04 東京都

【東京都】東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プラン(令和8年3月改訂)

masashi0025

はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

概要

 東京都は令和8(2026)年3月、次世代育成支援法及び女性活躍推進法の改正、並びにこれまでの取組実績を踏まえ、東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プランを改訂しました。計画期間は令和8年4月から令和13年3月までの5年間で、「生活と仕事との両立支援」「働き方改革」「キャリア形成促進」の三本柱を軸に、全職員のウェルビーイング向上と都民サービスの質的向上を両立させることを目指す計画です。最大の注目点は、男性職員の育業(育児休業)取得率が令和6年度に99.3%・1週間以上取得率98.4%と目標を前倒し達成した一方、次のステージとして「1か月以上95%」という質的深化目標を設定したこと、介護と仕事との両立支援のパッケージ化、生成AIを含むBPR(業務プロセス再エンジニアリング)徹底による超過勤務縮減、さらに女性管理職比率の令和12年25%達成目標の明示にあります。東京都特別区においても本プランの数値データと施策設計は、自区の特定事業主行動計画見直しや職場環境整備政策の立案に直結する参照事例として高い有用性を持ちます。


概要(エグゼクティブサマリー)

 東京都は本プランを、次世代育成支援法第19条及び女性活躍推進法第19条に基づく特定事業主行動計画として法的に位置づけており、知事部局・公営企業局等の各任命権者が連名で策定する形式をとります。改訂にあたっては、令和6年5月の次世代育成支援法改正(超過勤務の数値目標設定義務化)、令和7年6月の女性活躍推進法改正(女性の健康課題への配慮の明確化)、育児・介護休業法改正(令和6年5月)という三つの法改正が直接の契機となっており、制度対応と実態改善を一体的に推進する体制が整備されています。

 主な数値成果として、男性職員の育業取得率はR3年度42.5%からR6年度99.3%(1週間以上取得率98.4%)へ急伸しました。テレワーク総合満足度は2022年度調査61%から2025年度調査79%へ18ポイント向上し、行政専門職選考合格者数は過去5年平均(R1〜R5)24人からR7年度選考で64人(約2.5倍)に急増しています。一方、超過勤務時間はR3年度15.6時間→R4年度16.8時間→R5年度17.2時間→R6年度17.1時間と下げ幅が緩やかで課題が残り、女性管理職比率もR7年18.4%と目標25%(令和12年)に向けた底上げが急務です。


意義

「量」から「質」へ──育業定着の次のステージ

 男性育業を「取るか取らないか」から「どれだけ取るか」へ転換した点は、本プラン改訂の本質的な意義といえます。前プランの目標「令和7年度・1週間以上90%」を令和6年度に98.4%で早期達成した東京都は、新目標を「1か月以上95%」と設定し、育業の実質的な家庭関与時間の確保を追求しています。国(令和6年度)の1か月超取得者割合が約51%にとどまる中、東京都では約78%が1か月超を取得しており、育業の平均取得期間でも都職員男性4.7か月に対して国2.6か月と大幅に上回る実績を示しています。この差は制度整備だけでなく、職場文化変革の継続的取組によるものであり、特別区を含む他の地方公共団体にとって「何ができているか」ではなく「どこまでやるか」を問う政策的な問いを提示しています。

介護問題への本格着手

 令和7年度に実施した都職員介護実態調査では、回答者の20.1%が「現在介護中」と回答し、39.3%が「将来的には介護の可能性あり」、14.6%が「近い将来介護の予定あり」と答えました。さらに、79%(「非常に不安」23%+「不安」56%)が仕事との両立に不安を感じており、その理由として「時間の調整」86%、「職場の理解」52%が上位を占めています。こうした実態調査に基づき、介護時間の上限撤廃(利用開始から3年を上限→上限撤廃)、介護休暇承認期間の延長(連続6か月→連続1年)、テレワーク実施場所の拡大(介護のための宿泊先でも可)、業務代行職員への特別給(勤勉手当)加算という四つを柱とする「都庁 介護両立支援パッケージ」を令和8年度から実施する点は、介護問題を職場政策として本格的に制度化した先進的な取組です。

AI・BPRを活用した働き方の変革

 都職員への調査では、文章生成AIの利用により仕事の効率が「大幅にあがる」「あがる」と回答した職員の合計が66%に達し、業務の質が向上したと感じる割合も63%に及んでいます。都は「東京都AI戦略」(令和7年7月策定)に基づき、生成AIによる規程検索・要約・申請書の一次判断支援を進めるとともに、令和8年4月からはAI関連育成プログラムを全庁展開します。これはデジタル人材の内製化という行政組織変革の観点でも重要な意義を持ちます。


