04 東京都

【東京都】東京都男女平等参画推進総合計画の改定

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はじめに

※本記事はAIが生成したものを加工して掲載しています。
※各施策についての理解の深度化や、政策立案のアイデア探しを目的にしています。
※生成AIの進化にあわせて作り直すため、ファクトチェックは今後行う予定です。
※掲載内容を使用する際は、各行政機関の公表資料を別途ご確認ください。

出典:東京都「東京都男女平等参画推進総合計画」令和8年度7月31日

エグゼクティブサマリー

 東京都男女平等参画推進総合計画とは、男女共同参画社会基本法に基づく都道府県男女共同参画計画と、東京都男女平等参画基本条例に基づく行動計画を兼ねる、都の男女平等参画政策の最上位計画です。東京都は2026年(令和8年)7月31日、東京都男女平等参画審議会の答申を踏まえてこの総合計画を改定したと発表しました。計画期間は令和8年度(2026年度)から令和12年度(2030年度)までの5年間で、女性活躍推進法に基づく「東京都女性活躍推進計画」と、配偶者暴力防止法に基づく「東京都配偶者暴力対策基本計画」を一体的に策定する構成は従来どおり維持されています。

 新計画は、「誰もが自らの生き方を性別にとらわれず選択できる社会」を基本理念に掲げ、4つのビジョンと8つの政策の柱で施策を体系化しました。ライフステージに応じた切れ目のない支援、雇用・就業分野における女性活躍の推進、意識の改革や環境整備、そして配偶者暴力対策です。特徴的なのは、女性活躍推進条例(東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例)の制定を踏まえて雇用・就業分野での女性活躍を重点化した点と、数値目標を充実させたうえで毎年度アクションプランを更新・公表し、第三者機関への報告と庁内フィードバックでPDCAサイクルを徹底するとした点です。策定に当たっては令和8年6月4日から7月3日まで意見募集が行われ、136件の意見が寄せられました。

 あわせて都は、率先行動として都庁職員向けの「男女平等参画の視点に基づく公的広報物ガイドライン」を策定しました。広報物の表現を一律に良し悪しで裁くのではなく、性別に関する固定的なイメージを助長していないかを制作の各段階で振り返るための考え方とチェックポイントを示すもので、特別区の広報実務にも直ちに応用できる内容です。区の男女共同参画計画や配偶者暴力対策、広報・様式の点検、そして事業主としての区役所自身の取組にどうつながるのか。以下で構造的に読み解きます。

意義:条例施行と国の計画改定が重なる節目の全面改定

「条例+計画」の二本柱になった東京都の女性活躍政策

 今回の改定の最大の文脈は、雇用・就業分野の女性活躍を推進する条例の存在です。都議会では2025年(令和7年)12月に「東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例」が可決・成立し、2026年7月から施行されたと報じられています。計画の概要でも、この条例の制定を踏まえて雇用・就業分野での女性活躍を重点化することが基本的な考え方の一つに明記されました。理念を掲げる基本条例(平成12年制定の東京都男女平等参画基本条例)に加えて、雇用・就業という具体の分野に踏み込む条例と、その実行計画としての総合計画が同じ時期に揃ったことで、都の女性活躍政策は「条例+計画」の二本柱で駆動する体制に入ったと言えます。

 行政計画の実務の観点では、条例と計画が接続されたことの意味は小さくありません。条例は議会の議決を経た規範として継続性を持ち、計画は数値目標と毎年度のアクションプランで進捗を管理します。首長や担当部署が交代しても取組が後戻りしにくい構造が、制度として組み上がったことになります。

国の第6次男女共同参画基本計画との接続

 国では2026年(令和8年)3月13日に第6次男女共同参画基本計画が閣議決定され、多様な幸せ(ウェルビーイング)の実現を掲げつつ、女性の所得向上・経済的自立や、ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤の形成などが打ち出されています。都道府県計画は国の基本計画を勘案して定めるものであり、今回の都計画改定は、国の第6次計画の決定から約4か月半後という早いタイミングで、これに呼応した形になります。雇用・就業分野の重点化や配偶者暴力対策の一体化は、国の計画が示す潮流と方向を同じくしており、都と国の計画サイクルがほぼ同期して動き出す節目と位置づけられます。

