masashi0025
1. インフルエンザの流行と救急搬送の増加
概要
- ニュース概要
都内のインフルエンザ患者報告数が定点医療機関あたり35.76人となり、4週連続で警報基準を超過している。また、救急車の出場件数も増加しており、11月の発熱等による搬送者数は前年同月比で2,500人以上増の約1万1千人に達した。知事は基本的な感染対策の徹底に加え、救急車を呼ぶか迷った際の「#7119」や「#8000」の活用を呼びかけた。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
医療提供体制の逼迫を防ぎ、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患保有者、受験生などの都民の健康を守るため。
- 具体的なアクション
手洗い・換気等の啓発、ワクチン接種の推奨、救急相談センター(#7119等)の周知徹底。
- 行政側の意図
年末年始のイベントや受験シーズンを控え、感染拡大を抑制すると同時に、救急車の適正利用を促進し、緊急性の高い事案への対応力を維持する。
- 期待される効果
感染者数のピークカット、重症化予防、および救急医療リソースの枯渇防止。
- 課題・次のステップ
変異株への継続的なモニタリングと、年末年始の医療機関休診期間における相談体制の確保。
- 特別区への示唆
区立学校や高齢者施設等における感染対策の再徹底が必要である。特に救急車の適正利用については、区報やSNS、防災無線等を通じて「#7119(救急相談センター)」や「#8000(子供の健康相談)」の利用を強く推奨し、地域医療の崩壊を防ぐ広報活動が求められる。また、区内のワクチン接種助成制度がある場合は、その周知も併せて行うべきである。
2. 災害時に備えた「潜在看護師等登録制度」の開始
概要
- ニュース概要
大規模災害や感染症まん延時に、避難所等で活動可能な「潜在看護師(資格はあるが現場を離れている看護師等)」を事前登録する制度を12月1日から開始した。登録者は有事の際に居住地の避難所や救護所での健康相談等に従事する想定で、研修受講者には「東京ポイント」が付与される。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
災害時には傷病者対応や避難所での健康管理ニーズが急増するため、既存の医療従事者だけでは不足するマンパワーを補完する必要があるため。
- 具体的なアクション
専用サイトでのオンライン登録受付、研修動画の提供、ポイント付与によるインセンティブ設計。
- 行政側の意図
地域に眠る医療資格保有者を「共助」の担い手として可視化し、災害関連死の防止や避難所環境の衛生保持につなげる。
- 期待される効果
発災直後の避難所における医療・介護ニーズへの迅速な対応と、避難生活の質(QOL)の維持。
- 課題・次のステップ
登録者数の確保と、平時における区市町村防災訓練への参加など、実効性のある連携体制の構築。
- 特別区への示唆
災害時、避難所の開設・運営主体は主に特別区となるため、この制度は極めて重要である。都の制度と連携し、区内の登録者がどこの避難所に配置されるか等の運用フローを確認しておく必要がある。また、区の広報媒体を活用して潜在看護師への登録を呼びかけることは、結果として自区の防災力向上に直結する。
3. 自転車利用推進イベントと国際連携
概要
- ニュース概要
12月7日にレインボーブリッジ等を走行する「レインボーライド2025」を開催し、関連イベントも実施する。また、ニューヨークで開催される世界最大級のライドイベント「Bike New York」とパートナーシップ協定を締結したことを発表。自転車利用環境の向上とイベントの相互発展を目指す。
政策立案への示唆
- この取組を行政が行う理由
環境負荷の少ない移動手段である自転車の利用促進を通じて、脱炭素社会の実現や都民の健康増進、都市の魅力向上を図るため。
- 具体的なアクション
大規模ライドイベントの開催、国際的な自転車イベントとの連携協定締結、スポーツ体験イベントの実施。
- 行政側の意図
自転車を単なる移動手段としてだけでなく、スポーツやレジャーとして楽しむ文化を定着させ、安全な利用環境整備への理解を深める。
- 期待される効果
自転車利用の機運醸成、観光資源としての活用、および交通ルール順守やマナー向上への意識啓発。
- 課題・次のステップ
イベント開催にとどまらず、日常的な自転車走行空間(ナビライン等)の整備や、シェアサイクルの利便性向上。
- 特別区への示唆
自転車活用は区民の生活に密着した課題である。都のイベントによる機運の高まりを活用し、区内の自転車走行レーンの整備やシェアサイクルポートの拡充、ヘルメット着用促進等の安全対策を加速させる好機となる。また、観光施策として区内名所を巡るルートマップの作成なども考えられる。
質疑応答(要約)
- 税制改正議論(地方税財源の偏在是正)について
国が東京都の税収(法人二税や固定資産税)を他の自治体へ再配分しようとする動きに対し、地方分権に逆行し、地方自治の根幹を否定するものであると強く反発。東京は少子化対策など国の先駆的な役割を果たしており、パイの奪い合いではなく、日本全体の成長戦略を議論すべきと主張した。
- 長期金利の上昇について
都も都債を発行している立場であるため、金利の動向や日銀総裁の発言等を今後も注視していく。
- 江戸東京博物館のリニューアルについて
来年3月のリニューアルオープンに向け、都が保有する空襲体験者の証言映像や実物資料を常設展示する準備を進めている。
- ふるさと納税制度について
返礼品競争が続く現状は「官製通販」であり、受益と負担という地方税の原則を歪めるものとして、制度のあり方に反対の姿勢を示した。
- 首都直下地震の被害想定について
経済被害想定が前回より減少したことについて、建物の耐震化・不燃化等の強靭化対策が進展している成果であるとの認識を示し、引き続き対策に全力を尽くすと述べた。
出典
小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和7年12月5日)
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