歴史・経過

プラン策定の沿革

 東京都における職員のライフ・ワーク・バランス推進は、平成27年3月の「東京都職員ワーク・ライフ・バランス推進プラン」策定を出発点とします。その後、政府・社会全体での「働き方改革」議論の加速を受け、平成29年1月には生活を仕事より先に置く「ライフ・ワーク・バランス」という概念を明示した新たなプランへ切り替え、令和3年3月に初回改訂を行いました。今回の令和8年3月改訂は、三つの関連法改正(次世代育成支援法・女性活躍推進法・育児介護休業法)という法制度上の外圧と、これまでの取組実績の蓄積という内発的要因が重なった、いわば「第三フェーズ」への移行といえます。

主要取組の年表

 平成28年には全管理職による「イクボス宣言」開始と都庁内保育所「とちょう保育園」の開設が重なり、職場文化の変革と物理的環境整備が同時に動き出しました。平成29年には本庁職場への時差勤務導入(9種類の勤務時間帯)とマネジメント・レビューの導入が行われ、平成30年にはフレックスタイム制の本庁職場展開とパパ職員育児参加応援プロジェクトの開始が実現しました。令和元年には在宅勤務型テレワークの本格実施と超過勤務命令上限時間・勤務間インターバルの設定が始まり、令和3年には時差勤務・フレックスタイム制の全庁展開(出先事務所含む)が実現します。令和4年には東京デジタルアカデミーの開講、令和6年には行政専門職選考の対象年齢緩和・女性管理職向け研修新設が行われ、令和7年にはフレックスタイム制を活用した週休3日の導入、子育て部分休暇(小学校1〜3年生の子を持つ職員対象)の新設が実現しました。


現状データ

男性育業取得率の急伸

 都職員男性の育業取得率は、令和2年度33.6%→R3年42.5%→R4年55.4%→R5年86.6%→R6年99.3%と、4年間で約66ポイントの急伸を示しました。同時期の国の推移がR4年72.6%→R5年80.9%→R6年85.9%、民間がR4年17.1%→R5年30.1%→R6年40.5%であることと比較すると、都職員の伸びが突出しています。1週間以上取得率もR5年83.9%からR6年98.4%へ14.5ポイント上昇し、前プラン目標「R7年度90%」を1年前倒しで達成しました。ただし、育業取得期間の分布を見ると、男性職員の21.8%は依然として「1か月以下」にとどまり、平均取得期間の男女差(都職員男性4.7か月・女性16.4か月)は根強く残っています。1か月未満しか取得しない男性職員が取得しない理由として「業務都合」が28%、「他の休暇等で対応」が25%を占めており、職場環境のさらなる改善が必要な状況です。

介護実態の数値

 令和7年度の都職員介護実態調査では、現在介護中が20.1%、過去に介護経験がある者が15.3%、近い将来介護の予定がある者が14.6%、将来的には可能性があると答えた者が39.3%に上り、「介護の経験も予定も一切ない」のは19.8%にすぎません。職場の組織的サポートへの満足度は「非常に満足」2%・「おおむね満足」49%の計51%で、「やや不満」36%・「非常に不満」13%の合計49%とほぼ拮抗する水準です。介護両立支援制度の理解度調査では、介護時間・介護休暇・短期の介護休暇いずれも「制度を理解している」割合が50%を下回っており、制度の存在周知すら不十分な実態が明らかになっています。

働き方改革の数値

 超過勤務時間(一人当たり月平均)はR3年15.6時間→R4年16.8時間→R5年17.2時間→R6年17.1時間と、一時的に増加した後に微減に転じましたが、本庁職場に限定するとR4・R5年度ともに26.5時間、R6年度25.9時間と依然として高い水準です。同時期の民間(事業所規模30人以上、パートタイム労働者除く)がR6年14.6時間であることと比較すると、本庁職場の超過勤務は民間の約1.8倍に相当します。年次有給休暇の平均取得日数はR4年16.0日→R5年17.3日→R6年17.1日と目標の15日を上回る水準を維持しており、民間(R6年12.1日)を大きく上回っています。テレワーク実施率は2025年7月時点で45.2%に達しています。