行政自身が変わる:公的広報物ガイドラインという率先行動

 今回の発表でもう一つ注目すべきは、計画本体と並んで「男女平等参画の視点に基づく公的広報物ガイドライン」が都の率先行動として策定されたことです。広報物は多くの人の目に触れるため、制作者が意図しない形で性別に関する固定的なイメージを助長してしまう可能性があります。ガイドラインは、個々の表現の良し悪しを一律に定めるのではなく、目的や文脈に応じてより適切な表現を検討するための考え方とチェックポイントを示す設計です。施策の対象を都民や企業に置くだけでなく、まず行政自身の情報発信を点検するという発想は、計画の本気度を示すシグナルとして読むことができます。

歴史・経過:条例制定から四半世紀の到達点

東京都男女平等参画基本条例と総合計画の系譜

 都の男女平等参画政策の骨格は、平成12年(2000年)に制定された東京都男女平等参画基本条例に遡ります。同条例に基づく行動計画として総合計画が策定・改定を重ねてきており、近年では平成29年(2017年)3月、令和4年(2022年)3月に改定版が策定されています。今回の令和8年7月改定はこれに続くもので、女性活躍推進計画と配偶者暴力対策基本計画を一体的に策定する枠組みを引き継ぎつつ、計画期間を令和8年度から令和12年度までの5年間と定めました。

 一体策定という形式には実務上の合理性があります。女性活躍の推進(女性活躍推進法)と配偶者暴力対策(配偶者暴力防止法)は、根拠法も所管も異なり得る分野ですが、「誰もが性別にかかわりなく個人として尊重される」という同じ理念の表裏です。安全・安心が確保されなければ活躍の前提が崩れ、経済的自立が進まなければ暴力からの離脱も難しくなります。二つの法定計画を総合計画に束ねる都の方式は、この相互依存を計画構造で表現したものと言えます。

今回の改定プロセス:審議会答申から意見募集136件まで

 改定は、東京都男女平等参画審議会での審議を起点に進みました。審議会は令和8年(2026年)4月に「東京都男女平等参画推進総合計画の改定に当たっての基本的考え方について」を答申し、都はこれを踏まえた素案について令和8年6月4日から7月3日まで意見募集を実施しました。寄せられた意見は136件で、意見に対する都の考え方と修正内容は生活文化局ホームページで公開されています。答申から素案、意見募集、決定までを年度前半で駆け抜ける速い工程であり、施行済みの条例や国の第6次計画との整合を早期に確保する狙いがうかがえます。

 推進体制の面では、数値目標を充実させるとともに、毎年度アクションプランを更新・公表して達成度合いを可視化し、第三者機関に報告して意見を庁内にフィードバックするPDCAサイクルの徹底が明記されました。計画を作って終わりにしない仕組みを、計画自身に書き込んだ形です。

現状データ:意識は前進、行動と構造に残る差

「女性が活躍できると思う」80.2%への上昇

 都の政策レビュー(2026年7月公表)によれば、「女性が活躍できると思う」都民の割合は2025年度に80.2%となり、2020年度の66.9%から13.3ポイント上昇して目標を達成しました。都内事業所に勤める男性の育業取得率も61.2%と、2015年の4.5%から大幅に上昇しています。企業への支援や気運醸成、法改正の後押しが重なった結果であり、意識と職場の入口は確実に変わりつつあります。

家庭内の時間配分:男女差はなお4時間19分

 一方で、家事・育児関連時間の男女差は4時間19分です。1時間以上縮小したとされるものの、2030年に2時間30分以下という目標には距離があります。家事・育児分担の満足度は70.4%へ7.3ポイント上昇しており、方向は前向きですが、時間の偏りという構造は残っています。また、事業主としての東京都自身についても、都職員の管理職に占める女性割合は18.4%と、30%への引き上げ目標に対して道半ばです。意識の変化を、家庭内の分担と組織の意思決定層の構成という「行動と構造」にどう波及させるかが、新計画期間の主戦場になります。

