視・把握することの難しさがあります。継続的な監視体制の強化と、違反広告に対する迅速かつ厳正な指導・是正措置の実施が課題です。また、医療機関や施術所、広告代理店等へのガイドラインに関する啓発活動の継続も重要です。 特別区への示唆 医療広告の適正化は、区民の健康保護に直結する重要な行政課題です。目黒区の取り組みは、ガイドラインの周知徹底という基本的ながらも不可欠な活動を示しています。他の特別区においても、定期的な注意喚起や、新規開設医療機関・施術所への説明会実施、区民からの情報提供窓口の設置と適切な対応など、広告ガイドラインの遵守を促すための継続的な取り組みが求められます。特に美容医療や自由診療分野など、不適切広告が問題となりやすい領域への監視強化も検討すべきでしょう 18。 千代田区、令和7年7月実桜の会(千代田区認知症本人ミーティング)開催のお知らせ 概要 出典 千代田区 報道発表 (具体的な開催案内ページへの直接リンクは、千代田区HPの新着情報「6月9日 令和7年7月実桜の会(千代田区認知症本人ミーティング)開催のお知らせ」から確認が必要です) ニュース概要 千代田区は2025年6月9日、認知症の診断を受けた本人たちが主体的に集い、日頃の思いや経験、工夫などを語り合い、情報交換や交流を行う場である「実桜の会(みおのかい)」(千代田区認知症本人ミーティング)の令和7年7月度の開催について告知しました 13。 政策立案の示唆 この取組を行政が行う理由 認知症施策において、ご本人の意思や希望を尊重し、その人らしい生活が継続できるよう支援することが基本です。認知症本人ミーティングは、当事者が自らの体験や思いを安心して語れる場を提供し、ピアサポート(当事者同士の支え合い)による孤立感の軽減や自己肯定感の向上を促します。また、当事者の生の声を行政が直接聴取し、今後の認知症施策や地域づくりに活かしていくことも重要な目的です。 具体的なアクション 千代田区が、認知症本人ミーティング「実桜の会」の開催を支援しています。これには、会場の提供、運営の補助(ファシリテーターの派遣や事務的サポート等)、そして開催情報の広報活動などが含まれると考えられます。重要なのは、ミーティングの運営自体は、可能な限り認知症のご本人たちが主体的に関わることができるよう配慮されている点です 13。 行政側の意図 認知症になっても、本人の意思が尊重され、希望を持って自分らしく暮らし続けることができる「共生社会」の実現を目指すという、国の認知症施策の大きな方針に沿った取り組みです。当事者のエンパワーメント(力を引き出すこと)とQOL(生活の質)の向上を図るとともに、認知症に対する社会全体の理解を深めることも意図していると考えられます。 期待される効果 参加する認知症のご本人にとっては、同じ立場の人と気兼ねなく話せることで、不安や悩みが軽減されたり、前向きな気持ちになれたりする効果が期待されます。また、他の人の経験を聞くことで、生活上の工夫や新たな気づきを得ることもできます。これにより、孤立の防止、自己肯定感の向上、そして地域社会への参加意欲の向上が見込まれます。行政にとっては、当事者のニーズを直接把握できる貴重な機会となります。 課題・次のステップ より多くの認知症のご本人にミーティングの存在を知ってもらい、気軽に参加してもらえるような工夫(周知方法の多様化、参加しやすい雰囲気づくり等)が必要です。また、ミーティングが継続的に運営されるための支援体制の確保や、ファシリテーターの育成も課題です。さらに、ミーティングで出された当事者からの意見や要望を、具体的に区の認知症施策や関連サービスにどのように反映させていくか、そのプロセスを明確にし、実行していくことが求められます。 特別区への示唆 認知症本人ミーティングの開催は、当事者主体の支援として、また当事者の声を政策に反映させるチャンネルとして、非常に重要な取り組みです。千代田区の「実桜の会」の継続的な開催は、他の特別区が同様の会議を新たに設置したり、既存の取り組みを拡充したりする際の参考となるでしょう。特に、当事者が安心して発言でき、その意見が尊重される運営方法や、ミーティングで得られた情報を区の認知症地域支援計画や具体的なサービス改善に繋げる仕組みづくりは、各区の認知症施策の質を向上させる上で不可欠な視点です 13。 #02 社会経済状況#05 特別区(23区)#08 SDGs・環境#09 DX#10 総務#11 防災#14 子育て・こども#15 教育#16 福祉#17 健康・保健#20 スポーツ・文化#21 まちづくり・インフラ整備#91 取組#99 その他 ABOUT ME 行政情報ポータルあらゆる行政情報を分野別に構造化行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。