女性活躍・キャリア形成の数値

 女性管理職比率は平成28年当時16.9%から継続的に上昇し、R6年18.3%→R7年18.4%となりましたが、目標とする令和12年25%への道のりはなお遠い状況です。全職員に占める女性比率はR7年35.9%であり、管理職比率との差がそのまま組織内の構造的格差を示しています。一方、管理職選考合格者に占める女性割合は、R5年度選考14.4%→R6年度選考24.2%(約10ポイント増)→R7年度選考25.2%と着実に上昇しており、将来の管理職候補者プールにおける女性比率は明確な改善傾向にあります。女性の管理職選考受験率もR3年5.0%からR7年6.3%へ上昇しています。行政専門職選考合格者数はR1〜R5年度平均24人からR7年度選考で64人と約2.5倍に拡大しました。採用者に占める女性比率はR4年度49.5%→R5年度41.9%→R6年度42.9%と推移しています。令和6年度の男女の給与差異(男性を100とした場合の女性の割合)は全職員89.7%で、任期のない常勤職員92.5%、役職段階別では課長代理級96.3%・課長級100.5%・部長級104.2%・局長級100.9%となっています。


政策立案の示唆

この取組を行政が行う理由

法的義務と使用者責任

 特定事業主行動計画の策定・公表は次世代育成支援法及び女性活躍推進法により法定義務として課されており、超過勤務の状況把握と数値目標設定は令和6年の法改正により義務化されました。公共部門の雇用主として職員の健康保持・安全配慮義務を果たすことは、雇用主としての基本的な責務です。

人口・労働力の構造的変化への対応

 生産年齢人口の減少が加速する中、行政需要は多様化・複雑化・困難化しており、限られた人員で高い成果を求める圧力が高まっています。人材を確保・定着させるためには、ライフ・ワーク・バランスの充実が不可欠な採用競争力の源泉となっています。都内民間企業の男性育業取得率が54.8%(令和6年度調査)にとどまる中、都職員が99.3%という実績を持つことは、公共部門としての採用ブランド構築に直結しています。

模範・先導機能

 東京都が率先して取り組む姿勢は、都内民間企業への波及効果を意図したものでもあります。都が「都庁版ABW」「育業」「イクボス宣言」などを制度化・文化化し、その実績を対外的に発信することで、東京都全体の職場環境水準の底上げを目指す政策意図があります。

行政側の意図

職員のウェルビーイング向上と都民サービスの連動

 本プランが明示する論理構造は「ライフの充実とワークの充実の好循環が職員のウェルビーイングを高め、都民サービスの向上につながる」というものです。職員の離職防止・欠勤低減・エンゲージメント向上が、そのまま行政サービスの質と安定性に反映されるという因果関係を行政が明示的に認識していることは、職員政策と市民政策を一体で設計するという先進的なアプローチを示しています。

DX・AI活用による生産性向上の組織内実践

 都が推進する「東京都AI戦略」(令和7年7月策定)を庁内の働き方改革と一体化させ、文章生成AIの活用事例集の展開、AI関連育成プログラムの全庁展開(令和8年4月〜)を通じて、行政組織内でのデジタル変革を先行実施する意図が明確です。これは都民向けのDX政策に先立つ行政内部からの変革という戦略的な意義を持ちます。

期待される効果

育業取得の質的向上による家庭内変化の促進

 男性の育業取得率99.3%という高水準を維持しつつ、取得期間を「1か月以上95%」へ引き上げることで、実質的な家庭内育児分担の変容が期待されます。育業中の業務代行職員への特別給(勤勉手当)加算(令和8年度〜)という新施策は、周囲の職員の協力を「組織として評価する」仕組みであり、職場全体を育業に向けた合理的な体制へ変えていく構造的効果をもたらします。

介護離職の防止と組織継続性の確保

 介護実態調査が示す通り、現在介護中の職員が20.1%、今後介護が見込まれる職員まで含めれば実質的に約80%超の職員が介護と何らかの関係を持ちます。介護時間の上限撤廃・介護休暇の延長・テレワーク場所の拡大という制度面の充実に加え、プッシュ型の制度周知、職員交流の場の創出というソフト面の強化を組み合わせた「都庁 介護両立支援パッケージ」は、介護を「個人の問題」から「組織で支える課題」へと再定義する効果を持ちます。

超過勤務縮減と業務品質の同時実現

 テレワーク満足度79%・勤務時間制度満足度75%という高水準を示しながらも、月平均17.1時間(本庁25.9時間)の超過勤務が残存するという実態は、制度整備だけでは不十分であり、BPRの徹底とAI活用による仕事の中身の変革が不可欠であることを示します。ECRS(なくせないか・合体できないか・再編成できないか・簡素化できないか)の視点に基づく業務見直しを各局で計画的に推進することが、今後の超過勤務縮減の核心となります。