「らしさ」の情報発信:メディアから約5割が感じる

 公的広報物ガイドラインの背景として示された調査結果も重要です。都の令和7年度「男女平等参画に関する世論調査」では、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等のメディアから「男らしい」「女らしい」という情報発信を感じたことがある人が回答者の約5割に上りました。高校生を対象とした令和5年度の「無意識の思い込み」に関する実態調査でも、インターネット・SNSからそうした情報発信を感じたことがあると約4割が回答しています。こうした性別イメージの固定化につながる表現は、進路選択や職業選択をはじめとする将来の意思決定に一定の影響を与えるとされており、行政広報から率先して見直す根拠になっています。

新計画はいつから・何が変わる:基本情報の早わかり

 計画期間は令和8年度から令和12年度までの5年間で、既に始まっています。構成は、基本理念「誰もが自らの生き方を性別にとらわれず選択できる社会」の下に4つのビジョンを置き、8つの政策の柱で施策を展開します。ビジョン1は男女ともに自分らしく希望する生活ができる社会の実現(ライフステージに応じた切れ目のない支援、家庭・地域での活動支援)、ビジョン2は雇用・就業分野における女性活躍の推進(女性の選択肢の拡大、企業の持続的な成長)、ビジョン3は男女平等を阻む意識の改革や環境整備(広報・啓発活動、安心して暮らせる環境づくり)、ビジョン4は配偶者暴力対策(切れ目のない支援体制の整備、関係機関の連携・人材育成)です。計画全文は生活文化局ホームページで公開されており、毎年度のアクションプラン更新で進捗が可視化されていきます。

政策立案の示唆

この取組を行政が行う理由

意識の壁は単発事業では崩れない:計画による総合化

4つのビジョンと8つの柱がカバーする範囲の広さ

 男女平等参画の障壁は、家庭の分担、職場の慣行、教育・進路、地域活動、安全・安心と、生活のあらゆる場面に分散しています。単発の啓発イベントや個別の助成事業では、どこか一つを動かしても他の場面の慣性が引き戻してしまう。だからこそ、結婚・妊娠・出産・育児・介護等の応援からひとり親支援、女性経営者・起業家への支援、日本型の労働慣行の見直し、痴漢をはじめとした犯罪・迷惑行為の防止、女性防災人材の育成、そして配偶者暴力対策まで、8つの柱で面として施策を張る総合計画の形式に意味があります。行政計画の役割は、担当部署がばらばらに持つ事業を同じ理念と目標の下に束ね、抜け落ちる領域をなくすことにあります。

数値目標と毎年度アクションプランというPDCAの制度化

 新計画は、数値目標の充実と毎年度のアクションプラン更新・公表、第三者機関への報告とフィードバックを推進の仕組みとして明記しました。意識や実感を扱う政策分野は成果が見えにくく、取組が「やりっぱなし」になりやすい領域です。達成度合いを毎年度可視化し、外部の目を入れる設計は、この分野の計画としては踏み込んだ規律であり、都の2050東京戦略の政策レビューと同じ「目標-実績-次の一手」の型を分野計画にも適用するものと読めます。

安全・安心は活躍の前提:配偶者暴力対策の一体化

 配偶者暴力対策基本計画を総合計画に一体化させている構造は、単なる事務の合理化ではありません。暴力の被害は、就労の中断、経済的困窮、住まいの喪失を連鎖的に引き起こし、被害者の人生の選択肢を奪います。切れ目のない支援体制、多様な相談体制、安全な保護、自立生活再建の支援という柱7の流れは、ビジョン1〜3が目指す「自分らしい選択」の前提条件です。活躍支援と被害者支援を同じ計画で扱うことで、施策の谷間に人が落ちない設計を目指していると考えられます。

行政広報は社会の鏡:ガイドラインが示す自己点検の思想

 公的広報物ガイドラインは、視覚表現(人物の描写や役割が性別によって固定化されていないか)、言語表現(特定の性別を前提とした表現や、上下関係・優劣を感じさせる表現になっていないか)、制作過程(性別や立場の異なる複数の人が関わり多様な視点で確認しているか)の三つの観点で構成されています。重要なのは、これが表現の検閲リストではなく、「どのように受け取られる可能性があるか」を考えるための道具として設計されている点です。策定に関わった有識者からは、公的広報物が社会のあり方を映し出し人々に示す機能を持つこと、人物を描かない表現や性別欄の必要性の検討といった具体的提案を含むこと、他方で過度な配慮による萎縮や男女別統計の縮小を招かないよう制作過程に多様な視点を入れることが大切であり、作り手の心理的安全性の向上につながることを期待する、といった論点が示されています。攻めの表現規制ではなく、考える枠組みの提供という性格づけが、行政実務に馴染みやすいポイントです。

