行政における事務職の役割(個人的見解)
masashi0025
目次
住民・議会への説明責任(アカウンタビリティ)
- 行政活動には多くの説明責任が伴い、行政側が正しいと考えている説明を行っても、場合によってはご理解を頂くことが困難な場合もあります。
- それもそのはずで、政治・行政を取り巻く主体は様々で、それぞれの立場による主張があるため、全ての行政活動には批判が伴うものと覚悟することが必要です。
- すなわち、全ての行政活動は、様々な主体にその取組・判断が最善であると説明できなければなりません。
- そこで重要となる考え方の一例をご紹介させて頂きます。
「客観的根拠に基づくロジック」と「行政意図(ストーリー)」
客観的根拠に基づくロジック
- 様々な主体にその取組・判断が最善であると説明していくには、まずは客観的根拠に基づくロジックが必要です。
- 行政への反論の中には主観的な主張もあり、客観的根拠を整理していれば、毅然とした態度で「現状の取組・判断が最善である」と言い切ることができます。
行政としての意図(説明ストーリーの構築)
- しかし、客観的根拠だけを述べていては、相手側の納得感を得られないこともあります。
- より多くの関係者に納得感のある説明をするには、行政としての意図(ストーリー)を整理することも必要となります(何が課題で、どのように改善策を講じ、それによりどのような事業効果を得られるのか等)。
マクロ(社会経済状況)とミクロ(現場)
マクロ(社会経済状況)の情報整理
- 客観的根拠の整理に当たっては、まずはマクロの状況を掴むことが大切です。
- マクロの状況を理解することで、わが国全体がどの方向に向かっているのか、また、自身の自治体が相対的にどのような立ち位置にいるのかを掴むことができ、ロジックに厚みが生まれます。
- 例えば・・・
- 我が国の社会経済状況などを理解し、全体的なトレンドを掴む
- 他自治体の状況などを理解し、自身の自治体の相対的な現在位置を掴む
- 自身の自治体の基本計画・方針などを理解し、自治体経営の方向性を掴む
- これにより、客観的根拠に基づいた妥当性のあるロジックを構築することができます(多くの場合、相手側の主張はそこまで練り上げられていないので、ここまで精査すれば理屈で負けることはほぼありません)。
- 必要なアクションとしては、「国の白書・計画・調査、新聞記事、東京都の計画・記者会見・プレス」などのチェックになりますが、この点については当サイトを活用して頂ければと思います。
ミクロ(現場)の情報整理
- あらゆる角度からの批判に耐えうるには、ミクロ(現場)の情報整理も欠かせません。
- 具体的には、住民や地域団体(町会・自治会、NPO、事業者等)などの状況を理解し、現場の実情を掴むことが非常に重要です(企画・財政等の内部管理部門は、現場の最前線にいる事業部門の意見を大事にしなければなりません)。
- これにより、現場の実情などに基づいた納得感のあるロジックの構築をすることができます。
最後に・・・
- マクロ(社会経済状況等)の状況をとらまえて、ミクロ(現場)の実情を抑えることができれば、あらゆる批判に対しても揺るぐことのないロジックを構築することができます。
- その実現に向けて、マクロ(社会経済状況等)については、当サイトを活用して頂くことで効率的に情報整理を行って頂くことができます。
- しかし、真に重要なのはミクロ(現場)の実情の方で、これはAI時代が到来しても、皆様でしか担うことができない領域であると確信しています。
- 完璧なロジックを構築できたとしても、最後は人間と人間のやり取りです。
- ロジックが整理されていることは前提として、最後は「この人が言うなら仕方ない」と相手側に思ってもらえるかが重要です。
- 特に、相手側の意向にそぐわない話である場合には、その過程において、どれだけ真摯に向き合ったかが問われます(これが真の「調整力」だと思います)。
- 繰り返しになりますが、ここは皆様でしか担えない領域です。
- 当サイトを効果的に活用して頂き、本来力を入れるべき領域に全力で取り組んで頂ける社会に一歩でも近づければと願っています。
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