女性管理職比率向上と組織力強化

 行政系の管理職に占める女性職員の割合を令和12年までに25%とする数値目標は、「2050東京戦略」における2035年30%という長期目標へのステップとして設定されています。管理職選考合格者の女性割合が既に25.2%(R7年度選考)に達しており、将来の管理職候補は着実に増えています。昇任のタイミングを出産・育児等のライフプランに合わせて選択できる制度(令和8年4月〜)、キャリア・メンター制度の全庁展開、健康管理休暇(旧生理休暇)の時間単位取得可能化等が組み合わさることで、管理職への実際の昇任において女性が直面する各種障壁の除去が進む効果が期待されます。

課題・次のステップ

男性育業の長期化と職場マネジメントの深化

 育業取得率99.3%という数字の裏側には、依然として「1か月以下」の短期取得が21.8%存在するという質的課題があります。育業期間が1か月未満となる理由として「業務都合」が28%を占める現実は、個人の意識改革だけでは解決できない職場体制の課題を示しており、イクボス手帳を活用した所属長との面談・育業等プランニングシートの活用・代替要員確保(臨時的任用職員・人材派遣)の三位一体の取組を徹底させることが次のステップです。

介護制度の認知度向上と利用文化の醸成

 介護両立支援制度の「制度を理解している」割合が主要制度で50%を下回るという調査結果は、制度整備から制度活用への橋渡しが最大の課題であることを示しています。育児と異なり介護事情を職場に明かす職員が少ない傾向、「頻繁に休むと職場に迷惑がかかる」という心理的障壁は、制度周知を強化するだけでは解消されません。介護に関する職員同士のオンライン交流の場の創出(ポータルサイト活用)、定期面談での介護事情の有無確認(プッシュ型アプローチ)という行動変容を促す仕掛けが、課題解決のカギとなります。

超過勤務縮減の数値目標設定と実行管理

 本プランで設定した超過勤務の数値目標は「毎年、前年度実績以下」という相対的目標にとどまっており、絶対水準の設定が今後の課題です。次世代育成支援法改正により超過勤務の状況把握と数値目標設定が義務化されたことを踏まえ、BPRの取組目標設定→AI活用→効果測定→PDCAという管理サイクルを全局横断的に機能させる体制構築が不可欠です。特に本庁職場の月平均25.9時間という水準は民間の14.6時間と比較して約1.8倍であり、抜本的な業務量の見直しなくして継続的縮減は困難です。

女性管理職比率と登用プロセスの継続強化

 全職員の女性比率35.9%に対して管理職比率が18.4%という現状は、管理職昇任プロセスに構造的な課題が存在することを示しています。家庭との両立への不安、専門性を生かしたいという志向が受験回避の主な理由として挙がっており、こうした不安を実態データと先輩職員の声で解消する「キャリア・メンター制度」の継続・拡充が重要です。また、採用時点で女性比率が42〜49%であるにもかかわらず上位職層での女性比率が低下する構造は、育児・介護期における管理職候補からの離脱を防ぐための継続的な支援(昇任タイミング選択制度等)と並行して、評価・登用プロセスそのものの公平性の継続的検証も求められます。

特別区への示唆

特定事業主行動計画の見直し時期と法改正対応

 令和6年次世代育成支援法改正により、計画策定・変更時には超過勤務時間の状況把握と数値目標設定が特定事業主に義務付けられました。令和7年女性活躍推進法改正では女性の健康上の特性への配慮が法定化されています。特別区においても自区の特定事業主行動計画を速やかに点検し、これら法改正対応が組み込まれているかを確認するとともに、計画見直しの際には東京都のプランを先行事例として具体的な数値目標設定の参考にすることが有効です。

男性育業促進の三段階アプローチの移植

 東京都が99.3%という高取得率を達成した背景には、管理職の「イクボス宣言」(職場宣言による規範設定)、「育業等プランニングシート」(面談ツールによる個別対話)、代替要員確保の制度化(組織的な業務継続担保)という三段階の仕組みが機能しています。特別区においても、管理職研修へのLWB推進内容の組み込み、人事担当部署による取得勧奨の制度化、会計年度任用職員等を活用した代替要員ルールの明確化という実践的な取組の水平展開が可能です。