行政側の意図

条例の実効性確保と気運醸成の両輪

 都の意図は二層で読めます。第一に、施行された女性活躍推進条例を絵に描いた餅にしないための実行計画の整備です。雇用・就業分野の重点化と企業の持続的な成長という柱立ては、条例が動き出す初年度に計画側の受け皿を揃えるものです。第二に、気運醸成の全国展開です。都はこれまでの取組を「女性活躍の輪 Women in Action」(WA)として位置づけ、東京のみならず日本全体に女性活躍の輪を広げるとしています。人口の半分を占める女性の力を引き出すことを人口減少社会への対応として明確に語っており、福祉政策ではなく成長戦略・人材戦略として女性活躍を位置づける姿勢が読み取れます。

都庁自身の率先行動という発信

 広報物ガイドラインを「都の率先行動」と銘打ったことには、企業や区市町村に取組を求める前に自らを律するという順序の意識があります。都職員の女性管理職割合(18.4%)のような自組織の数字も計画の目標体系に含まれており、政策の対象と実施主体の両方で変化を示す構えです。

期待される効果

選択肢の拡大と経済・地域への波及

 進路・職業選択の幅が広がれば、人材の配置が個人の希望と適性に近づき、企業にとっては採用・定着の改善、地域にとっては担い手の増加につながります。家事・育児分担の偏りが緩和されれば、男性の育業・地域参加と女性の就業継続の双方が進み、共働き・共育てを前提とした生活設計が現実味を増します。配偶者暴力対策の強化は、被害の早期発見と自立支援を通じて、最も深刻な形で選択肢を奪われている人々の生活再建を支えます。

広報の質の向上という即効性のある変化

 ガイドラインの効果は比較的早く現れる可能性があります。都庁が発行する広報物は膨大であり、その表現が変われば都民が日常的に受け取るメッセージの総量が変わります。メディアやSNSから約5割・約4割が「らしさ」の発信を感じている現状に対し、少なくとも公的な発信からは固定的なイメージの再生産を減らしていく。これは予算規模によらず実行できる、費用対効果の高い施策です。

課題・次のステップ

実感指標の動かしにくさと中小企業への浸透

 「女性が活躍できると思う」割合が80.2%まで上昇した一方、家庭内の時間配分や意思決定層の構成といった構造指標はなお途上です。意識調査の数字と実際の行動変容の間には時差があり、新計画の数値目標がどこまで実勢を動かせるかは、毎年度のアクションプランの具体性に懸かっています。また、両立支援制度が利用しやすい組織風土の醸成や労働慣行の見直しは、人員に余裕のない中小企業ほど難しく、条例・計画の理念を中小企業の現場にどう届けるかが実装上の課題になります。相談・保護・自立支援を担う人材の確保・育成も、柱8に明記されたとおり継続的な投資が必要です。

毎年度アクションプランでの検証を注視する

 新計画の真価は、初回のアクションプランと第三者機関への報告でどこまで具体的な数値と工程が示されるかで測られます。計画期間の5年間は、国の第6次計画の期間とも重なります。国の施策(所得向上、リーダー層への登用、暴力対策の強化など)との連動がどの程度図られるかも、来年度以降の予算とあわせて確認すべきポイントです。

特別区への示唆

区の計画改定サイクルに都計画を接続する

指標体系を区版に翻訳する

 多くの区が男女共同参画に関する計画(行動計画・推進計画)と、配偶者暴力防止法に基づく区市町村基本計画を持ち、順次改定の時期を迎えます。都計画が令和8〜12年度で確定したことで、区の次期計画は都の4ビジョン・8柱と目標体系を参照しながら設計できるようになりました。「女性が活躍できると思う」割合、家事・育児関連時間の男女差、分担満足度といった都の指標を区民調査に引き写せば、都平均との比較で自区の位置を示すことができ、計画審議会や議会への説明力が上がります。改定を待たず、現行計画の中間見直しや毎年度の事業評価に都の新指標を取り込むことも可能です。