介護実態把握から始まる政策立案

 東京都が令和7年6月に職員介護実態調査を実施し、その結果(現在介護中20.1%、仕事との両立への不安79%等)を「都庁 介護両立支援パッケージ」の政策根拠として活用したプロセスは、特別区の政策立案においても重要な示唆を与えます。自区の職員実態調査を通じて介護中職員の割合・利用している制度・感じる困難を把握し、それをエビデンスとして休暇制度の改正・周知体制の強化・職場環境整備を一体で推進するというサイクルの構築が急務です。

生成AI活用の庁内先行実施

 「文章生成AIの利用により業務効率が向上した」と回答した職員が66%に達した都の実績は、AI活用が単なる技術導入ではなく職員の働き方を実質的に変える手段として機能することを示しています。特別区においても、生成AI活用の業務ガイドライン整備・職員向け活用事例集の作成・AI関連研修の段階的展開を通じて、超過勤務縮減と業務品質向上の同時実現を図る戦略的アプローチが有効です。

女性の健康課題を職場政策として扱う視点

 令和7年女性活躍推進法改正による「ヘルスリテラシー向上・相談体制整備」の義務化を受け、東京都は生理休暇の「健康管理休暇」への名称変更(取得の心理的障壁軽減)と時間単位取得の導入(令和8年4月〜)を具体化しました。特別区においても、健康管理休暇等の制度の周知浸透度を調査し、取得しやすい環境整備(管理職・同僚への理解促進、時間単位取得の可能化)を進めることが、女性職員の定着・活躍促進と職場環境の法的適合性の双方から求められます。


まとめ

 東京都職員「ライフ・ワーク・バランス」推進プランの令和8年改訂は、平成27年の初策定から約10年を経て、制度の「整備」から「浸透・深化」へとフェーズが移行したことを明確に示すものです。男性育業取得率99.3%・テレワーク満足度79%・行政専門職合格者約2.5倍増という実績は、継続的な制度改善と職場文化の変革が確実に成果をもたらすことを証明しており、東京都が大規模行政組織として「継続的な取組が変化をもたらす」という事実を数字で示しています。

 しかし同時に、本庁職場の月平均超過勤務25.9時間(民間比較約1.8倍)、女性管理職比率18.4%(全職員女性比率35.9%との格差)、介護支援制度の認知率50%未満という課題も厳然として存在しており、プランの理念と現場の実態との間には依然として大きな距離があります。特に介護の問題は、今後の高齢化の加速に伴い規模と深刻度が急速に増すことが確実であり、「現在介護中」の職員が既に20.1%という事実は、介護を「特殊な事情」ではなく「通常の業務運営の前提」として組織設計に組み込む発想の転換を迫っています。

 東京都特別区においては、本プランを単なる参照事例としてではなく、自区の特定事業主行動計画の実効性を高めるための具体的な政策設計の素材として活用することが求められます。数値目標の設定・実態調査の実施・支援制度のパッケージ化・管理職のマネジメント改革・AI活用による業務改革という五つの柱は、組織の規模や職場特性に応じた形で移植可能です。職員のウェルビーイングの向上が都民・区民サービスの質の向上に直結するというこのプランの根本的な視座は、行政組織の持続可能性を考える上での普遍的な原則として、全ての地方公共団体が共有すべき指針といえます。


\公務員をサポートする完全マニュアル/
【財政課】債務負担行為 完全マニュアル
【財政課】債務負担行為 完全マニュアル
\調べ物をするならまずココ/
行政用語集
行政用語集
\気になる財政課の仕事と転職事情/
公務員のお仕事図鑑(財政課)
公務員のお仕事図鑑(財政課)
\誰しも気になる持ち家vs賃貸/
公務員のための住居の話(持ち家vs賃貸)
公務員のための住居の話(持ち家vs賃貸)
\自分と周囲を守るために知っておこう/
公務員のためのクレーム対応・カスハラ対応講座
公務員のためのクレーム対応・カスハラ対応講座
\ウェルビーイング改善に向けた新たな動き/
公務員の副業・兼業
公務員の副業・兼業
\インフレの波を乗りこなし、周囲と差をつけよう/
公務員のための資産運用講座
公務員のための資産運用講座
ABOUT ME
行政情報ポータル
行政情報ポータル
あらゆる行政情報を分野別に構造化
行政情報ポータルは、「情報ストックの整理」「情報フローの整理」「実践的な情報発信」の3つのアクションにより、行政職員のロジック構築をサポートします。
記事URLをコピーしました