配偶者暴力対策は都と区の役割分担の再確認を

 配偶者暴力対策では、広域的な保護・専門支援を担う都と、住民に最も近い相談窓口・生活再建支援を担う区の連携が生命線です。都計画が切れ目のない支援体制と関係機関連携を柱に据えた今、区側では、相談体制の多様化(SNS等を含む)、住まい・就労・子供の就学まで含めた自立支援の伴走体制、そして人材育成について、都の新計画と自区の体制の対応関係を点検する好機です。福祉・住宅・子育て部門にまたがる庁内連携の設計こそ、区の計画に書き込むべき中身になります。

広報物ガイドラインは区の実務に今日から使える

広報・チラシ・様式の点検フレームとして

 都のガイドラインは都庁職員向けですが、視覚表現・言語表現・制作過程という三つの観点と「性別によって役割を決めていないか」「広報物全体で役割の割り当てに偏りがないか」というチェックポイントは、区の広報紙、事業チラシ、ホームページ、申請書様式にそのまま適用できます。人物を描かない表現の検討や、アンケート・申請書における性別欄の必要性の検討といった論点は、区の様式見直し・DX(申請書の簡素化)とも相性がよく、既存の業務改善に男女平等参画の視点を織り込む入口になります。

萎縮ではなく検討の習慣を根づかせる

 運用で注意すべきは、ガイドラインを禁止リストとして扱わないことです。都の設計思想は、目的や文脈に応じて表現を検討する習慣づくりにあり、有識者からも、過度な配慮で必要な情報発信や男女別統計まで避けてしまう事態への懸念が示されています。区で導入する場合も、チェックの形式化ではなく、制作過程に性別や立場の異なる複数の目を入れるという運用面の工夫を核に据えるのが、原義に忠実で現場も動きやすい進め方です。

事業主としての区役所:数字で語れる率先行動を

 都が都職員の女性管理職割合を計画目標に掲げたように、区も特定事業主行動計画の目標(女性管理職比率、男性職員の育業取得率など)を区民に見える形で発信する価値があります。区内事業者に両立支援や組織風土の改革を促す立場として、まず区役所自身の数字と改善の軌跡を示すことが、施策の説得力の土台になります。都内事業所の男性育業取得率が61.2%まで来た今、区役所の数字がそれを下回っていないかは、点検すべき分かりやすいベンチマークです。

地域施策との接続:女性防災人材と地域活動

 新計画には、女性防災人材の育成や地域活動への参画支援といった、区の得意領域と重なる項目が含まれています。避難所運営への女性の参画は災害時の生活環境の質を左右する実務課題であり、防災部門と男女平等参画部門の連携事業は、都計画の柱と区の地域防災計画の双方に位置づけられる「一石二鳥」の企画になります。町会・自治会やPTAなど地域の担い手の固定化に悩む区ほど、性別役割の見直しを地域活動の活性化策として設計する余地があります。

まとめ:計画を「読む」から「使う」へ

 今回の改定は、条例の施行、国の第6次計画の決定、そして都自身の政策レビューが示した到達点(意識の前進)と課題(行動・構造の残差)を、一つの計画に束ね直したものです。「誰もが自らの生き方を性別にとらわれず選択できる社会」という基本理念の下、4つのビジョンと8つの政策の柱、数値目標と毎年度アクションプランというPDCAの仕組み、そして公的広報物ガイドラインという率先行動が揃いました。

 特別区の職員にとって、この計画は都政の読み物ではなく、実務の道具です。区の計画改定の物差しとして、配偶者暴力対策の連携点検の契機として、広報・様式の見直しフレームとして、そして事業主としての自己点検のベンチマークとして、今日から使えます。もっとも、計画の効果は運用次第であり、意識と構造の変化には時間がかかります。毎年度のアクションプランと達成状況の公表を追いかけながら、都の動きに区の施策を重ねていく。その積み重ねが、5年後の令和12年度に数字で表れているかどうかを決めるはずです。


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